不健全鎮守府   作:犬魚

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面接回の後半戦ですって

【登場人物】

Ташкент
Ташкент級の1番艦、革命軍の新たな革命戦士、わりとデカい

Gambier Bay
Casablanca級19番艦軽空母、ワガママおっぱい

Intrepid
Essex級5番艦正規空母、あの加賀パイセンにも迫る搭載数を誇るメジャーからの刺客、実家はアイダホ




続続続続続・提督と新人と面接②

さて、戦慄の英国駆逐艦ジャーヴィスくんを引き取らせるべく田舎騎士を呼び出し、さっさと退室願ったワケだが…

 

「ロリコンのペド野郎」

 

「ロリコンのペド野郎じゃない、提督だ」

 

青髪ロング子の冷静で的確な俺への死体蹴りにこちらも負けじと冷静で的確に反撃し、とりあえず俺たちは互いに落ちつくべく麦茶を飲んだ…

 

「で〜…?次は誰だ?またクソガキ様か?」

 

「さぁ?クソガキ様どうかは知りませんが、次の予定は旧ソからの刺客ですね、たしか」

 

「旧ソか…」

 

なんだ、革命軍か…よし、テキトーに話を合わせてさっさとガングートにでも引き取って貰おう、今夜はマーマのボルシチよとか言ったらさっさと出て行くだろ、たぶん

 

「では改めまして……次の方どうぞー」

 

五月雨の次の方どうぞコールから3秒、執務室の扉が勢い良く開き、いかにも北の方から来たであろうファッションをしたヤツが入って来た…

 

「Здравствуйте!嚮導駆逐艦、タシュケント、はるばる来てみたよ!同志提督!」

 

「…え?ナニ?駆逐艦なの?君?」

 

「駆逐艦だよ」

 

そうか、駆逐艦か……なるほど、駆逐艦にしてはややデカい気もするが、うん、まぁ、駆逐艦なんだろうな、本人がそう言ってるし

 

「よろしく頼むよ!同志テイトクー!」

 

そしてアレだ、また俺は何もしてないのに同志認定だよ、意味わかんねーよ、ガングートといい……いつから俺は東側になったのだろうか?

 

「ここには同志ガングートも居るらしいね!」

 

「あぁ、毎日資本主義のブタどもを根絶やしにする革命的アイデアを同志達とアツく話し合っているぞ」

 

「それは楽しみだよ、ところでテイトクー…1ついいかな?」

 

「なんだ?」

 

ニコニコと笑うタシュケントくんは、にーん!とか言いながら背中から鉄パイプのような金属バットをスルスルと取り出し……

 

「ウルアァァァァァァァ!!」

 

「ハァ!?」

 

ブンッッッ!!(殺人フルスイング)

 

な、なんだコイツー!!顔…っ!俺の顔めがけて思い切りフルスイングをしてきやがったァァァァァ!!と…とうとう俺のタマ狙う暗殺者が!K●Bの刺客が来てしまったのかッッ!?

 

「あ、避けたね」

 

「よ…避けるわァァァァ!!殺す気かテメェェェェェ!!」

 

「うんうん……今のを避けるとは、常に暗殺に警戒する心構え!さすがは同志ガングートが認める革命軍参謀総長だよ!いいね!」

 

タシュケントくんはさすが同志だよと言って俺の手を握りブンブン振って親愛のハグを敢行してきた、うぅぅむ…なるほど、自称駆逐艦にしてはなかなかのモノをお持ちらしい…

 

「うんうん、共に資本主義のブタども根絶やしにしようよ!同志テイトクー」

 

ーーー

 

新たに加わったアツかりし革命戦士タシュケントくんが退室し、残る面接はあと2名…

 

「ここまで濃いヤツだらけだな…」

 

「えぇ、かなり」

 

特に、外人枠の濃さがパない…既に俺は疲れきっている、これ以上の濃厚さは身体に悪いどころでは済まない気がするのだが…

 

「次の方どうぞー」

 

息つく間のない連戦、次なる刺客は西の超大国から来た一際目を引くワガママバスト!そう……ワガママバストOK!

これだよ!提督はこーゆーのを待っていたんだ!

 

「It's a pleasure to meet you、ワタシ、護衛空母Gambier Bayです」

 

「OKガンビアくん!OK!ようこそ我が基地へ!提督は君を歓迎するのだよ!」

 

「ふえっ!?あ…はい、ど…どうも」

 

俺はとりあえずガンビアくんに座ってどうぞと着席を促し、五月雨に彼女にティーを!極上のティーを……あ、それと冷蔵庫にティラミスが入っていたのでそれも出してあげなさいと伝えた…

 

「え〜…と、ガンビアくんは護衛空母………と言ったかね?」

 

「あ、はい…正直なところ、あまり役に立てる自信とかは…ちょっと」

 

「ハッハッハ、正直で結構!」

 

たしかに、手元の書類には2スロットしかありまセーンとか残念な事が書いてあるが、もしこれがガンビアくんではなかったら即ダブルアームスープレックスに処していただろう……俺はガンビアくんのデスバレーにデスバレーボムしたい衝動に駆られたが、グッと我慢した

 

「ハッハッハ、とりあえずガンビアくんはファームで鍛えてからになると思うが、頑張ってくれたまえ」

 

「あ…はい」

 

しかし随分と謙虚な娘だな、今までのあの国から来た奴らはたしかにガンビアくんに負けず劣らずのワガママバストの持ち主だが、アイオワもサラトガもどちらかと言えば陽気なアメリカンでバストも自信もメジャー級なんだがな…

 

「ま、ガンビアくんには期待しているのだよ」

 

俺は気さくなナイスガイらしく、ガンビアくんの肩をフレンドリーに叩いた………

 

「Fuck!!気安く触るんじゃないですサルがーッ!!」

 

「えっ!?」

 

ガンビアくんは恐ろしい剣幕で俺の手をはたき、ギリギリと歯ぎしりして睨みつけてきた

 

「え……?えぇ〜…?え?ナニ?ガンビアくん?」

 

「フーーンフ フーーンフーーーンフーーーーンフーーン…フーーーンフフーーーーンフーーーーンフーーーーンフーーン♪」

 

ガンビアくんは鼻歌を歌いながらゆらりと立ち上がり、胸の谷間からゴツい拳銃を取り出した

 

「…すいまセーン……ワタシ、ウソついてまーしたー……日本食とか反吐が出るほど嫌いデース、ワタシの国ではみんなハンバーガーとバーベキューしか食べませーん…着物?あんなゴツゴツした布キレありえまセーン…ワタシの国では夜寝る時は………裸にGパンだって決まってマース…この紙と木だらけの建築も気が滅入りマース…自然と共存?クソくらえデース………ワタシの国ではホームランが打ちたかったら薬物とコルクバット使いマース」

 

えー………なにこの娘、超アレなんですけど?超愛国心ある感じのアレなんですけど…

 

「あと、寝る時はコイツが枕元にないと眠れまセーン…」

 

そう言ってガンビアくんは取り出した拳銃をペロリと舐めて凶暴な愛国スマイルを浮かべた…

 

「そもそもmonkeyがニンゲンに敵うわけがありまセーン……ワタシにとって、Admiralはmonkeyなのデース…」

 

「オイ五月雨、コイツなんかヤベーぞ!」

 

「えぇ、やっぱりワリと濃い人でしたね」

 

「濃いで済ますな!濃いで!とんでもない濃厚だよ!」

 

なんてこった!クソったれ!まったく…おっぱいには気をつけろよ、ってな!!

 

ーーー

 

良くも悪くも、見た目通りの強烈なワガママおっぱいのガンビアくんが退室し、残すは今回の新人界最後の刺客…ッ!

 

「よし、これ終わったらメシでも食いに行くか、サミー、ついて参れ」

 

「はぁ、別に構いませんが……何にしますか?私、肉って気分ではないですが」

 

「ふむ、奇遇だな…私も同じ事を考えていたところだ、サミダリューン…卿の考えを聞こう」

 

「そうですね………回転寿司、とかどうですか?あと、五月雨です」

 

「…ふむ、よかろう、卿の意見を是とする」

 

こやつめ、互いの気分を合わせて総合的に判断し実に的確な解を述べよるわい…

本日のディナーが決まったところで、本日最後の面接を行うべく、五月雨が次の方どうぞーと声をかけると、ノック音の後に執務室の扉が普通に開き、最後の刺客が入って来た…

 

「Hi! Essex class航空母艦5番艦、Intrepidよ」

 

「Oh…え〜…いん?イント?」

 

「Intrepid」

 

「OKOK!イントレピッドくんね、OK」

 

俺はとりあえず、まぁ座ってと着席を促すと、イントレピッドくんは小さく頭を下げて椅子に着席した…

なんだろうな……今までのあの国から来たバリバリのメジャーリーガーとは違う印象を受けるが、それでいてメジャーを思わせる風格を感じずにはいられないのだよ

 

「えー…イントレピッドくんは、え〜…アレかね?アイダホ出身かね?」

 

「え?えぇ、住まいはマンハッタンですけど、実家はアイダホですネ」

 

やはりそうか、おそらくは大規模ポテト農家でも営んでいるカントリーファーマーだろう…

俺は手元の資料を眺めてイントレピッドくんの性能について確認する……ゲェーッ!こ、コイツ!あの加賀にも迫る搭載数か、すげぇな…

 

「ふむふむ…性能は申し分ない、君ならすぐに一軍登用だろう」

 

「マァ!ありがとうございます!頑張りますネ!」

 

「ハッハッハ、何か困った事があれば同郷のセンパイにでも相談するといい」

 

…しかもなんかすげー普通だぞ、なんと言うか、最後の最後で今日一番の普通、唯一無二のまともな人材な気がするな

 

「はい、あ、ソーダ!Admiral、よければ今度ワタシのCollectionでも見に来て下さい」

 

「コレクション…?ほぉ、イントレピッドくんは何か集めているのかね?」

 

「えぇ、AircraftのPlastic Modelです」

 

「ほぉ、それはなかなか良い趣味だ、是非一度見させて貰おうか…」

 

ーーー

 

最後の最後にようやくまともな人材が来た春の面接会も終わり、俺は五月雨の淹れたクソマズコーヒーを飲みながらひと息入れて背中を伸ばした…

 

「相変わらずお前の淹れるコーヒーはマズいな」

 

「失礼な」

 

マズいものをマズいと言える大人になりなさいとおばあちゃんに言われて育った大人である俺には仕方のないコトだ、ちなみに、おばあちゃんがたまに淹れてくれたコーヒーもマズかったが…

 

「…よし、寿司食いに行くか、寿司、回るやつ」

 

「そうですね、回るやつ」




次回からは通常回、鈴谷が遊びにきましたよ!

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