不健全鎮守府   作:犬魚

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ルートが分岐したアナザーディメンション3回目、ダラっと二本立て

【ナイスガッツ!ナイスラン!】
【MOW-THE LAST-】

ですって!


提督とルート分岐のエンディング ③

【ナイスガッツ!ナイスラン!】

 

かつて、戦争があった…

人類と深海棲艦最後の頂上戦争から早数年、深海棲艦のヘッドは打ち倒され、頭を失った深海棲艦達は瓦解し、その多くは海へと帰って行き、二度と姿を見せる事はなかった…

 

「テイトク、ちょっと相談あるんだけどー」

 

「テイトクじゃない、トレーナーだ」

 

“いつか来る日の為に”…

もし、再び深海棲艦のような人類に敵意を持つ敵が出現する事もあるやもしれない、そんな思想の下、海軍は軍縮と同時に新たなる新世代正義艦娘育成にも着手していた…

 

海軍将校をクビになった俺は長良姉妹が作った民間の新世代正義艦娘育成機関“ナイスガッツ長良塾”通称、ヘ●クレスファクトリーにてトレーナーとして再就職した

 

「いや、だからこのプログラム、ヤバいでしょ?ちょっとテイトクからも長良姉に言ってやってよ」

 

「ムリだろ」

 

五十鈴パイセンはこんなムチャやってるから人が集まらないのよバカじゃない?なに?バカじゃない?とトレー二ングプログラムの書かれた書類をバシバシ叩きながら俺に文句言ってくるが、俺は悪くない

むしろ、今も窓の外から長良主将のアツいナイスガッツ成分を含んだもっとアツくなれよ!もっともっとアツくなれるだろ!とアツいナイスガッツが聞こえてくるがいつもの事だ…

 

「ハァ…やっぱムリ?」

 

「ムリだろ」

 

軍在籍時、五十鈴とは姉妹の愚痴をぐちぐち聞き、チームの話をぐちぐち聞き、たまに飲みに行ってはぐちぐち聞いていたが、ぐちぐちぐちぐちうるせーよ!もうウンザリだよ!と言っていたらいつの間にやらベッドの中でぐちぐち聞くようになっていた…

まぁ、なんやかんやあったが五十鈴は自認するだけあっておっぱいデカくて可愛い、そう……おっぱいデカい、なんだこれ!すげェ!モチモチじゃねーの?ってぐらいデカい

 

「ったく、長良姉におとなしくしろってのがそもそものムリなのよ、ムリ」

 

「まぁ、最初からわかってたがな」

 

長良塾の代表である長良主将だが、その、持ち前のナイスガッツを止める事は誰にもできず、代表自ら今もアツい汗を流しながらアツくなれよ!と明日のナイスガッツメイト達とアツいナイスガッツトレーニングをしており、会社経営とかそーゆー小難しいのはアツくなればなんとかなる!と言っており、長良塾の会社経営自体は姉妹の四女に…

 

「ノックしてもしもーし?提督さんいるー?」

 

「あ?」

 

「ナニ?由良じゃない、何かあったの?」

 

トレーナー室の扉をコンコンと叩き、ダークグレーのレディーススーツを着こなす髪の長いの………長良姉妹の四女、由良さんがビニール袋片手にゆらっとやって来た

 

「ナニって?別に、由良は提督が苦しむ顔を見たくて来たんだけど?あ、そうそう、ついでにアイス買ってきたよ、アイス食べる?」

 

「なんでナチュラルに俺が苦しむ顔見に来るのだよ、とんだドSなのだよ」

 

由良さんはビニール袋からバニラバーを1本取り出し、袋を破ると、ほら、冷たい内に?ね?と言いながら俺の口にBUSSAしてきた…

 

「ウゲェ!!」

 

「ちょっと由良、五十鈴のぶんは?」

 

「好きなの食べれば?」

 

由良さんは俺の口から引き抜いたバニラバーをベロベロと舐め、五十鈴にナニそのおっぱい?もしかしてパイ●リ専用?とディスりつつビニール袋を差し出した、っーか仲悪いなコイツら…

 

「そうそう、キヌとアブー見なかった?あの子達、今週末までに中学生以下にニホン記録タイで泳げる子作れって言っといたんだけど?由良の広告戦略台無しにするつもりかしら?ね?」

 

「ムチャゆーな」

 

「鬼怒と阿武隈なら有給取って温泉行ったわよ、ったく…あの子らも少しはアンタから離れてリフレッシュが必要だわ、ノイローゼ寸前だったわよ」

 

「ふ〜ん」

 

朝、青ざめた顔した鬼怒と阿武隈が有給くださいと言ってトランクに夢を詰め込んで出掛けたが………やはり原因はこの白髪鬼だったか

 

「ま、いいけど…」

 

由良さんは大して気にした様子もなく新たにチューチューアイスを取り出し、片手で2本にへし折って1本を俺の口にブッ挿し、もう1本をチューチューガリガリと食べ始めた

この元、髪長軽巡こと由良さんは一応姉妹の中では一番会社経営などに向いていたらしく、長良主将と五十鈴は小難しい事を嫌い、名取クンは経営とか無理ですと辞退、鬼怒と阿武隈は由良さんには逆らえない完全なる姉妹の隷奴関係にあるので現状、由良さんが会社のトップと言えるのだが…

 

「じゃ、プランAに変えよっかな…ね?どうかな?提督さん?」

 

「その、プランAがなんなのかよくわからんが…あと、俺は提督じゃない、トレーナーだ」

 

「ってか由良、アンタさっきからウチのダンナに馴れ馴れしすぎなんだけど?ナニ?ケンカ売ってんの?」

 

「別にいいじゃない?五十鈴姉ェのモノなら由良のモノも同然じゃない?ね?あれよ、和菓子の師は和菓子って、ね?」

 

「いいワケないでしょ、ったく…」

 

「いいじゃない?ね?あ、そーだ、提督さん、NTRごっこしない?NTRごっこ、提督さんがイヤがりながらも由良に逆らえずにされるとこを五十鈴姉ェに見せつけるとか?ね?」

 

「とんだドSなのだよ、ちょっとおたくの妹さんどうなの?五十鈴パイセン」

 

「我が妹ながらとんだドSよ、知ってるけど」

 

…だが、個人的には由良さんではなく名取クンならトレーナーの精を注ぎたいかもしれんな、できれば更衣室とか物陰とかで、あ、そーだ、名取クンもよく考えたら俺の義妹的なモンだし、今度ひと気のないプールにでも呼び出して…

 

「あ、由良知ってる、この顔の提督さんは背徳的にブチ込む妄想してる顔ね」

 

「そうなの?ちょっと後で説教するわ」

 

 

……後に、新世代の五輪戦士を多く輩出する事になるナイスガッツ長良塾、その後、ここはヘラク●スではなく、デーモンファクトリーと呼ばれ、数多くの悪魔的強さを持つナイスガッツスポーティーメイト達を作り上げ、スポーティーメイト界ではそれなりの規模の会社として成功した

 

 

おわり

 

 

■□■□■□■□■□

 

【MOW-THE LAST】

 

かつて、戦争があった…

人類と深海棲艦の戦争は深海棲艦達の本拠地で繰り広げられる戦いに、1人、また1人と倒れる仲間達の意志を継ぎ、遂に辿り着いたその場所には水槽に入った脳だった!!全てを知り、全てを悟り、そして全てに絶望した艦娘達だったが、ある艦娘だけは違った………決して希望は捨てない、この閉じ込められた世界と歪みをその拳で撃ち抜いたのだった…

 

そして、数年の時が過ぎた…

 

「なんともチンケな街じゃのぉ〜」

 

「かつて闇社会のBOSSがこの街を根城にしていたらしいが、ククッ…今や見る影もねぇ」

 

「ゲッヘッヘッヘ、ナニが“伝説の狼”だ、仮にそんなヤローが居たにしてもこのオレの敵じゃねぇぜ」

 

南街商店街(サ●スタウン)に現れた腕自慢のゴロツキ達はゲッヘッヘッヘとザコ特有の下卑た笑いをしながら近くにあったカフェテリアに入り、ザコ特有の早く酒を持って来いだのねーちゃんイイ尻してるじゃねーかと言いながらやりたい放題していた…

 

「アナタ達って本当に最低のクズね!」

 

「ゲッヘッヘッヘ、随分とイキのねーちゃんじゃねーか!なぁ!」

 

「まったくだぜ!」

 

カフェテリアで店員とそんなザコ特有のやり取りがされる中、カフェテリアのオシャレな木の扉を開き、新たな客が入って来てカウンターに座った…

 

「とりあえずナマ」

 

とりあえずナマを注文するとフーッと大きくため息を吐くいたその新たなる客に、ゴロツキ達はザコ特有のノシノシ歩きでカウンターに座った客に絡んできた

 

「ゲッヘッヘッヘ、オイオイオイ、ネーちゃんもなかなかハクいじゃねーか?どっから来たんだァ?」

 

「オレらと飲もうじゃねぇか!ゲハハハハ!」

 

「………息が臭いわね」

 

「あ?」

 

「息が臭いって言ったのよ、いつからこの店はケダモノの入店を許すようになったのかしら?」

 

カウンターの向こうに立つ男は少し困った顔をしたものの、肩をすくめただけでグラスを磨く手を止めず、女の方はゴロツキAの腕を掴み…

 

「ウゲェ!!イデ!イデデデデ!!て、テメー!ナニしやがる!」

 

「あら?このブタは喋るのかしら?」

 

「なんだとォ!!ナメやがってこのアマァ!痛い目見ねぇとワカらねぇみたいだなー!オイ!やるぞォ!」

 

「まったく………このも治安が悪くなったものね」

 

◆◆◆

 

「ゲッ!ゲェーッ!!そのマークはーッ!ま、まさか……まさか!アンタが伝説の…っ!?ひ、ヒイィィィィィ!」

 

…ゴロツキ達はザコ特有の転がり方でカフェテリアから転がりながらダッシュで逃げ出し、カウンターに座り直した女………伝説と呼ばれた狼、足柄はとりあえずもう一杯貰おうかしら?とカウンターに立つ俺にウィンクした…

 

「イイ歳こいてキモいんだよ」

 

「誰がキモいよ、ブッとばすわよ」

 

足柄は俺からグラスを受け取ると、カフェのカンバン娘である霞や、同じく店員のキヨシやアサシらにただいまと言ってその再会を喜んだ…

 

海軍が解体され、俺は足柄と礼号組のアホどもと退職金を元手にこの南街商店街(サ●スタウン)でカフェを始めた、しかし、ある日、足柄は謎の招待状を受け取ると“どうしてもケリを付けなきゃならねーな”と言い残し、俺にカフェの経営とアホガキどもを押し付けて旅に出た………そして

 

「で?終わったのか?」

 

「えぇ、終わったわ…」

 

「そうか………なら明日からお前、店に出ろ」

 

「え?イヤよ、ちょっと休息してもよくない?」

 

足柄はヘラヘラ笑いながらいやぁ〜テイトクがこの子らの面倒見てくれてマジ助かったわーとか言ってテーブルをバシバシ叩き、もう一杯!と言ってグラスを俺に押し付ける

 

「ブッとばすぞテメー、だいたいなんだテメーは?急にフラッと居なくなりやがって、しかもクソガキどもを押し付けてだぁ?誰が授業参観だの家庭訪問だの運動会のお弁当だのこなしてやったと思ってたんだ?あぁ?」

 

「それに今年のキヨシの誕生日にはケーキ作ってくれたんだぜ!」

 

「デカいの!」

 

「まったく!ホントにクズなんだから!」

 

礼号キッズのアホガキどもはキャッキャとハシャぎながら足柄にまとわりつき、明日はデパートに行こうぜだのハンバーグ食いてーだの言いたい放題言ってやがるし…

 

「へ、へぇ〜……?意外とやるじゃない?」

 

「やかましい、とにかく明日から真面目に働けよ、子持ち処女」

 

「ハァ!?なんですって!?」

 

 

伝説の狼の伝説はまだ終わらない、いつの日か、そう、いつの日かまた狼はその滾る血に従ってアツい拳で一つで何かを成し、そして再びここへ帰ってくるだろう……そう、この澱んだ街角、南街商店街(サ●スタウン)に…ッ!

 

 

おわり





次回もたぶん二本立て

【夕張と絶望の未来編】
【156㎝の恋人?】

の二本、じゃんけんニョロ!ウフフフー



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