不健全鎮守府   作:犬魚

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言ったモン勝ちターン制バトル

【登場人物】

提督(いいこと思いついた)
男は度胸、女は愛嬌…………そんなふうに考えていた時期が、俺にもありました

Jervis(英国淑女、たぶん)
前回が山風のターンだったせいか、今回はジャーヴィスのターン、インハイは殺す気で投げるスタイル



提督とJervisとアンラッキーでい

今日も絶賛アツかりし猛暑日、こまめに水分補給するせいか、それともただのハル●ケアが必要な歳頃なのか、トイレトイレと呟きつつ便所へ急行していると、何者かが声をかけてきた…

 

「ヘイ!Darling、ズイブンとオイソ・ギーみたいネー…」

 

廊下の壁に背中を預け、自信ありげに立っているのは英国から来た小さなロイヤル刺客、自称ラッキー・ジャーヴィスことロイヤル駆逐艦、ジャーヴィスくんだった…

 

「ジャーヴィスくんか…」

 

正直、提督としてはこのロイヤル小娘は苦手な部類なんだが……むしろ、今はこのジャーヴィスくんの相手をしている暇も余裕も無いのだよ

 

「すまんが提督は急いでいるのでな、話はまた今度にしてくれないかね?」

 

「ちょ、ちょっと!ちょっと!待っテ!待っテ!ね?ちょっとだけJervisとオシャベリしまショー?」

 

「いや、すまんが提督は…」

 

「ホント待って!ホント!」

 

ジャーヴィスくんはホント待って!と言いながら廊下を通過しようとした俺の袖を掴み、俺の走行を妨げてきた…ッ!!こ……このガキ!このガキが“あの御方”の……高貴なる女王陛下が可愛いがっておられるロイヤルな駆逐艦でなければ今すぐその小さな身体を掴み上げて大雪山落としを敢行し、背中を痛めつけてやるところだが……

このロイヤル駆逐艦を痛めつける事は陛下の逆鱗に触れる事、つまりは第三次世界大戦の幕開けとなるやもしれんコトから提督としてはこの子への対応には細心の注意を払わねばならない…

 

「ホンのチョット!ホンのチョッ・トーでいいカラ!」

 

「…わかった、手短に用件を言いたまえ、手短に」

 

「ヨーケン?え…?あー………ウン、ヨーケンネ、ヨーケン!」

 

ジャーヴィスくんは妙に歯切れが悪くモジモジしており、いつもならダリーダリー言ってキャッキャとまとわりついてくるのだが……今日はまた新しいパターンか?

 

「ニ……ニホンのナツってアツいよネー!Jervisこんなアツいなんて知らなかったネー!」

 

「そうか、まぁ今年は特に暑いしな…しっかりと水分補給したまえよ」

 

「す…スイブーン!?え、えぇ…!し…シッカ・リーとネ!」

 

ジャーヴィスくんは新たなパターンでモジモ・ジーしつつ手を叩き、いつものバカヅラでアハ、アハハハーと笑っている

 

「では提督はこれで…」

 

「チョ!チョット!待っテ!チョット待っテー!待っテDarling!待っテ!!」

 

チッ!うるせぇなこのガキがァ…どんだけ提督に用事があるんだよコノヤロー、俺はトイレに行きたくて行きたくて仕方ないってのによォ〜…このままじゃ俺の膀胱が破裂しちまい………ん?

 

「ナ……ナニ?Darling…?」

 

そう言えば、さっきからこのジャーヴィスくんはずっとモジモジしてるな、そう…なんと言うか、アレだ、妙に内股気味に見えるな、これはそう……アレだ、たまに明石がションベン我慢してる時に見せるアレによく似ているようは…

 

「もしかしてジャーヴィスくん………催していないかね?」

 

「も…もよお?」

 

「まぁ、平たく言えばおしっこ我慢してるのでは…?」

 

「し!?シシシシ!シテナイヨー?」

 

ジャーヴィスくんはどう見ても挙動不振に目を逸らし、下手くそな口笛をビュービュー吹きながらソンナコトナイヨーと言っているが…………嘘下手かッ!!嘘下手すぎかこの子ッ!おそらく今、ジャーヴィスくんの頬を伝う汗を舐めれば“嘘”の“味”がするだろう

 

「ビュー♪ビュー♪」

 

そして提督は同時にこう考える、おそらく、ジャーヴィスくんのロイヤルダムは最早決壊寸前、既に一歩も動けない状態なのだろう……一歩でも動けばロイヤルダムの封印は解かれ、ロイヤルおもらしと言う名の惨劇の幕が上がり、ロイヤル屈辱とロイヤル恥辱に塗れ、洗面所で誰も来ない事を確認しつつロイヤルパンツ洗いをしつつ一人、ロイヤル涙を流しながら一日を過ごすのは確実であろう…

 

「シテナイヨー?」

 

「そうか、まぁ、ジャーヴィスくんがそう言うならそうなのだろう…」

 

「そ、ソウ!ソウネー!」

 

ナリは小さくとも流石は誇り高き英国淑女、ジャーヴィスくん…

英国淑女の誇りに賭けて間違ってもションベン漏れそうだぜーッ!など淑女的でない発言はしない事に提督は感動すら覚えるのだよ…

 

「そうか、じゃ、提督はこれで…」

 

そんな英国淑女に恥をかかせまいと、俺はCOOLにその場を去ろうと右手を上げて立ち去ろうとすると、ジャーヴィスくんが全力で俺の腕にしがみついてきた…ッ!!

 

「ま、待っテ!!Darling!!待っテー!!オシッコ!!オシッコ漏れそうなノー!!Jervisモーゲンカ・イーなノー!!オネガイ!Darling!!お…おぶって!JervisをRestroomに連れテッテー!!」

 

………前言撤回、ここには淑女など居なかった

 

「は…離したまえ!離したまえジャーヴィスくん!ダ…ダメだぞジャーヴィスくん、女の子がおしっこ漏れそうなど声を大にするのは…!」

 

「モー無理!!モー無理!タスケテ!!タスケテDarling!」

 

ジャーヴィスくん曰く、暑いからって朝からジュースをガブガブ飲み、昼はマミーヤで大盛りカキ・ゴー・リーなどバカスカ食べた結果、そのツケが今、まさにやってきたらしい…

 

「う……ぅぅ…」ブルブル…

 

 

『コラ、Jervis!ご飯の時はジュースを飲むんじゃない、この間約束しただろう?」

 

『ハァ?ったく、Arkはイチイチうるさいのよ、イチイ・チー、ArkはアタシのMumかっーの、ブハァ!!うんめー!』

 

 

「う……ぅぅ……ぅ」ブルブル…

 

どうやら身に覚えのありすぎるジャーヴィスくんだが、英国淑女として最後のPRIDEがそのダムを守っているらしい…

しかし英国淑女と言えどやはりジャーヴィスくんは子供、もし仮に、これが誇り高き女騎士のアークロイヤルならばおもらしするぐらいならば、クッ!殺せ!と言って無意味な抵抗を示したに違いない…

 

「しかしジャーヴィスくん」

 

「ナ…ナニ?」

 

「実は提督も小便がしたくてね、トイレに向かっている最中なのだよ」

 

「ホント!?」

 

「あぁ、だが……提督が向かう先は提督専用である男子便所であり、ジャーヴィスくんの行きたい女子便所は反対方向にあるのだよ」

 

そう、執務棟にトイレはあるが、建物の構造上、男子便所と女子便所は離れたところに作られている!!これは、圧倒的女子率を誇る海軍基地の都合上、男女の便所が同じ場所にあると入り口付近で提督がウロウロしていたら謂れなき誤解を受けかねないと考えられた環境と提督に優しい建築構造になっているのだ…!

 

「………じゃ、じゃあ……Jervisも、Darlingと同じトコでいい!」

 

「ハアアァァァァ!?」

 

な…ナニ言ってんだこの子は…ッ!しょ…正気なのか!?

 

「バ…バカを言っちゃいかんよジャーヴィスくん、うん、バカを言っちゃ…」

 

「イイノッ!!ベツにDarlingがアタシのオシッコの音聞いててもガマンする…っ!」

 

「いや、聞かないけどな!!普通に聞かないよ!?」

 

「あ、そ…それとモ、Darlingがアタシを持ちあげ・テー、その…Pee poseテキな…?ヤダ!ソレはチョット恥ずか・シーケド………ウン、でもDarlingナラ…」

 

ナニ言ってんのこの子ォォォ!!ダ…ダメだコイツ、最早おもらし寸前で正常な判断力が無くなっているのか!?

 

「ま、まぁまぁ!!まぁ待ちたまえジャーヴィスくん!落ち着きたまえ!な?」

 

「ヤダ!!モー!無理…っ!モーこれ以上無理…っ!」

 

なんてヤツだ……クッ!これがアークロイヤルなら“クソッ!私の小便する姿を…ッ!?そんな辱めを受けるなら…クッ!殺せ!”と言うに違いない、いや………意外といいなコレ、今度明石にやらせるか、アイツならちょっと金払えばやるな、たぶん

 

「あ……あああぁぁ……Darling、ヤバイ、ホント、ゃばぃ…」

 

いかん!ジャーヴィスくんが本格的にプルプルしてきた!ど…どうすればいい?俺は一体どうしたら!?このままではジャーヴィスくんはこの場でおもらし確実ぅ!英国淑女のPRIDEはズタズタ!いつも元気で明るかったあの子が急にヒキコモ・リーになり、心配した陛下がその理由をジャーヴィスに聞き、俺がトイレに連れていかなった事が判明し陛下大激怒→第三次世界大戦勃発→ギロ●ンの音、もしくは、緊急事態とは言え、男子便所にジャーヴィスくんを連れ込んだガチロ●コンのゲスチンヤローと言う未来永劫鬼畜にも劣る賊の烙印を負わされるか……むしろ、男子便所に連れ込んだ事が陛下にバレようものなら確実に陛下大激怒→ハルマゲドン勃発→ギロ●ンの音だろう…

 

クソッ!!こんな時に便器!!ここに便器さえあれば…ッ!!

 

「…ん?あ、提督とジャーヴィスちゃんじゃないですか?どうしたんですか?こんなトコで」

 

そんな極限の選択肢が迫る中!!アイスを片手に廊下を歩いて来たのは、今日も安心のヘソチラ軽巡!夕張…ッ!

 

夕張……そうか、夕張ッ!!あったよ!便器、いや、肉●器が…ッ!!助かったぞジャーヴィスくん!今、君の英国淑女としてのPRIDEは守護られたのだ!

 

俺はヘラヘラと締まりのない顔をした夕張の両肩をワイルドに掴み、こう言ってやった…!!

 

「夕張、オマエ、ションベン飲めよ」

 

「え………?」

 

「ションベン飲めよ」

 

「え………?あの、あ、そーゆー感じですか?え、えぇ…?でもちょっとジャーヴィスちゃん居るし、ちょっと恥ずかしいとゆーか…」

 

「ナニ言ってんだオマエ、ジャーヴィスのを飲むんだよ」

 

「え………?あ、あ……えぇ?えぇぇ!?ジャーヴィスちゃんのですか!?ちょ…ちょっと待ってください、ションベンもアレですけど、ちょっとイキナリでプレイの難易度と言うか特殊性と言うか…」

 

ナニ言ってんだコイツ、いつもはヘンタイみてーなコト言ってんのに、ナニ今更マトモぶってんだ?

 

「いいから飲むんだよ!この肉●器が!」

 

「いやいやいや!ちょ!ちょっと待ってください!ちょっと待ってください!私にも一応倫理観とゆーか、準備とゆーか…」

 

「あ、あああ!!あああぁぁぁ!!ムリムリムリィィィィィ!!Darling!モームリィィィィィ!!」

 

 

この後、ジャーヴィスくんは夕張から一時的におしっこを我慢できるツボとやらを圧して貰い、トイレへと走って行った……あと、俺はトイレ間に合わずちょっと漏らした


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