【登場人物】
大和さん(2)
普段、内職に勤しんでいるだけに色々溜まっている
武蔵(2)
大雑把オブ大雑把
右の46cm砲と左の51cm砲を選ばせておいてオラオラ
「強さとは即ち愛!その艦隊に愛はあるか?愛無き力は無に等しい!」
「…あるんですか?愛」
「ねぇよ、強さとは六天連鎖と信じて疑わないヤンチャボーイだからな、俺は」
今作戦も遂に最終海域へと進んだ我が部隊、とりあえず資材に余裕はある、練度も十分戦える域に達している、目覚める時は今なんだと俺の中の人斬りが叫んでやまない
「大和さんと武蔵を呼んどけ、出し惜しみはナシだ、油も弾も好きなだけ使わせていい」
「わかりました」
「命令は一つ、目が合った奴は皆殺しだ」
五月雨に一通り指示を出して俺は席を立つ
「どちらへ?」
「“大”の大冒険」
「…“大”ですね」
早くしないと俺のドル●ーラが炸裂しかねん
重苦しい鉄扉を開き、俺は颯爽とトイレへと駆け出した
◆◆◆
南西海域、マラッカ海峡沖
「これが本物の砲撃だーッ!」
「グワアアアアアア!!」
「シュ…集チャーン!」
「集チャン!チクショウ!集チャンガ息シテネェ!チクショウ!」
「オレ達ガ…集チャンガイッタイ何ヲシターッ!」
最深部への道程で、再び通りかかった港湾夏姫と集積地棲姫のバカンスポイント
最大戦力、大和と武蔵を含む資材消費ガン無視部隊はたまたまそこに居た集積地棲姫を殴り倒し、港湾夏姫に執拗に腹パンしていた
「…暇潰し」
「コ…コイツ!軍ジャネェ、コイツラ海賊ダ!」
「武蔵クン、コイツ腹パンしたら光るゲロとかすげーウケる」
「マジ笑えるんですけど」
「まぁ、ほどほどにしておけよ」
資材消費ガン無視、好きなだけ撃っていい、好きなだけ暴れていい
この命令は、普段、給食のプリンに一喜一憂する鬱屈した日々を送る艦娘達の心理的リミッターを外すには十分であった
「む…電話か、こちらは武蔵だ」
『俺だ』
「え?なんだって?聞こえにくい」
『俺だよ俺、オレオレ、俺だよ』
「…よくわからん、オイ大和、この電話壊れているのか?」
「ちょっと貸してみてください、もしもし?大和ですけど?」
『もしもーし?』
「もしもし?ん~……なんか聞き取り辛いですね、こんな時に矢矧ちゃんが居たらわかるんでしょうけど」
「まぁ、壊れてるんだろう」
武蔵は大和から携帯を受け取ると海に投げ捨てた
「よし、先に進むぞ」
「そうですね」
◆◆◆
「…あの野郎、切りやがった、っーかつながらねーし!」
「武蔵さんに電話渡すのもどうかと思いますけど、他に誰か持ってないんですか?」
「…たしか足柄姉さんがベル持ってたからベル打っとくか」
「ベル?」
「ちょっと公衆電話行ってくるわ」