不健全鎮守府   作:犬魚

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ドSによるドSの為のサディスティック夏休み回

【登場人物】

佐渡(ドS)
自称も他称も佐渡さま、子供特有の無邪気をもつドS
ベ●ブレードが宝物らしく、よく香取先生に没取されている

対馬(綿100%)
佐渡さまの相棒、佐渡さまの凶行に付き合う辺り、優しさと危うさが同居しており、目はだいたい瞳孔が開いている



提督とさどつしと夏休みのドモボーイ

なんやかんやで八月も半ば過ぎた今日この頃、俺は喫煙所でタバコを吸いながら明石のアホのトコで買った缶コーヒーを飲みつつ基地スポを読んでいると、廊下でキャッキャとハシャぎながらバケツを持って歩くクソガキ様が目についたので声をかけてみた

 

「よぉ、このクサレ暑いのに元気だな」

 

「ん〜?あ、テイトクだ!」

 

バケツを持ってハシャいでいたのは択捉姉妹の三女、佐渡さま、自称も他称も佐渡さま、他者を痛めつけて苦しむ顔を見るのが大好きな生粋のドSらしく、その様はまさしく悪のスーパーエリート、いや…ドS艦娘界のプリンスと言われている………いや、プリンセスか?

 

「こんにちわぁ〜」

 

そして、そんな佐渡さまとだいたい一緒に居る姿を見かける佐渡さまの妹、択捉姉妹の七女、対馬

佐渡さまとは仲が良いらしく、よく尻にキックされているが、めげずに付いて回っているあたり、この子の性癖が将来歪んでしまうのではないか心配になるのだよ

 

「なんだそのバケツ?」

 

「見たいか!テイトクも見たいかー!じゃー見せてやろ、対馬、一匹出して!」

 

「え…?やだよ、また指挟まれるのやだし…」

 

「いいから出すんだよ!」

 

「ヒイィ!!やだ!やだぁ…!痛っ!痛い痛い痛い!」

 

佐渡さまはイヤがる対馬クンの手をバケツに突っ込むと、対馬は痛い!とか言いながら首をブンブン振り、佐渡さまはそんな対馬クンの手をバケツから引っこ抜いてみせると……

 

「ほぉ、ザリガニか…」

 

「カッケーだろ!さっき対馬と一緒にいっぱい獲ったんだぁ!」

 

「痛い痛い痛い痛い痛いぃ〜…」

 

とりあえず俺は対馬クンの指を挟んでいるザリガニのハサミを外してやると、対馬クンはありがとうござますとキチンとお礼を言って頭を下げ、佐渡さまは根性ねーな!と言って対馬クンの尻にキックする対馬クンはすっ転んだ

 

「ぎゃん!」

 

まったく、大したドSだ、まさに冷酷、まさに冷血…この若さでこれほどのSとは、将来が楽しみなのだよ

 

「で?そんなにザリガニ捕まえてどうするんだ?」

 

「ヘヘッ…!松輪の飼ってるグッピーの水槽に入れてやるんだぁ!」

 

「ね…ねぇ、佐渡さま、やっぱりやめない?松輪姉さん、普段は優しいけど怒ったらアレだし…」

 

「あ?なんだ対馬、オマエ、佐渡さまに意見する気かー!」

 

「や、そ…そうじゃないけど、前に松輪姉さんの大事にしてる人形を変なポーズで固定したら大激怒させてヒドい目に…」

 

「バッキャロー!!」

 

びたんっ!!(佐渡キック)

 

「ぎゃん!!」

 

佐渡さまの佐渡キックが再び対馬クンの尻を打ち、対馬クンは地面に転がった

 

「松輪がナンだコノヤロー!いいか!佐渡さまは自分にやりたい様にやるんだ!それをオマエはナンだ!ネーサンネーサンと…ネーサンにビビってばっかのアレか!乳臭さの抜けんヤツかー!」

 

佐渡さまはバケツに手を突っ込んでザリガニを一匹取り出し、その、ザリガニシザーで対馬クン鼻を挟んだ!

 

「痛い…っ!痛い痛い痛いー!」

 

「まぁまぁ佐渡クン、そうエキサイトせずに少しは落ち着きたまえ、ガムでもどうかね?」

 

俺はポケットに入っていたチューインガムを佐渡さまに渡してやり、対馬クンの鼻をグイグイしてるザリガニを引っぺがしてバケツに戻してやった

 

「まったく、チ●コついてんのかー!オマエは!」クッチャクッチャ

 

「つ…ついてないよぉ」

 

「女の子がチ●コついてんのかと言うんじゃないよ、この子は」

 

まったく、まるで自分にはチ●コがツイているかのような言い草だな、さすがは佐渡さまと言ったところか…

 

「じゃあ!このザリガニどうしたらいいんだ!グッピーと戦わせる為にいっぱい捕まえて来たんだぞ!」

 

「ぐ、グッピーとじゃ一方的な殺戮だよ……もっと強いのと戦わせないと…」

 

「じゃあ!ナンだ!長門さんか!」

 

「強すぎるよぉ!?」

 

長門>ザリガニ>グッピー………なるほど、子供にもわかる実にわかりやすい食物連鎖の図式だな

 

「バッキャロー!!」

 

びたんっ!!(佐渡キック)

 

「ぎゃん!」

 

三度尻に炸裂した佐渡キックに、対馬クンはパンツ丸出しにしてすっ転んだ、なるほど……綿100%ですか

 

「勝てる勝てないじゃない!佐渡さまは一方的に惨殺されるのが見たいんだ!イメージしろ!この今は元気にガサガサ動いてるザリガニが長門さんの手で真っ二つに引き裂かれる姿をー!」

 

「ヒイィ……や、やっぱりやめようよ、ザリガニが可哀想だよ…」

 

「可哀想か!」

 

「可哀想だよ…っ!!」

 

対馬クンにしては珍しく、語気を強めに反抗した………そして、そんな妹に対し、佐渡さまはちょっと驚いた顔をしたが、すぐに気をとりなおしたらしく、地面に転んだままの対馬をアツく抱きしめた!

 

「よく言ったァ!!対馬ぁ!感動した…ッ!佐渡さまは感動したぞォ!」

 

「え…?え…?」

 

「ヘヘッ…!まったく、オマエはいつも佐渡さまの後ろチョロチョロして、チ●コついてねーのかと思ってたけど、ヘヘッ!」

 

「え?つ…ついてないよ?」

 

「よし!このザリガニは全部逃す!カワイソーだからな!」

 

「え?逃すの…?せっかくいっぱい捕まえたのに?」

 

「当たり前だ!」

 

佐渡さまは執務棟の側溝の蓋を一枚開け、バケツいっぱいに入ったザリガニを全部側溝の中に流し込んだ!なんてコトするのかね、この子は…

 

………だがそれでいい、子供は自由だ

 

空になったバケツを投げ捨て、側溝に蓋をした佐渡さま…

そしてその顔は、もはや完全にザリガニに対する関心を無くしていた……

 

「あー腹減った」

 

「佐渡クン、提督は今からマミーヤでかき氷でも食べようと思うのだが………君も来るかね?」

 

「かき氷!?行く行く!対馬ぁ!テイトクがかき氷買ってくれるって!ほら!行くぞぉ!」

 

「え…?あ、うん」

 

 

こうして、佐渡さまブルーハワイなぁ!とキャッキャとハシャぐ佐渡さまとお尻をさする対馬クンを連れてマミーヤに行った俺は間宮から冷たい目で迎えられたが俺は悪くない、あと、小声でロリコン…とディスられたが俺はロリコンではない

 

ちなみに、かき氷を食べて頭がキーンとなった対馬クンの口に無理矢理かき氷をねじ込む佐渡さまの姿に悪のエリートとして将来性を感じたのは言うまでもあるまい…


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