不健全鎮守府   作:犬魚

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一秒ごとに世界線を越える羅刹の第三回

【登場人物】

提督(現代提督)
溢れる知性で小細工と卑劣な罠を使う知性の申し子

アヤセ(仮)
未来から来た夕張の娘、アヤセと言う名前には夕張を関係させる意味があったりなかったり…


人造神話③

前回までのあらすじ

 

未来から来た夕張の娘を名乗る謎の戦士、アヤセ(仮)

彼女が言う絶望の未来を変える為、そして、提督の糖を救う為に提督はアヤセ(仮)と共に全てが救われる変動率1%台のβ世界線を目指す…

 

 

「今日のオススメはパイナップルの酸味とココナッツの柔らかい甘味がアクセントな創作ピニャ・コラーダです」

 

「チーズケーキとコーヒー」

 

「私も同じもので」

 

「今日のオススメはパイナップルの酸味とココナッツの柔らかい甘味がアクセントな創作ピニャ・コラーダです」

 

とりあえず、アヤセ(仮)くんの語るの衝撃の未来は仕方ないとして、俺たちは今後をどうすべきか考えるべく、まずは甘いモン食ってエネルギー充填しようとマミーヤへ来ていた…

マミーヤは相変わらず執拗に今日のオススメをオススメしてきたが、そこはそう、アレだ、不屈のガッツで意見を押し通した

 

「2980円です」

 

「相変わらず高けぇなオイ」

 

「高くありません、適正な価格設定です」

 

相変わらずぼったくり価格なマミーヤで金を払い、俺たちは適当に空いているテーブルに座り、とりあえず甘いモン食いながら話でもするコトにした

 

「そーいや、その…ドクター・モロってのはなんなんだ?」

 

よくよく考えたら、俺はそのドクター・モロだとか言うイカレ科学者のコトはまるで知らんのだが…とりあえずアヤセ(仮)から今、わかる情報を聞いておかないとな…

 

「私もよく知らないし」

 

「知らねーのかよ」

 

「そもそも私が戦えるようになった頃にはドクター・モロはもう死んでるのよ、自分が造った人造艦娘に殺されてね」

 

「ふ〜ん」

 

自分の造った殺戮マシーンに殺されるとはとんだお間抜けさんだな、いや…むしろ、製作者も手に負えなかったぐらい人造艦娘ってのがヤバいのだろう

 

「夕張母さ………母さんが言うには、ドクター・モロは元は海軍のなんちゃらってトコの技術者で、なんか色々あって海軍をクビになってどこか南の島に移り住んだってコトらしいって」

 

「どんだけフワフワした情報なんだよ」

 

「うるさいなぁ、未来はそれどころじゃなかったんだよ……あ、一応写真あるよ、ほら、コレ」

 

アヤセ(仮)はポケットから写真を取り出し、テーブルの上に置き、俺はそれを見てみるが………が?

 

「なんだコレ?盗撮写真か?」

 

「知らないし、とりあえず、母さんが唯一手に入れたとか言ってたドクター・モロの写真よ」

 

写真に写るのは、なかなかハンサムで肉体派と言うよりは知性派と言った感が伺える男だが……何故か全裸の写真であり、股間の辺りには撮影時にイイ感じに配置された観葉植物があったおかげか、とりあえずR18な写真になっていないがなかなかのセクシーショットだ

 

「どう?見覚えとかない?」

 

「ねぇよ、なんだよこの変態ヤローは…」

 

「なんだ、知り合いとかじゃないんだ….」

 

「なんで俺が変態なんぞと知り………」

 

………ん?いや、待てよ、ちょっと待て、なんかコイツ、ちょっと見覚えがある気がするぞ、はて?どこで見たか…A●男優?いや、違うな

 

「…ふむ」

 

「ナニ?見覚えあるの?」

 

「あるような、ないような…」

 

「ハッ?使えないオッさんだね、ったく…なんで母さんはこんなのに頼れって言ったんだか…」

 

「なんだとコラァ?」

 

可愛いツラしてなんて口の悪いヤローだ、まったく、親の顔が見てみたいものなのだよ…

 

そんな写真の男について、思い出しそうなそうでないようなと頭を捻っていると、マミーヤの扉を開き、今日の仕事も上がりだぜチクショウとか言いながら潜水艦のクズどもがゾロゾロと入って来た…

 

「あ、テイトクですって」

 

「ホントだ、テイトク……と、見たコトない人」

 

実力派エリート集団、潜水艦…

昨今の海域大改革のせいで微妙に毎日の仕事内容が変わってしまい、今はわりと暇を持て余し気味になっているらしく、最近はオリョール行きてぇーだのぶつくさ言ってやがる、俺はそんな実力派エリート達に上司として気さくに挨拶をしてみる…

 

「よぉ、クズども」

 

「クズじゃねーし」

 

「オメーにだけは言われたかねーよ、真のクズ」

 

誰が真のクズだ、上司に対してなんてコト言うのかね、この娘らは……だが、たしかな実力に裏打ちされたスーパーエリートである彼女達だ、全て許そう

 

「ってかナニそいつ?新人?」

 

「バカオマエ、アレだよ、たぶんデリ●ルだろ」

 

「あー…デリね」

 

「デリってナニー?」

 

「ルイ子は知らないでいいよ、あと、このオッさん近寄った孕まされるから、鬼畜のボテ腹●出しされるから近寄ったらダメよ」

 

前言撤回、コイツら後で全員、邪●→ユメは見れたかよ?→蛇咬のスタイリッシュ必殺コンビネーションで壁にメリ込ませたるわい

 

「デリじゃない、客人だ」

 

「客ぅ?」

 

俺はとりあえずアヤセ(仮)くんを、ヨコスカとかその辺から来た将来は海軍業界を考えている学生さんなのだよと当たり障りのないふわっとした感じに説明してやり、クズど……潜水艦どもは一応納得したらしい

 

「ふ〜ん………ん?テイトク、その写真…?」

 

「あ?」

 

ふと、168はテーブルに置きっ放しになっているモロに刺激的な写真に気付いたらしく、俺はただの変態だと当たり障りのないふわっとした…

 

「や、知ってるし」

 

「っーか、そいつケイタイ修理屋なのね」

 

なん………だと?コイツら、この写真の男を知っている…?俺はとりあえず手近に居た14ティンの頭部を掴みあげ、写真を目の前に押し付けた

 

「この写真の男を知っているかァァァ!!」

 

「ちょ!痛い!痛い痛い痛い痛い!テイトク!痛い!」

 

カンムスファイト国際条約第一条!頭部を破壊されたカンムスは失格となるぅ!

 

「テイトク……やめて、14ちゃん痛いって言ってる…」

 

頭部破壊寸前、13ちゃんが俺のズボンをグイグイ引っ張り精子を……ではなく、制止を求めてきたので俺は14ティンの頭部を離してやると、14ティンはゲハァとか言いながら床に崩れた

 

「………っーかオマエら、マジでコイツ知ってるのか?」

 

「知ってるもナニも、168のケイタイ作ったのそいつだし」

 

『168、私ハケイタイデハナイ、私ノ名前ハセ…』

 

「はいはい、うっさいから黙れ」

 

一瞬、168の服の胸元からガラケーみたいなのがヒョコッと顔を……顔?いや、画面?まぁいいや、顔を出したが168はそれをうっさいと言って胸元に引っ込めた

 

「そんな見ただけでわかるヘンタイ、二人も三人もいないでしょ?168達、前にハワイに行った時にそいつに会ったよ」

 

「ハワイ……だと?」

 

アヤセ(仮)の知り得る未来の情報で、たしかにドクター・モロは南の島に潜伏しているとのコトだが……

俺はアヤセ(仮)の方をチラリと見ると、アヤセ(仮)もどうやら同意見だと目で語っている

 

「よし………オマエら、俺と南の島に行くぞ」

 

「は?」

 

「は?マジで?」

 

「マジだ、旅費交通費は出してやる、あと、お土産代も一人3000円まで出してやる」

 

「マジかッ!!」

 

「ヒュー!テイトク、ボテっ腹ですってー!」

 

「…違うよ、ユー知ってる、ボテっ腹じゃないで…ドテっ腹」

 

…とりあえず、アヤセ(仮)的にも事は出来る限り秘密裏に行動したいのはヤマヤマだろうが、相手は超科学に精通する狂気のマァァァドサイエンティィィストォォォ!だ、こちらもそれなりの戦力があった方がいい

 

「ちょ…ちょっと提督、この娘達もって…」

 

「とりあえず、コイツらには事情を説明して協力させる」

 

「…大丈夫なの?」

 

「大丈夫だろ、たぶん」

 

 

こうして、俺たち未来を恐怖に陥れる元凶…ドクター・モロを倒す為に集まった乙戦士はこの日より三日後、ドクター・モロの待つ南の島へ出発した…

 

ちなみに、出発までの僅かな期間…アヤセ(仮)は基地のアホどもと当たり障りのない交流をしたらしく、この時代の母さんには改めて幻滅したり、憧れの清霜さんには複雑なものを感じたものの、アナタならきっと強くなれます!とアツくエールを贈ったそうな





次回は④

遂に集まった乙戦士、南の島超決戦!死ぬのはオメーだ!

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