【登場人物】
泊地水鬼(M女)
トぶコトを何より願うブッ飛ぶチューン
護衛独還姫(ドッカン)
護衛棲姫の親戚的なナニか、服がエグい
北上さんと大井っち(球磨型)
最強のタッグコンビネーションを魅せる球磨姉妹の三女と四女、駆逐艦に優しい
前回までのあらすじ
帰ってきた泊地水鬼のGエボ発動!modeバカンス!modeバカンスには三式弾の効果が通用しないぜ!
戦慄!帰って来た真性M女、泊地水鬼の新たな力に衝撃が走る攻略部隊!陸上特効と言う弱点を克服した泊地水鬼はまさに無敵!強靱!最強の怪物へ進化したと思われたッ!!
しかし…
「なぁ、コイツ陸上じゃねぇならよォ~…“魚雷”効くんだよなァ~?」
「こりゃメチャ許さんよなぁ~」
ピカピカに磨きあげられた魚雷を片手に、噛んでいたチューインガムを海に吐き出してメンチを切る二人組……球磨型恐怖の縦社会、最強の雷巡コンビ…
『フフ…』
不気味に笑う泊地水鬼にもこの二人が如何に危険な人物達なのは一目見てハッキリわかった
おそらく自分は死ぬだろう……陸上特効を克服した代償は雷撃の恐怖、そして…この二人の雷巡は私に最高の“痛み”を与えてくれる、三式弾による痛みもなかなかだったが、あのブッといギョライを突き立てられる気分はどんなものなのか…?
陸上型である自分には経験がなく、水上型の仲間達からのヤベーヨヤベーヨと話を聞くだけで、あとは戦闘を録画してたビデオを見ながら一人で痛みを想像しながら右手で………その、フフフ…下品なんですが、興奮しちゃいましてね…
『フフ…フフフ…』
生半可な“痛み”じゃもうトべない!この“痛み”なら!自分はトべるかもしれない…ッ!!
「や、野郎…北上クンと大井サンを前にして笑ってやがるぜ」
「なんて不気味なヤツじゃあ…」
「ありゃ相当自信があるんだろう、オーラが違うぜ…」
ーーー
『ウッギャアアアアアア!!オオキナツバサァァァー!!グヘァ…!!』
「決まりましたね」
「あぁ、ワリとタフなヤツだったな」
執務室のテレビで現場の様子を見ていた俺と五月雨、第2ゲージを守護る戦慄の陸上風水上型、泊地水鬼は北上と大井によるツープラトン、KITA↓LAPをその身に喰らい、ようやく沈んだ…
かなりTOUGHなヤツだったが、やはり球磨新陰流活殺術の前には及ばなかったらしい
「で、いよいよ最後ってワケだな」
「そうらしいです、次の目的は護衛独還姫なる軽空母だそうです」
「どっかんひめ?」
「えぇ、どっかん」
オイオイオイ、なんですかそのギリギリ限界パワーみたいな名前は、俺を舐めてんのか?五月雨は資料を取り出してコイツですと言って机の上に置く…
「なんかコイツ、前にも居なかったか?」
「似たような人はいましたね」
なんだろうな、この例の村出身みたいなツラは……写真を見るに、以前現れたヤツと同じく、あの魔界生物みたいなキモい鳥を飼っているらしく、腕にキモい鳥を載せている、もしかして流行っているのだろうか?
「ふむ、まぁいい、キモい鳥はたしかに強力なキモさだが当たらなければどうと言うコトはない、引き続き空母機動艦隊で行くぞ」
「空母機動ですね」
「二航戦のチンピラどもと雲龍に声をかけておけ、ヤツらに、あと…念の為に赤城と加賀にも肩作っとくようにな」
◆◆◆
前半戦最終局面!泊地水鬼(M女)が敗れた今、立ち上がったのは今回がデビュー戦となる新人、護衛独還姫!
かつて、とある田舎の村で生まれ育ち、多感な少女期にオラもっとビッグになりてーズラ!都会に出てくー●くろ艦みてーにイケてる空母になるズラと言って皆の制止を振り切り村を飛び出し、色々あって、着ていた服は上着だけ残り下は布一枚、髪が白くなるほど絶望し、よし!死ぬか!と入水自殺しかけたところをキモい鳥に救われた過去があるらしい…
本来は戦いを嫌い、人を思いやり、理解してやる優しい心の持ち主だが…
『タタカイ…トカ……スキジャナインダ……ケド』
『ウッギャアアアアアア!護衛独還姫クンーッ!』
『死ニタクナイ!死ニタ……オバァ!!』
次々と突き刺さる無情の艦載機アタックが仲間達を沈めていく!しかもこの破壊力は並じゃない、確実に一人も逃さないつもりで撃ってきている、それに……ヤツらは見覚えがある、深海ビンゴブッグで危険度★★★★★の超危険空母コンビ!
「ストラィークぅ!ギャハハハハ!どーよ?今のマジゲージュツ的じゃね?」
「バァカ、オマエ…今のはちっと運が良かっただけだっーの」
恐怖のダブルドラゴン、二航戦……ッ!そして、ヤツらと別に、なにやらボーっと立っている仙人みたいな空母…
「オイ雲龍、オマエもヤレよ、オマエも」
「アイツらマジ皆殺しすっから、誰がイチバン殺るかキョーソーすっぞ、キョーソー!ギャハハハハ!」
ダブルドラゴンにさらにもう一つの首を追加したフォーメーション、ドラゴン・トリプル・ブレイカー…っ!!
『シズンジャエバ……イイノニ!!』
護衛独還姫は愛鳥のキモい鳥を解き放ち、あのクソうざったい芋臭田舎ヅラどもに噛み付いて来いと命令すると、キモい鳥はギャースギャースと吠えながら飛んできた………しかし!!
「クソ!相変わらずキモいぞコイツ!」
「あ、噛みやがったコイツ!!っーかウゼェ!なんとかならねーのか!」
「あったよ!!初月と10cm高角砲+高射装置が!」
「でかした!」
『ヤ、ヤメテヨ……ヤメテヨォ!』
空飛ぶキモい鳥をまるでトンボ捕りしているように冷静かつ的確に撃ち墜とされ、護衛独還姫はようやく自分が追い詰められている事に気付いた……このままでは確実に殺られる!!相手にはまだ無傷の雷巡……そう、先の戦いであの泊地水鬼(M女)を容赦なくヘシ折って海に沈めたヤツらが…!!せめて、せめてヤツらだけでも!
『シカタナイヨ…ネッ!!』
「あ、北上さん!なんか飛んできましたよ!」
「ホントだ、アブ、オイ!ちょっとアブ!こっち来て」
北上は中継用のカメラを持っていた阿武隈をちょいちょいと手招きして呼び寄せ、飛んできたキモい鳥にお尻を噛ませた
「ピギャアァァァァァァァ!!痛ァァァァァァァ!!痛い痛い痛いィィィィ!」
「ふぅ、危なかったよ」
「阿武隈さんが居なかったらお尻を丸齧りされるところでしたね」
阿武隈は犠牲となった、犠牲に、犠牲の犠牲、その犠牲に……しかし、キモい鳥アタックは第二艦隊の仲間である朝潮にもちょっと傷をつけていた
「うぅ…少し膝をやられました」
「北上さん!北上さん!この子ケガをしていますよ!」
「えー…駆逐艦の子が〜?ん〜……まぁ、そりゃアレだ、メチャ許せんよねぇ〜」
「えぇ、メチャ許せませんね!」
その小破未満のカスリ傷が!球磨姉妹恐怖の雷巡コンビの逆鱗に触れたッッッ!!
いい感じに昼戦にて半殺しにされ、ヤダァ…モウカエリタイ、カエリタイヨォ…と懐かしい故郷の村に救いの手を求めて手を出した独還姫の手を、おそらく同じ村出身であろう雷巡が優しくとり……
「で、出たァァァァァ!!北上サンの7000万パワーキタカミスパーク!」
「あの技を喰らって入院しなかった
「長かった第三海域よサラバー!!」
グシャァッ!!(7000万パワーキタカミスパーク)
『グヘァ!!マ…マタ、シズムンダ……コノヨルニ…クラ……ゴハァ!!』
7000万パワーキタカミスパークで海上に叩きつけられ、愉快なオブジェみたいな形になった護衛独還姫は何か言いかけていたようだが、北上からうっせーよ腹に死体蹴りを喰らい、ブクブクと気泡を残して沈んでいった…
「さー…帰るべ帰るべ、あー腹減ったー」
「北上さん、今日、球磨姉さんが帰りにヨーグルト買って来いって言ってたので買って帰りましょう」
こうして、作戦海域前半戦は無事に制圧完了し、艦隊は次なる海、強者達がひしめく後半の海へと突入する権利を手に入れた…
次回から後半戦だってばさ、だってばさ