死傷者続出の前半戦に続く後半戦は〜…
ネルソン 対 ガングート
リシュリュー 対 鈴谷
死のブロックB、第七戦!英国から来た誇りと格式高き大戦艦!ネルソンと旧ソからの刺客、史上、最もアツかりし革命の拳を持つ燃える革命、ガングートの激突ッ!
恐怖の殺艦技!ネルソン・タッチを引っさげ、その、堂々たる戦いはまるで戦いを完全武装のハイキングの如し!
「ウラァァァァァァ!!」
「うぅ…強力だ!なかなかヤるッ!」
観客席で自分にアツかりし声援を送ってくる“同志達”!燃える革命であるガングートは若き革命同志達の前で負ける事は許されない!たとえこの身が燃え尽きようともッ!
「フッ、ネルソンと言ったか……たしかにキサマのネルソン・タッチは強力だ、だが!その技には致命的な欠点がある、そう……致命的な」
「何…?フッ、面白い、余のネルソン・タッチの欠点か、面白い、良いぞ!許す!余に聞かせてみよ」
ネルソン・タッチの致命的欠点…ッ!
対戦相手が決まった当日、ガングートは同志達とビデオで撮影したネルソンのファイトを何度も確認、検証し、一つの事実に気付いた…
それは、ビデオに飽きた同志シムシューがお菓子を食べ始め、妹である同志シムシューの妹から尻を蹴られていた時だった、同志エトロフが気付いた完璧な技と思われたネルソン・タッチの意外な欠点…
「トアーッ!!」
「クッ!」
ガングートは巧みに立ち位置を右に左に変えつつネルソンのボディに執拗にパンチを打つ!!
「どうだ!複縦陣でなければあの技は使えまいーッ!」
「ほ……ほぉ?なるほどなるほど………フッ、如何にも下等が考えそうなコトだな!」
ネルソンはガングートの執拗なボディを弾き、高貴な脚を振り回してガングートの得意とするインファイトの射程から距離をとり、それまでファイトスタイルを変え、一転してフットワークを多様し始めた
「なにッ!?」
「フッ……複縦陣でないと使えないなら複縦陣を封じれば良い?まぁ、並の戦艦には通用するかもしれないが………貴様の相手はこのネルソンだ!そんな対策!余が怠ると思ってのコトかーッ!!」
ドンッ!!(ネルソンパンチ)
「ゴハァ!!」
「フッ、このネルソンに隙はない」
―――
「恐るべしネルソン!恐るべしネルソンッッッ!!ロシアンコンバットの覇者、ガングートさんを寄せつけない完璧な戦術です!この勝負、どう見ますか初春様!」
「まぁ、たしかにあの者は強い、が………ねる?ねるそん・たっぷじゃったかの?」
「ネルソン・タッチです、初春様」
「嗚呼、そうそうそれじゃ…その、ねるそんたつち、たしかに欠点がある」
初春は後ろに控えていた子日から湯飲みを受けとると、ズズィーっとアツい茶を啜った
「な、なんですって!?一見するとネルソン・タッチにはまったくの隙のない完璧な技に見えるのですが……ハッ!?まさか、6を返せば9になる的な!?」
「…まぁ、もっと単純なコトじゃが」
―――
「どうした…?使わないのか?至高の
「ぐ、グゥゥゥム…貴様」
ネルソン・タッチを使えと要求するガングートに対し、ネルソンは苦々しげな表情で唸りをあげる………完璧な技であるハズのネルソン・タッチの欠点!それは!!
「欠点を聞かせろと言ったな!ならば教えてやろう!キサマのネルソン・タッチは一人では使えない不完全な技だからだーッ!!」
「クッ!!こやつ…!」
燃え革命ガングートのアツい拳はネルソンのガードとブ厚いロイヤル胸部を貫き、ネルソンは血反吐をブチ撒けた
「グッ…!カハァ!ば……バカな、このネルソンが血を、それに、膝にキている!?このネルソンが!?」
「大戦艦ネルソン、キサマはたしかに強い、正直、このガングート1人の力では敵わなかっただろう…!だが!!」
「まさか、余が……!!余が負けるとでも言うのか!!」
「独りきりのキサマと違い、このガングートには同志がいる!同志達とのアツい絆さえあれば我らは誰にも負けん!」
同志!絆!どれもこれも今までネルソンの持ち得なかったもの!生まれも育ちも高貴な身、幼き日より優れた才覚と高い実力を持っていたネルソンは完璧、しかしそれ故に彼女は孤独、孤高だった…!
そして、圧倒的な強者だったネルソンは生まれて始めて感じる未知の力に心底恐怖した、そして……独りきりの自分では勝てないと思った………その時だった
『どうしたNelson!!女王陛下の騎士であるオマエはそんなモノではないだろう!』
「あ……Ark!」
『オマエは独りきりなどではない、このArk
royal、それにJervisやAdmiralがオマエにはいるじゃないか!さぁ立てNelson!我らが女王陛下に勝利を捧げようじゃないか!」
「Ark………フッ、余としたコトが、まったく、たかが平民上がりの田舎者が、言ってくれる!」
アークロイヤルの激励を受け、再び闘志とPRIDEに火を点けたネルソンはガングートのアツい拳を前に再び立った
「余はNelson!Nelson級1番艦!くるがいい!貴殿のその拳と余の拳、どちらが上か教えてやろう!」
「フッ…よく言ったァァァァァァァ!!このガングートの拳はハゲしくアツぞ!たとえこの腕がペッキリ折れようが……見せてやる!ドロッドロに煮えたぎる!熱血!革命をッ!!」
ネルソン対ガングート、その戦いは熾烈を極めた…
そして、死力を尽くした二人の壮絶な殴り合いは互いにあと一歩、あと一発を繰り返し、試合開始から44分44秒、クロスカウンターの撃ち合いで両者共に崩れ、試合終了!女王陛下より両者を即座に最高のメディカルスタッフに診せなさいと緊急搬送された…
◆◆◆
ブロックB最終戦、現在までに、この死のブロックを突破した者はおらず、死者三名、重傷者3名の大惨事とも言える壊滅被害を出しているこのブロック…
最後の対戦はフランスから来た強さと美しさを兼ね備えた最強の戦艦(自称)…戦艦リシュリューと、難攻不落のビッチ兵の異名を持つ最上姉妹のツラ汚し、自称メインヒロイン鈴谷!
「フッ、まさか航巡のボウヤが相手とはね……理解しているかしら?戦艦と航巡では神と虫ケラほどの差があると言うコトを…」
くわえていたバラの花をプッと吹き、それはそのまま鋭い勢いで鈴谷の胸元に飛んできたが、鈴谷はそのバラを迎撃し、花弁が舞い散った…
「フッ、キザなヤローじゃん………でもね、鈴谷はアンタ以上に勝利が欲しいじゃん」
「勝てるつもり?」
「フッ、入院の受付は済ませた?まだなら鈴谷のケータイ貸してやろーか?」
「結構よ」
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試合開始ッ!僅か15秒、先手必勝と飛びかかったリシュリューを足刀で迎撃し、そのまま相手の両腕を捻るように掴み、それを解き放つとリシュリューの身体は勢い良く空中に舞い、鈴谷は空中でリシュリューの身体をガッチリと極め、そのまま勢い良く落下しリングに叩きつけたッ!!
「出たァァァァ!難攻不落のビッチ兵!必殺のビッチベン・エッジが!今、まるでビッグベンの鐘を鳴らすかの如くリングに炸裂したァァァァァ!!」
「あー……ありゃ立てんのぉ、決着じゃな」
「まさかの秒殺ぅ!戦艦相手にまさかの大金星!最上姉妹のツラ汚しとディスられていた鈴谷さんがキンパツの獅子を真っ正面から切って落としたァァァァァ!」
まさかの秒殺に大興奮の会場に応えるかの如く、鈴谷は腕を挙げ、ついでに、何度か開脚ジャンプしてから勝利のポーズをとる!
「しかし……これでブロックBは勝者一人になったようじゃが、コレであやつは勝ち上がりが決まりかの?」
「いえ、とりあえず大会規定で棄権・退場などがあった場合を想定しておりますので、ブロックBには3人の超A級リザーバーが入るコトになります」
「ほぉ~…」
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超A級リザーバー…?は?鈴谷聞いてないんですケド!?ナニそのルール!どこに書いてあったの!?クッ…!試合見ながら内心、やった!あのバケモノどもが全員●んだって思ったのに…
「ちょっとー!超A級だかB級だか知らないけど、鈴谷つぎ誰とヤんのー?」
『え?正直青葉もよく知らないんですよねー』
こ、このヤロウ…雑か!!仕事が雑か…ッ!!
『一応、手元の資料には“ノーリスペクト”と書かれてますね、はい』
『のーりすぺくとじゃとォ!?それは
『知っているのですか!?初春様…!』
『うむ…』
ノーリスペクト………それは、基地艦娘界の中でもとびっきりのワル達、強欲・残虐・非道をエネルギーとし、数々の凶行を行なったとされるワルの中のワル!!
『そ…そんなワル達が…ッ!!』
「や、鈴谷そんな人達聞いたコトないんですけどー?っーか、強欲で残虐で非道とかワリと提督が推奨してね?」
次回はブロックC
最悪の世代が揃ういずれも劣らぬ魔人