不健全鎮守府   作:犬魚

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一回戦最終回、新しいステージは神に挑む場所


夕張(軽巡) VS 明石(工作艦)

秋津洲(水母) VS 香取(練巡)

清霜(駆逐艦) VS 早霜(駆逐艦)

熊野(軽空母) VS 対馬(海防艦)

ですって!




ブロックD

最大トーナメント一回戦ブロックDッッッ!第十三試合のリングに上がるのは貧弱な肉体に天才の頭脳を搭載した唯一無二の4スロット軽巡(過去の話)夕張ッ!そして、相対するは修理すも破壊すも思いのまま!基地のコンビニショップ、アカシメイト経営!工作艦明石…ッ!

 

「フッ、明石…この戦いのキャッチコピーを知ってるかしら?………“核兵器”VS“竹ヤリ”」

 

「フッ、私をタダの可愛いだけのショップ店員だと思わないコトね、夕張」

 

互いにメンチを切り合い火花を散らし、ニヤリと笑って両者は距離をとる…

 

「いやぁ~…夕張さん、いきなり見事な敗北フラグから入りましたねぇ、初春様」

 

「うむ」

 

「しかしどうでしょう?夕張さんはウェストとか細くてマジムカつきますけど一応軽巡、対して明石さんはイ級に噛まれて転げ回るぐらい戦闘力が無いとのコトですが…?」

 

「さすがにそれは分が悪いのぉ…」

 

場内の予想でも、さすがにこれは夕張が優勢かと思われつつ試合は開始され、夕張はスカートのポケットから注射器(ポンプ)を取り出した

 

「フッフッフ、コイツがナニかわかりますか?」

 

「…ビタミン剤?」

 

「違いますよォ!コイツはね!キンニクをモリモリにする恐るべき効果を持つ夢の薬!名付けまして、BARIMAXです」

 

「き…キンニクをモリモリにする薬ッ!夕張、アナタ…クスリに手を…!」

 

勝つ為に明日を捨てた夕張…ッ!夕張はまずは80%から行こうかーッ!と言いながら己の腕にポンプを刺し、禁断の液を注入するッッッ!!

 

「Fuuuuuuuuu!!きた来たキタキタァ!!この身体の内側から湧き上がるアツいパワァァァァァ!!」

 

夕張はポンプを投げ捨て、遂に禁断の力!BARIMAXの力を完全解放させ……

 

ブシャアアアアアッッッ!!!

 

「ウッギャアアアアアアアアアア!!」

 

「何事ォ!?」

 

「あ……アガ、アヒ…イヒャ……あああああ!イギッ!ィィィ!!アッー!!」

 

…夕張は股間から汚い液を垂れ流しつつ、アヘ顔失禁KOして動かなくなった…

 

「……え?ナニ?なんなの?」

 

とりあえず、明石は夕張の捨てたポンプを拾い、貼ってあるラベルを見ると“感度100億倍になるクスリ”と書いてあった…

 

「ひ……100億」ゴクッ

 

◆◆◆

 

第十四戦、リングに上がるのは配属当初、可愛いだけが取り得と散々ディスられクサクサしていた時期もあったが、香取先生の熱血指導の甲斐あってなんやかんやで練度上限まで鍛え上げられた可愛いだけが取り得のガン●ラマイスター・秋津洲!

 

「やってやるかも!」

 

相対するはッ!エレガンテが服を着てるメガネがステキなエレガントティーチャー、デキない子にはデキるまで熱血指導!真の教育は既に完成している!練習巡洋艦、香取!

 

「フフフ…」

 

「たとえ先生が相手でも負けないかも!」

 

「負けない…?フフフ…そうですか、ですが………」

 

たとえ自分を鍛え、育ててくれた先生相手でも容赦しないかも!可愛いさ全開の秋津洲は可愛いく香取先生に宣戦布告し、香取先生は右手を頬に添え、エレガントに……ただ、エレガントに微笑みを浮かべている…

 

そして、試合開始ッ!のゴングが鳴るッ!!

 

………と、同時にッッッ!!秋津洲は全身から血のシャワーを吹き出して倒れたッッッ!!

 

「アナタもう死んでますよ」

 

瞬殺ッ!!今大会最速記録、金剛VSサラトガ戦の2秒を上回る最速記録を塗り替える瞬殺劇ッ!

香取先生はエレガントな微笑みを崩さぬままリングを後にする…

 

「瞬・殺ッッッッッッ!!恐るべきスピードだァァァァァ!!初春様!初春様ァ!今のいったいナニが起こったんでしょうか!?」

 

「うむ、おそらくは恐ろしい速い手刀、妾でなければ見逃しておるな」

 

「マジですか!?マジっすか初春様ッッッ!」

 

「う、うむ……あと、オマエちとうるさいのじゃ、あと、顔が近い」

 

◆◆◆

 

最速記録0秒の興奮冷めやらぬまま試合は第十五戦!最強のDNAを継ぐ駆逐艦!スーパーエリート駆逐艦夕雲型のラスト・サン!清霜!このキケンな大会への出場はモチロンお姉様達にはナイショだ!

 

「屁のつっぱりはいらんですよ!」

 

相対するは、この極限ルールでの再びの悲劇!まさかの姉妹対決!対・妖怪のスペシャリストと噂されている夕雲姉妹の中でも謎の多きサラサラストレートヘアー、早霜!

 

「…早く始めましょう」ボソボソ

 

今大会三回目の駆逐艦同士の激突、そして、二回目の姉妹対決に会場のアツい声援が飛ぶ…

 

「さぁ帰って参りました禁断の姉妹対決、この試合どうでしょう初春様」

 

「そうじゃのぉ……清霜がアホなコトは妾でも知っている事実じゃが、ふむ…あっちのヤツは妾もよく知らぬ」

 

「え~っと、一応手元の資料によりますと、早霜に関しては大会への参加動機の欄に“戦いたいからここに来た”とシンプルな回答をしており、ぶっちゃけファイトスタイルとは不明です、でも、青葉的にたぶん暗器とか使いそーなツラしてるなと思ってます」

 

清霜対早霜、禁断の姉妹対決のゴングが鳴り、まずは清霜がトアーッ!と叫びながら早霜に襲いかかる!しかし…ッ!

 

「おっ?」

 

ビタンッッッ!!(大●山落とし)

 

「ウゲエェェェ!!!」

 

逆に早霜に掴まれた清霜は背中を痛めつけられリングを転げ回った

 

「だ…大●山落としだァァァ!姉妹一のネクラっ子と名高い早霜ちゃん!まさか姉妹相手にいきなり大●山落としだァァァァァ!」

 

「あれは痛かろう」

 

「さらにッ!清霜ちゃんの両腕を極め……あーっ!なんとスピンダブルアームだァァァ!両腕を破壊された清霜ちゃん!あまりの痛みに転げ回るゥゥゥゥ!」

 

さらに、早霜によって両脚と頭を破壊され、ウッギャアー!と叫びながら転げ回る清霜……

 

そんな、身も心もズタズタになり、今にも倒れてしまいそうな清霜だっだが、清霜の中にあるアツい小●宙(コ●モ)はまだ燃え尽きていない、そう……小●宙(コ●モ)さえ燃やせば何度でも立ち上がれる…

 

そして!そんな不屈の清霜の前に、奇跡が起こった!!

 

「お…おぉ……こ、コレは!!」

 

「…大和?いえ、武蔵さんの艤装?」ボソボソ

 

リング上に突如として現れた大戦艦の艤装(クロス)、大和型艤装(オブジェ形態)はまるで清霜を守るかのごとく清霜の前に降り立ち、そのバーツが眩い光を放ち清霜の体に装着されたッ!

 

「こ…これは!武蔵さんの艤装(クロス)!ち…力を貸してくれると言うのか!」

 

「…」

 

「この力!小●宙(コ●宙)が湧いてくる!………行くぞォ!目覚めろ清霜のセブンセ●シズ!」

 

最強の艤装、大戦艦級の艤装をその身に纏い小●宙をバクハツさせた清霜は夕雲型の軌跡を描きながら両腕をハアアァァ!とクネクネさせる!

 

だぁ~きしめたぁー…こ~ころのコ●モォ~(処刑用BGM)

 

「きましたァァァァァ!!さすがにコレは勝利確定でしょう!確定でしょう初春様!」

 

「あ?あぁ、うむ、あと、妾を揺らすでない」

 

激アツの処刑用BGM、信頼度90%オーバーであろうアツい展開に大興奮の青葉と観客席!これはもう勝ったなガハハと誰もが思った………

 

その時ッ!!

 

「ウッギャアアアアアアアアアア!!」

 

早霜のテリブルプ●ビデンスの前に、最強の硬度を誇る大戦艦級の艤装が粉々に砕かれ、そのまま清霜はきりもみ回転しながら頭からリングにズシャアッ!!と叩きつけられた

 

「ば……バカな、し……神話の時代から一度として砕かれた事のない大戦艦級の艤装が……」

 

「…残念ね清霜、もし、今日の私でなければアナタに勝たせてあげていたわ」ボソボソ

 

「お…オマエは……い、い……いった、い?」

 

「賞金はアナタにあげる、ベ●ブレードでも買いなさい……でも、副賞は誰にも渡さない、そう、誰にも、ウフフ…フフフフフ」ボソボソ

 

◆◆◆

 

無駄に長かった一回戦最終戦、第十六試合!

リングに上がるのは今大会唯一の海防艦、戦いたくないけどここに来た!海防艦対馬VS最上姉妹の末妹、最上姉妹のデンジャラスお嬢!熊野が軽空母名義で来てくれたッ!

 

「イヤだ……イヤだ…帰りたい…」ブルブル

 

「フッ…パツイチでキメてやりますわ!」

 

姉、佐渡さまに無理やり参加させられ、今すぐにでもこの場を逃げ出したくて仕方のない対馬だったが、佐渡さまから秘密裏に飼っているハムスターを人質に取られている…

きっと今も対馬のハムスターは佐渡さまから頬袋にひまわりの種をねじ込まれ、何個目に死ぬかなぁ~?とされている違いない……

どうしてもハムスターだけは助けたい!その一心で対馬はここに立っている!

 

「フッ…そんなにビビることありませんわ、優しくフォールしてあげますわよ?」

 

そんな対馬に優しく声をかける熊野はアナタはただヒトコト、マイッター!オレの負けだー!カンベンしてくれぇー!と言うだけですわ…と、耳もとで囁いた

 

そして、遂に開始った最終戦!まずは先手必勝、対馬は果敢に熊野にタックルを仕掛けたものの片手で止められ、そのまま掴まれてブン投げられた

 

「ぎゃん!!」

 

「ダヴァイ!ですわ!」

 

「ぅぅ……痛いよぉ、痛いよぉ…」

 

力の差は歴然、そして、そもそも対馬は争いや暴力が嫌いな心の優しいタイプ……この基地に居ない、他者を思いやり、理解してやる強い心の持ち主…

 

『バッキャロー!立て対馬ぁー!』

 

「ヒ、ヒィ…!さ、佐渡さま」

 

『戦え対馬ぁー!天使のように細心に!悪魔のように大胆にだぁー!行け対馬!戦術No.THE ENDだぁー!』

 

ハムスターの入ったケージをバシバシ叩きつつ、観客席からアツい声援を送ってくる佐渡さまに、対馬は再び足をふんばり、腰を入れて立ち上がった!

このままブザマな敗北を晒してしまったら、佐渡さまは対馬の大事な大事なハムスターの回し車にハイパーダッシュモーターを取り付け、拷問器具に変えるだろう、予感や予想じゃない……佐渡さまならヤる!その…素敵な確信が対馬にはあった

 

「う、うわあああ!せめてイッパツ、せめてイッパツ…」

 

「フッ、その意気や良し!覚悟や良し!ですわ!」

 

大事な大事なハムスターの為に、戦いの覚悟を決めた対馬は再び低空タックルを仕掛けるッ!今度のタックルはさっきとは違う、まるで己の命を無視したまさしく捨て身タックル!

 

しかしッッ!!

 

「グ●ートホーンですわーッッ!!」

 

熊野の放つ抜拳張り手を正面からモロに浴び、対馬はきりもみ回転しながら空高く舞い、頭から落下してグシャアッ!!とわりとヤバい音を立ててリングに叩きつけられて動かなくなった…

 

「キまったァァァァァ!これが黄金の神戸牛熊野!恐るべきブランド牛の破壊力だーッ!」

 

「うむ、コレは勝負アリじゃな」




次回から二回戦………ではなく、通常回
提督と五月雨が執務室に居る話

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