香取VS明石
熊野VS早霜
…だと思いますって
最大トーナメント二回戦ブロックD!一回戦、開始0秒の0ターンキル、圧倒的実力差で秋津洲を下した香取先生と最強の艤装、大戦艦級の艤装を粉々に粉砕し清霜を破った早霜が居る“真・死のブロック”…!!
二回戦最初の激突は死のティーチャー、ミス・Kこと香取先生VS最近好きな番組は知られざるガ●バー、小売店経営工作艦、明石ッ!!
「はい、いよいよ二回戦も残すはあと二試合、まずは香取先生と明石さんの試合ですが……どうでしょう?会場の予想でも賭けが成立しない状態です」
「そりゃ、のぉ…」
「かたや一回戦は圧倒的瞬殺、かたや相手の自爆ですからねぇ~…むしろ会場の注目は明石さんが何秒立っていられるかの予想に盛り上がっております、ちなみに青葉は0秒です」
「…もうちょい期待してよかろうに」
衝撃の0キルを再び期待する会場内の熱気をよそに、リング中央で試合開始のゴングを待つ明石の頭はクールだった、これはもうたった一つの冴えたクールくらいクールだった…
「フッ、前の試合は夕張が自爆したから見せられなかったけど…」
この試合、秋津洲と並び最弱候補のレッテルを貼られている工作艦明石には秘策があった…
そう………熱帯魚が好きな古鷹さんに売りつけようと店に入荷したドラゴンフィッシュに餌をやろうと水槽に餌を近づけたあの時、ヒントを得たのだ…ッ!バールより重い物は持ちたくない貧弱な自分にたぶんできる必殺のスーパーブロー…っ!!
いつかあのクサレメガネの眼鏡叩き割って顔面をメチャメチャに破壊してやると心に決めたあのパンチを放つ時は今…ッ!クサレメガネこと提督にブチ込む前に別の人の眼鏡をブチ割る事になるとは何の因果か…
「フフフ…」
「フッ、先生ェ…その余裕はいつまでも保ちませんよ」
「余裕…?フフフ」
香取先生は先程の試合前同様に、ただエレガントに微笑みを浮かべており、明石は自分が舐められていると確信し、そのキレーな顔フッ飛ばしてやるぜ!と心に決め、遂に試合開始のゴングが鳴っ…ッッ!!
「ぐわああああああああああああああー!!」
…たッッッ!!!
ゴングと同時に、全身から大量出血のスプラッシュを撒き散らしながら明石は死んだ…
「…だって、アナタもう死んでますよ?」
一回戦同様の圧倒的瞬殺ッッ!!開始0秒の0ターンキル再びッ!!
「瞬・殺ーーーッッ!!ブロックD二回戦、再び劇的な瞬殺劇だァァァァァ!つ、強い…ッ!強すぎる!教師・香取!あまりにも強すぎるーッ!!」
「…うむ」
「これはどうでしょう初春様!優勝候補No.1は金剛さんと思われましたが、これは香取先生もかなり可能性があります!香取先生はここまで二試合の時間を合わせて1秒もかかっていません!この強さはホンモノです!ってか、むしろ異常です!あの人ホント何なのでしょう!?」
再びの瞬殺劇にざわめく場内…
香取先生は勝者としてリングを降り………ない!リングサイドに待機させていた妹の鹿島先生からマイクを受け取り…
「えー…テステス、はい、マイクは大丈夫ですね、えー……会場にお集まりの皆さん、私からの提案なのですが、他のブロックは既に代表が決まっているようですし、ここでもうベスト4を決めてしまうと言うのは如何でしょうか?」
ざわ……ざわ…っ
香取先生からの提案…ッ!今、この場でベスト4を決めるッ!
青葉はその意味を問うべく香取先生に質問する!
『あ、あのぉ~…香取先生、ですが次の試合は早霜ちゃんと熊野さんでして…』
「えぇ、ですから熊野さんと早霜ちゃん、二人とも今、この場で二人とも消えて頂こうかと…」
『な、なんとぉーッ!!香取先生!まさか残っている二人をまとめて始末してやるとの超強気発言ッ!!なんと言う自信!なんと言う自信の現れだァァァ!!』
香取先生は“まぁ、二人だけでなく、今現在残っている五名、まとめてでもいいんですけど?”とエレガントに微笑みつつ小粋なカトリジョークを呟いていたが……リングサイドに立つ妹の鹿島にはそれがジョークなどではないと理解していた…
おそらく、この姉ならばどんなクズどもでも10秒で皆●しにしてのけるだろうと…
しかし…ッ!その、香取先生の超強気発言はここまで残る闘士達のPRIDEに火を点けたッ!!
「まったく………初めてですわ、この私をここまでコケにしてくれたおバカさんは」
消えて頂く発言にPRIDEを刺激された熊野は観客席から立ち上がりリングへと飛び降りる…!
「許さん……!絶対に許さんぞォ!!じわじわとなぶり殺しにしてやりますわー!」
「フフフ…なぶり殺しですか?なるほど…」
そんな熊野のエレガンテではない言葉遣いを気にした様子もなく香取先生はエレガントに微笑みを浮かべ、熊野がキェーッ!と奇声をあげながら飛びかか…
「アナタもう死んでますよ」
「ウッギャアアアアアアー!!!」
血のシャワーを撒き散らし、熊野はリングに転がった…
「瞬殺ッッッッッッ!!イキって飛び出した熊野さん!やっぱり瞬殺されました!もはや誰もこの怪物を止められない…ッ!」
「怪物は言いすぎじゃろ…」
「そうですね、怪物は言いすぎました!青葉反省します、先生、お願いだから青葉を殺さないでください、ホントお願いします」
青葉は実況席の机に勢い良く額をぶつけ命乞いした
「さて………では次、フフフ、そう、アナタですよ、アナタ」
「…調子に乗るなよ」ボソボソ…
熊野と同じく、観客席から試合を見ていた早霜はゆらっと立ち上がり、ゆらっとリングに飛んで降り立ち、香取先生とリング上で睨み合い…
「なるほど……ふむ、なるほど…えぇ、これは……油断なりませんね」
「…」
リング上には今までにない異様なオーラを漂わせる両者、スピード制限の無い0ターンキル!教師・香取 VS 対妖怪のスペシャリストと噂される夕雲姉妹の根暗っ子、早霜
その激突が…ッッッ!!
「チィ!!なるほど…」
「…やる」ボソボソ…
リング上で睨み合っていた両者が、一瞬の内にリング中央から別れて互いに流血しつつ片膝をついた!!
「こ…これはいったい何事だァァァァァァァ!!今の一瞬でいったい何が起こったのか!?解説の初春様!お願いします!」
「…たぶん、おそろしく速い手刀じゃろ、妾でなければ見逃しておったな」
「なんと言うコトだァァァァァ!!今の一瞬でおそろしく速い闘いが起きていたッ!!こ…これはもう青葉が実況できるレヴェルではありません!」
この後、リング上では人知を超えた戦い、基地まるごと超決戦!とびっきりの最強VS最強が始まり、リングと言う名の狭いフィールドでは足りなかったのか、空中へと飛び出し、至るところでドゴンドゴンとぶつかり合う音が響き、衝撃波で基地の窓ガラスが何枚も割れた…
苛烈さを増す戦いは両者が周囲に配慮したのか、いつの間にやら誰も居ない荒野へと戦いの場を移し、一進一退の攻防を繰り広げ、互いに限界を超えた限界を、当たり前のように壁をブチ破り今だ限界突破!の極限バトルとなった…
そして……
実況席の青葉はマイクを握り、会場のお客様達に懇切丁寧に事実を伝える
「えー………カウント20、両者リングアウトの為、この試合、両者敗北になりました」
「世知辛いのぉ…」
ブロックD 勝者無し
次回はたぶん通常回、轟く侵略再び!