【登場人物】
提督(クソT)
好きな映画は神々の熱き戦い
海風(白い)
高い長女力を持つ改白露姉妹の長女、可愛さ、レア度、乳のデカさ、全てが旧型長女の白露を上回る新型の長女
山風(緑のトゲトゲ)
家族愛に飢えている
江風(赤いの)
改白露型のやればできる子
涼風(青い)
知らない子からは五月雨のドッペルゲンガー疑惑をかけらている、凶暴
今日も昼まで寝正月、正月番組を見ながらダラダラする事に飽き、たまには神に祈るかと考えた俺は、まずはシャワーでひと心地つき、身支度を整えて部屋を出た…
「よし、行くか…」
新しいステージは神に挑む場所、神々の住まう神の社に小銭を投げ込む儀式を行うべく“神社”へ“初詣”に行くかと駐車場へと歩いていると、白・緑・赤・青とファンキーな頭をした集団がヘラヘラ笑いながら歩いていた…
「よぉ、姉妹で仲良くお出かけか?」
「あ、提督」
白い頭の白露姉妹の七女にして改白露姉妹の長女、海風ねーちゃん
「お、テイトクじゃねすか?あけおめっす」
赤くて頭の悪そうな白露姉妹の九女、江風、俺が暇潰しに買って読み捨てたコンビニコミックの続きをねだる問題児
「…おめでとう、ございます」
緑でトゲトゲしい頭、白露姉妹の八女、山風、姉妹一の気難しがり屋で目ツキも悪いが根は素直で良い子なのだろう
「よっ!オッサン!」
濃い青の頭、白露姉妹の十女、見た目が五月雨とよく似ているが基本乱暴者なので凶暴な方の五月雨、五月雨Bと呼ばれている
そんな改白露姉妹はどうやら姉妹でお出かけするところらしく、お買い物しに行きますよ的なオーラを放っているのを俺は既に“凝”で見破っている…
「提督もどこかへお出かけですか?」
「あぁ、ちょっと近所の神社に初詣にな…」
「初詣ですか!そうですか!へぇ〜!!そうなんですか!」
海風ねーちゃんは異様なテンションで手をパンパン叩き、へー!偶然ですねー!それは本当に偶然ですねー!と両目を見開いて俺と腕を組むような型でグイグイきた
「ちょ…!海風ねーちゃん、近い!なんなの!?」
さらに、海風ねーちゃんは俺の肩に手を回すような型でその華奢な腕から万力のような力でグイグイ俺をねじ伏せ、海風ねーちゃんはヒソヒソ話体勢で姉妹に背を向けて座り込んだ、っーか乳デケーなこの子、誘ってんのか?
「提督!初詣!行くんですよね?」ヒソヒソ
「い、行くのだよ」ヒソヒソ
「私達とご一緒しませんか?」ヒソヒソ
…これがご一緒しませんかと言う態度なのだろうか?最近の若い娘はよくわからんな、あと、乳デケーなこの子は
「やだよ、初詣ってのはアレだよ、一人で、豊かに、そう…なんて言うか、救われてなきゃダメなんだ…」ヒソヒソ
「提督…っ!アレを見てください!アレ!」ヒソヒソ
「…アレ?」ヒソヒソ
海風ねーちゃんに首をグイッと回されチラリと見える海風ねーちゃんより下の妹達、相変わらずどいつもこいつもアホみたいツラしてるなオイ…あっ、海風ねーちゃんさっきから押しつけすぎじゃね?
「どうですか?」ヒソヒソ
「いや、どうと言われてもね…」ヒソヒソ
「晴れ着!!提督にはあの晴れ着が見えないんですか!」ヒソヒソ
「晴れ着だぁ…?」ヒソヒソ
あぁ…晴れ着な、そう言われると緑のやつが'FURISODE的な春のコーデと言うやつですね、うん、そしてこれは柔らかいですね
「どうですか?」ヒソヒソ
「いや、どうと言われてもね…」ヒソヒソ
「提督ッ!!」ヒソヒソ
「ヒギィ!!」ヒソヒソ
海風ねーちゃんの万力のような力が俺の首をグルンと回し、俺の首は稼働してはならない域にねじ曲がった
「いいですか提督、あの子は……山風は提督と初詣に行きたくてウズウズしてるんですよ!ウズウズしてるんですよ!」ヒソヒソ
「へぇ〜」ヒソヒソ
「いいですか?私がそれとなく江風と涼風を誘導するので提督は山風と手でも繋いであげてください、そうですね……あ、そう!初詣は人が多いので迷子になるといけないので」ヒソヒソ
「然り」ヒソヒソ
海風ねーちゃんのドロっドロにアツい“熱意”に圧され、俺は自分で変な方向に曲がった首を正しい位置に戻し、海風ねーちゃんと互いに頷き合い、スタイリッシュに立ち上がった
「山風!江風!涼風!提督もたまたま初詣に行くから私達と一緒に行ってくださるそうよ!」
「へぇ〜…よし、出店でなンか買って貰おうぜ!」
「オッサン、車だせよ、車」
「オッサンじゃない、提督だ、あと、俺の車は二人乗りなのだよ」
「ダイジョーブだって!ちょっと詰めりゃなンとかなるって!なァ?」
なるワケねーだろ、ミッドシップ2シーターをナメンじゃないよこの子らは…
「そ、そうね!じゃ、私が前で山風を膝に置くから江風と涼風は後ろに座れば…」
ママの胸よりチャイルドシートォォォォォォ!!
◆◆◆
結局、車ではなく電車で移動した俺たちは無事、近所の神社へと来ていた…
「…人が多い」
地元じゃちょい有名ってぐらいの神社でも正月は多い、新年の参拝客に参道の脇を固める魅惑の匂い………ゴキゲンな出店だ、そんな神社へとやって来た俺たちは人と言う荒波をぬらりとかわしつつ前進していた…
「あれ…?提督、山風は?」
「知らないのだよ」
ビタンッ!!(弁慶蹴り)
海風ねーちゃんから弁慶を蹴られ、今すぐにでも転げ回りたい衝動を鋼の精神力で耐えていると、海風ねーちゃんは血の気の引いた顔で群衆の中で山風の名を叫んでいた
「山風!山風ェー!!」
「どーしたんでい?海風の姉ェ…」
「涼風ッ!山風見なかった!?ま、まさか………迷子ッ!!」
「や、山風の姉ェなら江風の姉ェと一緒に出店でカラーひよこ見てたよ」
「江風ァ!!ナニ勝手な行動してんの!まずはみんなでお参りするって言ったでしょ!!」
海風ねーちゃんはハンドバッグを叩きつけ、カラーひよこの出店に居るらしい江風と山風のトコにダッシュして行った、正月からエキサイティングなコトだ…
「おいスズカ」
「スズカじゃねー、スズカゼ、ブッコロがすぞ」
「海風ねーちゃんはいつもあんなエキサイティングなのか?」
「いつもはそうでもねーかねぇ〜…」
ーーー
四人の改白露姉妹と合流し、無事、小銭を投げ込む儀式を終わらせた俺達…
後は帰るだけだがアホどもは出店に興味津々丸らしく、仕方がないので千円づつやるから買い物でもしなさいと…
ビタンッ!!(弁慶蹴り)
「ウグァ!!ま、また
海風ねーちゃんの鋭いローが再び俺を襲う、あの巨体でこのスピード…!参るぜ!
「山風、提督と出店でも回ってきたら?」ニコッ
そしてこの長女スマイル、何一つ落ち度すら感じさせない圧倒的スマイル
「…いいよ、別に、それに、みんなで……回った方がいい」
「や、山風ェ……アナタ、なんて心優しいの…!提督!見ましたか!この優しさ!この子私の妹なんですよ!ほら!」
「…痛い、海風姉ぇ、痛い」
両手で山風の頬を掴み、ほら!この子ですよ!この子!とグイグイしている海風ねーちゃんとそれを嫌がる山風…これが縦社会か
「ではみんな回りましょう!ね!はい、ほら!山風は迷子になるから提督に手を繋いで貰って!あ、心配なのでもう片方は私が繋ぎますね、コレで安心!」
「…やめて、ホントやめて…迷子とか、ならないし…」
ファンキー頭姉妹とダラダラ出店を見て回っていると、江風と涼風がなにやら変なモノを見つけたらしく、変な出店の前で立ち止まった…
「いらっしゃいませー、空クジなしですよー……って、ゲェーッ!!提督ーッ!と、改白露姉妹ちゃん達じゃないですか……なんでこんなところに」
「ナニがゲェーッ!だ」
明石のヤロウ……そういや見ないなと思ってたらこんなトコでテキ屋の真似事とは、なんてヤツだ…
明石曰く、年末年始は稼ぎどき!いつ稼ぐの?今でしょ?とのコトだ…
「とりあえずクジどーですか?1回800円ですよ」
「高けぇよ」
「お正月価格です、ほらほら!一等はなんとニンテ●ドーのアレですよ!アレ!」
「ふ〜ん」
………何故コイツはここまで胡散臭いのだろう、そんな胡散臭さバクハツ、胡散臭いオブ胡散臭いの明石クジに、山風は袖から千円札を一枚取り出すと明石に手渡した
「…明石さん、1回」
「ンマー!さすが山風ちゃん!ンマー!なんて良い子!見てくださいよテイトクぅ、テイトクには無い疑いすらないこの
「やかましい」
そして、海風ねーちゃんはそーでしょーそーでしょー、この子ウチの妹なんですよーとヘラヘラ笑っていた
「…5等」
「5等、はいはい5等ねー、5等、えー…5等はコレ、石鹸ね!はい、石鹸」
5等の石鹸を受け取り、露骨に顔をしかめた山風だったが、結果は結果として受け止めたらしく、石鹸を袖の下に収納した
「ホントに1等入ってんのかコレ?詐欺じゃねーだろーな?」
「失礼な!ちゃんと入ってますよ!」
「よし、じゃ残り全部買うわ、入ってなかったらサツに突き出すからな、新年早々クサいメシ食ってこいよ」
「や、買い占めは他のお客様のご迷惑になりますのでカンベンしてください、ウチはたくさんのお客様に楽しんで頂きたい方針なんで、おひとり様5回まででお願いします」
このヤロウ、やっぱクロじゃねーか…
明石のヤロウはビュービュー口笛を吹きながらシレっとしている
「まぁいい、後でアガリ報告しろよ、1円でもチョロまかしたらブタ箱にブチ込んでやるからな」
「悪魔…っ!!なんて悪魔……っ!あり得ないっ!呑めるか…っ!そんな条件!」
「うるせーよ」
次回からイベント海域編、死闘!ブイン防衛戦!