【登場人物】
深海日棲姫(骨)
カルシウムが足りてないらしく、見た目に反して口が悪い
Nelson(貴族)
長門・陸奥に並ぶらしい海の強者、偉そう
磯風(ドヤァ!)
美食死天王の一人、みんなで料理していると浜風からはカレーの火を見守る係にされるのが面白くない
海域最終決戦!深海期待の超新星、深海日棲姫率いる深海ブイン攻略部隊旗艦艦隊VS先日、海軍に新たに加わった最大戦力、英国から来た誇りと目線高き高潔なる貴族!ネルソン率いる海域攻略部隊…
「さて…見せて貰おうか、
俺は五月雨の淹れた茶を一息に飲み干したものの、あまりのアツさにうっぎゃあー!と叫びつつ椅子から転げ落ちてのたうち回った…
その間、五月雨は“なにやってるんだコイツ、イカレているのか?”みたいな目をしていたがすぐに興味を失ったらしく執務机のTVに視線を移した…
「皆なかなか調子良さそうですね、動きに硬さはないっぽいです」
「何がないっぽいですねだ、夕立かテメーは」
「夕立姉さんではありません、五月雨です」
五月雨は一瞬イラっとした顔をしていたがすぐにニュートラルに戻り、お菓子でもどうですかとチ●コパイの入った菓子皿を勧めてきた…
「貰おう」
さて、では改めて責任あるチームの指揮官としてチームの活躍でも見守るとしようか…
◆◆◆
『ウッギャアー!!』
『ヌ級ーッ!!チクショウ…!』
『全員頭部ヲ守レ!ヤツラハ上カラクルゾォー!』
開幕基地航空隊によるゴキゲンな轢き逃げアタックで一定数の露払いの後、連合艦隊本隊との決戦…!今回、連合艦隊を率いるのは長門、陸奥に並ぶと噂されている海の強者“ビッグセブン”ネルソン…ッッ!
『アレガびっぐせぶん…ッ!』
『ナンテおーらダ、ビリビリキヤガル…ッ!』
『クッ…!心ガ弱イ者ハ下ガレ!“覇王色”ダ!』
長門型とは違う、初めて対峙するネルソン級戦艦………ネルソンは貴族特有の優雅な手付きで手を振り、一閃の砲火を放った
『クルゾ!ねるそん・たっちダーッ!』
『全員死ヌ気デ避ケロォォォォォ!! 』
ネルソン最大の奥義“ネルソン・タッチ”の噂は深海にも届いている…
深海棲艦達は日々情報収集を欠かさない、そして、毎月の深海定例会議でこうした情報を分析、対策を講じる事で常に時代の先端を行く努力をしているのだ…
そして、一見完璧な技に見えるネルソン・タッチにも欠点はある、深海の仲間達は深海日棲姫の指示の下、完璧フォーメーションでこれを回避した……ッ!
『ドウダコラァ!』
『ナニガねるそん・たっちダ!ビビラセヤガッテ!』
『ハンチクジャスマサネーゾ!』
しかし………
至高の
「今のはNelson Touchではない、Touchだ…」
『ナン……ダト?』
『ね……ねるそん・たっちジャナイノカ…?』
あの破壊力で
「ナガトやムツ、同じBig Sevenと言えど艤装とは使う者によってその威力は大きく異なる、つまり余の主砲はナガトやムツよりも威力が大きいと言うコトだ」
ネルソンは貴族特有の大胆かつ優雅な身振り手振りでその艤装を変形させる…ッッ!!
「そして………これが余の
ネルソン
Nelson Touchと………ッ!!!
『コ、コレガ真ノねるそん・たっ…ッ!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァァァァァ!!』
『ハハッ、間ニ合ウモノカ…』
『ウッギャアー!深海日棲姫クーン!』
◆◆◆
「なるほど、これがネルソン・タッチと言うものか」
まるでスーパーロボットのような少年達をワクワクさせてくれるカットインで魅せてくれやがる…
大戦艦ネルソン、ただのメンドくさいタイプの大貴族ではないらしい
「色々と制限はあるみたいですが、かなり強力ですね」
「うむ」
五月雨も初めて見るネルソン・タッチにはさすがに驚いたらしく一瞬目を丸くしていたがすぐに興味を失ったのか、いつもの死んだ魚みたいな目に戻ってチ●コパイの袋を開けていた
「ネルソン・タッチか………サミダリューン、卿ならどう攻略する?」
「そうですね…まぁ、まずは撃たせない形にしたいですね」
完璧なる
「では陣形が崩せなかった場合はどうするかね?」
「諦めますね」
「…ハッキリ言う、気に入らんな」
こやつめ、何が諦めますねだ、シレっとした顔をしているがこやつの頭は今フル回転だろう…
「あ、そろそろ夜戦みたいですよ、夜戦」
◆◆◆
『オロカナヤツラ…ダッ…!オマエタチノタタカヒ…ハ…ココデオシマイダァ!!』
ネルソン・タッチの脅威を潜り抜け、戦いは最終局面、チームは壊滅状態、自身も膝にダメージを受けている深海日棲姫はそれでもチームの為に倒れるワケにはいかない、そう、ここまで自分と共に過酷なトレーニングに耐え、満を持しての出陣に付いて来てくれた仲間達を、顔がデカくておしゃべりなヌ級、気難し屋だが誰よりもチームの仲間を信頼しているナ級、手はデカくてぶきっちょなツ級……どいつもこいつも最高のチームメイト達だ…
「フッ…ここでお終いだと?この磯風、実力もないくせにデカい口を叩く奴が大嫌いでな」
『ナンダァ…?テメェ…?』
「フッ、誰だと…?フッ、私は陽炎型12番艦 磯風、かつて数々の深海棲艦を半殺しにした艦だ!」ドヤァ!
そう言って磯風は右手をブンブン振って深海日棲姫に手刀を叩きつけた
『痛ァイ!!』
「痛いか…?フッ、それもそうだろう、何故ならこの磯風の右腕の手刀は………
『クッ……コノヤロウ!』
“全身凶器”磯風…ッ!駆逐艦の中でも一際眩い輝きを放つスター集団、陽炎姉妹の中でも更に強い輝きを持つ武勲オブ武勲艦、好戦的かつ高圧的な態度と強さこそが正義の信念の下、提督が邪悪な存在と知りつつも地上の平和は力によってもたらされるとの考えから提督に仕えている……らしい
『ジャ……邪悪ナ存在ダト知リツツダト…?バ、馬鹿ナ、艦娘ハ地上ノ愛ト正義ノ為ニ戦ウ戦士デハナカッタノカ!』
「フッ、力こそ正義、たとえ提督が邪悪な存在だろうがこの磯風のカレーを食べてくれる以上は提督こそ正義よ!」ドヤァ!
『ク……ナンテヤツ…!』
「そぉら!この磯風の聖剣の餌食となれェー!!」
全身凶器磯風の聖剣ラッシュの前に、耐久888を誇る装甲がまるでバターのように切断される中、深海日棲姫は一瞬の隙を突き、磯風の右腕を蹴り足挟み殺しで破壊した
『キャオラッ!!』
「うっ!こ…この磯風の聖剣を……っ!だが、この磯風には左腕と両足がある!貴様に勝ち目などないわー!!」
『ソレハドウカナ…?』ユラァ〜
「な……なんだ?この死に損ないから感じる強大な
『ウオオオオォォォォォ!!燃エ上ガレ奇跡ノ深海パワー!仲間達ヨ!モウ一度コノ深海日棲姫ニ奇跡ヲーッ!!』
極限まで生命を燃やした深海日棲姫-壊-最後の一撃!!
その一撃を、磯風は何事もなく回避し、深海日棲姫のお腹にキックをブチ込み上空に蹴り上げ、磯風も上空に飛び、空中で深海日棲姫の両足を両脇に抱えつつ両手で腕をつかみ、両足で深海日棲姫の肩を挟みリバースの逆エビ固めの体勢に固めた
『ウゲェア!!』
「見ているか!浜風!浦風!谷風!あの日、お前達に見せてやれなかったこの技を!とうとう万人に見せてやる時がやってきたーッ!!」ドヤァ!
そしてそのまま急降下!!散っていった第十七駆逐隊の想いを乗せ(磯風曰く)美食の申し子磯風の奥義が深海日棲姫に炸裂した!
「死ねッッッ!!エクスゥゥゥゥゥ!キャァァァリィィバァァァァァ!!」
『ウッギャアアアアアア!!』
胸から激しく海面に叩きつけられ、深海日棲姫は盛大に吐血して海上に転がった…
『ヤ……ヤラレチャッタァ……マタ、シズムノカ……モウスコシデ トドクノニ………ゴバァ!!』
「フッ…」ドヤァ!
『グフッ……』
こうして深海日棲姫はブクブクと気泡を残して沈み、深海艦隊VS連合艦隊の死闘に終止符が打たれたッッッ!!
次回はたぶん通常回、鈴谷が吐く