胸がキュン死するステキなイチャコメを目指して悩んでおります
【登場人物】
提督(中佐)
自称、知性溢れる天才ファイター
梶輪大将(大将)
海軍大将、そのストロングなファイトスタイルは提督の上位互換なあげくにやたら強い
桜井中将(中将)
坂下郁様の“それでも僕は提督になると決めた”から出張して頂いている中将、冷静で的確な解説に定評ある有識者
我らがクソメガネ(中佐)VSクソオヤジこと梶輪大将(大将)死闘のゴング鳴った…ッ!!
ファイトスタイルを同じく両者の優劣を分けるのはシンプルな実力差!パワーでの勝負を避け、まずは相手の機先と体力を削ぐ作戦に出た提督だったが、老獪な経験則を持つ大将に見破られ、豪腕から繰り出されるパワーボムが提督に炸裂したッ!!
「ゴハァ…!!」
「フン…なんじゃあ?もうちょっとワシを楽しませんかい」
コーナーポストを背にダウン!!………したかに見えた提督!しかし!提督はゆらりと立ち上がった…ッ!
「なかなかのパワーとスピードだ、さすがは大将殿」
「ほぉ…?」
「だが、俺をしとめるには高さが60cm、角度が15度足りなかった」
立ち上がった提督は溢れる知性アピールを忘れない、知性こそ海軍式格闘術の源!その最大の本質は防御力の高さにあると妙なポーズをキメつつ高らかに叫ぶ
「なるほどのぉ、ま、今のはワシも手加減しておったしな!」
「ハッ!減らず口を!」
「フン…お互いまだウォーミングアップと言うワケか」
ーーー
「序盤から火花散る攻防ーッ!まさかの我らが提督が秒殺かと思われましたがさすがは卑怯・卑劣・非情の我らが提督!よくわからない理論で立ちました!」
『ふむ、おそらくは着弾寸前の僅か数秒間、致命的にならぬよう最大限の受け身を計算したのか…』
「なんと!?」
桜井中将曰わく、おそらくは高等数学を用いたまさに計算され尽くしたダメージコントロールと唸っていると、画面の向こうで解説する桜井中将の後ろから別の声が聞こえてきた
『アナタ、ごはんですよ……って、あら?何やってるの?』
『ん?あぁスマン、ちょっと取り込み中でな、後にしてくれ、後に』
『取り込み中って……ちょ!なんでパソコン隠したんです…っ!』
『あー…いや、ちょっと…』
ガタッ!ガタガタ!ちょ!ま!違う!ガタッ!そーゆーのじゃないから!ガタガタッ!
「桜井中将?桜井中将ー?」
ツー…ツー…
「えー…?桜井中将側に何かしらのトラブルが発生したようなので復旧までしばらくおまちください」
ーーー
そして、そんな男の戦いをハラハラとドキドキの中で見守る有馬優は、同じく観覧席で隣に座る青髪ロングの秘書の人からお茶でも如何ですかとリプ●ンのペットボトルを差し出された
「///」
「まぁ、心配しなくても大丈夫ですよ」
「?」
「何度倒れても、ゾンビのように立ち上がるしぶとさだけはありますから」
一撃死でない限り、ボタンを連打で
「まぁ、悪くても病院送りでしょうし、個室でも予約しときますか」
「……//」
◆◆◆
「トアーッ!」
「グオッ!ぬぅ…!!強力だ、なかなかやる!」
リング上の死闘!提督と大将は互いに勝負を決める必殺を狙いつつ攻防を繰り広げていたが、一瞬の隙を突き、大将は遂に提督を捉えたッ!
「グゥッ!!」
「行くぞォ!!さっきとは違う!正真正銘全力全開じゃあ!!」
大将に突き上げられ、空中で逆さまの状態、まるで強烈なエビ反りを掛けられるような体勢でロックされ、そのまま落下態勢に入った!!
「グヘァ!!」
「ガハハハ!この技から逃れられると思うなーッ!」
ーーー
「ゲェーッ!!あ、あの技はー!」
『千●殲滅落とし!アレを使うか…ッ!』
「あ、桜井中将、戻ってきたんですね、恐縮です!」
無事、機材のトラブル?から復旧した桜井中将は大将殿が繰り出す技を一目で尋常ではない奥義であると見抜き、冷静で的確な解説を始めた
『空中で固定した相手を着地と同時に完全に粉砕するあの技…ッ!梶輪め!完全に中佐を殺る気だ!』
「マジですか!」
桜井中将が“完全に殺る”とまで言い切る奥義に、既に落下態勢に入っている提督はなんとかロックを逃れようとするが不可能…ッ!!完全に固定されたこの奥義からは逃げられない!
「グオォォ!!う、動けん…ッ!」
「ガハハハハハ!!死ねいッッ!!」
「クッ!!」
ゴガアアァァァン!!!!
梶輪大将の全力全開!その究極奥義が今、リングに着弾し、豪快な破壊音と衝撃にリングを揺らした
「ゴ、ゴハァ!!」
提督は血反吐をブチ撒けリングに転がった…
「決まったァァァァァ!!決して喰らってはならない究極奥義を我らが提督!喰らってしまったァァァァァ!」
『ぬぅ…』
「全身を破壊されたであろう提督、リングに倒れ込み………動きません!まったく動きません!」
『やはり無謀な実力差だったか……しかしあの男、奥義まで使うとは、いや…中佐はあの男に奥義を使わせる程の相手だったと誉めるべきか…』
リングに転がったまま微動だにしない提督……
誰しもがこれで勝負ありだろうと思っていたその時、観客席からポツリポツリと僅かな声が聞こえてきた…
『テイトクーッ!立ってくれェー!』
『そうだぜテイトク!アンタはいつだってオレ達を信じてくれた!だからこそオレ達はテイトクを信じるぜー!』
『オマエはいつだって奇跡の逆転劇を見せてくれたじゃないかー!』
『プッ、ブザマでやんの…写真撮って待ち受けにしよ』
『ヘイ!テイトク!ユーを倒すのはワタシデース!!』
…それは、いつしか大きな声援となり、会場一杯のテイトクコールとなる…
そして…ッッ!!!
「グッ……!」ピクッ!
「ぬぅ?ま…まさか!」
「ヘヘッ、まったく……どうやら地獄の鬼どころか閻魔様にも嫌われているらしい…」
提督は立ち上がる…ッ!!何度でも…!!
◆◆◆
「バ…バカな、ワシはオマエを完全に殺る気、正真正銘の全力全開で奥義を放ったハズ…」
「…どうやら俺を殺るには、高さが20cm、角度が15度足りなかったらしいな、クソオヤジ!」
…とか言ってみたが、たぶん運が良かっただけだ、俺の全身はまぎれもなく破砕寸前、自分でも何故立てたのか不思議なぐらいだ…
「なるほどのぉ……フッ、どうやらオマエの勝利を信じるこの声援がオマエの力となったか?」
「声援…?俺にはもっと戦え、死ぬまで戦えと強要する悪魔よりタチの悪い声に聞こえるがな」
そうだ、俺はこの基地の部下達に冷酷・冷徹・冷静であれ!仲間を助けるのは悪!むしろ失敗を笑ってやれとアツく教えてきたッ!そんな部下達に情けない背中を見せるなどない!
「フン、もはや死に体のオマエにナニができる?今度完璧に沈めてくれるわ!」
「それはどうかな…?」
「………むぅ、なんだ?もはや死に体となったこやつから感じる力は………ま、まさか!!」
「ここから先は“知性”は不要!俺の全身全霊を込めてアンタを倒す!」
ーーー
『
「お…
オンライン解説者桜井中将は机を勢い良くダァン!し身を乗り出しアツく冷静で的確な解説を始めた…
曰く、
「そ、それが
『長い海軍史の中でも
『アナタ!!ご飯って言ってるでしょ!!なんで鍵閉めてるの!やっぱりやましいコトがあるんでしょ!』
『後でと言ったろうが!今良いところなんだ!邪魔をするな翔鶴!』
オンライン解説席から激しくドアを叩く音と女の声も混じる気もするが、たぶん気のせいだろう…
そして!!リング上では提督と梶輪大将、互いに
「オラァ!!」
「なんじゃそのションベンパンチはァ!!パンチとは………こうだッッ!!」
ドゴオォン!!(ジェネラルパンチ)
「オゴォ!!こんの…ッ!クソがァ!!」
ズドンッ!!(テイトクナックルアロー)
「ヌウッ!!!この威力…!!」
素手の殴り合い、そして!息つく暇ない攻防の隙を突き、ついには提督が必殺必勝の型へと持ち込む!!
「ゲェーッ!あ、あの技はー!!」
「まるでサッカーボールをヘディングするような
「間違いない!あの技への
主に観客数の駆逐艦大興奮のあの技!提督が得意とする海軍三大奥義の一つ!テイトクリベンジャーへの
提督は梶輪大将の身体を空中でロックし、今、必殺の
「グオオォォォ!!う、動けん…ッ!!」
「これで終りだァ!クソオヤジがァァァァァ!!」
「グオオォォォ!!!」
ズガアァァン!!!(完成・テイトクリベンジャー)
必殺のテイトクリベンジャーが勢い良くリングに着弾し、梶輪大将は血反吐をブチ撒けつつリングに転がった!!
ーーー
「ハァ……ハァ……どうだコラァ!!」
立つな!!頼むから立つな!マジで立つな……こっちはもういっぱいいっぱいだ、もし……もし大将殿が立ち上がれば、俺にもはや反撃の力は残されていない
「ゴハァ!………クッ、ククク……やりおる」
立つのか…!?ウ、ウソだろ……?マジかよオイ
さすがの大将殿もノーダメージではないらしいが、まさか立つのか!
「大した破壊力じゃあ……ククク、相手がワシでなければ、オマエの勝ちだったかもしれん」
た、立ちやがった……これが海軍大将…ッ!な、なんて厚く、なんて高い壁……舐めていた、海軍大将と言う男を!
………もはや、ここまでか
「オマエはよくやった」
「クッ……!」
「…が、ワシとて海軍大将、長年深海棲艦の脅威と戦ってきた実績と経験、オマエら若造とは鍛え方が違う!精根が違う!理想が違う!決意が違う!」
か……勝てない…ッ!!
「海軍が長年積み重ねてきた力と技、海軍大将であるワシが、この技で、この勝負を終りにしてやろう…」
大将殿は俺の身体を空中に放り投げ、身体をブリッジするように勢い良く反らせて腹筋の力で何度も跳ね上げ、空中で俺の首と片足、両腕を固定しエビ反りになるようにクラッチした
「ゴハァ!!」
「これが海軍三大奥義!真のテイトクスパークじゃあァァァァァ!!」
更に俺と背中合わせのような姿勢で手足を固定し頭と体を地面に叩きつけるように勢い良く落下を開始する
こ、これが真のテイトクスパーク……ッ!!やはり佐官程度が繰り出すモノと海軍大将が繰り出すモノでは迫力が違う!コイツは返せない…!
「死ねい!!」
ど、どうやら俺もここまでか………思えば良き部下に恵まれた、そして良き仲間にも……俺はここまでだが、我が友よ!これからはオマエがこの基地を…
ズガアァァァン!!(真・テイトクスパーク)
「「「ゴバァァァ!!」」」
ーーー
「き、決まったァァァァァ!!梶輪大将必殺の海軍三大奥義テイトクスパークが炸裂ーッ!!提督は……提督は立てません!今度こそ立てません!」ポロポロ…
『…勝負ありだ』
「け、決着ッッッ!!、しょ…将奪戦!梶輪大将VS我らが提督!1時間15分にも及ぶ死闘は海軍大将!やはり大将の壁は高かったーッ!!」
こうして、海軍昇格審査“将奪戦”は提督の敗北で幕を閉じた…
しかし、その死闘には観客席から惜しみない称賛の声が送られ、敗者である提督は惜しみない拍手と歓声に包まれつつリングから緊急搬送されて行った…
提督 ● 対 梶輪大将 ○
1時間15分42秒 真・テイトクスパーク
次回は完結編
マッスルパートが無駄に長くなり過ぎたせいで+1話
さらばハイスペックお嬢様