【登場人物】
明石(爽やかクズ)
工作艦の仕事は特にしてない工作艦、金が好き
山風(爽やか観葉植物)
飼い猫の名前は特にない
提督(爽やかクズ)
モクモクしちょるだけの中佐、歩いてる駆逐艦にモクモクのバズーカを浴びせたら嫌われた真のクズ
「あ〜………本当に金が欲しぃ〜…」
法に触れないものならなんでも揃う、みんなの店アカシメイト…
基地施設内にあるこの店舗は多くの艦達が利用しているものの、利益率はあまりよろしくはない、今だって最近設置したカードガチャを駆逐艦の子供達が回してキャッキャとハシャいで帰って行くぐらいだ、閑古鳥どころか死告鳥の鳴き声すら聞こえてくる…
「なんかもっと儲けの出る商売ないですかねぇ〜」
目玉のカードが入ってるかもしれないカードガチャはなかなか売り上げもいい、基本はゴミしか入れてないので利益率も良いのだが、いかんせん小銭だ、所詮は小銭を集めるだけのみみっちい商売…
この、明石には“黄金”のような“夢”がある…っ!
この国の経済を裏から牛耳る“帝王”となり、浴槽を札束で満たし胡散臭い金運ブレスレットの広告みたいに世の中金!と言って人生をオモシロおかしく過ごしたいのだ!
その為にはやはり………金っ!金がいる…っ!円が!ドルが!ユーロが!元が!
「…明石さん、餌やってきたよ」
「ンマー!山風ちゃん、ンマー!ありがとねー!はい、お駄賃」
ダチョウの出来損ないとディスられる食肉鳥、エミューのお世話をしてくれる山風ちゃんにお駄賃300円、そして、ドリンク棚からキンキンに冷えたオレンジジュースを取り出して渡してあげると…
「…ジュースは……えっと、100円?」
「いいのいいの!そのジュースはお姉さんからの奢り!いつもお店の仕事手伝ってくれる山風ちゃんに……ほら、遠慮しなくていいよ、あ?お菓子も食べる?賞味期限切れてるけど?」
「…あ、ありが…ありがと」
ンマー…まったく、なんて良い子なのかしら!山風ちゃんホント良い子だわー、お仕事頼めば一所懸命真面目にやってくれるし(安価で)イベント開催中にビール売らせたらメチャメチャ売ってくるし(安価で)まさに天使ですよ、天使!アカシに天使が舞い降りたとはこのコトですよ!ヒャッホォー!
「…明石さん、なに読んでるの…?」
「ん…?あぁ~……えっとねぇ、色んな会社のコト書いてる本?かなぁ~」
嘘ではない、TEIK●KU NEWSである、日々、企業の倒産動向・経営実態調査をチェックするのは大事な日課だ
「山風ちゃんにはまだちょっと難しい内容かもねぇ~」
「…そう」
ハァ~…可愛えぇなぁ~、なんと言うかアレですね、山風ちゃんを見てるとこの社会と言う名の四角いジャングルで荒みきった心癒やされますね~、なんでしょうね?あ~…ほら、アレですよ、アレ、まるで観葉植物的な?緑でトゲトゲした植物ありますよね?アレ的な…
「ククク…」
「ん?」
そんな癒やしの観葉植物に心を癒やされていると、店の入口の辺りにいつの間にやらアゴの尖った眼鏡が立っていた…
「…あ、テイトク」
「ゲッ、提督…」
「ククク…当たり無しカードガチャか、相変わらずアコギな商売やってるじゃねーか、明石」ざわ…ざわ…
でたよ、クソ大人筆頭、クソオブクソ大人の提督…
「ナニがアコギな商売ですか、ウチはKENZENですよ、KENZEN」
「KENZENねぇ…」
「で?何かお買い求めですか?ジャ●プですか?タバコですか?あ、指輪とか買いません?指輪、最近上が売れ売れうるさいんですよ、ほら、今ならシルバーと一緒にどうですか?カッコいいですよ、腕に巻くとか!」
「うるせぇよ」
チッ、さすがに買わないか………天龍さんや木曾さんはシルバーカッケーって買ったのに…
「とりあえずタバコと……このカレーパンくれや」
「タバコですね、タバコ、はいはい」
「モタモタしてんじゃねーぞクソが、だいたいなんだそのスカートの穴は?誘ってんのか?」
「誘ってないですよ」
誰が誘うかっーの
「…テイトク、カレーパン買うの?」
「買いますが?」
「…へぇ」
山風ちゃんは足下にいた全身毛のないキモいけどお高価な猫を抱き上げた
「…へぇ」
「相変わらずキモいなその猫」
「…キモくない、どちらかと言えば、かわいい」
「そうかぁ?キモいよなぁ?なぁ明石?」
この野郎ォ…こっちにイヤなパスを…ッ!ま、まぁ、ここは山風ちゃんに合わせていこうかな
「お高価でかわいいんじゃないですか?」
「…なんか違う」
おかしいな、私、誉めましたよね?
「クズは所詮クズなのだよ、明石」
「誰がクズですか、むしろクズとか提督にだけは言われたくない言葉ベスト3ですよ」
「奇遇だな、俺もオマエにだけはクズと言われたくないのだよ」
ちなみに他の2つは“淫乱”と“ピンク”である
とりあえずタバコとカレーパンの代金を受け取り、さっさと出て行けよクソがと右手でシッシッと払ってやった
「言われんでも行くわい、さ、外のベンチにでも行くか…」
「…私も行く、いい?」
「別に構わんが…」
「いいよいいよ!山風ちゃん、お手伝いはもう終わってるしね!そのゴミクズにジュースでも買ってもらったら?」
「誰がゴミクズだ」
そんなワケで、ゴミクズと山風ちゃん+猫はお店を出て行き、再びお店は静かになった…
「はぁ………高校野球でも見よ」
どうせ誰も来ないし、あ……いや、たしか後で鹿島先生が本の受け取り来るとか言ってたかな、まぁ、どうでもいいけど…
ガチャ……(扉開)
「ん?いらっしゃーい…」
「ウヘ……ウヘヘ、明石さん、お酒、お酒売ってくださいよぉ~…お酒ぇ」
なんだ、アル中のポーラちゃんか…
「いらっしゃい、いつものでいい?」
「ハイ…っ!いつものを……あ、お金!お金ちゃんとありますぅ!はいコレぇ~」
大事に大事に握りしめていた硬貨……厳しいお姉さんの管理の目を盗み、なんとか稼ぎだしたなけなしのお小遣いで買うワンカ●プ大関…
ワンカ●プ大関を受け取ったポーラちゃんはハァハァともう我慢出来ねぇぜと言った様子でワンカ●プ大関をイッキに呷る!相変わらずイイ飲みっぷりだこと…
「………ブハァ!悪魔的…っ!悪魔的美味さですぅ!」ポロポロ…
「あ、うん、そう…良かったね」
既に飲み干したワンカ●プ大関のカップをレロレロと舐め回すこの娘はまさにアル中オブアル中の鑑…ッ!
「ありがとうございました明石さん、いつも執拗なザラ姉の監視に苦しむポーラに美味しいお酒を」
「まぁ、商売だしね」
金さえ払えば誰にでも、何でも売るのがウチのスタイルですが…
「そんな明石さんに………コレ、ホントにつまらないモノなんですけどぉ~…」
ポーラちゃんは上着の中に手をつっこみ、一枚の布切れ?を取り出して私の手に握らせた
「…………ナニコレ?パンツ?」
「ザラ姉ぇのパンツですぅ~、ポーラのタンスに入ってたのでポーラが貰っちゃいましたぁ~」
この手触り……なかなか上等な素材ですね
「明石さんは女性物のパンツを被るヘンタイ趣味があると聞いたのでぇ…」
「ないわ!!ってか誰がそんなコト言ったの!?」
「え?テイトクぅ~?」