【登場人物】
提督(テイトク)
これが本体のハンサム顔だ
イタリア組(イタリアチーム)
謎のBOSSの正体を探している
昼間の気温は既にアツいと感じずにはいられない今日この頃、基地の中をブラブラ歩いていると買ったばかりのアイスを手にしてゴキゲンな暁ちゃんが“とぉるるるる!”とか言いながらキマった目をしたイタリア駆逐艦からアイスをブン盗られていた…
「もしもし?BOSS!リベッチオです!」
イタリア駆逐艦はアイスを耳にベチャっと付けてブツブツと何か言っているみたいだが………新しい遊びかなんかだろうか…?まぁ、もう外はアツいしな、頭もおかしくなる
そう“納得”した俺は、アイスを盗られてわんわん泣く暁ちゃんに“男が泣いていいのは親が死んだ時と財布を落とした時だぜ”と言い、そして、次は五段のを買うといいと小銭を渡してCOOLにその場を去った…
‐‐‐
「あ、テイトクだぁ~」
「オマエは…?ト●コ?」
「ト●コじゃないですぅ~、ポーラですぅ~」
喉が渇いたので自販機コーナーに寄ると、ベンチのところでアル中のポーラがミネラルウォーター的なものを飲んでいた
「オマエ酒以外も飲むんだな?」
「ポーラのコトなんだと思ってるんですかぁ?ポーラだってお酒以外のもの飲みますよぉ~?」
「ふ~ん」
アル中ではあるが、見た目だけなら超絶美少女のポーラはミネラルウォーターを飲み干すとペットボトルをクシャ!っと潰してゴミ箱に捨てた
「しかしオマエ1人か?ザラ姉はどうした?ザラ姉は?」
「ザラ姉様はリット……じゃない、イタリアさんとアツアツのピッツアを焼いてますぅ」
「ふ~ん」
「マミー屋さんでもピッツアはありますけどぉ、たまには故郷の味が食べたくなるものなんですよぉ~」
たしかに、故郷ってのは大切だ、特に故郷の味ってのはどんな遠い所に来ても、どんなに歳くっても忘れられないものだろう…
「もうすぐ焼けると思うんでぇ~テイトクも一緒にどうですかぁ?」
「いいのか?」
「たぶん大丈夫ですぅ~」
「たぶんかよ」
「コイツにピッツア食わせたいんですけどぉ~いいですかね~?って一生懸命お願いしたらザラ姉様も
「スゴいな、まるで一生懸命さが感じられないのだよ」
まぁ、イタリア組のヤツらは基本気の良いヤツらだしな、ちょっと頼めば大丈夫だろ…
そんなわけで、俺とポーラはそろそろ焼けただろうとザラ姉達が居る部屋へと向かった…
◆◆◆
アツアツのピッツアの匂いが漂う談話室…
“情熱”のイタリア組はたまにこうやって全員で集まってメシ食ったりくだらない話をしている…
「ポーラ!聞いてるの!」
「聞いてますぅ、聞いてますから怒鳴らないでください~」
「ポーラ!私はね!アナタの心の弱さのコトを言ってるのよ!たしかにシルクのワンピにワインをこぼしてしまって焦る気持ちはわかるわ!私だって焦る!でもね…」
誰が飲ませたのか、ザラ姉は既に“デキあがって”いた、それはもうできてるじゃあないか?ってぐれーデキていたザラ姉は妹のポーラに酒の力で更にブーストした説教モードでアツく説教しており、さすがのポーラもタスケテーと手を伸ばしていたがとりあえず無視した
「うんめー!」
「このアツアツさがナポリの味だよ!あ、リベ、口元にチーズ」
「マジでー?」
合法駆逐艦、リベッチオとマエストラーレもピッツアにかぶりついてウメーウメー言いながらアツさをオレンジジュース(果汁100%)で緩和させ、マエストラーレは妹の口元に付いていたチーズをベロリと舐めとった、コイツらもできてるじゃあないか?
「まず私達はこの国で“信頼”を得なければならない、“信頼”を勝ち取り“幹部”にならなきゃあいけない、そうね?姉さん」
「え?あ、あぁ、うん…そうかもね」
そしてイタリア組の年長者にしてリーダー的存在、イタリアとローマの超DQN戦艦姉妹
見た目ゆるっとふわっとした方が姉のイタリアで魔女みてーなヤツが妹のローマである
「何が信頼だ、毎度毎度バカスカ外しやがって、弾だってタダじゃねーんだぞ」
このイタリア戦艦姉妹、火力もあるので強いと言えばたしかに強いのだが、砲撃戦では命中率が悪い気がするのだよ
「知ってるわ、だからこうやってピッツアやパスタで接待してやってるのよ」
「何が接待だ、舐めてんのかテメーは」
「何?性接待の方がいいの?仕方ないわね………姉さん、ちょっと得意のアモーレしてあげて」
「イヤだよッ!?それに、別に得意とかじゃ…」
「大丈夫よ姉さん、自信を持って、姉さんならヤれるわ、姉さんが本気を出してアモーレすれば大抵のジャップ・雄なんてメじゃないわよ」
そうか、メじゃないのか…
ローマは姉の肩を叩いて自信を持て、自信を持てよ姉さんとイタリアに自信を与え、イタリアはたしかにと言いながら少し考え込んでから否定するように頭を振った
「いやいやいや、よく考えたらおかしいわローマ、なんで私がそんなコトしなきゃ…」
そんなイタリアとローマのやりとりにウンザリしつつ、ミネラルウォーターでも飲むかとペットボトルを探していると、探しモノはコレ?と乳のデカいのがペットボトルを差し出してきた
「誰だ……?」
「アクィラです!アクィラ!ちょ…ちょっとヒドくないですか?」
「アクィラ…?あぁ、居たっけか、そんなヤツ」
そうそう、たしか口癖のようにいつも“ブッ殺す!ブッ殺す!”って言ってたヤツが居たな…
空母業界じゃ“ブッ殺す”なんてのは弱虫の使う言葉だとか前にママが言ってたな…
「私の扱いヒドくないですか?」
「オマエが軽空母だったら愛してやったのにな、そもそもなんでオマエ正規空母ヅラしてんの?恥ずかしいとか思わねーの?」
「ぐっ……!わ…私だってガンバってるんですよ!ほら、こないだ新しい矢だって買ったんですよ!」
「ふ~ん」
アクィラはこないだ新しく買ったとか言う矢を取り出してコレで私もバリバリ戦果を挙げてあげますよー!と言って気合を入れていると、手からスッポ抜けた矢が後ろにいたポーラに刺さった
「痛ぁい!!痛いですぅ!!」
「ポーラ!?大丈夫!?………って、意外と大したコトなさそうね」
「痛いですぅ………って、たしかに、なんかもうちょっとザクッと刺さった気がしたんですけどぉ~………って、なんですか?コイツ?」
「はぁ?ポーラ、アナタ何言って…」
ポーラはザラ姉の横、誰もいないところを指差し、ひと味違うんですねぇ~?と不思議そうにゲラゲラ笑っている
「………オイ、アクィラ」
「なんですか?」
「ちょっとその矢、見せてみろ」
「コレですか?」
アクィラから受け取った矢は………間違いない!この奇妙なパワー!あの“弓と矢”の“矢”だッ!!
そして……なんだ!?この匂い、アルコール臭か…ッ!いや!アルコール濃度だ!アルコール濃度が急激に上昇している…ッ!
「まさかポーラ!オマエなのか…?」
「ウヘヘヘ~…なんのコトですかぁ~?」
こ、この攻撃はヤバい!コイツそもそもコントロールできていないのか!?射程が広い上に周辺に構わずおかまいなしだッ!!コイツは今ここで“始末”しなければならない…ッ!大変なコトになるぞ!!
「やれやれ、コイツはタフな戦いになりそうだぜ…」
…この後、アルコール濃度を上げる攻撃の前にあわや全滅しかけた俺達だったが、最終的には“矢”のパワーの先に行ったザラ姉にポーラが122連発ザラパンチを叩き込まれて“始末”された