【登場人物】
提督(暑さに弱い)
寒さにはもっと弱い
五十鈴(パイセン)
対潜・対空に秀でるカリスマ軽巡、意外と提督は話が合うらしくifの可能性すらある逸材
ツ級(黄色)
手がデカい、とにかくデカい
見た目はちょっと取っつき難い感じだが話してみると、とても気さくな奴で、毎週日曜日は深海教会にも通う敬虔なキリ●タン、子供達にも優しく、深海教会に併設されている深海孤児院の子供達に手作りのクッキーを配ったりしているが、とてもぶきっちょなので型は悪い、しかしそのぶきっちょなクッキーこそが優しさの表れなのだ
舞台は北!津軽海峡、そして単冠湾!常勝軽巡五十鈴率いる開幕戦!
「勝つのは五十鈴!勝つのは五十鈴!」
「勝者は五十鈴!勝者は五十鈴!」
最高にハクい女、五十鈴に今回の出撃メンバーに選ばれた夕雲姉妹達は間近で見る五十鈴の美技に酔いしれ、誰からともなく五十鈴コールを始める…
それはごくごく自然なコトであり、誰しもが当たり前のように彼女を“五十鈴さん”と呼んでしまうのは彼女の持つカリスマの高さ故であろう…
「バカね!五十鈴には丸見えよ!」
そんなカリスマ、五十鈴も一度は現役引退を考えた事もあった、今や多くの後輩達が当たり前のように先制対潜の技を身につけ、まるで先制対潜のバーゲンセールだな…と、それは喜ばしい事であると同時に、自分の時代は終わったのだと考えるようになっていった…
しかし!誰もが彼女の引退に反対した…ッ!五十鈴さんやめないで!と…自分達にはまだ五十鈴さんが必要だと、五十鈴さんが居てくれるだけで自分達は頑張れるのだと…
そんな声に、当初は五十鈴も後輩達に、どいつもこいつもママっ子か!甘ったれてんじゃないわよ!と激怒したが、やはりカリスマ軽巡、最後は皆のアツい想いに応えて引退を撤回!再び一軍のマウンドへと還ってきた!
「出たーッ!“五十鈴
「ヤツの“絶対死角”はもうツルスケだぜーッ!」
◆◆◆
「あ、クソ!コイツつえーな、この!このっ!」
「何やってるんですか?」
「ご覧の通り、テレビゲームなのだよ」
執務机に置いたテレビにRGBケーブルをブッ挿入し、たまにはマ●オカートでもするかとプレイしていると、今日も真っ青ストレートヘアーの秘書艦がグラスに淹れた麦茶を机に置いた
「出撃メンバーの様子、見なくていいんですか?」
「出撃…?あぁ、五十鈴さんに任せときゃなんとかなるだろ」
とは言ったものの、やはり何かしら問題があってからでは対応が遅いと叩かれるのが提督の辛いところでもある
俺はテレビのチャンネルを現場の中継画面へと変えてみると…
「………オイ、コイツらどこに向かってるんだ?」
「そうですね、たぶんその方向だとN地点でしょうか?」
「ナニやってんだアイツらァァァ!誰がN地点行けって言ったァ!俺はS地点に行けって言ったよなッッ!ふざけてんのか!?」
俺は電話のダイヤルを素早くプッシュし現場のバカどもに電話をかける、今日のビデオ係誰だっけか?夕雲だったか…?
『もしもーし?あたいあたい、あたいだよー』
「俺だ!オマエらドコ向かってんだ?」
『よくワカんねーけどよォーあたいの勘がコッチだって言ってんのよォー』
「何が勘だ、五十鈴に代われ、五十鈴に」
朝霜のヤロウ、舐めた真似しやがって…
『もしもし?やっぱ目的地逸れてる感じなの?』
「逸れてる感じだ、たぶん索敵用の電探が足りんのだろう、一度戻って来い」
『はいはい、じゃ、一回戻るから、電探用意しといてよ』
「2個ぐれーでいいか?」
『…どうかしら?念のためにもう1個ぐらいあった方が……もしくは水偵?』
「3個か?水上電探3個欲しいのか?」
ブチッ!!ツー…ツー…
「もしもし?もしもーし?あのヤロウ、電話切りやがった」
まぁいい、電探ぐらい倉庫に余ってただろ、たぶん
「ありますよ、対空電探なら」
「対空かよ」
この後、水上電探持ってるヤツ怒らないから手を挙げなさいと探して回り、無事、水上電探を手に入れ、帰ってきた五十鈴に水上電探を投げつけてやるとメチャメチャキレられたが、あれほど健康的なビンタが繰り出せる五十鈴さんの健康状態はとても良好ぅ!だと確信したね
あと、ツ級も五十鈴さんの膝蹴りで顔面メチャメチャにされて沈んだ
「あー終わった終わった、帰るわよ」
「さすが五十鈴さん、マジパネエです」
「マジリスペクトっすわー」
「何食ったらそんなヤラシー身体になるんすかー?」
朝霜の質問に、五十鈴は不敵に笑い…
「…さぁ?美味い食事と適度な運動かしらね?」