【登場人物】
提督(丁ボゥイ)
安心のザコ提督、陸奥と赤城と大淀への殺意はもはや既に失くした、全て許せる
Samuel B.Roberts(ノー・下)
通称サムくん、スカートの下はスーパーフリーダム
Johnston(PRIDE)
肌のテカりは取れても、心のテカりは取れない
執務室でタバコを吸っては吐くだけのマシーンと化していると、秘書艦の青髪ロング子からケムリくせーとクレームが入り、少し気分でも変えるかと執務棟を出てブラブラ歩いていると、中庭の木の辺りでサムくんとジョンくんがなにやらウロウロしていた…
「よぉ、ナニやってんだ?オマエら」
「あ、Admiral!Hi!Samはゲンキ!」
元気に挨拶を返してくれたのはMAJORから来た小さな刺客、サムくん
さすがにアイオワやサラトガに比べるとMAJORサイズではないが、その可能性を十分に持つまさしくきらめく宝石箱だ…
「Hi、テートクこそナニ?ヒマなの?」
そしてもう1人、ジョンくん
昔好きだったアイドルになんとなく似ている気がするがたぶん気のせいだろう…
「まぁヒマと言えばヒマだな、気分転換中なのだよ」
「ふ〜ん」
ジョンくんは大して興味なさげに返事をしてポケットから手鏡を取り出して自分の髪を手櫛で整え始めた…
「Admiral!ヒマならAdmiralも手伝っテ!Jasonがいなくなッター!」
「…はぁ?」
そしてサムくんは俺の腕をグイグイと引っ張りジェイソンがいなくナッターとかなんとか………ジェイソン?13日のアレ?じゃないな、たしか…サムくんが飼ってるあのクジラ的なヤツがそんな名前だったような…
「チョット目を離したらいなくなッタネ!」
「いなくなったって言われてもなぁ、どこでいなくなったんだ?」
「そこのベンチでJohnとburger食べテたらいなくなッタネ!」
「ふ〜ん」
サムくん曰く、マミー屋でランチにしようとマミーヤバーガーのよくばりセットを購入し、今日は天気もいいので外で食べようと中庭のベンチのとこまで来たそうだ
「Jasonはとてもnaiveな子だからSamは心配ネ!」
「ナイーブなのか、アレ」
なかなか雄々しい顔つきをした歴戦の益荒男かと思っていたんだが、人は見かけによら……いや、クジラか?
「しかしそのジェイソンがここらでいなくなっても水があるワケでもないし、その辺でビタンビタン跳ねてるんじゃあないか?」
「そー思ってアタシ達も捜してたってワケよ」
ジョンくんは何がそこまで誇らしげなのか、ドヤァ!といった様子で胸を張ってみる、しかしこの子も駆逐艦とは言えさすがはMAJORからの刺客、5年もあればその身体はホンモノのMAJORで通用するだろう
「Jasonは水がなくてもヘーキだけど、水から水へwarpするネ!」
「え?なにその能力?怖い」
「ちょっとSam!ナニその話!アタシ聞いてないんだけど!?」
「たぶん今は水を求めて他のトコに行ってるネ!ハヤク見つけないと!Jasonがチョーサホゲーされてしまうネ!」
サムくんはハヤクハヤク!ハリーハリーと俺の腕を掴みブンブン上下に振った
「わかった、わかったから手を離したまえサムくん、提督もそのジェイソンを捜してやろうじゃないか」
「truly? Thank you!」
腰の辺りにワイルドに抱きついてキャッキャとハシャぐサムくんをどうしたものかと考えていると、ジョンくんがサムくんの尻に蹴りを入れ、サムくんはイタイ!と言って地面に転がった!
「Sam!ちょっと馴れ馴れしーんじゃナイ?テートクはジョーカンよ、ジョーカン?」
「そ…sorry、John」
「ワカレばいーのよ!ワカレば!さ、行きましょ?テートク」
ジョンくんは俺と腕を組むようにガッシリホールドしてきた、なるほど…これがアメリカンスタイルか、ってかグイグイくるなこの子、物理的に…
ーーー
そんなワケで、サムくんのクジラを捜すべく基地の中を歩いていると、なるほどたしかに、クジラの通った被害が各所に出ていた…
「タイホォォォォォォ!!」
「大丈夫か!タイホー!クソッ!せめて包帯があれば…!」
「あったよ!包帯が!」
日課のランニングを終え、グラウンドの側にある水飲み場で頭から蛇口全開で水をかぶっていたナイスガッツ陸上部の大鳳はいきなり現れた黒っぽいナニかに頭を噛まれたらしい
「熊野ォォォォォォ!!」
「アガガガガ………ですわー」
自販機コーナーでジュースを飲もうプルタブを開けたら突然飛び出してきた黒っぽいナニかに舌を噛まれてお嬢様とは思えない奇声をあげて悶絶した熊野…
「ギャアアアアアアアアア!!ナニコイツ!?チョ…!?ギャアアアアアアアアア!」
「うるさいぞJervis、淑女たるもの慎みをだな…」
トイレで用を足そうと座り込んだらいきなり尻を噛まれて個室の壁で顔面を強打しロイヤル失禁してしまったらしいジャーヴィーくん…
「なんてコトだ………この基地には100人以上の艦娘が生活しているんだぞ!コイツにはブレーキがないのか…ッ!?」
?」
「Oh………正直、まさかここまでとは思わなかったわね、Sam、アンタあとでちゃんと謝って回りなさいよ」
「お、OK……」ビクビク
さすがは訴訟大国の子、たぶん、謝って済むかどうかは怪しいが…
「ト、トニカク!ハヤクJasonを捕まえないト!」
「そうだな、このままでは被害が広がる一方だ…」
ハッキリ言ってコイツは速やかに“始末”しなければならないッ!!そう決意を新たにしていると、ジョンくんがアタシ喉渇いたからcoke飲みたいんですけどーと言ってきた
「…飲めば?」
「モチロン?アナタの奢りよ?」
ナニ言ってんだコイツ?イカれているのか?いや、今はそんなコトはどうでもいいのだが、馴れ馴れしいにも程があるなこの子は、ステーツ特有のちょっとデカい態度とればジャップ・雄ぐれーチョロいモンだとか思っているのだろうか?
「後でな、アトで」
「アタシは今飲みたいのよ、ほら!ハヤクハヤク!ハリーハリー!」
このガキャ……ちょっとガキのワリにオパーイあるからって調子に乗りやがって、だいたいその程度のオパーイで俺が満足するワケねーだろーが、MAJORになってから出直して来いってのな
「…ときにジョンくん」
「ナニ?」
「キミのお母さん、おっぱいデカいかね?」
「なんでMam…?ま、まぁ……大きい方ね!Dadも大マンゾクって言ってたしぃー、あ、そうそう、アタシのsisterもなかなかよ?ただ、可愛さはアタシがダンゼン上なんだけどー…」
ーーー
「…しかし見つからねぇなオイ」
「Jason〜!Samが来たヨー!Jason〜!」
しかしマジで見つからないな、あのクジラ、これほど厄介な相手だとは………今や俺たちだけでなく他のヤツもジェイソンを追跡しているらしく、さっき熊野が口から血を吐きながらズイウン飛ばして見つけましたわー!テメーのクセー呼吸をー!とか言って乱射していたが、どうやらまだ見つけていないらしい
「モー海にでも還ったんじゃない?」
「John!そんなコトない!Jasonはいるネ!」
既にジェイソン狩に飽きたのか、ジョンクンはさっき買ったバーガーを片手にcokeの入ったカップのストローをずずずーっと啜っていた…
「ヴッ!?」
「ジョンくん?どうかしたかね?」
「い………イダァァァァァァァ!!!」ブゲロォ!!
ジョンくんの口の中から勢い良くクジラが飛び出してきたっっ!!
「Jason!!」
「ウゴォ…!!ゲボッ!ゴホッ……ゴホ!ちょ、ウゾでしょ……ゲボォ!」
「だ…大丈夫かね?ジョンくん」
ジョンくんはキラキラした吐瀉物をひとしきり吐いた後、サムーッ!とサムくんの名前を叫びつつサムのお腹を蹴り上げた!
「ウボォ!!」
「よ、よくも!よくもこのアタシに!誰よりもCuteなこのアタシに人前でゲロを!」
「まぁまぁジョンくん、そうイキリ立たないで…」
「アナタは黙ってて!!」キッ!
あかん、これは相当にキレてらっしゃる
「立ちなさいSam、Stand & Fightよ!立って!そして戦いなさい!」
この後、ブチギレて暴れ回るジョンくんをなんとかしようとジョンくんに垂直落下式のブレーンバスターで物理的に鎮め、白眼を剥いてアヘ顔で眠るジョンくんをベンチに放置してクールにその場を去った…
ちなみに、後日、サムくんは色んなところにソーリーと謝って回ったそうな