【登場人物】
提督(わからせおじさん)
あらゆるものをわからせる人、乳はモチロン大きい方が好き
白露(わからせ長女)
長女、やや地味
海風(わかっている長女)
長女にして七女、江風や山風曰く、わりと口うるさい
「えー………それでは、今回も無事作戦を完了したと言うワケでミーティングの時間だ、と言いたいところだが~………お前らお待ちかねのお給料の時間だ」
壇上からクズどもを見下ろしつつ、用意されたジュラルミンケースにはギッシリと詰まった現金!マネー!キャッシュ!ククク……クズどもめがっ!ここからでも生唾ゴックンなのが見てわかるわい…
「えー…まずは今回のMVPチケットランキング1位だが、過去にもなかなか例のない獲得票になった、おめでとう………比叡!」
仲間達からの祝福の拍手に包まれ、壇上へと上がって来た比叡に改めておめでとう!とアツく手を握り、ジュラルミンケースから取り出した給料を手渡した
「ありがとうございます、しかし………これは私の力だけではありません!」
そう言って比叡はこの場には来ていない誰かに深く、深く頭を下げ、それから拍手に応えるように両腕を挙げた!
「ウォーッ!比叡!比叡!比叡!」
「アンタがNo.1だーッ!!」
「アリガトー!感動をアリガトー!」
壇上から降りた比叡は仲間達から祝福と共にもみくちゃにされヒエイワッショイヒエイワッショイと胴上げウェーブされながら去って行った…
「えー……第2位、霧島クゥ~ン」
1位比叡に続いて2位も金剛姉妹!万雷の拍手の中、壇上へと上がってきた霧島にキャッシュを手渡し、霧島もまた、この場に来ていない誰かに頭を下げてから両腕を挙げて壇上から飛び降りたッ!
「ウォーッ!!霧島!霧島!霧島!」
「キリシマワッショイ!キリシマワッショイ!」
…霧島もまた、キリシマワッショイとウェーブに乗って流されて行く、もしかしてアレ、流行ってるのだろうか?
「えー…第3位、利根」
第3位は利根ッ!筑摩じゃあない、利根である
むしろ4位は筑摩なのだが、たぶんあのお姉さん大好きサイコ妹は姉の為に自分のMVPチケット獲得数を操作していたらしく、今更ながら思い出せば、たまにアイツ、普段はありえないようなエラーをしたりミスをしたりしていた…自分が利根の上には行かないように
「ガハハハハハハ!なんじゃ!ワガハイが1番じゃなかったか!ガハハハ!」
そして、そんな事情に一切気付いておらず、純粋にバカ笑いしながら壇上へと上がってきた利根はガハガハ笑いながら俺から給料を受け取る………そんな微笑ましい光景を、まるでメガバ●ーカランチャーみたいなゴツいカメラで撮影しているサイコ妹が居たのは見なかったコトにしよう
「えー…じゃ、ドンドン行くぞ、ドンドン、では4位」
ーーー
「えー…最下位、ジョンくん」
「I'm not convinced!?なんでよ!?」
えー…だってジョンくん、なんかハワイの辺りで勝手にチョロチョロしてKAWAIIアピールして帰って行くばっかだったし…
「はい、500円」
「…ゴ、ゴヒャク……?エ?ドルじゃないで?」
ジョンくんは最後までナットクいかないわー!と言ってゴネていたが、最終的にはサラトガやインピがジョンくんの首筋に注射みたいなのを打ってズルズルと雑に運ばれて行った…
「えー…では今回も頑張ったお前らの為にささやかだが酒や食事を用意してある、皆、よくやってくれた!!」
既に準備されていた作戦完了恒例のステキな立食パーリーにどいつもこいつも、宴だーッ!とか言いながらハシャギ、料理の盛られたテーブルへと群がるッ!!
「ヒャッハー!水だァー!」
「オイ誰だ!今アタシの尻触ったの!」
「テメー!その手羽先はアタシのだ!ブッコロがすゾ!」
………まったく、クズは所詮クズだな
酒や料理に群がり、ついでに殴り合いを始めるいつもの光景…
俺はいつものように関わり合いにならないようにミスディレクションを駆使しつつ己の存在を希薄にテキトーなテーブルで料理を取ることにした
「さて…どうするかな?」
「あ、テイトクだ、ナニ?テイトクもコロッケ食べる?」
「…む?白露姉ちゃんか」
よく見ると地味に美少女、白露ねーちゃんはコロッケをテキトーに皿に乗せてハイコレと俺に差し出した
「地味にありがとう、地味な白露ねーちゃん」
「誰が地味よ、ブッ殺すぞ」
「まぁ、たしかに……最近は内火艇アタックできたり先制対潜とれたり地味にとは言い難いか…」
「でしょ?ほぉーら、別に私地味じゃないじゃん?」
「そうだな、訂正しよう………やや地味な白露ねーちゃん」
「ブッ殺すぞ!」
キィーキィー文句言いつつ掴みかかってきたやや地味な白露ねーちゃんにパイパイ落ち着いてと宥めるように乳を揉むとさらにブッ殺すと言われたが俺は悪くない
そんな俺と白露ねーちゃんが醜い言い争いをしていると、テーブルのコロッケを取りに見覚えのあるようなないような誰かがやって来た…
「あ、提督………と、白露姉さん、こんにちは」
「…誰だコイツ?白露ねーちゃんの友達?」
「さぁ?知らない」
「ヒドっ………私ですよ、私!海風ですよ!」
ハァ…?海風ねーちゃん……?海風ねーちゃんったらアレだろ?たしか改白露型とかなんとかの長女的存在で、あらゆる面で白露ねーちゃんに勝る新型の長女だったハズ…
いや、まぁ、たしかに……この白髪、そしてこの一つ上の姉の憎悪を一身に受ける駆逐艦とは思えない乳、特徴的にはたしかに海風ねーちゃん………なのか?
「あ、ほら、私最近改装したんですよ、ほら」
あぁ、そういやなんかそんなお知らせのFAX見たような…
「なるほど、たしかに海風ねーちゃんか」
「そうみたいだね、たしかに海風だよ、コイツ」
俺と白露ねーちゃんは互いに納得し、新しくなった海風ねーちゃんを改めて見る………前々から駆逐艦とは思えない超肉体だったとは言え、更なる改装にて身長まで伸びた気がするな………駆逐艦じゃないで重巡とか偽って現れたらハッキリ言って即ブチ込む自信があるなオイ
「どうですか?」
「どう?と言われてもな………白露ねーちゃん、なんかカッコいいコト言ってやれ」
「ハッ!アンタなんか全然っ!長女的存在じゃないんだからね!イチバンはアタシ!アンタは下!わかったらそれ以上こっちに来るんじゃあない!」
白露ねーちゃんはビシッと海風ねーちゃんに指さしカッコいいコトを言ってみた………そして、俺はそんな白露ねーちゃんの肩にそっと手を置き…
「海風ねーちゃんの前に、お前の光は淡すぎる」
「ヒドっ!!?」
ーーー
新旧長女対決の悲惨な場を後にし、テキトーなおつまみ盛り合わせと飲み物だけを持って体育館の外へやって来た俺は胸ポケから取り出したタバコに火を点けた
「フーッ~………そろそろ梅雨かねぇ」
「お疲れ様です」
「よぉ、相変わらずぬらりと出るな、お前」
そして相変わらず一口サイズのミニケーキ的なものを皿に乗せたサミーは俺の隣に腰をおろした
「明日は新人さんの面接あるからバシッとした制服でおねがいしますよ、上着は…」
「ロッカーの中だろ?知ってるよんなこたぁ、テメーは俺のオカーサンかっーの」
「まぁ、念の為ですよ」
フン、コイツのこーゆートコがイラつくんだよ、こーゆートコが!
「一応、面接は5人の予定で、その内3人が外国の方らしいですよ」
「マジか、また外人枠か!」