不健全鎮守府   作:犬魚

594 / 940
戦慄!襲来する五大災厄!

【登場人物】

八丈(海防艦)
社会と大人と飴を舐めたガキ

石垣(海防艦)
姉妹の末っ子、ガッキー

Giuseppe Garibald(軽巡)
パスタとアモーレの国から来たピンクヘアー、甘ったれている

Fletcher(駆逐艦)
MAJORの大型新人、大型

Colorado(戦艦)
MAJOR出身のビッグセブン、生まれも育ちもニューヨーカーらしくPRIDEも妙に高い


続続続続続続続続・提督と新人と面接

押忍!オレ、知性溢れるハンサムな提督!今回の中規模作戦も無事に完了し、形だけでも上への面目を保ってる!

そして、そんな中規模作戦も終わった今日この頃、またウチに新たな人員が送り込まれてくるらしい!迫る嵐も追い風に変える!オレんトコに来るのはどんなつえーヤツだ?

 

「とりあえず海防艦の子です」

 

「また海防艦かよ!いい加減にしろよ!」

 

ったく、また海防艦の配属かよ…なんなんだ?既にこの国は子供を戦場に送り込まざるをえないところまで追い詰められてんのか?

 

「しかも2人いるので、2人まとめてでお願いします」

 

「2人もいるのか…」

 

…まぁ、配属されたものは仕方ないと半ば諦めムードが漂う中、青髪ロング子は扉の向こうに次の方どうぞーと声をかけると、なにやら小さいのが入室してきた…

 

「あたし八丈!占守型の海防艦ね!」

 

「占守型海防艦の石垣です」

 

「ほぉ…占守型」

 

占守型っーとアレか?あの世の中と大人を舐めたクソガキシムくんのキョーダイっーワケか?なるほど、たしかに似ている………世の中っーか、飴を舐めてるが、まぁいい、とりあえず最初からガツンと言ってやるか、ガツンと!

 

「俺がこの基地で最も偉い絶対支配者の提督様だ」

 

「知ってるよー、しむ姉ぇがメガネって言ってた」

 

大事な大事な面接の場だと言うに飴をベロベロ舐める……えー…どっちだったか?えー…八丈クンか、そう、八丈クンか、随分と舐めた態度だなオイ

 

「八丈クン、とりあえず今は面接中だ、飴舐めるのヤメよーか?」

 

「えー!」

 

明らかに不満そうに文句タレる八丈クン、まったく…俺が心の広い大人じゃなかったら既にこのクソガキに問答無用のビンタして執務室から叩きだしていたところなのだよ…

 

だが!真の教育とは!まずは注意を促す、ビンタはそれからだ!そうですよね!香取先生!

 

「ほら…ハチ姉さん、やっぱり怒られた…」

 

そして八丈クンともう1人の方、えー……なんだっけ?

 

「えー!ガッキー大丈夫って言ったじゃん?」

 

「…言ってない」

 

ガッキーくんな、ガッキーくん、そう、ガッキーくん

シムくんの妹にしては珍しくマトモに…いや、クナくんもマトモか

 

「あ、そーだ!」

 

八丈クンは何か名案を思いついたように手を叩き、俺の座る執務机の前までやって来ると、手に持っていた棒飴を俺の口に突っ込んだ…ッ!

 

「おごぉ!?」

 

「コレでテイトクもキョーハンね!あ、大丈夫だよ、あたしお菓子いっぱい持ってるからそれあげるね!」

 

満面の笑みを浮かべ新たなお菓子を取り出し、ガッキーくんにも棒飴を押しつける八丈クン、なるほど……どうやらこの子はきっと悪い子ではないのだろう、バカな子なだけで…

 

「………」ガリガリガリガリ!

 

「あー!!なんで噛み砕くの!?」

 

俺は棒飴を噛み砕き、口に残った棒をペッと吐き捨てた

 

「マズいな、毒にもクスリにもなりゃしねぇ…」

 

「あ、もしかして別のが良かった?じゃ、あたしが今舐めてるこっちがオススメで〜…」

 

あーもう!提督こーゆーナニも考えてなさそうな頭スカスカで今風の子苦手なんだよ!っーかグイグイくるなコイツ!?

 

「いいから!もう面接はいいから!下がりたまえ!ガッキーくん!コイツ連れていきたまえ!」

 

「………ガッキーくん」ニヘァ…

 

「聞いてるかね!?コ・イ・ツを!連れて行って欲しいんですけど!?」

 

ーーー

 

社会と大人と飴を舐めたクソガキ占守姉妹に大人の強さをわからせ次なる面接…

 

「次はイタリアの人です」

 

「イタリアか…」

 

イタリアと言うとアレだな………うん、どのみちロクなヤツじゃなさそうだ、うん、会わなくてもわかる、言葉ではなく心が理解している、そう“覚悟”をキメ、青髪ロング子は次の方どうぞーと声をかけ、扉を開き!新たな仲間が“入門”してきた!

 

「Luigi di Savoia Duca degli Abruzzi軽巡洋艦!Giuseppe Garibaldiだ!」

 

「…はぁ?」

 

「ま、なげーからGaribaldiでいいよ」

 

とりあえず履歴書的な書類を一応確認してみるが、なるほど……クソ長いな、まぁ、本人が短いでいいっーならそれで呼ぶか

 

「えー…ガルバルディくんだっけ?えー?出身はジ●ン?それともティ●ーンズかね?」

 

「Garibaldi!ガルじゃないでガリ、間違えんなよ」

 

「へいへい、ガリバルディくんな、ガリバルディくん」

 

なるほど、ガリバルディくんか……ほぉ、珍しいな、軽巡なのか?俺はまたてっきり重巡かナニかと…

 

「…キミ、軽巡かね?」

 

「そーだよ、最新鋭だぜ!」

 

「へぇ…」

 

さすがはアモーレの国と言うワケか、イタリアやローマ、ザラ姉やポーラにも引けを取らないアモーレバディに提督もアモーレしてしまいそうだよ

 

「さて、では面接だが…」

 

ピロリーン♪(メール)

 

「あ、ちょっと待ってくれ!姉貴からメールだ!」

 

「メールだと…?」

 

ったく、大事な大事な面接をなんだと思ってるんだコイツは?面接の時くらいケイタイの電源は切っておくべきだと…

 

「悪い悪い、で、面接だっけ?」

 

「悪い悪いじゃねーよ、ったく…じゃ、改めて面…」

 

ピロリーン♪ピロリーン♪ピロリーン♪

 

「あ、また姉貴だ!ちょ、ちょっと待ってな!な!」

 

「オイオイオイ、舐めたコト言ってんじゃねーぞコラ?何が姉貴だ、メールの返信なんてくだらねーコトは後にしろよ、後によォ〜…?」

 

「わ……わかったよ」めるめる

 

「だから!メールすんな!舐めてんのかテメー!」

 

「ヒッ…!?ど…どうしよう?テイトクに怒られた、どうしよう?どうしたらいい?姉貴………っと」めるめる

 

ガリバルディくんはメール先である“姉貴”なる存在にメールで意見を求めているらしく、ケイタイを手放そうとしない…ったく、どんだけその“姉貴”ってのが大好きなんだよコイツ、できてるじゃあないのか?

 

「あ、謝る!そうか!さすが姉貴だ!やっぱ姉貴はスゲーや!よぉーし!」

 

「終わったかー?」

 

「あぁ!終わったぜ!姉貴がまずは謝れって!」

 

ったく、コイツ身体はドスケベだが、コイツはとんだ“アネキっ子”だよ、姉貴はコイツを甘やかさないで叱ってやれよ!!

 

ーーー

 

ガリバルディくんにこの基地はそこら辺のナンパストリートや仲良しクラブでブッコロブッコロ言って仲間と心を慰め合ってる負け犬どもとはワケが違うコトをアツく伝え、次なる面接…

 

「次は駆逐艦の人です、Statesの」

 

「ステーツだと…?MAJORか!?」

 

「えぇ、まぁ、そんな感じですか」

 

最近多いな、MAJORからの刺客……そしてサミーから受け取った書類を読むに、今回MAJORとの交渉はかなり難航したらしく、移籍金や契約金などかなりの金額が動いたらしい…

 

「なるほど、これはかなりの大型新人と言うワケだな…」

 

「駆逐艦ですけどね」

 

そんな期待の大型新人とはいったいどんなスゲーヤツなのかワクワクすっぞとズボンのジッパーを開けたり閉じたりしていると、青髪ロング子が次の方どうぞーと声をかけ、現れたのは…

 

「お疲れさまです、Fletcher級駆逐艦Name ship Fletcherです」

 

「ほぉ…」

 

ほぉ、金髪巨乳とはまさにアメリカンスタイルでござるなぁ、ってか駆逐艦…?

 

「えー…駆逐艦?」

 

「はい、Fletcher級の…」

 

オイオイオイ、これが駆逐艦だって言うのかい?これまさにMAJORの怪物!!小さな島国のリトルリーグとはワケが違い過ぎるッ!

 

「えー……フレッチャーくんはアレかね?フレッチャー級と言うと、ジョンくんのお姉さん…?なのかな?」

 

「John…?あぁ、Johnstonですか?えぇ、そうですね、妹です」

 

「ふ〜ん」

 

フレッチャーくん曰く、ジョンくんの他にも妹がいっぱい居るらしく、むしろ会ったコトない妹や顔も知らない妹が居るらしい…

 

「さすがに妹も100人以上居ると誰が誰だか…」

 

「100…!?こいつぁとんだシスタープリ●セスなのだよ…」

 

100人以上の子供って……どんか性豪だよ、城●光政かっーの、フレッチャー級ってのは艤装を手に入れる為に幼少時から世界各地に修行とか行かされているのだろうか?

 

「しかし…なんだね?その網」

 

「はい?」

 

「いや、その手に持ってる網だが…」

 

「あぁ、このnetですか?色々役に立つんですよ?」

 

…よくわからんな、だが、フレッチャーくんは網を大切そうに巻いたり伸ばしたりしている、まぁ、本人が役立つってなら何か役に立つんだろう

 

「ふぅ……まぁいい、サミー、コーヒーくれや、缶コーヒー、冷蔵庫の中にあるやつ」

 

「ご自分でどうぞ」

 

クッ…!この髪長駆逐艦がァ…!舌打ちしつつ席を立ち上がり冷蔵庫へと向かっていると…

 

「フレッチャーさん、でしたか…?お飲み物はどうです?コーヒーでも淹れましょうか?」

 

「あ、Thanks!ありがとうございます、是非…」

 

五月雨のヤツ!!フレッチャーくんにコーヒーを勧め、フレッチャーくんは笑顔で頂きますと答えた

 

「〜♪」

 

愛用のコーヒー機材をいそいそと準備する五月雨…

コイツ、ジョンくんにマズいとディスられたコトを根に持っているのは確かだが………この子はハッキリと言えるのか?たしかに、ジョンくんはマズいものはハッキリとマズいと言える空気読まない自己主張ZENKAIアメリカンスタイル……まぁ、このフレッチャーくん、胸の自己主張はたしかにスゴいが…

 

「ちなみにフレッチャーくんはアレかね?性能的にはジョンくんと似た感じなようだが…」

 

「そうですね、まぁ、私達の姉妹はだいたい似た感じの子が多いみたいで…」

 

さすがはMAJORの大型新人、ヘヘッ、どうやらワールドクラスの怪物ってのはまだまだ居るらしい!

 

「コーヒーをどうぞ」ニコニコ

 

「Thanks、ありがとうございます」

 

五月雨からコーヒーを受け取ったフレッチャーくんは早速コーヒーに口をつけ…

 

「……!」

 

この顔…ッ!!口いっぱいに広がる絶妙なマズさに思わず吐き出しちまいそうな顔ッ!でも飲み込んだ…ッ!精一杯の勇気で!フレッチャーくんの目は、何故この人はこんなにマズいものを人に出し、そんな誇らしげな佇まいでいられるのだろう?と問うていた…

 

「………えぇと、はい、えぇ」

 

「あぁ、何か他に聞きたいコトとかあるかね?」

 

どうやらフレッチャーくんはジョンくんと違って他人に気を遣える子らしい

 

ーーー

 

唯一無二の殺人コーヒーの洗礼を受け、おかわりを引きつり気味な笑顔で丁重に断わって足早に執務室を去ったフレッチャーくん…

 

「ほら、やっぱり提督もジョンストンさんも舌がおかしいんですよ?」

 

「んなワケねーだろ」

 

我慢すれば飲めないワケじゃないコーヒーを気を遣って飲んでくれたフレッチャーくんのマザーのような優しさがワカらんのかね、この子は…

 

「えー…次で最後ですね、最後は戦艦の人です、アメリ艦の」

 

「またステーツかよ、最近多いな…」

 

どことなく上機嫌な青髪ロング子が次の方どうぞーと扉の向こうに声をかけると、勢い良く扉が開きMAJORの大型が…

 

「Hi!私がStatesのBig7、Colorado級戦艦一番艦!USS Coloradoよ!」

 

元気良く入室して来たのはこれまた金髪!巨乳!のナイスアメリ艦、ナイスアメリ艦………?

 

「貴方がAdmiral?フ〜ン、 悪くないわね!」

 

「え〜……コロラドくん、だったかね?まぁ、座って、サミー、彼女にオレンジジュースでも出してあげて」

 

コロラドくんはそこら辺の椅子に足を組んでセクシャルに座り、背もたれに大きくもたれかかってjuiceはまだかしら?と催促している…

 

「えー…コロラドくんはアレかね?戦艦、でいいのかね?」

 

「Rude person!失礼ね!どう見てもBattleshipでしょ!ナニ?ケンカ売ってんの!?」

 

「いや、ウチに居るBattleshipどもはもっとガタイがいいのでな…」

 

「………ま、まぁ、たしかにちょっとだけ身長が低いと言うのは認めるわ、ちょっとだけ!!」

 

なるほど、やっぱ気にしてるんだな…

 

「タダーシ!この私はあのBig7の1人でもあるのよ!Big7!もっと敬いなさい!」

 

「ビッグセブンねぇ…」

 

ビッグセブン、それは…政府から認可された7隻の戦艦である!その戦闘力は凄まじく、超A級戦艦にして1級ロリコンの長門!あくまで敵の本気を引き出してまで戦いを楽しみたいバトルジャンキーにして不敗の修羅!陸奥!余に逆らう者は全て下郎!絶対的余!ネルソン!

いずれも劣らぬ問題を抱えた世界の問題児集団に贈られる称号である

 

「まぁ、同じBig7と言えど格の違いはあるケドね…フフッ」

 

たぶんこの娘はアレだろう、真っ先にやられて他のビッグセブンからビッグセブンの面汚しだの何故アイツ程度の雑魚がビッグセブンになれたのかフッフッフッとディスられるタイプだろう

 

「しかしまぁ…性能的には悪くなさそうだな」

 

「トーゼンでしょ?みんなこの私をお手本にしていいくらいよ?」

 

しかしこのビッグセブンっ子、身長はたしかにあまりないが金髪で巨乳であることに変わりはない、同じくMAJORから来たアイオワとはまた違ったタイプの金髪巨乳だ、むしろさっきからチラチラ目についてるんだが、なんなんだあの腋は?誘ってるのか?あんなツルツルの腋、あんなのむしろ腋●キしてくださいって言ってるようなモンだろ、下品な話になるんですけど、あの腋見てたら勃●しちゃいましてね…

 

「コロラドくん」

 

「ナニ?頭を下げる気になったかしら?」

 

俺は席を立つとコロラドくんの座っているところへと行き、その健康的な腋を触ってみた

 

「ヒッ!?な、ナニすんのよ!?」

 

「うん、実に健康的な腋だ、緊張のせいか……少々汗ばんでいるようだが、うん、よし!味もみておこう」ペロリーヌ

 

「ヒッ!!ヒイイィィィィィィ!!Don't touch!!A transformation that does not get close!!」

 

この後、俺はコロラドくんからビッグセブン本気パンチを連打で浴び、コロラドくんは訴えてやるわ!カクゴすることね!とかなんとか英語で罵倒された…

 

◆◆◆

 

「これで面接は終了です、お疲れ様でした」

 

「お疲れ」

 

コロラドパンチでグシャグシャになったハンサム顔に包帯を巻き、本日の業務は特にないのでもう帰るか…

 

「あ、俺、今日香取先生と飲みに行くから、戸締りしといてくれ」

 

「…その志●雄さんみたいなツラで行くんですか?」

 

「…惚れてくれるか?」

 

「いや、全然」




次回は帰ってきた自称メインヒロイン回

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。