【登場人物】
提督(悪魔的)
無軌道・無慈悲・無秩序の権化、愛読書はメガ●トア
鈴谷(悪魔的)
歩くメガス●アの異名を持つ超A級ビッチ、サキュバス認定試験?余裕っしょ!契約取りまくりよ!
春の中規模作戦を終え、通常営業に戻った執務室…
今日は五月雨のヤツも休暇を取っており、執務机に足を延ばしノビノビと快●天を読んでいると…
「ティーッス、21話ぶりに誰もが羨むメインヒロイン様が遊びに来ましたよぉ〜」
執務室の扉を勢い良く開き、メガス●アみたいなヤツがやって来た…
「アレ?提督1人?サミーは?」
「休みだ、見たい番組でもあるんじゃねーの?」
「ふ〜ん」
とりあえず聞いてみただけ、特に興味なさげな鈴谷は流れるように冷蔵庫を開けて買い置きのバヤ●ースのペットボトルを取り出してグラスに注ぎイッキに呷った
「ブハァ!!うんめー!」
「うんめー!じゃないよ、この子は、ナニ勝手に飲んでんだ、我が家か」
「別にジュースぐらいいいじゃん、ってか提督、カレー食いに行こうぜ!カレー!」
「やだよメンドくさい、っーかカレーは昨日食ったから今週はいいわ」
「マジで!?なんでカレー食ってんの!?なんでカレー食うのに鈴谷誘わなかったの!?」
「なんでカレー食うのにお前誘わにゃならんのだ、クズが」
昨日、昼飯どうしたものかと考えながら廊下を歩いていると、たまたまカレー屋のチラシを持った熊野のアホンダラと遭ったのでそのカレー屋に行ったがなかなか美味かった、と俺は自称メインヒロイン様に懇切丁寧に状況を説明してやった…
「ふぁ……ファーックス!!熊野ォ!あのヤロウ…なんか昨日カレークセーとか思ってたら!クソッ!!クソクソクソ!」
「女の子がクソクソ言うんじゃないよ、この子は」
クソクソ言いながら机をダァンする鈴谷の頭を掴み、顔面を机にダァンしてやると、鈴谷はヒキガエルみたいな声をあげて床をゴロゴロと転げ回った
「用がないなら消えろ、ご覧の通り、俺は忙しい」
「…いや、どう見ても暇そうじゃん?エロ本読んでるだけじゃん?」
「エロ本じゃない、快●天だ」
鼻へのダメージを気にしつつ、再び立ち上がった鈴谷はポケットからスマホを取り出した
「じゃーん!催眠アプリ〜…じゃん!」
「………へぇ」
コイツ、アホだアホだとは思っていたが、本物のアホだった
「え?ナニ?キョーミなさげ?」
「ねぇよ、んな便利なモン、エロ本とエロゲーの中にしかねぇ秘密道具だろーが」
鈴谷はニヤニヤ笑いながらアプリを起動し、催眠画面をこちらに向けて来たッ!!
「コイツで提督を鈴谷の奴隷にしてくれるわ!喰らえッ!マインド・クラッシュ!」
いや、クラッシュしちゃダメだろ?バカかコイツ
俺は画面を向けた鈴谷の手首を掴んで捻り、催眠画面を自らに喰らわせてやった
「あ」
まぁ、効くワケないが…
「あばばばばばばばばばばばば」ガクガク!
画面を見た鈴谷はアヘアヘ言いながらアヘ顔みてーな顔でその場に崩れ落ちた
「…なんだ?オイ、鈴谷」
「………ハイ、ナンデショウカ?ゴ主人様」
「…はぁ?」
暗く、深い闇のような目をした鈴谷………え?ナニ?コレマジで効いたのか?いやいや、んなワケない、んなワケが…
「とりあえず全裸で土下座しろ、あぁ、ニーソと制服のリボンは残していいぞ、あと脱いだ制服は丁寧にたためよ」
「ハイ、ワカリマシタ」ぬぎぬぎ…
鈴谷は普通に制服のボタンを外し、スカートに手をかけて勢い良く引き下ろし…
「って!待て!!待てえィィィィィィ!!ちょっと待て!な?ちょっと待とうなァ!!」
「ハイ」
鈴谷は半脱ぎ状態のポージングで停止した
………マジか?いやいやいや、マジか?マジかコレ?マジで効いてるのか?いや、待て、この鈴谷が演技をしている可能性は捨てきれない、むしろ、ここで俺がどエロい命令するのを隠しカメラか何かで撮影し、その動画で俺を脅して金銭を要求してくる可能性もある
海軍将校ともあろうお方が〜…フフフッ、コレはいけませんねぇ、今の社会的な地位や信用、大事じゃないですか?とな…
まずは演技かどうかを見極める必要がある
「土下座はやめだ、とりあえず鏡の前で開脚してオ●ニーでもしてみろ」
「ハイ」ぬぎぬぎ
とりあえずパンツを脱いだ鈴谷は鏡の前に行き、開脚してオ…
「………ハッ!?」
急に動きを止めた鈴谷はキョロキョロと周囲を見回し、鏡に映る自分を見て再び動きを止めた
「………なんで?」ブルブル
「あ?」
「なんで鈴谷パンツ脱いでるの…?」ブルブル
「なんでと言われてもアレだ、自分で脱いだからなぁ」
「うわあああぁぁぁぁ!!死ね!死ね!マジで死ね!ってかマジで最悪!なんなの!?なんっーコトしてんの!?マジで!エロ本かッッッ!エロゲーかッッッ!ってかドコまでヤったの!?A?B?C?いや、Zか!Zまでイッたの!?」
目に光と水分が戻った鈴谷は死ね死ね言いながら俺に掴みかかってきたッ!!ってかZってなんだよ、Zって…
「催眠アプリを悪用するとかマジで最悪じゃん!提督!マジで人として最悪!」
「そもそもお前、その最悪アプリで俺を奴隷にするとか言ってたろーが」
「うるせぇ!!まさかマジで……マジで効くとは…」
う〜む、しかしまさかマジで実在するとは、どうやら時間制限はあるっぽいが…
「ハッ…!その催眠アプリさえあれば浜風ちゃんにパ●ズリして貰うコトがッ!」
「最悪かッッッ!!」
「よし、俺もそのアプリ落とすぞ!鈴谷!それドコにあ…」
「喰らえ!!マインド・クラッシュ!」
一瞬の隙を突かれ!鈴谷は俺に催眠アプリの画面を見せつけてきたッッッ!!
「ワハハハハハハハ!!油断したなクソヤローめ!これで提督は鈴谷の奴隷よ!!支配してやるぞ、我が知と力の前にひれ伏すがいい!とりあえーず………ジュース買って来い!」
「…」
「どうしたじゃん?早く買って来いよ!」
ビタンッ!(ビンタ)
「ぺぷしッ!」
「あ?誰にジュース買って来いって言ってんだ?コラ?」
「な…!?バ、バカな…!?き、効いていない!催眠アプリが効いていない!なんで!?」
鈴谷は何故だァァァァァ!とか言いながらアプリの画面を連打していたが、どうにも催眠効果は発揮されないらしい
「欠陥商品なんじゃねーのか?それ?」
「はぁ?でもさっきそれ鈴谷に効いたし…」
「どれ」
俺は鈴谷のスマホを取り上げ、催眠画面を鈴谷に見せてみた
「あ………あばばばばばばばばばばばば!!」ガクガク
なんだ、やっぱ効くじゃねーか…
◆◆◆
後日、執務室で催眠アプリ漫画を読みつつアンニュイな午後を過ごしていた俺は先日の催眠アプリについて五月雨に意見を求めてみた…
「へぇ、催眠アプリですか」
「あの後色々試してみたが殆どの奴に効かなくてな、やっぱ欠陥商品だな」
「催眠術ってかかりやすい人とかかりにくい人が居るらしいですよ」
五月雨曰く、催眠術にかかりやすい人は素直だったり感受性が豊かだったり自分からかかりたいと思ってる人がかかりやすいとのコトだ
「ふ〜ん、じゃ、なんで俺にはかからないんだ?」
「素直じゃなかったり感受性が皆無だったり人間のプリミティブな部分を集めた猜疑心の塊みたいだからじゃないんですか?」
「失礼な」