【登場人物】
大鯨
通称、ゲイ子
両手で数えられる良識枠の1人、まだロマンスとか夢見ちゃってる感がある
現実は厳しい
赤城
ガラが悪い
加賀
ガラが悪い
飛龍
ガラが悪い
蒼龍
ガラが悪い
五航戦
名前だけ登場、先輩と違ってコンビニでバイトしており、よく加賀パイセンからいびられている
「よいしょ~よいしょ~」
午前中の仕事を済ませ、たまには外でラーメンでも食い行くかと歩いていたら前方から大荷物を持った何かがフラフラと歩いてきた
「おう、ゲイ子じゃねーか?何やってんだ?」
「あ、テイトク、料理を運んでるんです」
潜水母艦、大鯨
戦闘力皆無、完全歩合制の当基地では戦果を上げることが無いのでただの給仕と化している
「料理?」
「はい、空母の人が夏の中規模作戦に向けてパーリーするからピザ持って来いって…」
「ふ~ん」
ゲイ子が言うには、代金は既に現金で戴いているらしい、アイツら定期的に稼いでるからな
まぁ、自費でやるなら文句は無いな
「あのクズどもにチョーシにのるなと伝えておけ」
「え?あ…はい、言えたら言います、テイトクはお出かけですか?」
「ラーメン食いに行くんだよ」
「ラーメンですか、ラーメンでしたら私が作りましょうか?」
「…やめておこう、おばあちゃんからビッチ臭がする女からラーメンは作って貰うなと言われているんだ」
「ビッチ!?ちが!ちがッ!違いますぅ!」
「半分は冗談だ」
「冗談ですか………って、半分?」
「何か?」
「…いえ、別になんでもないです、コレを持って行ったらすぐに作りますから食堂で待っていてください」
‐‐‐‐‐
さて、提督と別れた私は注文された品物を持って空母の人がパーリーしている部屋の前へとやって来た
空母の人はガラが悪いのでちょっと苦手です…
「失礼しまーす、ご注文の品をお届けにきましたぁー」
返事がない…
なんかドア越しに重低音みたいな音がしているのでカラオケでもしているのだろうか?
とりあえずノックしてドアを開けてみる
「革命じゃ物足りなーぃい!」
「背を追う奴は容赦しなーいッ!」
「進化ァする姿を見せつけてやるぅ♪」
「衝動はッ!尽きないーッ!」
やっぱりカラオケしてた…
「あのぉ~ピザ持ってきましたぁ~」
「あ゛?おせーぞヤボスケェ!」
「ヒッ!!」
一航戦の赤城さん
ガラが悪いです
「こっちはもうお腹ペコちゃんよ」
こちらも一航戦の加賀さん、ガラが悪いです
「オイ!早く並べろ並べろ!オレのバジルミックスどれ?」
こちらは二航戦の飛龍さん、ガラが悪いです
「これじゃね?あ、チーズ垂れやがった…チッ!」
同じく二航戦の蒼龍さん、ガラが悪いです
…と言うか、全員ガラが悪いです、全員、口より先に手が出ます
「あの…ご注文の品はこれで全部で宜しいでしょうか?」
「オイ、カルーアミルクはァ?」
ゲッ!!
…しまった、一航戦の青い人の飲み物がないらしい
「あれ?あ、すいません!すぐにお持ちします」
ヤバいヤバいヤバい
早く取りに行かないと…
「オイオイ勘弁してくれよォ~マジテンション下がるわぁ~」
「っーかオネーちゃんのパイオツからカルーアミルク搾り出しちゃえば良くね?搾りたてニュージャージーじゃね?」
「ギャハハハハ!良くね?マジ名案くね?っかコレ土下座くね?マジ全裸土下座っしょ?」
「ヒィ!!やめてください!人を呼びますよ!」
「オイ、パンツ脱がせて口に突っ込んどけ」
「ヒュー!赤城サンマジ鬼畜ー!」
「オイ、ヒリュー、動画撮っとけ!動画!ホエールウォッチングだァ!」
ヒッ!!お…●されるッ!?
誰か!誰か助けてッ!!誰でもいい!悪魔でもッ!!
ガチャ……
私の願いが届いたのか、重く閉まっていたドアが開いた
「ヒュー!じゃねぇよ、どんだけタチが悪いんだお前ら」
て…テイトク!
「ゲェーッ!テイトク!」
「なに寮内をカラオケ屋みてーに使ってんだボケナスどもが」
「いいじゃないすか、たまにはハメを外しても、テイトクもします?ホエールウォッチング」
「ムリムリ、テイトク、ホモだから」
「誰がホモだコラァ!ピラニアンローズ喰らいてーのか?ア゛ァ?」
「はいはいメンゴメンゴ、オイ、ソーリューも土下座っとけ、土下座」
凄い…1ミリの反省の態度も見られない、これが南雲機動部隊…
「ったく…恥ずかしい先輩どもだな、五航戦なんか仕事無いからってコンビニでバイトしてんだぞ」
「あ、知ってますよそれ」
「こないだ加賀サンが五航戦の白いのがレジの時に1円玉10円に両替しろって因縁つけんのマジウケたわ」
「どんだけタチ悪いんだお前ら」
「っーかテイトクなんすか?なんでタイミング良く来るんすか?アレっすか?ヒーローっすか?」
「コイツにラーメン作らせるんだよ、俺は今、ラーメンが食いたくてイライラしてんだよォ、イライラさせんなクソどもがァ」
「ラーメンすか?」
「そーいやこないだ赤城サンがメチャウマなトコあるって言ってなかったすか?」
「おー…なんかあったな、そんな話」
「よっしゃ!今からみんなでラーメン食い行くべ!ラーメン!」
「テートク、車出して、車」
「…そうだな、よし!ラーメン食い出るかッ!行くぞォ!」
「ウェーイ!」
その後、私は誰も居ない食堂でラーメンを作って食べました、ちょっとショッパい味がしました
転属届………書こうかな