不健全鎮守府   作:犬魚

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爽やか日常回

【登場人物】

提督(爽やかキュウシュウ男児)
好きな技はサドマゾ

Gotland(爽やかシトラス系)
常に真実の愛を探し 求める哀しい軽巡洋艦

岸波(目が死んでる)
奢りならだいたい許せる


提督とゴト岸と暇な日

今日も蒸し暑いなオイとぶつくさ文句タレつつも喫煙所に通う事を忘れない一途なハート、そんな(ピュア)なハートを持つこの基地の絶対支配者でありドS系鬼畜眼鏡上司の提督様が歩いていると、ベンチのところに妙な組み合わせが居るのが目についたので声をかけてみた

 

「よぉ、GOLAN(ゴラン)クンと岸クン」

 

「あら?テイトク」

 

神の国から来たプッツン軽巡、GOLAN(ゴラン)ことゴト……ゴトランタン?だっけか?いや、ゴトラタン…?まぁどうでもいいか

 

「こんにちは」

 

そしてスーパーエリート駆逐艦、夕雲姉妹の岸クン、ふわっとしたヘアーと死んだ魚みたいな目が特徴で、性格はあまりふわっとしてない

 

「ナニやってんだ?こんなトコで」

 

「見てわからない?岸ちゃんとアイス食べてるのよ?」

 

「ふ〜ん」

 

このゴト……GOLAN(ゴラン)クンと岸クン、艦種も違うし国籍すら違うのだがウチに配属された時期が同じのいわゆる同期と言うヤツで、意外と仲が良いらしく、たまにこうして2人でティーをしたりするコトもあるそうだ

 

「実は仲良いんだな、オマエら」

 

「当たり前じゃない!今日だって岸ちゃんがアイス食べたいって言ったからこうして一緒に…」

 

「ゴトランドさんが奢ってくれると言ったので…」

 

岸クンは死んだ魚みたいな目でアイスをペロペロ舐めつつ自分への距離が近いゴトなんとかを肘で牽制しているのがなんともシュールなのだよ

 

「私達仲良しよね!ねぇ岸ちゃん!」

 

「えぇ、まぁ、そうですね」

 

以前、チ●ポついてるのかしら?と襲いかかってきたゴトなんとかの誘いに付き合っている辺り、岸クンはとても優しい良い子なのだろう…

 

「今日はこれから岸ちゃんとボーリング行ってカラオケ行って映画を観る予定なんだから!」

 

「ふ〜ん………まぁ、なんだ?大変だな、岸クンも」

 

俺は財布から紙幣を取り出し、死んだ魚みたいな目をしている岸クンに、これで美味しいもの食べなさいと手渡そうとすると…

 

「なんなら提督も一緒に行きませんか?」

 

「オイオイ、岸クン、提督がそんな暇人に見えるのかね?」

 

「まぁ…見えますね」

 

いやだわこの子ったら、まさか提督様が暇人だとでも…?いや、きっと岸クンは社交辞令も言える良い子なんだろう

 

「そうよ岸ちゃん、テイトクなんか誘わなくたって……ほら!岸ちゃんの分のカラオケもボーリングも映画もご飯だってぜーんぶゴトが出してあげるし…」

 

全部出すのかよ、こいつぁとんだ援助交………

 

「仮にゴトランドさんに襲われでもした場合、2対1の方が有利かなと思って…」

 

「なるほど…」

 

「襲わないよ!?なんなの岸ちゃん!?ゴトがそんなコトするワケが…」

 

チ●ポついてるでしょ?とか言ってヤバい目でスカート引っぺがそうとする人ですし……と岸クンに言われ、ゴトなんたらはグゥゥム!と何か言いたげに唸ったが、やはり前科は拭い切れてなかったか…

 

「ま、まぁいーわ、岸ちゃんがそれがいいってならゴトもそれに賛成よ、うん!テイトク、自分のは自分で出してよね?ゴトが出すってのは岸ちゃんにだけよ!」

 

「いや、俺は付き合うとか行ってねぇんだが…」

 

…と、断ろうとしたが、岸クンが“せめて2対1じゃないと安心できない”と袖を引っ張るので仕方なし、俺はこのゴトなんたらと岸クンに付き合って街に出かけるコトにした…

 

◆◆◆

 

ボウリング場、ROUNDワンチャイコネクション…

 

「実はゴト、ボーリングって初めてなのよね」

 

「ふ〜ん、岸クンは?」

 

「アベレージ150ぐらいですかね」

 

岸クン曰く、それでも姉妹の中では真ん中ぐらいの腕らしく、1番上手い藤波は3ゲーム連続の300を叩き出した怪物の中の怪物らしい、人は見かけによらないものだ…

 

「コレってどうやるの?」

 

「ご覧の通り、その玉を転がしてピンを倒すだけだ」

 

「ふ〜ん」

 

どうやらマジに初心者なゴトランランは敵じゃなさそうだな、ここはいっちょ岸クンに提督様のテクを見せてキャーキャー言わせ…

 

「ねぇ、なんか横の溝に入ったんだけど?」

 

「そりゃガターだ、0点だ」

 

「0点なの!?」

 

こうして幕を開けた提督様VS岸クンVSガター女の戦い、勝負は熾烈を極めた、岸クンは他人がストライクを出すと負けじとストライクで反撃する死んだ魚のような目のワリに好戦的なタイプらしく、俺たちはハゲしい戦いを繰り広げた…

 

「ねぇ、この(8)ってナニ?」

 

「そりゃスプリットだ、ガンバればスペアになる」

 

「………いや、ムリでしょ、どーやって倒すの?アレ」

 

◆◆◆

 

カラオケ屋、シダ植物

 

「実は俺、音痴なんだ」

 

「へぇ」

 

「そうなんですか」

 

俺一世一代の告白に、コイツら特に気にした様子もなく平然とデンモクを操作しおるわい…

神とは嫉妬深いものである、神は俺に美を与えたが、俺に音楽と絵画の才能だけは与えなかった…

 

「そんなワケだ、だから歌は岸クンが好きに歌うといい、で、その間にゴトラタンはとりあえず俺の一物に奉仕でもして貰おうか」

 

「イツ…?イチモツってナニ?聞いたコトないニホンゴね」

 

「チ●コのコトです」

 

「チン…?あぁ、Pen●sね………って!なんでゴトがテイトクのPen●sに奉仕しなきゃいけないのよ!?」

 

物知り岸クンからチ●コであるコトを教わったゴトランダーは怒り狂ってテーブルをバシバシ叩いた

 

「まぁまぁゴトランボーくん、冷静に考えてみたまえ、カラオケ店、薄暗い部屋、もしかしたら岸クンにバレるかもしれないと言うリスクのある中、Pen●sをジュポジュポする状況………興奮しないかね?」

 

ゴトランドは俺の冷静で的確な意見に、少し考え込み、そして…

 

「………メチャメチャ興奮するわ」

 

「だろぉ?ガハハハハ!」

 

「たしかに!それは興奮しちゃうわ、えぇ!そうでしょ?岸ちゃん!」

 

「………いや、普通にドン引きしました」

 

◆◆◆

 

イ●ンモール内、映画館前

 

「ライオン王で」

 

「ライオン王ね」

 

ライオン王、ライオン王の王太子が色々あって国を追放され、やがて逞しくなった王太子は国を乗っ取った叔父御との決戦に臨む感動巨編である、たぶん

 

「…観たい映画がお二人と同意見なコトに、正直少し複雑なものを感じます」

 

「ナニ言ってんだ岸クン!ポップコーン買ってやろーか?Lサイズのを!」

 

「そうよ岸ちゃん!コーラ買いましょ!Lサイズの!」

 

ちなみに、俺とゴトランドの席は隣席になったが、岸クンは俺たちとはかなり離れた席をわざわざ指定した

たぶんアレだろう、岸クンもお年頃だし、映画は1人で楽しみたいんだな!

 

◆◆◆

 

様々なコースを周り、テキトーに飯を食っているとさすがにそろそろ暗くなって来たな…

 

「よし、じゃ、今日は解散すっか、解散」

 

「そうね!どう岸ちゃん!楽しかったかしら?」

 

「まぁまぁですね」

 

ンマー!なんてクールな子かしら、死んだ魚のような目をしているだけあるわい

 

「よし、じゃ気ぃつけて帰れよ」

 

俺は岸クンにコレで電車にでも乗りなさいと電車賃を渡し、岸クンとゴトランドにアバヨと言って歩きだそうとすると…

 

「あれ?テイトクは?」

 

「俺はほら……アレだよ、せっかく街に来てんだし、一杯ひっかけてから帰るっーか」

 

アレだよアレ、男にはほら、アレな店に行きたい日とかあるだろ?アレだよ

 

「あ、そーなの?じゃ、ゴトも一緒に行く、いいでしょ?」

 

「いいワケねーだろ、帰れよ、岸クン1人で帰らせる気か?」

 

「私は普通に大丈夫なので、では…」

 

岸クンはペコリと頭を下げ、俺にこの空気読めないプッツン軽巡を押し付けてさっさと歩き出した

 

「じゃあねー!岸ちゃーん!」

 

「じゃあねー!じゃねーよ、オマエも帰れよ」

 

「ハァ?帰らないわよ!アレでしょ!1人で美味しいお酒飲みに行く気なんでしょ?ズルくない?」

 

「ズルくねーよ」

 

◆◆◆

 

………翌日、執務室

 

「おはよーっす………あー、マジダリぃ、飲み過ぎたわ、サミー、水くれ、水」

 

夕べは些か飲み過ぎたな、3軒目までは覚えがあるがそこから先はうろ覚えだし、起きたら隣でゴトランドが白目剥いて尻丸出しで寝てるし………たぶんアレだな、直腸でテキーラいっきしたんだろ

 

「どうぞ」

 

「うむ」

 

そしてサミーのまるで汚物でも見るような目…

汚物……あぁ、そうか、今日はたしかに燃えるゴミの日か


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