不健全鎮守府   作:犬魚

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悪魔に背くと決めた日

【登場人物】

提督(安心のクソ提督)
全艦集会の談話は前日からきちんと原稿に書いて用意している

五十鈴(パイセン)
絶賛水着中のパイセン


続続続続続続続続続・提督と作戦とミーティング

アツい夏の終わり、それはアツかりし新たなる聖戦のはじまりでもある…っ!

 

そして、当基地では作戦海域開始を告げるべく恒例の全艦集会が粛々と行われていた…

 

「えー…夏休みも終わり、新たなる学期に無事に揃った皆さんの顔を見る事が出来て提督も大変嬉しい限りです、この夏は酷暑であり台風であったり色々とあったと思いますが皆さんは良い思い出を作る事が出来たでしょうか?思い出と言うものは良い物も悪い物もありますが、それらはすべて皆さんの経験としてこれからの人生に大きく役に立…」

 

『ゴチャゴチャうるせー!』

 

『ハナシなげーよオッサン!』

 

『早く引っ込めやオッサン!』

 

………Fuck you!ブチ殺すぞ、ゴミらめ…っ!そう言いたい衝動を抑え、俺は壇上からクズどもに提督様の有難い話をたっぷり46分かけて続けてやった

 

「えー…では提督からのお話は以上です、では香取先生」

 

「はい、では続きまして、夏休み絵画コンクールの優秀賞の表彰と、夏の鎮守府杯の表彰を行います」

 

ーーー

 

喫煙期間解禁中のモクモクしちょるだけの執務室…

 

「今回は全三海域とワリと少なめになっているそうです」

 

「三海域か…」

 

上からきた作戦概要のFAXを流し見しつつ新しくタバコに火を点けケムリを肺に吸い込む………ゴキゲンな主流煙だ、三海域を単純に三海域と鵜呑みするのはまだまだ提督歴の浅いデビューしたての若僧(グリーンボーイ)ぐらいだろう…

歴戦の提督ならこのFAXを床に叩きつけて何が三海域だ!テメーの言ってるコトは全部デタラメだよーッ!と荒ぶるものだ

 

「フーッ〜…湯断せずに行こう!」

 

「油断ですね」

 

「とりあえず最初はなんだ?いつもの対潜クソガキをファックすりゃいい感じか?」

 

「一応、対潜もあるみたいですが…」

 

「なんだ?言ってみろ」

 

「対潜後、水上戦闘みたいですね、なんか戦艦仏棲姫が出没するそうです」

 

「戦艦仏…?あぁ、あやつか」

 

過去に何度か現れたコトがある乳とシッポがやたらデカい姉ちゃんか、なるほど…全三海域と言うだけあってあちらさんも初戦から強力なカード切ってくるじゃあないか…

 

「あと、今回は欧州系の海外艦にちょっとやる気があるみたいですね」

 

「ふむ」

 

やる気と言う名の不思議なパワーか、なるほど…となると、最初から全力全開で行くのはどうかと思うが…

 

「まぁいい、とりあえず開幕は五十鈴だ、連絡しとけ」

 

「五十鈴さんですね、他は?」

 

「五十鈴に任せる、好きなヤツ連れてけ」

 

◆◆◆

 

大事な大事なオープニングゲーム、初戦を飾るのはやはり人類最強の潜水艦狩りの達人、五十鈴…

 

…その、五十鈴は提督から初戦起用の連絡を受け、チームのメンバーを集めていた…

 

五十鈴が目をかける後継者候補の朝霜、新たな力をつけメキメキと頭角を現してきた浦風、そして…

 

「ど…どーしよイスズサン!リベ行った方がいい?リベどーしたらいい?」

 

チームの中でも、五十鈴が特に可愛いがっていた対潜の才能溢れる未来の対潜エリート、リベッチオは今回のチームへの参加を躊躇っていた…ッ!

 

いつもならば五十鈴が“来い”と言ってくれると喜んでついて行った、五十鈴が“来い”と言ってくれたら“勇気”が湧いてくるからだ!

 

だが!今回は欧州作戦、もしかしたら中盤、もしくは後半に自分の力が最大限発揮できる海域があるかもしれないのだ、だからこそ、いきなりこの初戦から出るのには躊躇いがある!

 

「そ、そーだ!“命令”してよ!イスズサン!イスズサンが“来い!”って“命令”してくれたらリベなんだってデキるんだよ!ねぇ?」

 

「ダメよ、こればかりは自分で決めなさい」

 

「そんなぁ〜…」

 

五十鈴から突き放されるように言われたリベッチオはどうしたらいい?ねぇ?どうしたらと混乱していた…

 

「お願いだよぉ!イスズサン!リベに“来い”って言ってくれよぉ!そうすりゃ“勇気”が湧いてくるんだ!」

 

「ダメよ、こればかりは命令できない………ただ、リベッチオ、アナタは来ない方がいい、向いてないわ」

 

五十鈴は再度リベッチオを突き放し、チームのメンバー達の方を向いて艤装に出撃の火を入れるッ!

 

「よぉーし!行くわよアンタ達!潜水艦に生きる価値無し!目についたヤツは皆殺しよ!」

 

『『『おー!』』』

 

五十鈴の号令の下、チームは持っていたグラスをプロージーットと地面に叩きつけ、出撃する…ッ!!

 

そして…

 

出撃して間もなく…

 

「五十鈴サン、後ろ、後ろ見てよ!」

 

「ナニよ?」

 

朝霜に言われ、五十鈴が後ろを振り返るとそこに…

 

「行くよォォォォォォォォ!!リベも行くんだよォォォォ!!イスズサァァァァァン!!リベに“来るな”と“命令”しないでよォォォォー!」

 

リベッチオが、クロールしながらチームを追いかけて来ていた…

 

「リベッチオじゃあ…」

 

「ヘヘッ、アイツ…!なぁ!五十鈴サン!」

 

「………フッ、どいつもこいつも、まぁ、五十鈴には丸見えだったけどね」

 

こうして、欧州方面作戦シングル作戦は始まったのだった…ッ!!

 

←To Be Continued





珍しく当選してたので13と14は佐世保に行きますって

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