不健全鎮守府   作:犬魚

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話・金・宴、その全てがここにある

【登場人物】

提督(大人)
それが大人の特権だよ

Colorado(大7)
MAJOR出身の戦艦、プライドと態度が高く、沸点が低く、腋がやらしい




続続続続続続続続続・提督と作戦終了と…

「えー…今回も皆さんの活躍もあり、我々は無事に作戦を完了する事ができました、えー…今回、皆さんは自分で日頃の努力の結果が出せたと思っていると思いますが、えー…努力と言うものは継続する事に意味があるものです、えー…これからも皆さんはより一層努力する事でしょう、そうする事により、それは将来の皆さんの財産となり…」

 

『うるせぇー!!ハナシ長げーんだよボケッ!』

 

『さっさと終われダボ!』

 

『アナタって最低のクズだわ!』

 

夏?の作戦海域も無事終了し、いつもの全艦集会を絶賛開催中の基地体育館……クズどもを見下す壇上から提督様のありがたいお話にイライラしたアホンダラどもが早く終われだの引っ込めだのアツい罵声を浴びせくるが、フン、この俺には称賛の声なのだよ

 

「えー……以上で提督様からのありがたいお話を終わります、えー…では皆さんお待ちかねのお給料の時間です、サミー、アレを」

 

舞台脇から台車に載せて運ばれてくるいつものジュラルミンケース…その中身こそまさに欲望化身!この現代社会を支配する魔王!

 

金ッッッ!!現金ッッ!!キャッシュ!!

 

「えー…今回いつもより海域数の少なさもありMVPチケットランキングはいつもより獲得数が少ないが〜……まぁそれはそれとして、第1位は北上クン、はいみんな拍手ぅ~」

 

やはり北上、鉄の上下関係でお馴染み球磨姉妹屈指のエース、今回もチームの勝利に大いに貢献してくれた

そんな北上クンにジュラルミンケースから取り出した現金を手渡し、アツくシェイクハンドした

 

「感動した!」

 

「いやぁ~こんないっぱい、悪いねぇ~」

 

北上クンはヘコヘコ頭を下げつつアツい声援と溢れる拍手に手を振った

 

『アリガトー!北上さんアリガトー!』

 

『まったく、重雷装巡洋艦は最高だぜー!』

 

『キタカミ!キタカミ!キタカミ!キタカミ!』

 

さすがは北上クン、基地好感度ランキングで毎回上位に入るだけあって人気者だな…

 

「えー…続いてMVPチケットランキング2位だが~……残念ながら今日、第2位のお友達はここには来れない」

 

先の作戦海域最終決戦、怒りのフィニッシャーを務めたラッキー・ジャーヴィスことロイヤル駆逐艦のジャーヴィーくんだが、先の戦いにて大ダメージを受けて現在は医務室で手厚い治療を受けているらしい…

 

「では続いて第3位、ザラ姉ぇ」

 

第3位はジブラルタル、海峡決戦にて黄金のような気高き意思!を見せてくれたザラ姉ぇコト重巡ザラ

ザラ姉ぇはステージへと上がってくると嬉しそうにアツい現金を受けとった

 

「感動した!」

 

「Grazie!ありがとうございます」

 

ザラ姉ぇは今日は私の奢りでマミーヤでよー!と手を振り、アツい声援と拍手に応えた

このザラ姉ぇの活躍はザラ姉ぇだけじゃあない……あくまでイタリア組の勝利なのだ

 

ーーー

 

「えー…最下位、木曾」

 

「マジかよ!納得いかねぇ!!」

 

「やかましい」

 

木曾に200円渡し、今回のMVPチケットランキングも無事終了、小銭を受け取った木曾は大きく肩を落として壇上から降りて行ったが姉ちゃん達から温かく迎えられていた

 

「えー…そんなワケで、今回も無事作戦終了と言うワケでささやかではあるが酒と料理を用意してあるので…」

 

『ヒャッハー!水だァー!』

 

『ほぉ、茄子にベーコンを巻いたものですか?』

 

『山盛りのキャベツも添えて、バランスも良い…』

 

………クズどもがッ!まだ提督様の結びの挨拶が終わっていないと言うに、まぁいい、細かいコトをぐちぐち言わないのが良い上司ってヤツだ

 

戦いが終わり、恒例の宴だーッ!が始まり、どいつもこいつも用意された料理や飲み物を愉しみ、そして些細なことで殴り合いを始める高雄と妙高……うむ、通常運転だな、なぁオイ?

 

「さて…」

 

そんな俺の腹も小腹が空いているとさっきからギューギュー主張してくる、わかったわかった、何か腹に入れよう、焦るんじゃあない、俺はただ腹が減っているだけなんだ…

 

面倒くさそうなヤツに絡まれないよう、絶妙なライン取りでテーブルの料理を物色していると………ひときわ鼻腔を刺激する弾ける獣臭、ほぉ、串肉ですか?ワイルドでありながらジューシィーさを感じさせますね

 

「よし……」

 

そんなワイルドでジューシィーな串肉を取ろうと手を伸ばすと、俺とは別の手がニューっと伸びてきた

 

「…ん?あら?Admiral……?へぇ、まぁいいわ!フトコロが大きいワタシは譲ってあげるわ!感謝するコトね!」

 

…誰だっけコイツ?キンパツでまぁまぁの乳だが、え〜…なんだっけ?コロコロ…?

 

「え〜……キミはたしか、コロ、コロラードくん?だったかな?」

 

「そーよ!栄えあるStatesのBig7!Colorado級戦艦一番艦、USS BB45 Coloradoよ!」

 

良かった、間違えてなかった、そうそう残念ビッグ7のコロラードくんだ、そんなコロラードくんは気前よく俺に串を譲ると、自分は別の串を手に取りワイルドにかぶりついた

 

「はむ…っ!ウン、なかなかネ…ウン、く…んっ、デモちょっと大き……ん!」

 

わりと肉厚な串に一生懸命かぶりつくコロラードくん、まぁ、彼女は戦艦と言うワリに小柄だしな、もうちょい自分に合った食べ易いサイズのものを食べた方が…

 

「ぶふっ……!結構デカいわね、Admiral!まぁ、アナタは無理しないほーがいいわ!」

 

「まぁ、そうするのだよ、むしろコロちゃんこそ無理しない方がいいと提督は思うがね」

 

「誰がコロちゃんよ!馴れ馴れしいわね!」

 

まったく、コロラードくんは人に懐かないタイプってヤツなのかな?個人的に大きな串に必死にかぶりつくコロラードくんのいやらしい腋をオカズに何本でもイケそうなだよ…

 

そんな事を考えつつ、肉串を相手に2人で苦戦していると、本物のMAJORリーガーことダイナマイトパッキンガール、アイオワがやって来た…

 

「Hi、Admiralと~…Coloradoじゃナーイ?それ、美味しそうネ」

 

「まぁな、デカいけど」

 

「Iowa………フン、ワタシより先に配属されてるからってセンパイ面していつまでもデカいツラしてるじゃあないわよ!一番はワタシ!No1はワタシよ!」

 

コロラードくんは見下してるんじゃあないわよ!アイオワに指差してキィーキィー言ってケンカ売っているようだが、アイオワはニコニコしながらまるで実家の愛犬をあやすようにコロラードくんの頭を押さえつつオーケーオーケーグッドボーイと撫でていた…

 

「キィー!!」

 

「AHAHAHA………さて、それじゃあワタシも貰おーカシラ?」

 

アイオワは肉串を手に取るとワイルドにかぶりついた

 

「フム………まーまーネ…マァ、サイズは小さいケド」ナポォ…モニュ……モニュ…

 

…さすがは本物のMAJOR、コロラードくんと違いワイルドさが違う………このメガサイズをまるでスティックドーナツのように喰らいおるわい

 

「ッッッ!!」プルプル

 

そんなワイルドなアイオワの食べっぷりに、コロラードくんは目に涙を浮かべながらDon't think I won this!とか言いながら走って行った…

 

ーーー

 

ステージでカラオケ大会が始まる宴の佳境…

適度に飲み食いしてタバコを吸うべく体育館の外へとやって来た…

 

「フーッ~………はぁ、もう10月か」

 

なんやかんやで今年も早いものだ、いや……それが大人と言うべきか

 

「お疲れ様です」

 

「よぉ、相変わらず青いな、卿は」

 

外でタバコを吸っていると、小菓子の載った皿を持ってぬるっとやって来た秘書艦サミー子、コイツいつもぬるっと出るな…

 

「明日は新人さんの面接ですから、薄汚れた制服じゃないパリっとした格好でお願いしますよ」

 

「へいへい」

 

「クリーニングした制服はロッカーの中です、ついでに、何枚かズボンの丈も調整したものが…」

 

「やかましい、テメーは俺のオカーサンかっーの」

 

ったく、毎回毎回…コイツのこーゆートコがムカつくのだよ

 





次回は新人面接回

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