不健全鎮守府   作:犬魚

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ヒロインとは何かを問うヒューマンドラマ、提督不在回

【登場人物】

鈴谷(11)
ビッチ・オブ・オーバーロード・ジ・エンド
扱いの悪さに定評がある

熊野(5)
44回以来、ズイウンの素晴らしさと可能性にハマった


鈴谷と熊野とヒロ引力

「あのさぁ~鈴谷考えたんだけどさぁ~」

 

重巡寮、通称、さわやか寮の一室

机に足を置き、チャ●プロードを読んでいた鈴谷は同室の熊野に話しかけた

 

「何をですの?お金なら貸しませんわよ」

 

「借りねーし、鈴谷まだ金持ってるし」

 

前回の作戦海域で、最上型一同はかなり稼いでおり、多少ハメ外して豪遊してもとりあえず鈴谷の財布には諭吉様が居た

 

「ちょっと鈴谷の考えに忌憚の無い意見をくれない?」

 

「今忙しいですわ」

 

「瑞雲イジってるだけじゃん、っーかナニそれ?なんかスカスカじゃない?」

 

「肉抜きして軽量化してますのよ、ふぅ…次はシャーシですわ」

 

熊野は今度のジャペンカップ用のニューマシン、シャイニング★ズコーピョンを整備をしていた

 

「まぁ、聞いてよ、鈴谷色々考えてみたワケよ?」

 

「人生についてですの?」

 

「違うし、なんで提督が鈴谷に対して無駄に厳しいのか」

 

「…ビッチだからじゃありませんの?」

 

「ビッチじゃねーし」

 

「ふぅ…それで?何か考えはまとまりましたの?」

 

「いや、冷静に考えたらよ?鈴谷かわいいじゃん?どちらかと言えば美少女じゃん?おっぱいデカいし!しかもワリと気安いし!ある程度の変態プレイは許せる適度なエロさはあるし………あれ?コレ鈴谷かなりヒロイン力高くね!?鈴谷普通にヒロインじゃね?」

 

「…何言ってますの?イカレてますの?」

 

「いやいやいや!これ鈴谷フツーなら無敵じゃん!なんでコレでビョーゲン菌扱いされるワケ?おかしくね?」

 

熊野は一つ溜め息をつき、手にしたヤスリを机に置き、鈴谷の方に椅子を向けた

 

「ビッチだからですわ」

 

「だからビッチじゃねーし!」

 

「おだまりなさい!自分がどう考えようとアナタはビッチ!ビッチ・オブ・ビッチ!クイーン・オブ・ビッチの称号を得ているのですわ!」

 

「なん……ですと?」

 

あまりの驚愕に、鈴谷の手からチャンプ●ードが床に落ちる

 

「そして、提督も常々言っているでしょう?ビッチが嫌いと」

 

「いや…でも、鈴谷ビッチじゃないし…」

 

「おだまりなさい!」

 

「二回目ッ!」

 

「ビッチなんですわ!アナタはッ!いつまで目を背けてますの!向き合いなさい!現実と!」

 

ザワ…ザワ…

 

「いや…でも、マジで…鈴谷、そーゆーの、してないし…」

 

「おだまりなさい!ハイ!鈴谷はビッチです!続いて!ハイ!」

 

「……鈴谷は、ビッチ…です」

 

「声が小さい!ハイ!」

 

「鈴谷はビッチです!!」

 

「過ちを認め、次の糧にする事が出来る、それが大人の特権ですわ!フロ・フルンタルも言ってましたわ」

 

「誰よ、それ…?」

 

全てはビッチである事が原因、無敵のヒロイン力もビッチと言う名のステイタスに塗り潰される

 

「とりあえず、ビッチ臭にファブ●ーズする事をお勧めしますわ、無駄ですけど」

 

「最後の一言、超余計なんですけど!」

 

「そんなに提督の対応に不満があるなら、逆に、提督がちやほやしてる方を見習ってはいかがです?」

 

「ちやほやしてる方?」

 

「比較的、駆逐艦には普通にお小遣いあげたりしてますわよ」

 

「…たしかに」

 

鈴谷は思い出す、言われてみると、何気に駆逐艦のキッズには甘いところがある

 

「あと、香取先生や鹿島先生の前では紳士ぶりますわね」

 

「たしかに」

 

先生が好きなのだろうか?そーゆープレイが好きなのだろうか?

 

「…つまり、どう言うこと?」

 

「本人に聞いてみては?ハイ、ファ●リーズですわ」

 

「いや、おかしくね?鈴谷そんなに臭うの?ちょっと涙が出そうなんだけど?」


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