【登場人物】
提督(天と地の狭間に立つ美の闘士)
ロスキャンアニメの続きをお待ちしております
大和(最強戦艦)
本物の輝きを持つ海軍最大戦力の1人、褐色の、艤装をバリバリ食べる奇行に走る妹がいる
二回の延期はあったものの遂に始まった消費税増税、しかし今回の増税は単純な増税と言うワケではなく、8%だとか10%だとか軽減税率だとかキャッシュレス決済でポイントの還元だとか色々とややこしく、消費者だけでなく、企業もまた、未だ混乱の中に在った…
そして、そんな消費税増税後の初の週末…
俺は夜の街で日々の溜まっている様々なものを吐き出し、イイ感じに酔いも回ったところで基地に帰るかと歩いていると、ポケットのタバコが既に切れているコトに気付いた…
「チッ…」
タバコが無い………その、ステキなイライラ感が提督を行動させたッ!とりあえず、帰り道にたしかコンビニがあったハズなのでそこで買えばいいや…
そんなコトを考えつつ歩いていると、ほら、あった!青いカンバンのコンビニが!
「いらっしゃいませー」
そんないつもの青いカンバンのコンビニに入り、とりあえず雑誌コ…
「………ん?」
え………?
何の気なしに入ったコンビニエンスストアー…そう、から●げクンとか売ってる青いカンバンのコンビニ…
その、何の気なしに入ったコンビニのレジカウンターに、あきらかに居てはいけない人物が立っているッッッ!!
思わず二度見してしまったが……?え?マジか?え?なんで…?
「…な、何故“あの人”が……!?」
バ、バカな…っ!!何故“あの人”がコンビニでバイトを…?ウソだろオイ、なぁオイ?いやいやいや、そんなワケねーって、たぶんアレだな、飲み過ぎちゃったかなぁ〜…ハハ、ないない、それはない
「いらっしゃいませ、お買い物ですか?提督」ニコッ
「あ、あぁ…」
ま、間違いない!あれは
な…何故、最大最強の戦艦である大和さんがコンビニでバイトなど…?え?ナニ?ドッキリかナニか?アレか、モニタリング的な?
「え…?ナニ?大和さん、ここでバイトを?」
「はい、先日から…」
大和さん曰く、普段、出撃の仕事も無く、暇潰しに日々、造花造りの内職をしていたのだが、造花造りの業者が倒産してしまったらしく、どうせならこの機会にもっと別の仕事をしてみよう!と一念発起したらしく、アルバイト雑誌、フロム∀を読んでこの仕事に行きついたそうな…
「まぁ、武蔵からは反対されましたけど…」
ちなみに武蔵からは“ハァ?大和がコンビニのバイト…?ハハハ!無理無理”と笑われたので余計にムカつき、見返してやろうと言う気もあるらしい
「へぇ〜…そうなんすか」
「はい」
…しかし大和さんがコンビニでバイトとはな、グゥゥゥム、まぁ、大和さんは基地最大戦力であり仁・智・勇に優れ、その人柄は誠実で温厚、その慈愛に満ちた人柄は万人に愛され神の化身とまで呼ばれており、俺も次期提督候補はこの大和さんか長門だろうと考えているぐらいだ…
…まぁ、この神の化身大和さんの中にとてつもない邪悪が居なかったらの話だが…
「私レジに居ますので、たくさん買ってくださいね」ニコッ
「あ、あぁ…」
…いや、考え過ぎだな、この大和さんがとてつもない邪悪などと…
とりあえず俺は酔い覚ましに水(フランス産)と、ついでに栄養ドリンクを手に取り、あとは目的のタバコだけだが…
「〜♪」ニコニコ
グゥゥゥム、どうにもレジに立っているのが大和さんだと調子狂うと言うか、なんともやりづらいな…
「えー…タバコの564番を2個」
「564番ですね」
大和さんはミネラルウォーターと栄養ドリンクをPOSレジに通し、カウンターの奥に並べてあるタバコを探す…
しかしなんだ…?過去、何人かウチのバカどもがコンビニでバイトしていたが……大和さんはミニスカじゃないんだな
「564……564、あ、あった!」
しかし大和さん、安易にミニスカではなくパンツルックと言うところに逆にそそるモノがあるッ!もうさっきからあのケツからムチッ!ムチッ!とか擬音が聞こえるぐらい逆にやらしいモノがある…
そう、なんと言うか…大和さんほどの落ち着いたオトナの女性となると、経済的に余裕が無いワケではないが家事手伝いだけでは退屈なので家庭に迷惑をかけない程度の空き時間にちょっと近所でアルバイトしている人妻感がパナイのだ…
「はい、8mg、こちらでよろしいですか?」
「あ、はい」
「ついでにから●げクンもいかがですか?今なら限定のシーフードカレー味がありますよ」
「あ、はい、じゃそれも…」
からあげなのにシーフードカレーとはコレ如何に…?そんな矛盾に悩みつつ代金を支払い、商品の入ったレジ袋を受け取り、釣り銭を大和さんはニコニコしながら俺の手をさりげなく握ってきた…
やだ、もしかして大和さんったら俺のコト好きなのかしら?いや、たぶん好きなんだな!好きでいいんだよな!うん!
「ありがとうございました~」
ハハ…まったく、こんな大和撫子オブ大和撫子の大和さんの心に邪悪が棲んでいるワケがないな、やはり次期提督の座は大和さんにキマリだな、ハハ…
「あの………ところで提督」
「なんですか?」
「………背中に埃が付いているみたいです、お取りしますから後ろを向いて頂けますか?」
「え?マジすか?はいはい…」
俺は大和さんに背を向けると、大和さんは動かないでくださいねーと言って右手を………
「死ねェェェェェェ!!」
右手で俺の心臓めがけて突きを放ってきたッッッ!!
ドグシャアッ!!(貫通突き)
「グハアァァァァ!!ゴハァ……!!」
「殺った…!!フフフ…ワハハハハハハハー!!このオイボレが!さっさとこの大和に提督の座をあけ渡せばいいものを!キサマのような甘っちょろいヤツでは海上の平和を守るなど不可能よ!フフフ…これからはこの大和が提督となりこの海上を支配してくれるわー!ワーハハハハハハハハ!!」
『…それはどうかな?』
「な、なにィ!!」
『オマエではこの海上の支配など不可能、自分でわかっているのではないか?』
「そ、そんなコトがあるかーッ!力だ!力こそがこの海上における正義!オイボレに一体何ができたと言うのだーッ!」
『オマエは誰だ?大和型戦艦一番艦は誰だ?』
「わ、私は……私は……!!」
!!!!!
「……ハッ!こ、これは……?私はたしかに提督の胸を突いたハズ」
「フッ、どうやら幻を見ていたのはオマエだったようだな」
いつの間にやら自分がレジカウンターを出ている事に気付いた大和さんは、これが幻魔拳か…ッ!と戦慄していた
「二度目はない、だが大和さん………貴女が本当は正義の人であるコトを提督は信じているよ」
「ク、クッ…!!」
そう、大和さんは誰よりもこの海上の愛と正義を信じている高潔な人だ、己の邪悪などに決して負けはしないと提督は信じているのだよ
俺は大和さんに、アディオス大和さんとクールに挨拶を残し颯爽とコンビニの自動ドアをくぐり店を去った…
……クールに去って、数分後
「ゴファ!!」吐血ぅ!
…さ、さすがだ、やはり恐るべきは超戦艦大和ッ!こちらも無事では済まなかったか、もし俺の
「や、やはり最強の名に恥じぬ大した戦艦…」
ね…願わくば、これからもその力を海上の愛と正義の為、に…