【登場人物】
提督(巨乳好き)
無いよりある方がいいに決まっている
海風(新型長女)
五月雨の妹、五月雨からちょいちょいイラっとされてる
山風(気難しくて繊細)
キンパツサラサラストレートチビが絡まなければ基本は良い子
特に急ぎの仕事もない日、タバコでも吸うかと喫煙所へと歩いていると、体育館の方からなにやら歓声が聞こえてきたので覗いてみると、白露が熊野にキン肉ドラ●バーをかけていた…
「死ねーッ!!」
「グオオォォ!こ、この力はーッ!ですわーッ!!」
逆襲のキン肉ド●イバーをまともに被弾し、ドヘァ!!とお嬢様属性にあってはならない呻き声を吐いてマットに沈んだ熊野は何回かビクンッ!ビクンッ!と痙攣して動かなくなった…
『ウォォォ!白露の勝ちだーッ!』
『しっらつゆ!しっらつゆ!しっらつゆ!』
アツい白露コールが体育館に響き、リング上では白露のアホが駆逐艦のアホガキどもに肩車され白露わっしょい白露わっしょいと祝福されていた……
うん、ナニやってるんだ?コイツら、100億パーセント理解できねぇ…
そんな理解を超えた光景をなんとなく目にして思考を停止させていると、何者からか声をかけられた
「あ、テイトク、こんちには」
「む?………海風クンか、こんにちは」
白露姉妹の七女にして改白露姉妹の長女、妹でありながら長女と言う矛盾……しかしその矛盾をッ!それを完成させたッ!!それが海風ねーちゃんと言うキセキ…
どいつもこいつもプッツン気味なヤツが多い白露姉妹の中でも珍しく穏健派であり、駆逐艦でありながら駆逐艦離れした超肉体を持つ三女村雨に匹敵する隠しきれない超肉感……まさしくあらゆる面で旧型の長女である白露を凌駕する新型の長女である
「あのバカどもはナニやってるんだ?」
「さぁ?プロレスごっこ…とか?」
ごっこでヤってイイ技じゃあない……
海風ねーちゃんは曖昧な笑みを浮かべつつ指で頰を軽く掻いた
「そうそうテイトク、私、テイトクに少し相談したいコトがあるんです」
「なんだ?金か?」
「違います」
「じゃなんだよ?最近服がキツいとかか?」
「違います!」
海風ねーちゃんは元々シャレにならない超肉体だったが改二になり、さらにデキるようになった……ハッキリ言って海風ねーちゃんが駆逐艦じゃなければ72時間耐久レ●プで身も心も壊し尽くして俺専用肉隷奴にするところだ
「江風のコトなんですが…」
「江風ェ…?あぁ、あの赤いの」
白露姉妹の九女、江風、バカ寄りの思考だが夕立や村雨程のバカでも外道でもない、意外にもちゃんとした妹だ
「えぇ、その江風なんですが悪い友達が出来たらしくて…」
「あらら、一大事じゃないの?」
「一度、帰りが遅いと叱ろうとしたら姉貴のバカ!とか言うんです」
「あらら、そりゃ困ったねー」
「私、どうしていいかわからず…」ポロポロ…
「あらら、そいつはいけないな、その友達の名前わかる?俺からよく言って聞かせるよ」
「天龍さんと木曾さんなんですが…」
なんだ、天龍と木曾か……じゃ大丈夫だな、俺は安心しろ!安心しろよ!海風クン!ゲロを吐くほど不安になるコトはないじゃあないか?と肩を叩くと、海風クンはどうかよろしくお願いしますと、その暴力的な海風っぱいを押しつけてきた…
もし俺が高潔な意思と強い心を持つ紳士でなければ間違いなくこの娘をブチ●していただろう
そんな物理的な意味でグイグイくる海風クンの物理的な柔らかさを堪能していると、廊下の先から毛のないキモい猫をブラ下げた山風が現れた
「…あ、テイトクと、海風姉ぇ」
「よぉ、相変わらずよく見るとキモいな、その猫」
「…キモくない、よく見なくてもかわいい」
山風は猫を床に下ろし、ナニやってんの?とごくごく当たり前の質問をしてきたので、俺は海風ねーちゃんの相談を聞いていたのだよとごくごく当たり前の回答を返した
「…ふ〜ん」
山風は大して興味もなさげに足下の猫の腹を器用に足で持ち上げたり下ろしたりしつつ話を聞いていたが……器用だなコイツ、そしてこの猫もやる気ないな、生物として危機感が足りないじゃあないか?
「…だいたいわかった、テイトクも海風姉ぇもヒマだし、コレのおやつ買いに行くから付き合って」
「え、やだよメンドくさい」
海風ねーちゃんだけでいいだろと続けようとしたその時、俺の腕があってはならない方向に曲がり、ガッチリとホールドされて締め付けられたッ!!
「グッ!グオオォォ!こ、この
「あらあら!山風!とてもステキな提案ね!でも残念……私はちょっと用事があって、あ、ほら!テイトクはヒマだって!ね?ほら!ね?」
「グウゥゥゥゥム!!フンッ!」
海風ねーちゃんのロックを持ち前の知性を活かして外した!ハァ…ハァ……クッ、さすがは新型の長女、あの細腕のどこに万力のようなパワーが隠されているのか
「ね?山風、テイトクと行ってきたら?ね?」
「…別にそれでもいいけど」
「いや、提督は別にヒマじゃあないんだが…」
「テイトクーッ!ちょっと!ちょーっとお話しいいですかー?私、相談したいコトあるんですー!」
一瞬!そう、あまりのスピーディーに対応が遅れたことこそ命取り!海風ねーちゃんは俺の肩から首にその腕を回し、強烈なパワーで俺を締めつけつつ山風から少し離れた壁際に俺を引きずりこむ!っーか乳デケぇなコイツ!
「なんでそんな無下に断るんですかっ!」ヒソヒソ
「いや海風クンよ、俺だって別に暇じゃあないんだが…っーかおたくの妹だろ?おたくでなんとかしなさいよ」ヒソヒソ
「山風が!や ま か ぜ がッ!せっかく一緒にお買い物に行こうってなけなしの勇気を出しているんです!わからないんですか?空気読んでくださいよ!大人でしょう?」ヒソヒソ
「たしかに提督は大人だが…」ヒソヒソ
「山風は提督とお買い物に行きたいんです」ヒソヒソ
「いや、海風クンでも良さげな空気じゃね?今の、あ、そーだ、ほら、金!金出してやるから2人でジュースでも飲みなさいよ」ヒソヒソ
「なんでその心遣いを違うベクトルに発揮するんですか、とにかく行ってください」ヒソヒソ
「やだよ、俺、あーゆー気難しくて繊細な今風の子苦手なんだよ?ここはほら、海風ねーちゃんのお姉ちゃんパワー発揮するトコだろ?な?」ヒソヒソ
男というものはあまりしゃべるものではない、両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのだ…
俺は海風クンにアツく説いたが半分ぐらいしか聞き入れられなかったらしく、とりあえず、ここは2人でガッチリと手を取りこの事態に対処しようとの答えに至った…
「やぁ、待たせたね」
「山風、私もテイトクも付き合うわ」
「………なんか腑に落ちないけど、まぁいいや」
山風は足下の猫を拾い上げて両腕でしっかり抱くと、それじゃ行こうと俺と海風ねーちゃんの間にグイグイ入ってきた
「…行こう」
この後、とりあえず3人、街へお買い物に行き目的であるペット・ショップへ行って猫の餌を買っていると、最近やることがないと暇を利用してペット・ショップでバイトしていたアルバイト店員の夕張に遭遇し、最近入荷したとか言うタイガーキ●ラなる珍種を勧められたが、そのタイガーキ●ラによしよーしとしようとした夕張はタイガーキ●ラの吐いたファイアカクテルで火だるまにされて転げ回った…