不健全鎮守府   作:犬魚

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【登場人物】

提督(クズ)
クズの人

鈴谷(ビッチ)
ビッチである

熊野(アホ)
提督とはわりと仲が良い


提督と鈴熊とカレーを作る人

日に日に寒くなると運動不足になりがちになっていかんなぁと考える今日この頃、執務棟の廊下の窓から見えるグラウンドでは長良主将率いる陸上部が今日もアツいナイスガッツとアツい汗を飛び散らせていた…

 

「このクソ寒いのに元気なコトだ」

 

だが、そんな長良主将と陸上部のアツいナイスガッツを見ていると不思議と勇気が湧いてくる気がするのだよ、たぶん

 

「あ、テイトクだ」

 

「あら?ホントですわ」

 

そんな勇気がMORIMORIと湧いてくる気がしていると、廊下の先からビニール袋を持ったバカどもが歩いてきた

 

「よぉ、クズども」

 

「誰がクズだし」

 

「アナタにだけは言われたくありませんわね」

 

最上姉妹のツラ汚しと名高いビッチで三女の鈴谷と料金以下のマズい料理には金を払わないお嬢属性のレッテルを貼られた末妹の熊野…

イヤなヤツらに会ってしまったな、そしてコイツらの格好はなんなんだ?今からクリスマス先取りだろうか…?まぁいい、気にするだけ無駄だろう

 

「なんだその袋?今から乱交パーリーでもするのか?」

 

「なんで乱交パーリー!?ちょっとシツレーすぎじゃね?」

 

「シツレーすぎもナニもねぇだろ、だいたいなんだそのエロサンタ服は?あ?エロゲーか?そんな服着てたらファックしてくださいって言ってるようなモンだろーが」

 

「んなワケねーし、ってか乱交パーリーもしねーし、鈴谷そーゆーのはあっても参加しない清い子じゃん」

 

「ビッチのくせにウソつくじゃないよこの子は」

 

「ウソじゃねーし」

 

ナニ言ってんだこのビッチは、イカレているのか…?

 

「まぁいい、で?その袋はなんなんだ?駄菓子か?」

 

「駄菓子ではありませんわ、カレーの材料を買ってきましたの」

 

「カレーの材料ぉ〜…?なんだ、オマエらカレーとか作れたのか?」

 

「シツレーすぎ!鈴谷こー見えても料理は超得意じゃん、ケーキだって作れるよ!」

 

鈴谷曰く、メインヒロイン様には出来て当然!息を吐いて吸うのと同じように、HBのエンピツをベキッ!とヘシ折れるのが当然のようにメインヒロイン様には料理が出来るのは当たり前らしい

 

「ま、どーしてもってならテイトクにも味見させてやっても…」

 

「やかましい、負け確ヒロインが」

 

「負け確ヒロインじゃねーし!」

 

ヒロインに緑は負け確、これは既に常識…

 

「まぁビッチの鈴谷はいいとして、熊野も作れるのか?」

 

「ビッチじゃねーし!」

 

「ボ●カレーを温めるのは得意ですわ」

 

なるほど、さすがは熊野だ………俺の期待を裏切らない

 

「ふ〜ん、まぁそんなコトだとは思った、さすがはオマエだ」

 

「ふふっ、照れますわね!」

 

「や、褒めらてねーし、むしろディスられたくね…?」

 

俺は熊野の頭をヨォーシ!ヨシヨシヨシヨォーシ!と撫で回してやると、鈴谷の野郎が納得いかなそうなツラをしていたので熊野が持っていたビニール袋から人参を一本取り出し、鈴谷の口にブチ込んだ

 

「フゴォ!?……って!ペッ!ペッ…!ナニするじゃん!?」

 

「美味いか?」

 

「や、フツーにナマだし、美味いとか美味くねーとか、ウサギにしかわからねーし、っーかなんで今、鈴谷の口に人参突っ込んだの?ねぇ?なんで?鈴谷なんかした?今の流れで突っ込まれるのおかしくね?」

 

「特に意味はない、単に上の口が物欲しそうにしてたからな」

 

「上の口とかゆーな!」

 

まったく、口の悪いビッチだな、いや…ビッチだからこそ口が悪いのか

 

「まぁいい、引き止めて悪かったな、さっさと消えろ」

 

ひとしきり暇潰しを堪能し、鈴谷と熊野から興味をなくした俺は二人にアバヨと言って手を振り、喫煙所へと…

 

「待つじゃん!!」

 

ガシィィィ!!(肩掴みクロー)

 

「グオッ!!な、なんだこのパワーは…!下等艦娘にしてはだが…!」

 

「さんざん…っ!ヒトをビッチ呼ばわりして逃げられるとか甘っちょろいじゃん!テイトクも手伝ってよ、カレー作るの」

 

「やだよ、俺、おばあちゃんから男子厨房に入らずって言われてるんだ」

 

「今時古いじゃん!ってかレストランとかコックは男ばっかじゃん!」

 

「オマエ意外と頭いいな」

 

言われてみるとラーメンは常におっさんだしな、そこに気づくとは………大したヤツだ

 

「っーかテイトク何気に簡単なモンなら作れるじゃん」

 

「そりゃオマエ、男だからな、男ってのはカレーぐらい作れるものなのだよ」

 

そういや一級フラグ建築士の必須項目に料理と言う項目がある、エロゲーの主人公だった場合、なんらかの事情で両親が不在になることは多く、その際はどんな女も真っ青になるメチャウマ料理スキルと家事スキルが必要になるのだ

 

「じゃあ手伝ってよ!」

 

「やだよメンドくさい、熊野がいるだろ?熊野が」

 

「私、ボ●カレーを温めるのは得意でしてよ!」ドヤァ!

 

「ナニがドヤァ!だ、舐めてんのかテメーは」

 

「いいじゃん!どうせ暇なんでしょ?」

 

「誰が暇人だ」

 

コケにしやがって……俺が暇人だと?だが鈴谷、やはりオマエはただの負け確ヒロインだ、ごく地味なシナリオと立ち絵しか貰えない矮小な者の考えよ…

 

俺はまるで紳士のように鈴谷の手をとり、その柔らかい手を…

 

「零の悲劇ィィィィィィ!!」

 

ギリギリギリギリ!!(力強い握手)

 

「ギャアアアァァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い痛い!はな、離せッ!!」

 

俺の零の悲劇から逃れようと、残った左腕で俺のボディを連打し、俺が多少怯んだ隙に零の悲劇から見事脱出した鈴谷!しかしッ!!

 

「お~っと、まだ終わっちゃいませんわよ!」

 

「く、熊野…ッ!」

 

熊野は鈴谷の背後から両腕を前に回しガッチリとホールドする!

 

「ヘイ!ヘイ!テイトク!」

 

「オーケー!熊野!」

 

さらに俺は熊野の背後から両腕を回し、熊野と同様に熊野の腹の辺りで両手をクラッチし、俺と熊野はタイミング良く背を反らせ、ジャーマンスープレックスを仕掛けるッ!!

 

ズガアァン!!(デモリッションジャーマン)

 

「オゴォ!!」

 

「ヘイ!テイトク!ヘイ!」

 

「ヘーイ!」

 

パーン!(ハイタッチ)

 

「オ……オマエ、オマエらぁ………な、なんで、なんで今、鈴谷にジャーマンした…?」

 

「意味はありませんわ」

 

「意味は無い」

 


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