【登場人物】
バタビア沖棲姫(バタビー)
地域密着型姫級、たぶん二度と出ないレア姫級、あとエロい
スラバヤ沖の海戦を制し、前半戦最終ステージ、バタビア沖…
「でたーッ!最上さんと三隈さん至高のツープラトン!モガミクドッキングーッ!」
「グゥゥゥム、あの
バタビア沖海戦前半戦、スラバヤでの雪辱を果たしにやって来た重巡ネ級改をくだし、チームはバタビア沖を征するBOSSへの挑戦権を見事手に入れたのだった…
◆◆◆
「フーッ〜…いよいよ最終戦か」
「窓開けていいですか?」
「やだよ、だって寒いじゃん」
我が師が走る年末の執務室、前半戦最終決戦の地と出撃した部隊の様子でも見るかと執務室のテレビのスイッチを入れていると、秘書艦の青髪ロング子がアツいティーを淹れつつ窓を開けていた…
「やーめーろーよぉー、寒いじゃねぇか」
「タバコ臭いじゃないですか」
「チッ、タバコがタバコ臭くちゃあいけないのかい?なんて心の狭いヤローだ」
「イマドキそーゆー喫煙理論流行りませんよ、知ってますか?タバコ吸ってる男子はモテないらしいです」
「え?マジで?」
グゥゥゥム、なるほど…たしかに言われてみるとそうかもしれん、最近、暁ちゃんが俺にファ●リーズをシューしていたのはそう言う意味もあったのか、そうかぁ〜…俺、タバコ臭かったのか〜…コロンでもつけようかな〜
コロンとかしたら暁ちゃんも俺と一緒にイ●ンモールとか行ってくれるかなぁ〜
「まぁ、提督の場合はコロンでは誤魔化しきれないおっさん臭さがありますが」
「おっさんじゃない、提督だ」
クッ、この髪長駆逐艦が……フン、まぁいい、どうせ来週には良い子の為のイベント、楽しいクリスマスがある!そこで暁ちゃんにはデカいぬいぐるみをプレゼントして提督の好感度爆上げよ!
「まぁそれはいいとして、そろそろ攻略チームが着いたぐらいですかね」
「そうだな、ちなみに今回のBOSSはなんだ?」
「資料によりますと〜………え〜…あ、この人ですね、バタビア沖棲姫」
そう言ってサミーが執務机に偉い人達が作戦海域を調べあげた資料……なるほど、このムチムチドエロスコスチュームのオネーちゃんがバタビア沖棲姫か、相変わらず深海ファッションは突き抜けているのだよ
「ふ〜ん、で?強いの?コイツ?」
「さぁ?背中にアンモナイト背負ってるし強いんじゃないですか?」
「どーゆー基準だよ…」
むしろ、コレはアンモナイトと言うよりオウムガイな気もするが、グゥゥゥム、おそらくはアンモナイトだかオウムガイだかの特性を身に付けた相手と見るべきか…
「ま、今回は無敵の最上クンとくまりんこさんがいるし、大丈夫だろ」
「そうですね」
最上姉妹の頂点に君臨する長女にして絶対王者西村艦隊正レギュラーの最上クン、そしてその実力は最上クンに匹敵すると言われている次女、くまりんこさん…
最上姉妹のパワーバランスは長女を頂点とし、次女と三女の間には神と虫ケラほどの差があると聞く…
◆◆◆
最終決戦!VS深海バタビア合同艦隊旗艦艦隊!
『モオォ〜…シワケ…アリマセンガァ〜…ワタシタチガァ……オアイテ…スルノォ〜……カカッテ…キナサイナァ!』
地域密着型姫級!バタビア合同艦隊を率いるBOSS、バタビア沖棲姫ッッッ!!今回デビュー戦になる彼女はこの戦い挑むにあたり、一つの決意を固めていた…
彼女の実家は深海でも珍しいオウムガイ専門の養殖業を営んでおり、彼女はその六代目となる………ハズだった!
しかし彼女は実家の家業を継ぐコトを拒否し、実家を飛び出した!!そう、彼女は昔からオウムガイの養殖なんてダサいコトはしたくない!好きな音楽でメジャーシーンを席巻してやるんだ!そう決意して実家を飛び出したが………現実は甘くはなかった
彼女のロックはたしかに抜群の歌唱力だったが、その性格とあまりにロックなファッションにメンバーは付いていくことができず、ライブでのトラブルも多い………やがて彼女と組むメンバーは居なくなり、深海ライブハウスからも出禁にされ、彼女は歌を歌うコトすらできなくなっていった…
そして、歌を、ミュージックを忘れ、クサクサしていたある日のコトだった……深海安アパートで深海カクテルを飲みながらテレビを見ていると、深海ローカルニュースで深海オウムガイの養殖業特集というコーナーが目に入ってきた………そう、彼女の実家だった
実家を飛び出し、ミュージシャンになるとイキまいて飛び出し、夢破れて情けない敗北者になった自分には関係ないとテレビのチャンネルを変えようとしたその時だった、テレビから僅かに自分の歌っている歌が聞こえた………何故?何故こんなくだらないローカルニュースの中で自分の歌が…?
答えはすぐにわかった、オウムガイ業者として受け答えしている父、その後ろには昔、自分の部屋に置いていたCDプレーヤーがあり、そこから大音量で音楽を流しているのだ………何故そんな事を?レポーターにこの音楽はなんでしょうかと問われた父は“良いオウムガイの成長に音楽を聴かせてやるといいのです”と答えた…
きっと嘘だ、そんなハズがない………子供の頃、オウムガイの水槽に蓋をして子供ながらにステージに見立てて歌っていると静かにしろとよく怒られたものだ…
そしてさらに父は言った“こんな激しい音楽を聴かせてやれば何にも負けない強い奴になる”と…
………それから数ヶ月後、私は深海棲艦入団試験を受験し、これに合格した
音楽を諦めたワケじゃない、これからも私は自分のロックを探し続けるだろう、でもそれは自分自身を否定していた今まで自分じゃない、ありのままの自分を受け入れる!あんなにダサいと思っていたこの背中のオウムガイは新しい私への挑戦なのだから!
「オラァ!!」
バキィィィ!!(全力パンチ)
『メカブ…ッ!!』
「ハナシなげーよ、殺すぞ」
『フ、フフフ…スコシハヤルヨウネ…!』
敷波からパンチを貰い、多少はグラついたがまだまだやれる、たしかに、今のパンチはなかなかだったが自分には無敵のオウムガイガードが…
『…ン?』
何か…?背中からオウムガイを掴まれたような感触が…
「せーのでいくぞー!せーのー!」
「くまりんこ!」
バキャアッッ!!!
『『GYAAAAAAAAAAAAAAAAーッ!!!』』
『ウッギャアー!!背中ガーッ!背中ガァーッ!!』
引きちぎられた!?無理矢理…!まるで天使の翼を根元から引きちぎるようにッ!!
『ア…?ア…?』ガタガタ…
「うわ、キモっ、ナニコレ、ヌメってるし、触手吐いてるし」
「くまりんこ」
あ、悪魔……っ!悪魔だわ、なんなのコイツら!?あ、謝ったら許してくれるかしら…?イヤ、無理だ、そんな顔してない
とりあえず、少しづつ…少しづつ逃げよう、背中のオウムガイを毟られて絶命した感じで、スローに行動すれば…
ズンッッッ!!(デカい巻物)
『バハァ!!』
な、ナニ!?なんか背中に刺さって…!
「逃げられるとおもうとるか?自分」
だ…誰?いや、たしかコイツ、軽空母の龍…
パンッ!パンッ!パンパンパンッ!(銃声)
「ヤンチャやろ?ウチ、おイタばーっかしよんねん、だからここにおんねんな、臭い場所やでホンマ……」
『…』死ーン
こうして、チームは強敵バタビア沖棲姫をくだし、バタビア沖海戦を制したのだった…
次回は季節に感じるクリスマス、ボロンッ!もあるよ