不健全鎮守府   作:犬魚

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オチのない平和な回

【登場人物】

提督(28)
カレーは辛い派、白米大事

五月雨(13)
カレーは中辛派、以前、激辛食べて痛い目にあった

卯月(2)
通称うーちゃん、提督からもうーちゃんと呼ばれているレアなやつ

伊良湖
給糧艦、間宮サンの舎弟らしい

鈴谷(12)
カレーは激辛派、新陳代謝大事


提督と食堂とカレー

「今日はカレーか…」

 

腹が減ったので食堂に行くと、ひと味違うスパイシーな香りが漂っていた

今日はみんな大好きカレーの日と言うヤツだ

 

「俺は茄子カレーにでもするかな、オマエは?」

 

「そうですね、じゃ、私も同じので」

 

「うーちゃんはリンゴとハチミツのバー●ント甘口にするぴょん」

 

……うーちゃん、いつの間に?バカな、まるで気配を感じなかった

 

「ぷくぷくぷー」

 

「お姉さん、茄子カレー2つとリンゴとハチミツのバーモ●ト甘口を」

 

「いや、ウチ、バー●ントとかはちょっと…」

 

向かい側のカウンターに居るあまり見覚えのない若い店員さんは苦笑いをしていた

 

「店主を呼べ!店主を!と言うかキミは誰だ?Who are you?」

 

「伊良湖ですッ!」

 

「サンチョス、知ってるかコイツ?」

 

「五月雨です、知ってますよ、結構前から居ますよ、伊良湖さん」

 

結構前から居るのか…それにしてもまったく覚えがないな

 

「ふ~ん」

 

「とりあえず、リンゴとハチミツのバーモ●ト甘口は無いので別のにしてください」

 

「ないそうだ、うーちゃん」

 

「じゃ普通のカレーでいいぴょん、ニンジン抜きで」

 

「いや、そーゆーサービスもないですから」

 

俺と五月雨は茄子カレー、うーちゃんは普通カレーをトレイに載せ、なんとなく空いている席に座った

 

「ぷくぷくぷー」

 

「そうだ、俺の食べかけの茄子とオマエの無傷の茄子交換しよーぜ」

 

「イヤですよ、100歩譲って無傷の茄子と無傷の茄子なら応じますけど」

 

「ケチくせぇな」

 

「と言うか普通、違うもの同士を交換するものじゃないんですか?」

 

「そうしたいが、俺もオマエも茄子だしな」

 

今更ながら、気分と流れで茄子にした事が悔やまれる…

そこへ、トレイを持ったいやらしいニーソがやって来た

 

「ティーッス、お、テイトクとサミーじゃん、空いてるトコ座っていい?」

 

「消えろ」

 

 

「だから鈴谷に厳し過ぎるってば、よっこらせっと…」

 

ビッチオブニーソ、鈴谷

鈴谷は恐るべしトッピングが盛られたカレーの載ったトレイをテーブルに置いた

 

「なんだそれ?」

 

「ん?限定メニューのマミヤスペシャル2018‐神の誕生‐だけど?」

 

「なんで2018なんだよ、なんで2年も先取りしてんだよ!早過ぎだろ!」

 

「鈴谷に言われても知らねーし」

 

名前もアレだが見た目もすげぇなマミヤスペシャル2018‐神の誕生‐

カレーに夕張メロン刺すとかなかなかできるコトじゃねぇよ…

そしてあの白い塊はなんだ…?イカか?

 

「…その白いの、なんだそれ?」

 

「コレ?なんだろ?」

 

そう言って鈴谷は謎の塊を口に入れると微妙な顔で飲み込んだ

 

「ナタデココだし、コレ」

 

「ナタデココか」

 

なかなか意欲作のようだなマミヤスペシャル2018‐神の誕生‐

間宮クンも疲れてるのだろう、今度休暇をとる事を勧めよう

 

「ぷくぷくぷー、しれーかん、うーちゃんのニンジンと茄子を交換するぴょん」

 

「いいぞ、ほれ」

 

「ぷくぷくぷー」

 

「ふふ~ん、提督、鈴谷もナニか交換してあげよっか?」

 

「あ?調子に乗るなよピロリ菌が」

 

「だからッ!ナニッ!この差はナニッ!?鈴谷なんかしたぁ!?」


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