【登場人物】
提督(紳士)
紳士道に殉ずる紳士、女子供でも容赦しない鉄拳の持ち主
夕張(改二)
新たなステージへと進化した新しい夕張、制服が縮んだ
「あー…宝クジとか当たらねぇかなー、なぁオイ?」
「10枚買えば1枚は当たりますよ、300円」
寒いと言えばそれなりに寒い気がする今日この頃、今日の昼飯はキュウシュウ男児らしくホカホカのトンコツラーメンにでもするかー!と、秘書艦カミナゲーナ・コイツと話をしていると、執務室の重厚な扉をノックし、何者かが開いた扉から顔を覗かせた…
「失礼します!」
「なんだ?夕張か、何の用だ?」
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
「ふ〜ん」
ハッキリ言って久々なアレか、なんと言うか……久々だな、しかしこの夕張、不思議なコトに、開いた扉から顔をチラっと覗かせるだけで執務室へ入室して来る気配がない…
「なんだ?入らないのか?」
「入りますよ、えぇ…入ります」
なんだ?射程でも気にしているのか?俺のいる執務机から執務室の扉まではだいたい7〜8メートルはあるだろう、そして近距離パワー型である俺の射程はだいたい1〜2メートル、必殺の間合いにさえ入れば俺のスネークバ●トから逃れる術は無く、そのキレーな顔が壁か床にKISSするコトになるだろう…
夕張のヤロウ、随分と俺を警戒しているようだが…どうせまたロクなモンじゃないのだろうと考えていると、夕張はゆっくりと執務室へ“入室”して来た…
「よーやく許可を貰い、夕張改二になりました」
「へぇ」
「へぇ…って、もーちょい驚きが欲しいんですけど?」
「ねぇよ、んなモン、だいたいナニが変わったんだ?あ?絶壁のままじゃねーか」
改二ってのはアレだよ、パイオツがデカくなるんだろ?パイオツが、何も変わってねーじゃねぇかコイツ、バカか、ナニがメロンだよ、メロンパンの方がよっぽどメロンだわい
「いや、まぁ…たしかに見た目に劇的な変化はないですけど…」
夕張はやや不満そうな顔をしていたが、すぐに気を取直し、生まれ変わったニュー夕張についてタブレットを使ってスライドを始めた
「生まれ変わりました私、夕張改二ですが、なんと艦種が軽巡から兵装実験軽巡に変わりました」
「ふ〜ん、なんなの?それ?」
「それはこれから説明する点と併せてご説明いたします、五月雨ちゃん、カルピスとかない?」
「ありますよ、水10:カルピス0でいいですか?」
「それただの水だよね!?え?ナニ、五月雨ちゃんもしかして私のコト嫌いなの?友達じゃないの?」
「冗談ですよ、小粋なサミダレジョーク」
五月雨は戸棚からカルピスの瓶を取り出し、グラスにドボドボと入れ、水を入れてマドラーでぐるぐるとかき混ぜた…
「そもそもその制服なんなんですか?また縮んだんですか?洗濯する時キチンとタグの表示見てないんですか?」
「いや、コレ改二用の新しい制服なんだけど…」
「へぇ」
たしかに言われてみると今までヘソを見せつけていたが、さらにできるようになったな…いけないなぁ、女の子がお腹を冷やしては…
「で?改二は何が変わったんだ?ヘソか?」
「違います、なんと三種にコンバート可能です」
「三種ぅ?」
過去にもコンバートタイプの改二はあったが、三種は初めてだなオイ
「まずは基本型、夕張改二です、あらゆる面が単純に強化され、なんと5スロットもあります」
「スタンダードだな」
「続いてTYPE特、足は遅くなりますが各種陸戦装備、甲標的など装備可能な重武装仕様です」
「ヘヴィだな」
「続いてTYPE丁、主に、対潜水艦戦を想定したマリン仕様です」
「グレートですよ、コイツぁ」
オイオイオイ、思ったよかマトモじゃあないか?俺はまたてっきり以前開発してきたデステ●ニーシルエット(※第465回 提督と夕張と全部乗せ万歳)みたいなバカ装備を作ってきたと思っていたのだが…
「ZENBUNOSEはたしかにロマンではありますが、やはり実戦投入には些かアレですし、やはりミッションによってパックを使い分けるのがいいかと…」
「たしかにな、だが、ZENBUNOSEはロマンだ、男の子ってのはそーゆーのに憧れるんじゃあないかな?」
「たしかに」
そう言えば、未来夕張型艤装はある意味ZENBUNOSEの完成形だったのでコイツもいつかはパーフェクト夕張型艤装を作るコトになるのかもしれん…
「一応他にも色々プランを考えてはいるんですが、現状、実戦投入可能なのはTYPE特とTYPE丁だけです」
「素晴らしい、撫でてやろう、来なさい」
俺は夕張の頭をよーしよしよしよしと撫で回し、大したヤツだオマエは!とアツく褒めちぎった
「ちなみに他のプランは太陽に突入して謎の砲台を破壊するTYPEとか考えてます」
そーゆーのは叢雲ちゃんの仕事だろ、ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?
「まぁ、他のTYPEはおいおいでいいとして……夕張改二か、ふむ」
スライドで表示された数字の面でも特に悪い点は見当たらない、どうやら今までのバカ装備もコレを作る為だったとするのならまぁ許してもいいだろう、たぶん
「まっこと天晴れ!褒めてつかわす、五月雨、こやつに何か褒賞を渡してあげなさい」
「有難き幸せーッ!」
夕張はまるで時代劇のように頭をペコォと下げ、五月雨は菓子皿に入っていたエンゼ●パイを夕張に手渡した
「どうぞ」
「ありがとー」
夕張は渡されたエン●ルパイの袋を開け、ワイルドに口の中に放り込むとクッチャクッチャしながらこっち見た
「テイトク、できればこのしょーもないお菓子の他に……欲しいものがあるんですけど」
「なんだ?金か?今5000円しか持ってないが…」
「いえ、尻を叩いて欲しいんですけど」
「は?」
「尻を叩いて欲しいんですけど」
ナニ言ってんだコイツ?イカレているのか?
「尻か……ふむ、尻か、これは純粋な興味だが、何故尻を叩いて欲しいのかね?差し支えなければ理由を知りたい」
俺は紳士だ、なんの理由もなく婦女子の尻を叩くのは少々気が引ける
「はい!ここ最近、ずっと部屋に篭って改二開発プランについて考えていたのですが、その……下品なんですけど、ムラムラしちゃいまして」
「ふむ」
「とりあえず提督、私の名前を呼んでみてください、おもいっきり、なじるように!」
いや、ホントにナニ言ってんだコイツは…?まぁ、やれと言うならやるが…
「夕張ッ!!夕張ーッッッ!!」
「あー!!イイです!とてもいいですッ!すごく!」
夕張はアー!とか言いつつ壁に手をつけケツを突き出した
「さぁお願いします!全力で!!お尻壊れるくらいッ!!興奮してきましたよォー!!さぁ!!必殺のスネークバ●トを喰らわせてやってくださいよォー!!圧殺!蛇殺祭りですよーッ!!」
………俺は紳士であり、これまで何度となく必殺のスネークバ●トを撃ってきたが………これほどスネークバ●トを撃ちたくないと思ったコトは生まれて初めてだ
いや、マジに撃ちたくないと思っている…
「早くやってあげたらどうですか?」
「やだよ、なんかキメぇし、オマエがやれ」
「イヤですよ、なんかキメぇですし」
この後、なんかキメぇ夕張をとりあえず放置し、俺と五月雨はトンコツラーメンを食いに行き、帰ってくると俺の万年筆をア●ルにブッ挿入した夕張が前のめりにアヘっていたので廊下に蹴り出した
そうだ、新しい万年筆買おう…
次回はたぶん13ちゃん