夕張(5)
作る事が好きで壊す事が苦手、ただ、本人は壊れている
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
等価交換の原則を無視した倫理観の足りない兵装実験軽巡、夕張
スーパーカー消しゴムからオーラバ●ラーまで幅広く開発できるらしい
「見せてみろ、もしくだらねーモンだったらア●ルアナライザーぶち込むからな」
「ヒッ!……だ、大丈夫です、イエスです!えぇイエスです提督!イエスです!」
なんで微妙に嬉しそうなんだよコイツ…キメぇな
「では、今回のアイテムはこちら!溶断破砕マニピュレーターです!」
「…足がないな」
「足なんて飾りです!」
またワケのわからんもんを作ってきたよ、この子は
「こちらの溶断破砕マニピュレーターですが、説明するより実際に見て頂いた方が分かり易いと思いまして、あらかじめ実際の様子をビデオに撮っておきました」
「見せてみろ」
「あ、VHSなんですけど」
「サミダス、アレを」
「五月雨です、VHSのデッキなんてありましたっけ…」
「たしか押し入れの奧に入ってる筈だ」
「う~ん……あ、コレですかね?たぶん」
押し入れの奧に入っていたダンボール箱からVHSのデッキを取り出し、テレビに繋げて久々に電源を入れる、なんかカビくさいな
「ん?なんか別のテープが入ってるみたいですけど、どうやって出すんですか?コレ」
「私に任せてみて~…はい、出ました!」
デッキの中から出てきたのはラベルに手書きで●イタニックと書いてある
「へぇ、タイ●ニックですか」
「意外ですね、後で見せて貰っていいですか?」
「………ダメだ」
夕張の手にあるそのビデオテープ、たしかに俺の字でタイ●ニックと書いてあるが内容は違う
たしか●イ●ニックだっか…
「DVDで見なさい、DVDで、あとで借りてきてやるから」
「はぁ?」
「そんなコトよりお前のビデオを見せたまえ、お前のビデオを」
◆◆◆
「なるほどォ!これがシャイニ●グフィンガーと言うものかもー!」
「ぐわあああああああー!!」
「タ級クン!」
「タ級クン!」
「クソ!タ級クンガ殺ラレタ!」
◆◆◆
「素晴らしい破壊力だな、撫でてやろう」
「ハッ!ありがとうございます!」
あのバールより重いものは持てない、かわいいだけが取り得の秋津洲クンがタ級を一撃か…
「しかし、難点もあります」
「なんだ?」
「まず、射程が短いです!」
「そこは勇気で補うしかないな」
「次に、反動がすんごいです!」
「どのぐらいすんごいんだ?」
「ハイ!全身の筋肉がズタズタになり二度と前線復帰はできなくなります!」
「…そうか」
全身の筋肉がズタズタになり二度と前線に復帰できなくなるか…
「今、秋津洲クンはどうしている?」
「ハイ!ベットの上で幸せな夢を見ています」
俺はゆっくりと立ち上がり夕張の頭に優しく手を置いてやった
「スネークバ●トォー!!」
「ぐわあああああああー!!!」
「立てコラァ!テメーはユメじゃ済まさねぇぞコラァ!!」