【登場人物】
提督(1500万)
クズ・ゲス・カスの三重殺
夕張(0)
え?ナニか悪いんですか?
「新しい装備を開発しました、ハッキリ言って自信作です」
季節は変わる!季語も!3月!別れと別離を暗示する季節!3月!そんな爽やかさを感じつつある春の執務室に、爽やかさ皆無のヘラヘラしたツラの超A級ヘソチラ軽巡がやって来たッッッ!!
「消えな、お呼びじゃあないぜ」
「今回開発した自信作ですがコレはマジスンゴイですよ、ホント!マジスンゴイです、きっと提督もマジニッコリ、満足度100%でマジニッコリですよ!」
コイツ、いきなり人の話を聞いてねぇ…
そんな夕張のニコニコ顔にイラっとした俺はとりあえず夕張にちょっとこっち来いと手招きし、不用意に近付いてきた夕張のお腹にパンチをメリこんだ
ドンッ!!(お腹パンチ)
「噴ッ!」
「オゴォ!!ウゲェ……ッ!ウゲエェェェ!」ビチャビチャ…
「ナニ床汚してんだテメー、アトで掃除しとけよ」
「カハッ…ハー……ハー……は、はぃ」
そしてなんでコイツはちょっと嬉しそうなツラしてるんだよ、相変わらずキモいなコイツ、発情期か?
「まぁいい、で?今度はどんなつまんねーメカ作ったんだ?あ?処分代はテメーの給料からリボ払いすっからな」
「大丈夫です、自信あります!何故なら自信作だからです」
「やかましい」
そんなワケで、今回も自信満々に用意した自信作のビニルシートを勢い良く剥ぎ取り、その全貌が明らかとなる…ッ!!なる……?
「なんだそれ?銃?」
「携帯型心理診断鎮圧執行システム、名付けてドミ●ーターです」
「はぁ?」
夕張が取り出したのはまるでSF映画に出てくるような未来的なデザインの銃?いや、銃だよな、たぶん
「…足がないな」
「足なんて飾りです」
銃に足が生えてたらキモいだけだが、まぁ、このやりとりは一種の様式美である
「このド●ネーター、平たく言ってしまえば銃を向けただけで対象が犯罪者かどうかわかるスグレモノです」
「ふ~ん」
「さらに、対象の犯罪係数に合わせてノンリーサルの“パラライザー”、リーサルの“エリミネーター”、デストロイの“デコンポーザー”に差し替え無しに完全変形します」
「ふ~ん、一応聞いとくが、何が違うんだ?」
「パラライザーはとりあえず電気でビリっとします」
「スタンガン的なモンか」
「エリミネーターは人体を内部から爆裂して破壊する北斗●拳みたいになります」
「いきなりエグいな」
「デコンポーザーは肉片すら残しません、この世から消します」
オイオイオイ、コイツぁトンデモないモン作ってきたよこの娘は、人、1人殺すには十分すぎる個人兵装じゃあないかね?
「おそらくはエリミネーターでもル級ならあべしする破壊力は間違いなしです」
「そいつはスゴいな、ちょっと貸してみろ」
「どうぞ」
俺は夕張からド●ネーターを受け取り、とりあえず適当な対象にと自分のデスクで漢字クロスワード雑誌を広げているサミーに銃口に向けてみた
『犯罪係数99、ギリギリ執行対象ではありません、トリガーをロックします』
「オイ、なんかロックされたぞコレ」
「ド●ネーターは犯罪係数が高くないと作動しない安心のセキュリティを搭載しています」
「ふ~ん」
なるほど、そりゃまぁたしかに、いつでもデコポコカイザーだっけか?そんなの撃てたら危ないモンな
「ってか…しれっとこっちに銃口向けないでくださいよ」
「ハッハッハ、すまんすまん」
ギリギリ執行対象じゃないサミーはこちらをジロっと睨んだものの、すぐにニュートラルに戻ったのか、再び漢字クロスワードを解き始めた
「なるほどなぁ~…執行対象じゃないとダメなのか~」
とりあえず夕張なら執行対象だろ、夕張に銃口を向けてみると…
『犯罪係数0、執行対象ではありません、トリガーをロックします』
「オイ!コレ壊れてるぞ!なんでオマエ数字が0なんだよ!」
「さぁ?それ私もよくわかんないですよね、でもまぁ、たまに犯罪係数上がらない人いるみたいですよ?」
夕張曰く、どれだけヤンチャしてもたまに犯罪係数の上がらない顔色一つ変えずに殺人に手を染める冷酷な異常者“免罪体質”ってのがいるらしい…
「ちなみに加賀さんはいきなりエリミネーターが起動しました」
「だろうな」
むしろウチに居るヤツは大抵潜在犯なんじゃあないのか?どいつもコイツも執行対象な気がするが…
「ちなみに提督はどうなんでしょうか?」
「バカ言うんじゃないよこの娘は、俺が執行対象なワケあるかい」
俺は夕張にそのチープなオモチャで俺様を測ってみなさいとド●ネーターを手渡した
『犯罪係数1500万、生きていてはいけない存在です、アルティメットリーサル、スーパーファイナルデコンポーザーを起動します、今すぐこの世界から排除して下さい』
ガチャン!ガチャン!ガチャンガチャン!!(変形)
「オイイイイイイイィィィ!!なんかスゲー変形したぞそれェェェ!なんかバスターライフルみてぇになってんぞォォォォォ!!」
「うわ、これは最高記録ですよ!最高記録ですよッ!」
「オイ!それ絶対トリガー引くなよ!絶対引くなよ!マジで引くなよッ!!」
ちなみに夕張曰く、これまでの最高記録は由良さんの犯罪係数893が最高記録だったそうな
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恐怖のド●ネーターはとりあえず電源を切って電池を抜いたら動かなくなった、しかし、ド●ネーターは電源が切れる最後の瞬間まで俺を執行したくて執行したくてたまらない感じにヴンヴン鳴っていた…
「どうでしょう、ド●ネーター」
「危なすぎるわ!」
「しかしル級だってあべし!できるんですよ」
たしかにル級もあべしできる破壊力は魅力的だが、いかんせん危なすぎる
っーか、俺の犯罪係数1500万ってのはなんだ!1500万ってのは!
「免罪体質ならぬ、冤罪体質とかですかね」
「バカ言うんじゃないよ、俺は美学を持って痴漢する男だ」
こうして、ド●ネーターはやはり不採用となり夕張には褒美として棚に入っていたチ●コパイを与えた…
しかし、チ●コパイだけではどうにも不満があったのか、夕張は壁に両手を突き申し訳ありませんでしたーッ!と、なんか気色の悪い顔してナニか期待していたので、とりあえず両手で夕張の両足首を掴んで跳び上がり、右足で両足をフロント・インディアンデスロックに極め、右手で顔面を掴み執務室の堅い床に激突させた
「
「ウゲェ!!」
グシャアッ!!!
「ペッ!ナニがシビ●ラだ!反吐が出るぜ!」