鹿島(2)
帰ってきた鹿島先生
理想の教師ライフまでの道は険しく、遠い
ヤバい駆逐艦にビビってる
雪風
呉の雪風
最強駆逐艦に数えられるヤバい駆逐艦
よほどの相手でなければワンパンで始末する
島風
スピードの向こう側を突き詰めた結果
お゛う!
「…よし!」
今日は初の1人で授業…
大丈夫、イケる!頑張れる、私!いざとなったら提督さんから戴いたスタンガンもある!
よし!鹿島はいける!鹿島はできる大人!
「よし…行くぞっ!」
大丈夫、香取姉さんから聞いた話では駆逐艦の中でもマトモな子達が集まった教室らしいし…
とりあえず、ポケットにしまったスタンガンの重さを安心感に変え、勇気を出して教室の扉を開く
「皆さん、おはようございま…」
「磯風ェ!ワレェ!オモテに出んかいワレェ!」
「ジョートーじゃダボハゼがァ!」
「おー、やれーやれー」
「歯茎ブチ折ったらんかい、ハグキぃ」
ぜ…全然おとなしくないッ!?香取姉さん!話違うッ!?
「…おう、オマエらやめーや、センセイがビビっちょるやろーが、席についちゃれや」
「ユッ…雪風クンッ!」
「雪風クン!!」
「まぁ…雪風クンがゆーなら、しゃーねーな」
教室の一番後ろに座っている子の一言でみんな大人しく席に座る…
…怖い、見た目は小動物系なのに、あの子絶対ヤバい、怒らせないようにしないと
「センセイ、みな席ついたし、授業始めてくれんですか?」
「はぃ!…はい!」
っーか怖ッ!!なんでカンロク出てんの!?凄いカンロクでてるよあの子!
そう言えば、昨日、提督さんが……
‐‐‐
「要注意の駆逐艦?」
「はい、出来れば教えて頂ければと…」
「コイツ」
「はい?」
コイツと言って指差した方向に居たのは駆逐艦の五月雨ちゃん
たしか一番付き合いが長いと聞いてますが…
「誰がヤバい奴ですか」
「クソマズいコーヒーで俺を殺害しようとしたろーが」
マズいんだ…コーヒー
「あとは~…浜風ちゃんかな?あれはヤバい」
「そんなにヤバいんですか?」
「あぁ、ハンパじゃねぇ…!」
「鹿島さん、提督の言うヤバい別の意味ですから無視の方向で」
「はぁ…」
後に、浜風ちゃんを見ましたがホントにヤバかったです
重巡?と疑いました
「あ~…時雨様もヤバいな」
時雨…様?え?様付け
「前に“僕に逆らう者は提督でも殺す”って言ってましたね」
ヤバすぎる…
「あとは~そうだなぁ~…弥生タンかな?」
「あ~たしかにヤバいですね」
「え゛?そんなにヤバいんですか?」
「あぁ、ヤバい」
「ヤバいですね」
五月雨ちゃんも同意するとは…
弥生タンか、覚えておこう
「あ、提督、雪風さん、雪風さんが居ます」
「あ~…まぁ、ヤバいか?」
「ん~…まぁ、ヤバいかと?」
なんか微妙な感じですね、雪風さんか…一応覚えておこう
‐‐‐
メチャメチャヤバいじゃないですか!?微妙な反応だったのに!
微妙な反応でこれなら即答でヤバいって言ってた時雨様と弥生タンってどんなのですか!?
「で…では、授業を始めます」
「センセー!教科書ありませーん!」
「え…?じゃ、じゃあ…隣の人から見せて貰って」
「舞風ェ…教科書見せぇや」
「別にいいけどよォー、あとでチョコレートパフェ奢れよ」
「は?」
「あ?」
うぅ…いちいち空気が重いッ!
なんで一触即発なの?なんで教科書見せるだけでメンチ切り合うの?
ガラッ!!!
「お゛う!」
突然、教室の扉が開き、誰かが…って!!え゛?痴女!?
「お゛う!」
「島風ェ…遅刻じゃろーが、はよ席につけェ…」
「お゛う!」
「し…島風、さん?」
ホントだ、名簿に名前がある…
噂には聞いてましたが、これはかなりアレですね
「お゛う!」
「…ち、遅刻ですよ?今日は大目に見ますけど、明日からちゃんと授業前に来てくださいね?」
「お゛う!」
「センセイ、島風も反省しちょりますけぇ…」
「え?あ、はい…そうですか」
反省してるんだ、正直、全くわからないけど…
「では…授業を再開します、島風ちゃんも席に……って早ッ!!いつ座ったの!?今目の前にいましたよね?」
…大丈夫なのだろうか
香取姉さん、私、1人で立派にやっていける自信がまるでない…
「オマエらァ…センセイは雪風らはぐれモンに読み書きを教えてくださる、それはそれは立派な御仁じゃあ……センセイの感謝せにゃなぁ~」