不健全鎮守府   作:犬魚

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ライセンス持ちのワンマンアーミー回

【登場人物】

江風(4)
改白露型の赤いやつ、キラキラした年頃

海風(3)
改白露型の白いやつ、真面目系真面目



提督と改白露型と免許更新

先日更新のお知らせが届き、そう言やそろそろ免許更新の時期だった事を思い出した俺は予定を考えながら煙草を吸っていた

 

「お、テイトクじゃねーすか?ナニしてンすかー?」

 

「コラ江風!なんて口の利き方してるの!」

 

なんか見覚えのある赤いのと白いの、たしか改白露型のなんとか風だったか…

 

「オマエは…エカゼ?」

 

「カワカゼな」

 

「そしてウミカゼくん」

 

「はい」

 

「なんでアネキは覚えてンのにあたしは曖昧なんすンか?」

 

「俺は興味の無い事は覚えない主義でな、それをメモリの無駄遣いと呼んでいるよ」

 

「無駄遣いとかゆーな!」

 

うるせぇビッチ面だな、白露型は総じてカルシウムが足りていないのではないだろうか?

今度コーヒーにはミルクを入れる事を勧めてやろう

 

「ところで提督、それなんすか?」

 

「免許更新のお知らせだ」

 

「免許?あ、車のですか…?」

 

「いや、マーダーライセンスの」

 

「…マーダーライセンスに免許更新とかあるンすか?」

 

しかも今回違反キップ切られてるから違反者講習なんだよなぁ、ダリぃんだよな

 

「そりゃオマエ、ゴ●ゴ13だって更新してるしな、俺こないだ席隣だったし」

 

「ゴ●ゴ13も!?」

 

「後ろにはク●ノスのト●インさんとかマインドア●シンの奧●先生も居たぞ」

 

「なンすかその殺し屋オリンピックみたいな集まりッ!危な過ぎだろォ!」

 

「そんなコトないぞ、講習時間以外はどう?最近、人、殺してる?みたいな話で和気あいあいな感じだぞ」

 

「なにそれ超見てェ!!」

 

江風が子供のように目をキラキラさせているのと対称に、海風は困り顔で江風の裾を引っ張っていた

 

「ダメよ、お姉ちゃん許しませんからね、そんな危ない免許取るの絶対許可しないからね!」

 

「クッ…でも、超欲しい!」

 

「ダメったらダメ!!」

 

「でもよォ~みんな持ってるしィ~」

 

「持ってません!そんなDS感覚で持ってるワケないでしょ!絶対ダメだからね!どうしても欲しいなら余所の子になりなさい!」

 

お母さんか、コイツは…

 

「ケチ、ところで提督、講習ってナニすンの?殺るの?」

 

「まぁ色々だ、俺の場合は違反者講習だが」

 

「違反って…?ナニ?殺り損ねたとか?」

 

「いや、スピード違反だ」

 

「殺人免許のスピード違反ってなんだよ!?」

 

「スピード違反はスピード違反以外の何者でもないぞ」

 

「意味わかんねー…他にも違反ってなンかあンの?」

 

「そうだな、最近の流行りはやっぱ携帯使用だな、ついつい楽しくおしゃべりしていると切るタイミングがなくてな」

 

「殺しながら電話すンなァァァァァ!!」

 

「江風!声が大きい!」

 

ボカッ!(拳骨)

 

「痛てェ!!」

 

「もうそんな免許どうでもいいでしょ!ほら!提督もお忙しい方なの!行くよ!」

 

「ちょ!待てよ!コイツタバコ吸ってるだけじゃん!」

 

「コイツとか言わないの!ほら謝って!頭下げて!今日のご飯ピーマンのピーマン詰めでいいの?」

 

「それただのピーマンじゃねーか!!チッ、スイマセンしたァ~」

 

ボカッ!(拳骨)

 

「痛てェ!!」

 

「心がこもってない!!もう一回!ほら、ちゃんと!」

 

「スイマセンでしたァ~」

 

「江風ェ…」

 

「クソスイマセンでしたーッ!!!」

 

「…この通り、江風も反省してますので先程の失礼はどうにか」

 

「あ、あぁ、うん…別に気にしてねぇし」

 

「ありがとうございますっ!さ、行くよ江風」

 

「へいへい」

 

…苦労してるンだな、あの赤いのも


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