不健全鎮守府   作:犬魚

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ゴングを鳴らせ!戦闘開始だッ!!

【登場人物】

提督(クズの人)
シーズン最終戦、最後まで気を抜きません




続続続続続続続続続続続続・提督と作戦とミーティング

「えー…今年は年始から新型ウィルスの感染症問題など皆さんの生活や経済活動に支障を来す問題もあり、新しい生活様式や適切な距離を置くソーシャルディスタンスなど様々な変化にめまぐるしく対応せざるをえない一年でした、えー…そんな中、えー…皆さんは懸命に努力し、今日と言う日を皆さんと共に迎える事ができたコトを提督はたいへん嬉しく思います、えー…本日から始まる中規模作戦ですが、皆さんの日頃の努力の成果がきっと発揮され、素晴らしい結果を残すと提督は思っています、えー…この一年、本当にめまぐるしい変化に皆さんも戸惑い、しかしそれを乗り越えてきました、えー…提督もチームの皆さんと一緒に、この中規模作戦を勝利で終わらせ、シーズンを有終の美で飾り、また、新しい時代へとチームを躍進させたいと考えております!えー…最後に提督からもう1つ、あるところに一匹のドラ猫がいました…」

 

11月も終わりに近づき、そして今年ももうすぐ終わるのだなと考えつつある今日この頃…

かねてより上から連絡のあった中規模作戦海域が月末より開始されるとあって、当基地でも中規模作戦への参加にあたり、基地体育館にて恒例の全艦集会を開催しているワケだが…

 

まぁ、さっきから死ねだの早く終われだの足が臭いだの罵声の多いこと多いこと、バカどもの立ちっぱなしで苦しむ顔を見るのはまっこと心地よいわい、ガハハハハ

あと、提督の足は臭くない

 

そんなこんなで提督様のありがたい話を40分かけてたっぷりとバカどもに語って聴かせ、本日の全艦集会は終了、そして解散、それは即ち………

 

開戦である

 

◆◆◆

 

「フーッ〜……で?今回はどこだって?北か?南か?」

 

「資料によると、欧州方面ですね」

 

「またかよッ!なんか前もなかったか?欧州!?っかなんで欧州!?」

 

作戦期間中は喫煙エリアとして解禁されるゴキゲンな執務室……棚にしまいしまいしていたガラス製のお客様用灰皿を取り出し、執務机に置いた俺は早速タバコに火を点けてケムリを吸って吐き出した

 

っーかまた欧州征伐編かよ、どんだけ征伐されたいんだよ

 

「まあいい、で?開幕五十鈴さんでいいのか?」

 

「どんだけ五十鈴さんを信頼してるんですか、と言うか、自分で資料見てくださいよ」

 

「へいへい」

 

秘書艦サミー子は執務机の上に置かれた大判茶封筒を指差し、コーヒー淹れますけど飲みますか?と尋ねてきたので、ドロ水の間違いだろ?と丁重に断った

 

「………なんだ、開幕潜水艦じゃないのか」

 

「そうらしいですね」

 

とりあえず大事な大事な初戦の資料をざらっと読むに、どうやら初戦から戦艦・空母がアリな感じか…

 

「なら今回は開幕五十鈴さんはナシだな」

 

栄えある開幕戦と言えばやはり信頼と実績とパイオツの大きい五十鈴さん!と言うのが定番だが、ま、そう言う日もあるか…

 

「ふむ、初戦から外人部隊で良さげか…」

 

「本当にいいんですか?」

 

「だからオマエはダメなのだよ、提督は度胸、なんだってチャレンジしてみるべきなのだよ」

 

よし、とりあえず大事な大事な初戦はイタリア人どもに任せてみるか!アイツら普段はパスタ食ってるかピザ食ってるだけのように見えるが、一度戦場に出せばアイツらほど“冷酷”なヤツらはなかなかいないッ!

 

「よし、サミー、イタリアのバカどもにすぐに連絡だ!“任務”は既に始まっているッ!とな」

 

「イヤですよメンドくさい、自分で連絡してくださいよ」

 

「いやだわこの子ったら、提督の言うコトが聞けないって言うのかい!」

 

「聞けないとは言いません、メンドくさいだけです」

 

「こやつめ!カッカッカ!こやつめ!」

 

◆◆◆

 

秘書艦カミナゲーナコイツからメンドくさがられ、しかも寮の部屋に電話したら誰も出ない緊急事態…

仕方なく、俺はこの時間にイタリア人どもがたむろしているであろう甘いモノも辛いモノも扱うトラットリア・マミー屋へ向かった…

 

ーーー

 

「みんなみんな!いいから聞けってばよ!」

 

甘いモノも辛いモノも扱うトラットリア・マミー屋…

その、ゴキゲンなトラットリアのテーブルを囲むイタリア艦達はナニやら騒がしいアクィラを見た…

 

「なんですか?」

 

「私、昨日の夜考えたんですよ!人間の肉って、もし食べたら美味いのか!不味いのか!」

 

「ブフッ!!な、なんでいきなりそんなハナシ振るんですか!」

 

「アクィラさん、やめましょうよそんな変なハナシ、そんなだからみんなから軽空母とかディスられるんですよ」

 

あくまでエレガンテ、アブルツッイは口元を拭いつつアクィラを睨んだ

 

「そーだせーだ!あっち行け!1人で食えバーカ!」

 

「死ね!バーカ!軽空母(笑)!」

 

テーブル全員から批難を受けたアクィラだったが、フッフッフと笑いつつイタリアの皿に載ったチーズを一切れつまんだ

 

「いいから聞いてくださいって、いいですか?食べるコトを深く考えるってコトは幸福に生活してるかどうかってコトであり、とても大切なコトなワケです」

 

アクィラはイタリアに運ばれてきたイカスミのパスタを受け取ると、自然な流れでそれを食べ始めた…

 

「で、肉を食べる動物がいるじゃないですか?ライオンとかジャッカルとかハイエナとか、そーゆー肉食動物の肉ってのはレストランには出ない!それは何故か!答えは不味いからです!」

 

アクィラはイタリアに運ばれてきたワインを受け取り、自然な流れでそれをゴクリと流し込み、いいですか?ネコは不味い!ここまでOK?とテーブルの仲間達に念を押した

 

「鮎って魚知ってますか?鮎は虫とか食べず藻しか食べない!草食魚なんですよ、普通魚のハラワタは苦くて不味いのですが鮎はハラワタまで美味しく食べられるってワケです」

 

「なるほどー」

 

「リベにもわかりやすい!」

 

「つまりですよ!私達が普段美味しい美味しいと食べてるお肉とゆーのは草食動物なんですよ!牛とか!豚とか!鶏とか!いい草食ってるほどいい肉になるんですよ!つまり結論!!!人間は肉を食ってるから不味い!!」

 

「ふむ、結構説得力ありますね」

 

「アクィラのくせになかなか考えてるじゃねーの?」

 

「その理論から言うと、身体の70%がアルコールっぽいポーラの肉はメチャ美味いってコトですかね」

 

「うへへへ〜…え〜?ポーラがですかぁ?まさかぁ〜…ねぇ?ザラ姉さま…」

 

「………」じーっ

 

「ザラ姉さま?」

 

この時、ポーラは姉ザラの視線をこう感じたと言う…

まるで養豚場の豚を見る目、明日にはお肉屋さんに並ぶのね、可哀想と………そんな冷たい目


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