不健全鎮守府   作:犬魚

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休み明けの青春ロッケンロール回

【登場人物】

白露(5)
何気にちょいちょい出る一番艦、バスケ以外の才能はある

香取先生(7)
ワル更生のスペシャリスト、大切なのは子供の目線から話す事


提督と白露とロッケンロール

「見て見て!お小遣い貯めてギター買ったよ!真っ白なフライングV!」

 

俺の求めたサンクチュアリ、喫煙所で煙草を吸っていると白露型で一番アレな一番艦が買ったばかりのギターを見せびらかしにやって来た

 

「ふ~ん」

 

「あ、なんか興味なさげ?」

 

「ねぇよ、楽器とかガキの頃にカスタネットで卒業したし」

 

「ハーモニカは!?」

 

「ドがわかんねぇからやめた」

 

「縦笛は!?」

 

「ドがわかんねぇからやめた」

 

音楽の神から全ての才に見捨てられたとはまさに俺の事だろう、音楽の成績は常に1だったしな

 

「で?なんだ?ギターなんか買って、深海の人にサウンドエナジーでカルチャーにショックすんのか?」

 

「しないし、趣味だよ、趣味!今から練習するの」

 

「ふ~ん、ま、俺に迷惑かけんなよ、かけたらケツの穴を木の棒でファックするぞ」

 

「厳しいッ!」

 

そういや最近、芋くさい駆逐艦どもが太鼓とかどっかから持ち出してドンドコドンドコやってたな、子供会のしょーもないドンドコかと思いきやハッハッ言ったりバク転とかしたり意外と本格的なのに若干引いたが

 

「ねぇねぇ!暇ならちょっと私のギターテクを見てみない?」

 

「見ねぇよ、っーかうぜぇからどっか行けよ、公園とか」

 

「ひどっ!ってか、なんで公園?」

 

「後でオレンジジュース買って様子見に行ってやるよ」

 

「わーい、じゃ、公園行ってるから後で来てよ!」

 

「わかったわかった、いつかな」

 

「大人はすぐ“いつか”って言う!」

 

「フーッ~…それが大人の特権だよ」

 

俺は白露を追い払うと再び煙草に火を点けた

 

◆◆◆

 

近所の公園…

 

「…いや、ついカッとなっちゃって…」

 

白露は壊れたギターを手に自嘲気味に笑った

 

「初めて買ったギターは真っ白なフライングV、買ったその日に喧嘩で壊した、ロックじゃねーか!」

 

「か…香取先生ェ…!」

 

「いいんだよ、ロッケンローラーなんて、そんなもんで!」

 

オレンジジュースを買い、公園に来るとなんかロッカーな展開になっていた…

 

「…なんだコレ?」

 

「あ、提督!遅いってば!もうギター壊れたし!」

 

「提督、私から事情を説明しましょう…」

 

「香取先生ェ…いえ、なんとなく見ればわかるんでいいです、白露、ハンセーしろよ、ハンセー、明日は便所掃除な」

 

「えー!!」

 

とりあえずケイサツが来る前に逃げないとな

こんなアホでも一応、軍の艦娘だ、ただでさえ素行不良で目を付けられてるバカが多いのに、誰が頭下げると思ってるんだ…

 

「よし白露!ラーメンでも食いに行くか!ラーメン!」

 

「香取先生ェ!」

 

「よければ提督もご一緒に」ニコッ

 

「え?あ、あぁハイ、じゃご一緒に」

 

さすが香取先生だ、喧嘩したその日にラーメン食いに連れて行くアツい生徒指導はなかなかできることじゃない…

 

「あーぁ!またお小遣い貯めなきゃ、提督!今度はちゃんと見ててよね」

 

「悪かった悪かった、ほれ、オレンジジュースだ」

 

「わーい!あ、先生ェ!大盛り頼んでいい?」

 

「フフ、チョーシに乗るなボンクラが」


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