三本だって、折れる
【登場人物】
眼鏡のやつ
今回、鈴谷以外は全て眼鏡です
眼鏡じゃないやつ
眼鏡じゃないけどビッチ、千円でジュース買った
「デスマシーンだッ!」
「ランキング2位!無敵の殺戮機械!デスマシーンが来たぞッ!」
当基地の近所に居を構えるカツアゲのメッカ……ではなく格ゲーのメッカ、ゲームセンター覇我亜怒
数多の強者を生み出したこのゲームセンターで今日、そのトップランカーが激突する
「…と言うワケだ、今日はお前みたいな雑魚と遊んでやる暇はない」
「雑魚とかゆーなし、ナニ?鈴谷の八稚女にビビってんの?ってか、鈴谷すげー練習したからマジもー提督とか相手にならねーし」
「あーはいはい、後でボコボコにして身ぐるみ剥いで男子トイレの個室で放置してやるから黙ってろ」
「へ、変態ッ!ナニそれ!?変態!変態じゃん!ありえねーし!」
今日の激突はバトルキングを除けば事実上最強のランカー、デスマシーンとランキング2位の怪物、メタルモンスター・霧島なだけあって観に来たヤツも多いな
「あ、テイトクだー、ちーす」
「望月さんと巻雲…」
「テイトクも見に来たのー?だよねー?」
ランキング6位、望月さんとランキング9位、巻雲、いずれも桁違いの強さを誇る上位ランカー
「さっき鳥海クンと8っちゃんさんもいたよー」
「沖波クンもすぐ来るって言ってたし」
「さすがに今日は上位ランカーが勢揃いしそうだな」
「ま、バトルキングへの挑戦権を賭けた事実上の最強決定戦だしねぇ~」
「あのぉ~…」
「なんだ?ビッチ」
「ビッチじゃねーし、その…ナニ?バトルキングって?そんなの居るの?」
コイツ、何を言っているんだ?まさかこの店に通っていながらバトルキングを知らないとは…
「お前…バトルキングを知らないのか!?」
「うぇ~、ありえねー」
「自決した方が良いですよー」
「そこまでェ!?っーか眼鏡率高けェ!よく見たら鈴谷以外みんな眼鏡じゃん!?」
「バトルキングはこの覇我亜怒にもう何年も君臨する無敗の王だ、この店のランカー達は皆、そのバトルキングへの挑戦を夢見ていると言っていい」
「へぇ~…ちょー強いんだ、そいつ」
あんまわかってないな、このビッチは
まぁ、俺も含めてランカーにすらなれない者には都市伝説みたいなモンだしな
「来たぞ!霧島クンだ!」
「霧島クン!」
「さすが霧島クンだ!オーラパネェ!!」
先に姿を現したのはランキング2位、メタルモンスター・霧島
「ところで望月さん」
「なに?」
「今日のゲームは?」
「ん~…噂じゃ98らしいけど」
「98か」
優れた対戦バランスに定評のあるK●F98、ちなみに、このゲーセンには後にリメイクされたUMではなく、無印MVSカートリッジしかなく、むしろMVS筐体がまだ現役で稼働している
「あのさぁ~」
「なんだ?息が臭い、喋るな」
「臭くねーし!!それゆーなら提督は煙草臭いじゃん!…ま、それはいいとして、デスマシーンってなんなの?」
「二つ名だが?」
「二つ名って…いや、ナニ?コイツナニ言っちゃってんの?イカレてるの?みたいな顔されても…」
「上位ランカーになるといつしか二つ名が付くんだよ」
「へぇ~」
「デスマシーンってのは、まさしく機械の如き精密かつ正確な操作で対戦相手をブッ殺すとこから付いた名前だよ~」
「ふ~ん…ってか、普通に聞いてたらすげー物騒なんですけど、それ」
ざわ…ざわ…
「来たぞォ!デスマシーンだ!」
「道を開けろォ!」
どうやら来たらしいな、ランキング1位、事実上最強の御方…
「え?どれどれ?鈴谷も見たい!どいつがデスマシーンなの?」
「アレだ」
「見えねーし、提督、肩車してよ、鈴谷の太もも撫で回せるよ?」
「死ね」
「だからッ!!なんでそんな厳しいの!?」
霧島に遅れ、姿を現したランキング1位、デスマシーン・大淀
「…今日こそケチョンケチョンに負かしてやるぜェ~…大淀ォ~」
「フッ、私に勝てないアナタではバトルキングには届きませんよ」
クッ!!なんてオーラだ!俺達の眼鏡が一瞬にして曇っちまう!!
「あ、アイツ任務のヤツじゃん!ね?アイツがデスマシーンなの?」
「あ?ちょっと黙ってろ、オラ、千円やるからどっか行け」
「え?あ、うん……」
「望月さんはどちらが勝つと?」
「ん~なんとも言えないかな」
「私はやはりデスマシーンかと」
「しかし霧島クンのテクもハンパじゃねぇ」
「フッ、キリシマは私とのトレーニングで各段にレベルを上げているわ」
鳥海、武蔵、ローマ……続々とランカー達が集まって来たか
「や、なんなのコレ?眼鏡率ヤバくね?コレ眼鏡じゃない鈴谷ちょっと引くんだけど、ってか!ランカーって眼鏡じゃないとダメなの!?」