不健全鎮守府   作:犬魚

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沖の島辺りをブラブラしてたら陛下が連れて来ました

【登場人物】

吹雪型
通称、ズラ型駆逐艦
基本的に全員長女をもんげーリスペクトしている

叢雲(2)
ズラ型駆逐艦の突然変異種、家ではズラズラ言ってるズラ


提督と吹雪型とニュー妹

“聖域”と書いてサンクチュアリ、喫煙所で煙草を吸っていると芋くさい集団が歩いていた

 

「ねーちゃんスゲーズラ!」

 

「ねーちゃんマジカッケーズラ」

 

かつて世界を震撼させ、恐怖のドン底へ叩き落としたと噂されている吹雪型駆逐艦、割と長いコトうちに居るハズだが、みんな同じ醤油顔に見えるので未だに見分けがつきにくい

 

「あ、提督ズラ!」

 

「煙草吸ってるズラ!不良ズラ!」

 

そして、全員どっかの田舎から出てきたみたいに語尾が訛っているので余計にわかり辛い

 

「ズラズラうるせーズラよズラ型駆逐艦がァ」

 

「ズラじゃない、吹雪型よ」

 

「あ゛?」

 

山盛りポテトの中に只一つ異彩を放つ飲むヨーグルト、吹雪型の突然変異種、叢雲

まぁ、色々と家庭の事情があるんだろうが俺は大人なので気になってはいるがあえて突っ込むなど無粋な真似はしない

 

「そうズラ!叢雲ちゃんのゆーとーりーオラたち吹雪型ズラよ!」

 

「ズラ型と意味わかんねーズラよ、このハゲ!」

 

「五月雨ちゃんがホモって言ってたズラ!」

 

「ハゲてねーし、ホモでもねーし」

 

っーか五月雨、後で殺す、邪眼かけた後に念入りに両手足をヘシ折ってからスネークバ●トして殺す

 

「で?なんだァ?今日は姉妹仲良く焼き肉でも食いに行くのか?」

 

「そうズラ!オラたち新しいキョーダイが増えたお祝いするズラよ!」

 

…コイツ誰だっけ?吹雪?吹雪でいいんだよな?たしか、マジで同じ顔にしか見えねぇから叢雲以外の区別がまったくつかねぇ

 

「っーか、新しいキョーダイってなんだ?」

 

「沖の島辺りで新しいキョーダイが居たズラよ」

 

「浦波ってゆーズラ」

 

「ふ~ん」

 

っーか沖の島辺りって、そんなトコ、最近の出撃予定表に書いてたか…?まぁ、後で五月雨のダボに聞けばわかるか…

 

「で?ちなみにどいつなんだ?その浦波くんってのは?オマエか?」

 

「オラ吹雪ズラ」

 

「いや、知ってたよ?わかっててあえて間違えるフランクさを演じてみただけだよ?なぁ!浦波くん!」

 

「オラ白雪ズラ」

 

クソッ!!マジでわかんねぇ!!どいつだよッ!!

考えろ、いや…よく見ろ、よく見るんだ俺、コイツらだって顔は醤油顔だが髪型とか微妙に違うところもある、冷静に見れば答えは自ずとわかる、つまりはあまり見覚えがないようなヤツが浦波、導き出される結論は…

 

「…君か?」

 

「…私、叢雲なんだけど?」

 

「オラが浦波ズラー」

 

見分けつくワケねぇよッ!!なんだよコイツ!!意味わかんねぇ!!

 

「まぁ、気持ちはわからなくもないわ」

 

「叢雲ェ…」

 

「じゃ、早くみんなで焼き肉行くズラー!今日はオラの奢りズラー!」

 

「ねーちゃんカッケーズラ!」

 

「さすが改二は違うズラー!」

 

改二も改も俺にはわかんねぇよ…

とりあえず、俺は財布から紙幣を取り出し叢雲に握らせた

 

「後でみんなでアイスでも食べなさい、五段のをな」

 

「あ…うん、ありがとね」


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