【登場人物】
8っちゃんさん(2)
何度か名前だけ出てた潜水艦、社会派、覇我亜怒ランキング暫定4位
401
お気に入りの晴嵐をカツアゲされた、サザエ大好き急速潜行
呂500
悪そうな潜水艦はだいたい友達、サザエ大好き急速潜行
鎮守府近海…
漁業も観光レジャーも盛んではないうらびれた海、たまに釣りのおっさんが釣れねーなオイとツッコミ入れて帰るだけの海だ
「釣れねーなオイ」
暇つぶしにと思って釣具セットを持って釣りにやって来たものの、何も釣れやしねぇ
たまにイ級っぽいのがあっちで跳ねてるが、もしかするとアイツがこの辺の魚を食ってるのだろうか?
「…あ、テイトク、なにやってんの?釣り?」
「む…?8っちゃんさん」
伊号潜水艦、8っちゃんさん、新聞のテレビ欄と4コマ漫画しか読まないアホばかりの潜水艦の中では珍しく社会面を読む社会派潜水艦
いつも変な本を持っているが、噂ではあの本は最強最悪の悪魔が封印されているのでは言われている
「釣りだ」
「さっきイ級が魚群追っかけてたよ」
「チッ、やっぱりか」
「やっつけてこようか?」
「いや、いい、どうせ暇潰しだしな」
釣れないなら釣れないでそういう日ってワケだ
今日はイ級が食べる日、自然の流れなら仕方ない
俺は火の点いた煙草を海に投げ捨てた
「あ、ポイ捨て禁止」
「スィマセェ~ン」
「そーゆーコトするからアイツら怒ってるのかも」
「まぁ、一理あるわな」
深海の人がなんで怒り狂って攻撃してくるのか理由はよくわかってないが、アイツらはアイツらで母なる海を汚す人類社会を許せない聖なる戦士の集まりなのかもしれねぇしな
「…だとすると、俺は悪魔を操る悪いヤツなのか?」
「何が?」
「いや、深海棲艦が母なる青い海の守護神だったらと考えたらな」
「テイトクは海に煙草ポイ捨てしたし、間違いじゃないかも」
「はいはいスイマセンでした」
さすがは唯一の社会派潜水艦、ポイ捨てにも厳しい
ブクブク…
「ん?」
なんだ?なんか下から泡が…
「今、煙草をポイ捨てしたのどいつだァー!」
「喰っちまうぞォー!」
なんか浮上して来たと思ったら…401と呂号か、ナニやってんだコイツら
「オマエかーッ!!」
伊401、最大最新最強の潜水艦で晴嵐さんを持ってきたが速攻でカツアゲされて以来グレた
「母なる海を汚すニンゲンめー!」
呂500、もともとはドイツの超技術が作り出したUボートだったが悪い友達ができてグレた
「ナニやってんだオマエら?」
「オマエかー!このクソニンゲンめ!喰らえ!水鉄砲!」
バチンッ!!
「痛ッ!!ちょ!痛い!痛い!」
コイツら魚人みてーな水鉄砲撃ちやがるッ!!なんだこの威力!超痛てェ!!
この野郎どもがァ…調子に乗りやがって
「8っちゃんさん、銛持ってねぇか?銛」
「仲間殺しに荷担したくないです」
「大丈夫だ!水着だけを抉るように刺す!」
「器用ですね、じゃ、はい」
そう言って8っちゃんさんは謎の本から黄金に光る三つ叉の矛を取り出した
「ちょっと8っちゃんさん、コレ、アレじゃないすか?ちょっと神々し過ぎじゃないすかね?」
並々ならぬ小宇宙を感じる三つ叉の矛を目にした瞬間、下でハシャいで2人もビビって漏らしそうな顔をしていた、いや、呂号は漏らしたな、アレは…
「ヤバいって!アレ、ヤバいって!401サンヤバいですって!絶対ヤバい感じですって!」
「ち…違う!違うんです!私は401じゃないです!そう!私はシードラゴン!シードラゴンですから!忠実な配下です!悪いのはコイツだけです!」
「ウェ!!ろーちゃんを裏切るのォ!?」
さすがは海の生き物潜水艦、本能的なモノかもしれんがやっぱ怖いんだな、海の皇は
「8っちゃんさん、他のやつ無いすかね?」
「それ以外だとそこに落ちてる鉄パイプしかないです」
「じゃ、鉄パイプで」
俺は鉄パイプを拾い、下で失禁してるバカどもにぶん投げた
「ギャ!!」
「ウェ!!危ないですって!」
「やかましいわボケ!………ん?」
なんだ、あのカゴは?
「あ!サザエがッ!」
「ヤバいですって!」
こ…コイツらッ!!なんてコトを!!
「急速潜行ーッ!」
「急速潜行ですって!」
「待てッ!!キサマらァ!ピラニアンローズ!」