【登場人物】
浦風
浜風ちゃんに勝るとも劣らない駆逐艦を超えた超肉体を持つ駆逐艦、ムラムラします
谷風
犯罪臭のある脱ぎっぷりに定評のある駆逐艦、ムラムラしません
鉄板の上で芳ばしい香りを放つお好み焼き、具材に中華麺が入っており、分類的には広島風と呼ばれるお好み焼きだ
「ヨダレが止まらねーぜ!」
「もうちょいでデキるけぇ、ヨダレを拭いて待っちょれ!」
慣れた手つきでお好み焼きを焼くのは駆逐艦、浦風
浜風ちゃんにも匹敵する駆逐艦にあるまじきパイの持ち主ではあるが、何故だろうな?浦風にはどうにもムラムラしない
「チクショウ!身体中のグルメ細胞が早く食べたいと躍ってやがるでい!」
お好み焼きを待つ駆逐艦、谷風
まったくムラムラしない
「ほぉ、お好み焼きか?」
「お、テイトク!テイトクも食うか?デキたてホヤホヤじゃあ!」
「チクショウ!美味めェ!!」
…と言うか、なんでコイツら外でお好み焼き焼いてるんだ?なんでわざわざ体育館裏に鉄板持ってきてるんだ?
「さぁ!おあがりよ!」
「む…?まぁ、じゃ、戴こうか」
「ホッペタ、落ちちまうぜ!」
何がホッペタ落ちるだ、こう見えても俺はお好み焼きにはうるさ…
「クソッ!!美味めェ!!」
「そーじゃろ、そーじゃろ?」
なんだコレは!!ジューシィーなだけじゃねぇ!アツアツの生地と具材の完全なる調和ッ!味のフュージョン!いや!味のシンメトリカルドッキング!
同様にお好み焼きを食す谷風くんがアヘ顔晒すだけはある…
「…だが惜しい、花丸はやれないな」
「なんじゃとォ!何がダメゆーじゃあ!?」
「俺はお好み焼きが嫌いだ」
「クソッタレェ!!」
「まぁ冗談はいいとして、なんでこんなとこでお好み焼き焼いてるんだ?あと、その鉄板なんだ?どこから持って来た」
そう、お好み焼きを焼くなら厨房で焼けばいいのに、何故か体育館裏でひっそりと焼いている意味がわからん、そして、あの鉄板はなんか見覚えがある…
「そりゃモチロン、秘密特訓じゃ」
「…ハァ?」
「来週の秋祭りで食戟を挑まれるかもしれんしのぉ」
なに言ってんだコイツ?イカレてるのか?
「鉄板は谷風がうちの特訓を手伝ってくれるちゅーて、用意してくれたんじゃ」
「ふ~ん、オイ、谷風クン、谷風クン」
「あ…味のデッドシンフォニーじゃあ……」
いつまでアヘ顔晒してんだコイツは…
「覚醒める刻は今なんだ!」
ビタンッ!(ビンタ)
「きゃっとぅ!!………ハッ!頬に鈍い痛みッ!」
「帰ってきたか」
「お、テイトクじゃねいかい!もしかして谷風をぶったのはテイトクかい!思わず漏らしちまったよ!」
…なんでぶたれて漏らすんだよ、なんだ?Mなのか?M奴隷なのかコイツ?オレはオマエの将来が怖いよ
「オイ、この鉄板どっから持って来た?」
「コレかい?工廠に置いてあったから拝借してきたんだよ?」
「…なんかこの鉄板、どっかで見たコトあるんだが?」
「明石サンがゆーにはプリ…プリンなんたらバルジとか言ってたよ」
………バルジ?
「邪魔だから持って行っていいってよ」
「…明石のバカは工廠か?」
「谷風さんが最後に見た時はキミにマジきゅーんとか歌いながらパイレン持って踊ってたよ?」
「そうか、オマエら、それ焼き終わったら速やかに片付けろよ」