逆襲のオーク ~オーバーロード~   作:脳筋プレイ

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今回オリジナルのスキルとクラスを登場させました。
あとがきに簡単説明を載せました。


調査結果

転移してから4日が経過した。

それまででわかったことといえばNPCが自我を持ち動くこと。

おそらく現実世界なのにゲームのような部分があること。

ユグドラシルの魔法やスキル、アイテムのほとどんが変わらずそのまま使えること。

所属という概念はあるが敵味方の識別がなくなり魔法やスキルによるフレンドリファイアとその逆が有効になっている。

このぐらいであろうか。

 

次に調べたいことと言えば当然周辺の調査だ。

ただし外がどれだけ危険な場所かわからないため、迂闊に外に飛び出せない。

そのため探知や探索に優れた能力を保有しているノエミに周辺の調査をさせ、自分はユグドラシルのシステムを思い出すために過去に作ったエンサイクロペディアを読みふけった。

スキルや魔法の数が膨大なためすべて暗記するのが一般人には無理だが知識がなければPKに襲われた時の防御、逃走、迎撃手段が変わってくるし、狩りクランでも新しい狩場ではMOBがどんな魔法を使ってくるかわからないため、知識は武器になる。これはユグドラシルプレイヤーすべての共通認識でもあるのだ。

 

「2年前とはいえ楽しかったことだから全部覚えてるつもりでもこうやって見ると結構忘れてるな……歳かな?」

 

現在ノエミは調査に出ているため今度は返事はない。

 

「しかしノエミが喋ったときは驚いたな。その言葉にも驚いたが。」

 

転移した直後ログアウトしないことにオロオロしている勲司に

 

「そのようなでかい図体で狼狽えられると余計に頭が悪そうに見えますので落ち着いてください。」だった。

 

「それに昨日中型の野生動物を狩ろうかと言い出したのも驚いたな。昔に設定した『狩人(ハンター)』というのが影響しているのだろうか。」

 

などと独り言を続ける。

ノエミを創造する際、物理タイプのエルフならやっぱこうだよね。とRPを意識した構成にした。

そのため、『弓兵(アーチャー)』、『狙撃手(スナイパー)』、『盗賊(ローグ)』、『暗殺者(アサシン)』、『野伏(レンジャー)』、『狩人(ハンター)』とそれっぽい職業と取らせた。

 

「ハウジング」のNPCはあくまでおまけであり、ゲームであれば家から連れ出せないシステムになっていた。そのため好きにレベルを割り振れといわんばかりに100レベル分のポイントの付与されていた。

しかし現実の世界になった今、その縛りは消失しているようであり自由に家から離れることができる。しかも口は悪いが基本的に主人である勲司に忠実であり、言葉はただ口にしているだけで本気でそう思って言ってる感じはしない。

「あの口の悪さも設定のせいかな……」などと過去の自分を殴ってやりたい気持ちになったがどうしようもないので諦めた。

 

それから3時間ほど経過し、陽が真上に昇った頃ノエミが帰還した。

 

「ただいま戻りました。」

「待っていたぞ。収獲はあったか?」

「はい、近くでトロールとゴブリンらしき集団を発見いたしました。」

「トロールとゴブリンらしき?どういうことだ?」

「私の知る姿形の特徴はまさにソレなのですが、私の知るソレらよりもっと醜くなっておりました。ゴブリンは全体的に顔が潰れたようになっておりトロールも筋肉が落ちていると思われます。どちらも一回り小さくなっております。」

「ノエミの知るソレとはユグドラシルに居たトロールとゴブリンということだな。似ているということは亜種ということか、始まりがまったく別の種でたまたま似たような進化を遂げた似て非なる存在ということか……。強さはどう感じた?」

「『調査(インベスティゲーション)』を使用しレベルを確認したところ、ゴブリンは4~7、トロールは10~13といったところです。手持ちの武器は木を削っただけの棍棒と切れ味の悪そうな剣を持っていました。防具は局部を隠す程度の布切れのみです。」

「なるほど、ユグドラシルより弱いみたいだな。しかしこの世界でその数値が当てになるとは限らない。知恵はあるのか?」

 

肝心の質問を投げかけるとノエミは表情を変えず答えた。

 

「ゴブリンとトロールが会話をしているのを聞きました。内容もしっかり把握できたため知能はあります。そもそも知的生物が居ないかの調査での報告ですので知能が確認できたため報告した次第です。そのような質問をされては。仮に勲司様を見つけても報告対象になりえません。」

「俺ってトロールやゴブリンより劣るのかよ……」

「それで、どうされますか?」

 

唖然とする勲司にたいして平然と続けるノエミの質問に勲司は意見を求めた。

 

(ノエミが接触せず帰ってきたということは調査した言動から接触をしても友好的な関係を築けないと判断したからなのだろ?俺が無駄な殺生はするなと言ったのを守って戦闘を避けたわけか。)

 

「そうだな、そもそもトロールとゴブリンが一緒に居るというのにも疑問が残る。『刻印(マーク)』はしたな?ならば別の集団がいないか調査を続けてくれ。『伝言(メッセージ)』のスクロールを渡すから緊急時はこれを使用し連絡をしてくれ。」

「仰せのままに。

そう言うとノエミは姿を消した。

 

「MOBが居るのか……」

 

勲司は現実世界でも争いごとにも縁遠く子供の頃も殴り合いの喧嘩というものをしたことがない。

 

「MOBが居ると報告を受けてから湧き上がるこの気持はなんだろう。」

 

身体の奥底からふつふつを湧き上がる闘争心という感情を初めて経験する勲司にとってそれは気持ちのいいものではなかった。

悪い感情ではないが身体が火照り、落ち着かない。そんな感じだ。

そのせいで読書を続けても頭に入ってこず、いままで一度もしたことがない鈍器の素振りを始めたのだった。

 

 




・狩人(ハンター)
隠密性能に優れ、弓と罠設置を得意とするクラス

・調査(インベスティゲーション)
早い話FFでいう強さだけ見れるライブラ

・刻印(マーク)
対象に印を付け、ゲーム内ではエリア内なら何処にいるか常に把握できる。
現実世界では半径数kmほどなら把握できる。
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