アリア「ちょっと!そうじゃないって言ってるでしょ!相手が右にナイフを持って接近してきたらこう!」
永二「え、えっと…?」
アリア「まず相手の右手を警戒しておいて自分の左手を開手にしておく!主に右手で相手への攻撃を考えておいて相手の右側が動いたと思ったら即座に左手での防御に意識を切り替える!もう一度やってみるわよ!」
永二「は、はい!」
こんな風にまず、いろんな状況をアリアさんに紹介してもらいそれを実践してみる。聞いた話によるとアリアさんの武偵ランクは数に制限のある最高ランクのSランク武偵らしい。いくら実践してみると言ってもSランク武偵の攻撃を止めるのは至難の技だ。でも…着実に力がついているのがわかる。
アリア「あんた…すごい弱いと思ってたけど筋はすごい良いわね。動きも教えればこっちの予想以上に動けるし。それにあんたの身体能力も案外悪くなかったし。見たところ戦闘技術を知らないだけで体は良いのかもしれないわね。」
体は良い…か。考えたことなかったけど僕の体って普通の人からしたら良い方なのだろうか?確かに実際に戦闘を教えられている時、自分でも思った以上に動けている。
アリア「なんていうか…すごい戦闘に合った体をしているわね。ゴツすぎるわけじゃないしなやかな筋肉だし。普通そういうのって戦っていく中で自然になっていくものなのよ?なんで戦闘は素人のはずなのにそんな体持ってるのかは知らないけど…あんたの失った昔の記憶と何か関係あるのかしら?」
永二「う~ん、どうでしょう?」
アリア「ま、記憶喪失じゃわからないわね。じゃあ次いくわよ!」
永二「はい!」
僕は体が恵まれているのかもしれないけど…こうして力をつけていった。
綴「どうだ神崎、あいつの調子は?」
アリア「一言で言って…すごい。『予測不能な伸びしろ』って感じですね。素人のはずなのに教えたことをどんどん吸収していってます。まるで最初から知ってたかのように。」
綴「なるほど…『最初から知ってたかのように』…か。」
アリア「?」
綴「お前にも教えておこうか。なあ、あいつの目見たか?」
アリア「見ました。片方は普通の黒でしたけどもう片方は藍色…みたいな?」
綴「ああ。あの目のことなんだがな。私の見たところあの藍色の片方の目は移植で誰かの目が入れられている。」
アリア「!?」
綴「それどころかあいつの体のほとんどが移植された誰かの物だ。お前も不思議に思った点はなかったか?」
アリア「はい。あまりにも体の感じが…戦闘のために作られたような…そんな感じがしました。」
綴「やっぱりか。神崎もそう思うのならこれは間違いないな。きっと永二は何者かに作られてできた人間だ。それもロボットじゃない。本物の人間に優秀な体のパーツを移植するという方法でのな。」
アリア「でもそんなこと聞いたことない…実際、そんなこと可能なんですか?」
綴「はっきり言って不可能だ。だから謎なんだ。それにあいつの持ってたスタンガンのような拳銃。あれも怪しい。そんなやつが持たされていた銃が普通なわけがない。何かあの銃に秘密がある。」
アリア「秘密…ですか?」
綴「ああ。とりあえず神崎は今の調子で試験まで鍛えてやってくれ。どうせ記憶が戻れば全てはっきりするしな。」
アリア「わかりました。」
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~試験当日~
アリア「エイジ、どうだった?学科試験の方は?」
永二「あ、そっちの方は大丈夫だと思います。アリアさんが銃のこととか教えてくれたから。」
アリア「じゃあ、問題は…」
永二「はい。これからある強襲科の試験ですね。一体何をやるんでしょうか?」
戦闘技術を見るものになるだろうけどどういった試験なのかはわからない。
アリア「あたしが聞いた前の試験は受験者同士で戦わせてたらしいわよ。なんでもその中に武偵高の教員もいたらしいけど。」
永二「きょ、教員も…ですか?」
教員ということはあの綴や蘭豹みたいなやつが試験の中にいたのか…。なんてことだ…。
アリア「もちろん中学生だったやつが勝てるわけないわ。だってここの教員なんて元マフィアだったり、傭兵経験があったりした人ばっかりなんだから。」
永二「そ、そんなの…メチャクチャじゃないですか!もし試験中にその教員とぶつかったら…」
アリア「簡単に言えば自分よりも格上の敵とぶつかった時の対応を見られるのよ。だからそこでは戦うというよりも逃げることが正解かしらね。実際の作戦とかでもそうだけど撤退は珍しいことじゃないの。自分に分が悪い敵だったり完全に格上だったりしたらよくあることなのよ。死んだら終わりなんだから。と言っても簡単に諦めろって言ってるんじゃないわよ。」
永二「は、はい…。」
アリアさんからの言葉は聞くだけでどこか自分を成長させてくれる感じがするなぁ。
アリア「まぁ、たまにそんな障害を軽く退けちゃうやつもいるんだけどね。」
永二「え?」
アリア「キンジよ。遠山キンジ。いたでしょあんたの教育係がもう1人。これは聞いた話だから実際に見たわけじゃないんだけどキンジはその試験で教員すらも倒したらしいわ。1年の時はSランクだったらしいわ。」
永二「な!?中学生だった人がプロの人を…!」
アリア「そう。あいつは本当はすごいやつなのよ。バカで女たらしだけど!」
永二「えぇ…あの人が…女たらし?」
根暗そうであんまり女の子受けしなさそうだけど…遠山さんってそんなキャラだったのか!?
アリア「それでも大切なパートナーなんだけどね。あ!そ、その…好きってわけじゃないわよ!」
永二「え?いや、そんなこと聞いてませんよ…?」
アリア「う、うるさい!風穴よ風穴!」
と、アリアさんがガバメントを抜いてプンプン怒っていると
蘭豹「おい!そろそろ強襲科の試験始めるで!『エイズ』やったっけ?はよ来いや!」
永二「エイジですよ…わかりました…。」
アリア「近くで見させてもらうわよ。どれだけ成長したか。」
マジか。これは不甲斐ないところは見せられないな…。
そして僕とアリアさんは1つの部屋に入った。結構広いところだな…。
蘭豹「ほな試験説明するで!まぁ、簡単や!今からお前に1人の武偵と戦ってもらう!んでウチがそれを採点する!今回は特例として強襲科以外の生徒やから安心せえや!これで以上や。」
すごいザックリしてるなぁ。つまり今から武偵と戦ってその戦いの内容が採点されるのか。戦闘技術がちゃんと身に入ってるかどうかを。
蘭豹「お前の相手は…オラ!入ってこいや!『遠坂』!!」
遠坂…一体どんな武偵なんだ…?
キンジ「あの…俺…『遠山』です…。」
蘭豹「ああそやった!メンゴ~!」
すごい登場台無しだな…。でも、相手はあの…遠山さん!!
キンジ「はっきり言って面倒くさかったが…半ば強引に蘭豹に連れてこられて俺がお前の相手をすることになった。まぁ…よろしくなエイジ。」
永二「そんな…。遠山さんってSランク武偵なんですよね…?」
キンジ「ん?いや、俺はSランクじゃないぞ。Eランクだ。あと探偵科な。」
へ?あれ?聞いた話によると1年の時はSランクだったはずなのに。勉強したから知ってるけどランクが落ちることはよくあることらしい。もちろん今Sランクのアリアさんだって何回も失敗してたらAに落ちる。けど…SランクがEランクに落ちるなんて聞いたことがない。何があったか知らないけど…Eランクなら僕にも勝てる可能性が…。
キンジ「……。」
蘭豹「ほなルール説明しよか!この戦いは拳銃、刀剣アリや!お前らにも防弾制服で戦ってもらうで!エイジにも支給されたやつ着てもらうで!」
そう言われて蘭豹から防弾制服を受け取った。
蘭豹「相手に致命傷を与えるのはナシや!そこは減点するからな!基本は何してもOKや!」
そして僕と遠山さんは向かい合う。ちなみに僕はアリアさんからガバメントを借りている。と言っても、アリアさんが使っているやつじゃなくてスペアの物らしいけど。
蘭豹「よし!ほな始めろや!制限時間は10分やで!」
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そして僕と遠山さんの戦いが始まった。開始直後に遠山さんは拳銃を抜く!銃は…ベレッタのM92F!!
僕は銃弾に当たらないように休みなく動き回る。
キンジ「そんなので避けれると思っているのか?」
遠山さんが僕に狙いをつけようとする。きっと動きを先読みしようとしているんだ。
でも、僕だってただ逃げてたわけじゃない。ここだ!
僕はずっと遠山さんの周りを時計回りに走っていた。そこで遠山さんが狙いをつけたと同時に時計回りと逆方向に向かって飛び込む!つまりいきなり方向を変えたのだ。そしてそれと同時にガバメントを抜き遠山さんに発砲する。
ズガン!ズガン!ズガン!
遠山「! うおっと…。」
距離がまだ遠かったか…当たらなかった。でも…次だ!
僕は斜めの動きを使いながら遠山さんに接近する。人間、狙いをつける時は斜めに動かれた方が1番狙いをつけにくいのだ。左右と前後の動きの両方があるからだ。
キンジ「……なるほどな。すごい吸収力だな。短期間で素人がここまで。」
そう言って遠山さんは右手に緋色のバタフライナイフを持った。遠山さんはガンエッジがスタイルか…?
僕はそれを見て右手に拳銃を持ち左手を開手にする。アリアさんが教えてくれたものだ。
永二「そして…こうだ!」
まず遠山さんの拳銃の方の腕を自分の腕を使って払う。こうして弾道から逃れるのだ。すると遠山さんがバタフライナイフを使って殴りかかってくる。それを開手にした手で手首を掴み止める。そしてその左手で遠山さんを引っ張り、同時に左足で遠山さんのボディーにキックを放つ。この技は遠山さんが引っ張られてこっちに向かってくるのを利用してキックの威力を上げるものだ。
キンジ「くっ!」
よし効いてる!でも今の遠山さんからはアリアさんから聞いたような強さは感じない。あの話は本当だったのか?と疑うほどだ。とてもじゃないけどアリアさんのパートナーとは思えない。
蘭豹「なんやなんや、まだ弱いけどあの時とは別人やんけ。こりゃ一体どういうことや?」
アリア「エイジ…どういうこと?ここまで成長してるなんて…。キンジが弱いわけじゃない。というよりもエイジが追いつきつつある。でも…。」
僕がもう一度蹴りを入れようとすると遠山さんはすぐにそれを防御した。
キンジ「おい、調子に乗りすぎだぞ新入り。Eランクだからって油断しすぎだ。」
そう言って遠山さんはベレッタを地面に捨て開手になった手で僕の胸ぐらを掴んだ。そして…
キンジ「ふん!」
ガツン!
永二「ぐっ!?」
なんと頭突きしてきた。なんて石頭なんだ遠山さん…。僕が頭突きのせいでフラフラしていたらさらに腹を突くように蹴られた。そして僕が後方にふらつくとベレッタを拾い2,3発撃ってきた。
永二「がはっ!痛ってぇ…」
いくら防弾制服を着ていても衝撃は来る。左足と左腕に被弾した。だがまだ動ける。すぐに遠山さんから離れた。
キンジ「驚いた。いくら防弾制服があっても足を撃たれたのに立っていられて、しかも動けるなんてな。」
永二「はは…、なんか体は良いみたいですから…ね!」
そこからは一進一退だった。Eランクでもやっぱり武偵だ。遠山さんだって場数を踏んでるんだ。でも、僕もかなり戦えていた。遠山さんにダメージを与える場面も少なくなかった。
蘭豹「試験時間あと6分や!わはは!もっとやれ!」
永二「よし!この調子で…!」
その時だった。
理子「あー!アリアもキー君も何も言わずにどっか行っちゃったと思ったらこんなところにいたんだ~!理子に内緒とか、ぷんぷんがおー!」
あの時、アリアさんと一緒にいた金髪の子が来たのだ。たしか…理子さんっていったかな?
理子「あれれ?キー君、戦ってるのにヒスキンじゃないじゃん!素キー君だ!」
何が面白いのか「きゃはは」と笑っている。ヒスキンってなんだ…?
蘭豹「おい峰、うるさいわ!邪魔すんなや!」
理子「うわわ…こりゃ失礼だねっと!」
そう言い、なんとアリアさんのスカートを思いっきりめくった!トランプ柄のパンツが僕と遠山さんの目に収まる。
アリア「あんた急に出てくるなり何してんのよ!うるああぁぁ!」
理子って子はアリアさんにボコられまくっていた…。にしても…一体何なんだ?
永二「遠山さん、続けましょう……え!?」
なんだ!?遠山さんの雰囲気が…何かが変わった!
キンジ「かかりは甘いが…なっちまったか…。できれば『これ』は試験中に出してやりたくなかったんだがな…」
これは…どういうことだ?さっきまでの遠山さんとは比べものにならない。まさか…手加減してくれていたのか?いや、そんな風には見えなかった。
キンジ「残り5分だ。全力でくるんだエイジ。ゲームで言えばここからは…ハードモードだぞ。」
ダメだ…完全に気圧されている。でも、『無理』って言うわけにはいかない。全力を出すんだ!!
蘭豹「おおう?なんや遠山のやつ、昔のマシだった頃に戻ったか?」
理子「さぁさぁこっからお楽しみですよ~。むふふ~。あの子どこまでやれるのかな~?」
アリア「あのバカキンジになったの…?エイジ、気をつけなさい!」
ここから5分だ。何が何でも戦いぬく!そして僕は例の電流が出る拳銃を取り出した。そしてアリアさんが貸してくれたガバメントで…
キンジ「双銃(ダブラ)か…。だがもう1つはスタンガンみたいな物だから実質ガンエッジみたいなものか。」
永二「いきます!!」
ズガン!ズガン!ズガン!
僕は遠山さんに向かってガバメントの方で撃ちまくる。それを回避した時に一気に接近する!だが、遠山さんの行動は予想外のものだった。
ズガン!ズガン!ズガン!ガギギギン!!!
永二「な!?そんな…う、嘘だろ!?」
なんと僕が撃った銃弾に遠山さんは自分が撃った銃弾を当て軌道を変えた。そして軌道を変えられた僕の銃弾は全て外れた。
キンジ「『銃弾撃ち(ビリヤード)』だ。まぁ、俺はこういうのが得意なんでね。戦う武器は考えた方がいいぞ。」
なんだよこれ…一歩も動かずに銃弾を防がれた。しかもさっきの口ぶりからアレを狙ってやっている。そんなこと可能なのか?この人…人間じゃない!
蘭豹「おうおうなんや遠山のやつオモロイことやってるやないか!あれが銃技や曲撃ちや言うやつかいな!まるで宴会芸やな!わはは!」
蘭豹はこんなこと言ってるが今でも信じられない。なんでこの人はこの光景を見て笑ってられるんだ?
キンジ「どうした?こないのか?なら…こっちからいくぞ!」
遠山さんは一瞬で距離を詰め僕の目の前に来た!僕は銃(のようなスタンガン)で遠山さんに攻撃をしようとするが…
キンジ「遅すぎるぞ。接近された時の対応をいくつか考えておけ。」
遠山さんは僕のその銃を奪い取りボディーに一発殴ってきた。
永二「がはっ!」
なんだよこれ…さっきまでと重さが違う。力が上がったというより深くエグりこむように打ってるからそう感じる。さっきのふざけた銃技だけじゃない。遠山さんの戦闘技術があきらかに上がっている。
キンジ「それに武器は手放すな。敵に利用されるぞ、こんな風に。」
遠山さんはそう言い僕の体に銃(スタンガン?)を0距離で放った!
バチイイイイィィィィィィ!!
永二「があああああ!!」
僕は電流を食らいダウンした。でもなんだこれ?たしかにスタンガンとは違う…かも?ここに来て最初に尋問科の女の子からスタンガンを食らったから今との違いがわかるが微妙に何か違う…?
キンジ「終わりだな。この状態で戦うつもりは無かったんだが…すまないな。」
遠山さんが何か言っている…聞こえない…あれ?意識が遠のいてる?何だこれ?
(ドクン、ドクン、ドクン)
心臓の音か…?ダメだ…もう意識が…とぎ…れ………る。
アリア「エイジ…。」
理子「あちゃ~、ちょっと悪いことしちゃったな~。」
蘭豹「なんや?気絶してるんかいな?まだ3分あるで。しょーもな。ほなここで試験は終わ―」
僕は完全に気絶していた…だが次の瞬間、
(ドクン…ドクン………ドクン!!)
永二「!ああああああぁぁあぁぁあああぁあぁぁあああ!!!」
キンジ「ん?な、何!?」
遠山キンジは突如目覚めた七子永二に足を掴まれて投げ飛ばされていた。片手だけで!!
アリア「え…?今、何が起こったの?」
理子「ひえ~、今、片手だけでキー君投げてたよ…。信じられない…あのヒスキー君が…あの子何者~?」
蘭豹「なんやまだやれるんかいな?にしても…様子がちいとおかしいなぁ」
この時の僕の意識は…完全に途切れていた。自分の体はメキ…メキと音を立てていた。そして右目の藍色の目が…少しだけ…光が灯っていた。
永二「うぅ…あぁ…あああぁああぁぁぁあぁああ!!」
七子永二はさっきまでと比べものにならないスピードで遠山キンジに接近した!
キンジ「! なんだこの速さは…!」
永二は目にも止まらぬスピードでパンチを繰り出す。それをキンジは受け止めようとするが…
パアアアアアアアアアン!!
キンジ「な!?こいつ…力が…跳ね上がっているのか?重さが段違いだ。すんでのところで『橘花』で受けたが…素で受けていたら腕が骨折どころの話じゃなかったぞ…」
永二はパンチを連続で繰り出しキンジはそれをひたすら橘花で受けていた。
キンジ「あまりの威力に『桜花』かとも思ったがスピードはなにもマッハってわけじゃないな。ただ力がありえないほど上がっているってことか。」
(しかもこいつ…手がボロボロになっている…。自損するレベルの力で打ち込んでいるのか?どうりで橘花でもダメージがくるわけだぜ…。)
蘭豹「あれはアカンな…おい遠山!そいつ止めれるか~?」
キンジ「できれば頼みたいところだが…ここで女に力を借りるのはカッコ悪いな。ちょっと遠山家の方たちには申し訳ないが…ここは使わせてもらう!」
キンジは重心をほぼ中央にして永二のパンチを迎えた。そして…
永二「がああぁっ!!」
キンジに永二のパンチが当たったと思われた次の瞬間、逆に永二の頭を掌底で打ち抜いていたキンジの姿がそこにあった。
アリア「い、今…何が起こったの?あれ…?」
蘭豹「ほう…遠山のやつ、ここまでで一番オモロイことしたなぁ…。」
(アリアと理子にはバレてないみたいだが…蘭豹にはさすがにバレたか?バレないように最小限の動きでやったんだがな…『絶牢』を…。)
キンジはさっきの瞬間、永二からのパンチの撃力を自身の持ちうる最強のカウンター技、絶牢で返したのだ。ただし、そのまま返していたら永二の体がとんでもないことになるので打ち込む寸前に橘花を入れていた。
(遠山家で見られたら殺せってことになってるけど…蘭豹はさすがに…俺が殺される…先代の方たち、すんません。)
だが実際に絶牢しか永二を無事に無力化する方法は無かったのだ。と言っても頭を打って脳震盪を起こさせたから無事とは言えないが。キンジの方にも余裕が無かったのは事実だ。
蘭豹「あ~、これ採点どないしよ…。」
アリア「それにしても…エイジは一体どうしちゃったの?それになんか目も片方薄く光ってたような…?」
理子「目が光るって…それ…」
キンジ「ああ。気のせいだとは思う。だが目が光ると言えば最近で記憶に新しい物があるな…。香港での…孫。」
理子「たしかに孫ってやつがそうだったけど…じゃあこの子も孫と同じってこと…?」
アリア「でもステルス的な現象は起こってなかったし、孫のあれはレーザーを撃つ時だったから違うんじゃない?」
キンジ「俺たちの考えすぎだな。だが普通じゃないのは確かだ。それに身体能力もありえないほどに跳ね上がっていた。自分が自損するほどにな。」
アリア「エイジ…あんた何者なの?」
アリアは永二に問いかけるが気を失っている永二は何も答えない。こうして永二の強襲科試験は幕を閉じた。永二の謎は深まるばかりだった…。その場に転がっていた永二が持っていた拳銃のようなスタンガンには誰も目を向けず、その後、審判役の蘭豹が回収して永二の元に届けた。それでこの一種の『事件』とも言えるような出来事は終わったのだ。
2弾終了3弾「『僕』が死んで『僕』生まれる」(予定)に続く