夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~ 作:リムル=嵐
試験勉強で投稿が遅れました、申し訳ない。
あの後に砲台も俺が持って二時間程休憩を挟んで歩き、鮎川さん達のいる家までたどり着いた。
玄関前にある呼び鈴代わりの紐を引っ張る。
カランコローンカランコローン
ガチャッ
「いらっしゃ~い、二人とも待ってたわよ。さ、上がって上がって!」
新庄さんがドアを開けて笑顔で迎えてくれた、見た目高校生の美少女だから、アイドルに会ってる気分だ、勿論顔には出さないが。
「お邪魔します新庄さん、今日は肉類を多めに持ってきました。」
「由奈ちゃん久しぶり~!!」
俺は軽く会釈しただけだけど、初音は新庄さんに結構な勢いで抱き着いた!?
しかも下の名前で呼んでるし、何でそんなに仲良いんだよ?
あれか、これが若さって奴なのか?
なら俺は老けてるのか?
うぅむ、さっぱし解らん。
「よう初、久しぶり。」
二人のじゃれ合ってる姿見ながら考えてると、近くから声を掛けられた。
お、鮎川じゃん。
今日は、またえらくラフな恰好ですな、短パンにノースリーブのシャツですか、眼福眼福。
「久しぶり、鮎川。男連中は何処に?」
取り敢えず、こんな可愛い子と一つ屋根の下に居る男を一発殴りに
「あぁ、あいつらなら紫陽花さんが連れて行ったよ、戦い方教えるから二、三日は戻さないって。」
…………………うわぁ何それ、下手な地獄よりきついぞ、父さんが言ってたから間違いない。
紫陽花さんは大魔狼の赤ん坊達の母親で、母さんからはあーちゃんと言われている。
最上級魔獣の一匹だ、この狼の何が凄いって、戦闘技術面では家の両親を超えてるんだよ、信じられないけど。
父さんと母さんに確認したら、紫陽花さんは、魔力に秀でているはずの大魔狼の中で、何故か魔力より霊力に優れた適性を持つ特殊個体らしい。
そのため、魔力を使う術式は得意ではないらしく、母さんと同じかそれより少し上との事。
それでも母さんレベルなら十分特級魔獣の範囲何だが、国の法律で魔力量が魔獣の強さの基準らしく、紫陽花は上級魔獣の平均レベルの魔力しか持っていなかったので、技術を加味しても最上級らしい。
それでもドラゴンと同じ魔力量何だから、人よりは何十倍も多く持っているけど。
因みに母さんは特級魔獣の平均値の五倍だそうだ、やっぱり家の親は人間じゃないよね、ここまでくると、もはやホラー通りこして喜劇だよ。
で、その紫陽花さんはこの国の前身となった耶魔大国が出来る前、未だ日ノ本に国と言う概念が無かった時代の生まれで、齢三千を優に超える、時代の生き証人。
夫の夜鷹さんも同い年で、この人(?)は、製作や調理など、家事や家事の延長のことは大体できる人だ。
二人の子供は千匹を優に超え、中には特級に至っている個体もちらほらと、そんなもの凄い魔獣が、何で家に住んで居るかというと、十年前に王位を退いた特級魔獣、魔狼王ヴォルフと日ノ本の条約による条件の一つ、ヴォルフの両親の安全確保とお互いの技術提供。
これによって、ヴォルフ側から送られて来たのが、紫陽花夫婦で、日ノ本からは父さんの母親、俺の祖母と母さんの父親、初音の祖父が、ヴォルフの元に行き、今もヴォルフの治めていた国(今はヴォルフの息子が王位に就いている)、魔狼国ルプで元気に暮らしているらしい。
向こうで国籍まで取ってしまったため、俺達とはもう繋がりがほとんどないんだけどな、未だ会ったこと無いし。
両親が言うには、二人とも菩薩までなった自分たちの師匠のような人らしい。
こっちに残った祖父母は、二十年前の災害級魔獣エアとの総力戦に参加して殉職したらしい。
ヴォルフが王位を退いたのも、その時人類側として参加していたために、エアの攻撃を、部下の十二体の特級魔獣と一緒に一手に引き受け、後遺症が残ってしまったため、未だ若い王子に譲ったと言う話だ。
当時、魔狼国は日ノ本と条約を結んでいるが、内容は数名の技術者の交換と、数か月に一度の貿易のみで、繋がりは無いに等しかった。それなのに、王自ら身を挺して日ノ本の兵を守ってくれたばかりでなく、補給物資の提供や、細かい所では、野営の見張りまで王自ら進んでしたという。
その高潔な精神に、この国の人間は感激し、ヴォルフとその部下が負傷した際、当時の天皇は自身も如来だったためか、戦場で護衛は要らぬと部下を一喝し、自身の護衛を全員ヴォルフ救出に当たらせ、自身は治療のために戦場で鎧を脱ぎ捨て、白衣に着替えてヴォルフを看病していたという。
その美譚?は戦後も本になり唄になり劇になり、戦後復旧の資金源になっていたほどらしい。
劇は今でも大人気で、どこの劇団でも演目に入るほどの王道の劇になっている、因みにジャンルは恋愛ものだ。
今、前天皇と前国王ヴォルフはモンゴルに造ってある別宅(大使館)で仲睦まじく暮らしているらしい。
晴れて自由の身になった二人は、大使館を拠点に二人でモンゴル各地を旅行しているらしかったが…………何と「おめでた」らしく、今天皇家の血筋の管理をしている宮内庁と、魔狼国の王室ですんごく揉めてるらしい、昨日紫陽花さんから聞いた。
父さんと母さんが、軽くパニック起こす位には大事らしい、なんだかんだ言ってあの二人も、価値観の根本は年相応みたいだ、何か安心した。
因みに今朝、父さんが天皇に報告した時の話をしてくれたんだが、
これは大事件である、どれくらいかって言うと「サザエさん」が、名前が変わって異能バトルハーレム系に、路線変更する位ヤバイ。
個人的に、国の頂点がそんな性格とか、悪夢以外のなにものでも無いんだけど。
一番の驚きは、魔獣と人が子供をつくれた事何だよな、異種族で子供つくれるって、色々間違ってる気がするんだよ、色々と。
「あいつら、帰ってくる頃には全員ストレスで白髪になってるんじゃないか?」
そんな事考えながら、俺が男連中の心配をすると、鮎川がちょっと黒い笑みを浮かべた。
「いや、性格が別人みたいになってるんじゃないか?」
仲間思いの鮎川が、仲間に対して黒い笑みを浮かべるとは……まさかあいつら、何かやらかしたのかな?
あいつらどうなろうと別に構わんが、家は壊さないでくれよ?
まぁ、こんな感じで、紫陽花さんの修行に対する評判は散々だが、その効果は高く、赤ん坊達はもう、人化の魔法を使えるようになり、今は夜鷹さんに人の常識を教えてもらってるところだ。
俺も一度、紫陽花さんの修行を受けようとしたが、父さんに止められた。
父さん曰く「初にはまだ早い。」とのこと、あいつらが受けてることから考えるに、体がまだ成長しきってないから受けられないのかな?
まぁ、いいか、それより荷物の受け渡しだ、新庄さんはもう初音と一緒にリビングに行ったみたいだし、俺たちも移動するか。
「新庄さん達行っちゃったし、俺達もリビングに行こう。」
「分かったよ、ほら。」
そう言って、鮎川が手を差し出して来た。
何だ、手を繋ぎたいのか?
残念だが、手を繋いだら、俺が初音にヤられる可能性が
「荷物、持ってやるよ、ここまで長かったろ?」
あ、はい。
何だか期待した俺が馬鹿みたいだな、反省反省。
「これぐらい平気だよ、預けたら修行にならないだろ?」
そう言って荷物を預けるのは断っておく。
バックの中には、花火実験用の手作りの器具と、材料が入ってるから、中身はあんまり人に見られたくないんだよ。
結構危険物がごちゃ混ぜになってるから、暴発でもしたら軽く命の危険何だけど、お袋のバックだし、そんな事は無いからなぁ。
一応危ないから、俺以外には渡さないようにしないと、まぁ鮎川は仙人だから人より頑丈なんだが、預けたら、何か負けた気分だ、うん。
何か鮎川がにやにやしてこっちを見てる、何故だ?
「そっかそっか、なら頑張れよ、男の子だもんな?」
………あっこいつ、まさか俺が鮎川の事を気遣ったとでも思ってるのか?
あながち間違ってないけど、黙ってたら言い負かされた気分になるし、無視するのが一番なんだけど、それじゃ黙ってたのと一緒だし。
くそっ予想以上に面倒だなぁ、こいつ、前世で男だった癖に、仕草はもう女子だし、考え方も引っ張られてないか?
何か姉貴面されるとムカつく。
こういう輩は、黙っているのがダメで、下手なこと言おうものなら、照れ隠しだ言い訳だと、勝手に脳内変換するから、こういう時は。
「うん、頑張るよ、か弱い女の子に、重いものは、持たせられないからな。」
笑顔で肯定だ、さりげなく、嫌味も入れられたらベスト。
おっ効果抜群、鮎川の顔が固まった。
「どうした鮎川、先に行ってるぞ?」
固まってから動かなくなった鮎川に声を掛けて、先にリビングに行くことにする。
多分、言い返そうとして言葉に詰まってるんだろ。
この位の年の女の子って、口では気遣われるのが嫌いな癖に、気遣わないと文句言う感じだからな。
前世の、親戚の女の子がそうだった………あの子ももう大学生なんだよなぁ、最後にあってから体感で十年、こっちの五年がむこうでの何年かは解らないけど、元気にやってればいいけどなぁ。
まぁ、鮎川の心情は親戚の女の子を参考にするなら、年下に気遣われてムカつく半面、女の子扱いされてうれしいって感じか。
この家に来てから、新庄さんに、そこら辺を教育されてるらしいし。
未だ口調は男っぽいけど、それも次第に治ってくだろ、これからは益々女の子になっていくに違いない。
そんな事考えながらリビングに行くと、新庄さん高橋さん多嘉山さんの三人組と、初音が談笑しているのが開けっ放しのリビングのドアから見えた。
「高橋さん、多嘉山さん、お久ぶりです。食料は何処に持っていけば良いですか?」
「ああ、それならウチも手伝うよ、地下の氷室に入れるから、こっち来て。」
そう言って談笑してた高橋さんが立ち上がって、地下の氷室まで案内してくれた。
氷室で高橋さんに手伝ってもらいながら食料をしまっていると、高橋さんが話しかけてきた。
「初君。」
「何ですか?高橋さん。」
「ウチらさ……外に戻れるんだよね?」
「高橋さん達四人は、外では死んだ扱いになっていません。前に説明した通り、人魔戦争が終わったら自由に暮らしていいですけど、それまではこの国でも安全ではありませんから。」
申しわけないけど、これから何が起こるかも解らないし、審判役のイヴの駒となった俺と神主の周りの人間ってだけで、人類側魔獣側どちらからも狙われる要因になるんだ、どちらにも関わりがある三人は危険だから、この家に来てもらってる訳で。
この家は皇居並に安全な場所だから、外に出なければ安全何だけど、神主の方は違うからな、心配なんだろう。
そんなこと考えていると、高橋さんが泣きそうな顔でこちらを見てきた。
「戦争っていつ終わるんだ?期限何て無いんだろ!?」
高橋さんは今にも泣きだしそうだ。
まぁ、状況は辛いからな、高橋さんにとって。
いきなり、スケールの大きい話題の登場人物に巻き込まれて、あれよあれよという間に、知らない空間で暮らすことになり、自分の友達を襲った人間と一緒に暮らして、そんな生活がいつ終わるかも解らない。
初音が言うにはまだ十八歳、前世で言う高校生。
こちらでは成人とは言え、まだ子供と言って良い年の女の子には、ちょっと刺激がきつ過ぎる。
「それは心配ないですよ、イヴが言うには今回、人類側が有利らしいので、大丈夫直ぐ終わります。安心してください。」
そう言って落ち着かせる。
高橋さんはまだ納得いってなさそうだが、この場は言及するのは止めてくれるらしい。
後は、新庄さん辺りが落ち着かせてくれるだろう。
その後落ち着いた高橋さんと一緒に、食料を氷室に仕舞い、一階のリビングに上がると、何やら初音と鮎川が険悪な雰囲気になってた。
「あなた、お兄ちゃんの事何も知らないくせに、お兄ちゃんの事弱いって、何様のつもり?」
ア、アカン、初音がヤバイ怒り方してる!!?
「お前こそ、年上に対して礼儀がなってないぞ?それに私より弱いのは事実だろう?」
む、確かに俺は種族進化してないから分が悪いとはいえ、五分五分だと思うぞ。
鮎川のギフトは、戦闘に極ぶりじゃないし。
というかヤバイ、この二人が本気で喧嘩したら、ここら一帯吹っ飛ぶぞ!!
「待て!二人とも喧嘩するなら裏山でしろ!ここでやったら被害が凄い。」
初音はこうなると止まらない、しょうがないから被害が少ない裏山に案内することにした。
二人は、裏山に移動する時も、仲が悪そうに言い合いをして、一触即発の雰囲気を出していた。
新庄さん達は、喧嘩するほど何とやらって言って笑ってるし、俺は今すぐにでも頭抱えて叫びたい気分だよ。
本当、どうしてこうなった。
山頂にある広場に着いて、俺が二人からある程度距離を置いた時、初音が喋り出した。
「歩、私手加減しないから。」
そう言って初音は笑った、すんごい口を開けて声を出さずに白い歯を見せつけるようにして。
………何か家の妹武闘派になってない?
いや、思い返せば前世から、そういう気質は見え隠れしてたんだけど、初音、どうやってこの喧嘩勝つつもり何だ?
「前今、私を呼ぶときは苗字でさん付けだ、教育してやる。」
何か鮎川も良い感じに怒ってるし、何なんだよ、全然ついて行けないぞ、俺。
そんな俺の気持ちをよそに、遂に二人は戦闘を始めた。
……………いつになったら花火の実験が出来るんだろうか。
今日は無理だよなぁ、二人の説教に時間が掛かる。
明らかに、喧嘩の域を超えてる攻防を繰り広げてる二人を見て、そっとため息を吐いた。
追記2017:4/10友人に、文がキツキツで読み辛いと言われたので、改行して行間開けました。