夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~ 作:リムル=嵐
私情によって執筆時間が全くなく、三月は投稿出来ませんでしたが、その分四月五月はいつもよりも投稿回数を一回増やす予定です。
「大変だったねぇ、初。」
「本当にね、まさか俺が鮎川より強いかどうかが喧嘩の原因だったなんて、はぁ。」
父さんと一緒に、夕飯を作る準備をしてると、さっきの話題になり、同情された。
結局あの後、初音と鮎川は一時間にも及ぶ喧嘩の後、初音が半泣きになった所で母さんに俺が連絡、今は女性陣全員で、俺達の家のお風呂に入ってる所だ。
俺と父さんは先に入って夕ご飯の準備をしてる。
「まさか、鎖の非常連絡機能を、こんな使い方するとは思わなかったよ、はぁ。」
そう言って父さんも溜め息を吐いた。
俺もこんな使い方するなんて驚きだよ。
母さんなんて仕事そっちのけで、直ぐに転移してきてくれたからね。
二人の喧嘩なんて、俺や新庄さん達には停められないし。
紫陽花さんを呼ぼうにも、今は修行で家には居ないからなぁ。
多分、国外のどこかに転移してるんだろう、列島からは出てないと思うけど、分かんないなぁ。
それと、事情を話して二人を見た母さんの怒りっぷりは、凄かった。
一番怒ってた所が、服を汚してた所なのがアレだが。
そんなこんなで夕方まで、二人に説教して仲直りするまで、母さんは見守ってたらしい。
その時、俺は風呂に入ってたから解らん。
最終的に仕事場に連絡を入れて強引に今日の仕事を引き揚げた母さんは、今はすっかり仲直りした二人を含めた女性陣で、お風呂に入ってる所だ。
…………これ、巫女長だから出来る事だよな、頂点の人間じゃなきゃ、組織がもたん。
二人ともやっぱり元は仲良しだったみたいで、仲直りは直ぐにしたらしい。
やっぱり子供って凄いな、大人じゃこうはいかないだろうからな。
変に意地張って関係が拗れるか悪化するか、下手したら絶交もあり得るし。
まぁ、子供はよく喧嘩するんだけど、俺?
俺はする相手と言うのが居ないからね……ボッチとか、友達がいないとか、そんな訳じゃないんだぞ、本当だからな!?
……まぁ何はともあれ、嵐が過ぎ去って一安心だ。
今思い返すと軽く命の危機だったんだよな、レアギフト持ち同士の喧嘩なんだし、俺は鎖でギフト使えないし。
………ブルッ、今更ながら、すんごい身体震えてきたぞい。
後で母さんに鎖の外し方聞いとこ。
ま、まぁ取り敢えずは、あの二人が仲直り出来たんだから、今日は初音の好物でも作りますか!
「父さん、今日はエビチャーハンにしよ、初音の大好きな卵料理尽くしで!」
「良いね、じゃあ父さんはかに玉作ろう!」
そう言って父さんも張り切って魔力コンロに鍋や焙烙(江戸時代ごろから使われてた、日本版フライパンみたいなの)をのせて、足りない材料を、式紙に買いに行かせた。
そうと決まれば、全力で作らなければ。
式紙が走って卵大量に買ってきてくれたから、色々作れそうだ。
人数が10人近いから結構な量になるが、約半分は子供だ、思ってたよりは少くて良いだろう。
デザートにプリン作るか、カスタードプリンなら簡単に作れるし、いやぁ本当、日ノ本に産まれて良かったわ、調理用の魔力機械の発明が進んでるのなんのって。
他の国は中世並なのに、食べ物関係とか、服飾関係は前世並に進んでるからな、この国。
本当日本は異世界でも日本だ、特に食べ物関係での日本の力の入れようは凄いからな。
普通は毒入りの動植物は食べないからな、誰だよ最初にフグとか、アナゴとか食べようとしたやつ、頭おかしいだろ。
今使ってる卵だって、生は日本と外国では認識に致命的なまでに齟齬が在るんだよなぁ。
映画でロッ◯ーが強くなるために、トレーニング中に生卵を食べるシーンあったけど、あれを初めて見た外国人は「卵を生!?死んじまうぞ!!」で日本人は「せめてご飯と醤油が欲しい」らしいからな、T◯it◯erの受け売りだけど。
それに、そのまま食ったら毒入りのフグとかの食材の解毒方法を調べるために、一体何人死んだんだろうなぁ。
本当日本は食べ物関係だけは常軌を逸している。
まぁ、パンダの糞のお茶とか、ゴキブリ料理とか、外国もおかしい国は色々あるけどな。
おっと、考え事してる間にチャーハンは完成したけど、父さんのかに玉は未だ掛かりそうだな、プリン先に作ってるか。
「父さん、卵後どれくらいいる?」
「こっちは使うのはもう全部避けてあるから、残りは使って良いよ。」
「ありがと。」
おっ結構減ってるけど、これならアイスも作れるな、簡単な卵アイスになるけど、途中までレシピ一緒だし。
「じゃあ、俺デザート作るから、おかずは父さんお願い。」
プリンにアイスときたら果物盛ってホイップクリーム付けたら立派なプリン・ア・ラ・モードの完成だ。
そう言えば父さん、あんなにあった卵何に使うんだ?
全部かに玉何て事はしないだろうけど。
「よっと、これでゴーヤチャンプルー完成。次は卵スープ作るか、時間ないしだしは魚介系で、後は唐揚げもいけるかな?」
何か凄い勢いで卵料理を量産してるんだけど、何あれ、いくら台所が料理店並みに広いとはいえ、一人で魔力コンロ何台も使うとか、うちの父さんは予想以上に料理好きらしい。
未だお袋が生きてた頃に、前世を懐かしんで、お袋に頼んで前世の料理作ってもらってた影響で、父さんも料理好きになっちゃったからな、お袋が死ぬまでは本当に俺は我儘なガキだったから。
父さんの仕事が休みの日は、三人でよく夕飯作ってたっけ。
父さんの作ってる姿を見てるだけで、お腹いっぱいになりそうだな、色んな意味で、うっぷ。
取り敢えず、自分の料理に専念しよう、と言っても混ぜるだけなんだけど。
その後も男二人で、女性陣がお風呂から出てくるまでずっと料理作ってた。
プリンの焼き加減を確認してる時に、後ろからいきなり抱き着かれた。
「お兄ちゃん、上がったよ~。」
我らが天使のいたずらである。
あぁぁ、背中の感触が天国なんじゃ~。
「ん、初音か、知らせてくれてありがとな、今ご飯運ぶから、皆に食堂に来るように言ってきてくれ。」
「はぁ~い。」
「父さん、チャーハンは盛り付け終わってるから、他の料理と一緒に運んでくれない、量が多くて俺じゃ無理。」
「じゃあ、初は飲み物頼むよ、麦茶が冷蔵室にあるから、作り溜めした料理を運んだ後に持ってきて。」
「分かった。」
冷蔵室とは、名前の通り冷蔵庫がそのまま部屋になったようなものであり、母さんの魔法によって作られたものの1つである。
普通は、前世のようなタイプの、魔力式の冷蔵庫が普及しているのだが、家のは母さんが魔力にものをいわせて作った超大型で、高さ3メートル縦横15メートルの巨大冷蔵庫が台所の地下に、直通の階段付きであるのだ。
更には、当然のように冷凍室もある。
此方も、母さんが魔力にものをいわせて作った、オーバーテクノロジーな感じのものなんだが、驚くなかれ、冷凍室の温度は何と-77℃、吐いた息が空気中で氷る意味不明な温度だ。
お陰で中に入るには専用の服を着なければ行けず、中の広さは高さ20メートル、縦横150メートルの超巨大冷凍室。
例えるなら、中でサッカー出来る位の大きさと言えば解るだろうか?勿論ベンチ付きで。
母さんは一体、何を冷凍する為にこんなに巨大な冷凍室を作ったのだろうか、こんなに巨大なもの何て、そうそう無いだろうに。
それにしても父さん、料理作り過ぎ、もう五往復位したんだけど、未だ半分しか運べてないじゃん。
その後も、せっせと卵料理を運び、麦茶を食堂まで運べたのは料理を運び始めてから10分後の事だった。
「あ、お兄ちゃん早く、料理冷めちゃうよ?」
食堂に着いたら初音が急かしてくる、鮎川も初音の隣で笑ってるし、傍から見たら完全に姉妹だな、鮎川の隣に居る母さんも年の離れた姉にしか見えないし、ファンタジー万歳。
他の人は俺が麦茶運んでるの見て微笑ましそうに見てるし、この世界だと俺位の歳から店で働いてる奴もいるらしいから、これが普通なんだろう。
その後皆に麦茶を配って、空いていた初音の隣の席に座ると、父さんが開始の音頭をとってくれ、皆で食べ始める。
「「「「「「「「いただきます。」」」」」」」」
その後、俺達男性陣の料理の腕前に何名かが悔しがったり、若干二名が自慢げにしてたりと、楽しい食事会が終わり、デザートを食べ終わって片付けを式紙に任せ談笑してた時、初音が爆弾を投下した。
「む~ちゃん、今日は一緒に寝よ?」
いつの間にそんなに仲良くなったんだよ、あだ名で呼ぶって、つーかあだ名が個性的すぎる、そこは母親に似たのね。
「む~ちゃん言うな、それに勝手に決めちゃダメだろ?」
鮎川もこのあだ名は嫌らしく苦笑いしてる。
一応注意してるが、それでも保護者組に期待の目を向けてるから、一緒に寝るのには賛成らしい。
大人組も話がしたいらしく、母さんが微笑みながら了承する。
「そうね、今日は皆この家に泊まるのが良いんじゃない?寝間着とかは来客用のがあるし。」
そんな感じで大人組は本人たちの意見もあり、来客用のちょっと大きめの部屋に、俺達は子供部屋に別れた。
大人組が案内された部屋は三人で使うにはちょっと広いし、多分母さんが一緒に寝るんじゃないかな?
父さんは今日は夜勤で、天皇の寝殿のある皇居の警護だし、何か夜襲訓練するって言ってたけど、一体誰の訓練なんだか。
そんなわけで、子供組は子供部屋のリビングで布団を三つ並べて雑魚寝だ。
並びは左に俺真ん中に初音右に鮎川の順番。
と言っても直ぐに寝る訳ではなく、お互いの事の情報交換をした。
鮎川は前にも聞いたが俺らとは違う世界の元貴族の奴隷で、前世は男だったと言うてんこ盛りで濃い人生を送ってたそうだ。
今世でも産まれて直ぐに母親が病で倒れ、父親は治療費を稼ぐために仕事量を増やし、鮎川は家に居る住み込みの侍女に育てられたらしい。
しかしこの鮎川のお父さん、元々准尉だったのに奥さんが倒れてからは鬼気迫る勢いで仕事にのめりこみ、一年前に将官になったワーカーホリックとのこと。
海軍所属で、元々何日か家を空けることはあったらしいが、倒れてからは帰ってくることが珍しいレベル。
そんな訳で鮎川は病気の母親を見て育ったわけだ。
問題の鮎川の母親の病気は、病名『突発性ギフト欠陥症』という病気で、それまで普通に使えていたギフトが、ある日突然暴走すると言う物。
病気を発症する原因は不明で、治す方法も今のところ発見されて無く、暴走する頻度は日に日に高まると言う難病だ。
エリクサーは服用した人間の体組織を、一度分子レベルで分解、その後最良の状態で復元と言う荒業過ぎるやり方で、病気を治す薬だ。
この薬なら鮎川の母親の病気も直せるらしい、多分魔力体と肉体の関係性に問題があるんだろう。
母さんの鎖もいけるんじゃないかと思ったが、あれはギフトを発動できないレベルまで出力を落とすものであって、暴走できなくするものじゃない、と言う事で無理だ。
だがエリクサーを創れるのは、イヴやアダムと言った本当に別次元の神のみ。
これを創る事を商売にしてる神も居るらしいが、一度に出回る量が極端な迄に少ないこともあり、軍の将官と言えど、手に入れる事は至難の技。
その為今は、国営の病院の隔離病棟に入院してる状態らしい。
そんな時にアダムから『母親を助けたければ我に従え』みたいなこと言われれば、そりゃ何だってするだろう。
そんなこんなで、アダムの手となり足となり、色んな事をやらされ、まだ子供なのに仙人に至る迄になり、途中で見付けたあの五人を仲間にして、最後は神社を襲う迄になったと言う訳だ。
同情しか湧かない位の、不憫な人生を歩んでるなぁ。
しかも父親は、鮎川がこんなことしてたなんて、知らなかったみたいで、まぁ、知ってたら止めるだろうけど。
父さんが鮎川の父親を呼び出して話を聴くと、何と鮎川が何かをしてたのすら把握出来ていなかった様で、鮎川が仙人になってる事すら初耳だったそうだ。
それを聴いた父さんは鮎川の父親のネグレクトに激怒してしまい。
父さんは鮎川の父親を一発ぶん殴って、鮎川を家で一時的に引き取る事を無理矢理納得させたらしい。
他の男五人も、軍関係の三人を呼び出し、子供が神社襲撃の罪を負った事と、内密に死刑にならないよう処理するからと、家に匿わせる事を納得させた。
この話は鮎川は初耳らしく、安堵の溜め息を吐いていた。
父さんから、俺から言うように言われてたから、当たり前だけど。
父さん、初対面の時に鮎川泣かせたことを、未だ気にしているらしく、あまり鮎川に関わろうとしていないんだよな、本人は気にしてないのに。
まぁ、一番の問題はあのピカピカの実の能力の男だ。
あいつは前今と犬猿の仲の藤原の直系、話し合いは揉めに揉めて、話し合いに立ち会ってた天皇が止めなければ、そのまま殺しに発展してたかもしれない位だったらしい。
この話は母さんから聞いたが、母さんはその話し合いに、巫女長の立場で天皇の隣にいて、話を聴いていたようだ。
本人は「あの時のりゅう君怖かったな~。」とのこと。
どうでもいいが、母さんは父さんの呼び方がコロコロ変わるのは、どうしてなのだろうか結構な謎だ。
とまぁ、そんな揉め事が起こったけど、何とか家に匿うことは出来たと言うか、そこで一つ問題が出てしまった。
何とピカピカ野郎、藤原の当主から絶縁を言い渡されたらしく、行くところが無くなったしまったらしい。
今は家に居候扱いで居るが、戦争が終わるまでの期限つきなので、今は軍に入るべく修行とこの世界の知識を学んでいる所だ。
ここまでが俺と鮎川の出した情報、ここからが初音の出す情報だ。
初音は俺が修行してる間、母さんの職場に付いていくことがあるんだけど、そこで聞いた噂が、俺らに関わっている。
曰く、
いたずら者が夜歩いていた時に襲われた。
等のいたずら者が被害に遭うものから、いたずら者が神社を襲撃した。
いたずら者が反政府組織を創っている、等の色々いたずら者が加害者の噂も結構流れていて、実際被害に遭った人がいるらしい。
小さな子供も被害に遭ったケースがあるらしく、俺達も外に出る時はバレないよう、気を付けなければいけなくなった。
まぁ、俺達三人で一番気をつけなきゃダメなのは、修行とか言って、森とかに放り出される俺な訳なんだけど。
鮎川だって、母親のお見舞いに行きたいだろうし、話し合いの結果、子供一人で家の外に出るのは止める事になった。
成人したいたずら者が倒されるレベルって、結構な手練れが、複数人って可能性もあるからな、用心に越したことはないだろ。
居候の、成人間近の馬鹿五人衆思い出すと、弱そうに見えるけど、成人の戦闘系のギフト持ち、それもいたずら者は滅茶苦茶強いらしいからな。
十日までにもう一話上げる予定です。
追記2017:4/10友人に、文がキツキツで読み辛いと言われたので、改行して行間開けました。