夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~ 作:リムル=嵐
「誕生日おめでとう
「麗奈お母さんにも子供が居てね、年は初の二つ下でまだ三歳なんだ、今日からお兄ちゃんになるけど、初なら大丈夫って、お父さん信じてるからな?」
俺は、今日の出会いを一生忘れないだろうと、目の前の2m近い顔に傷のある男、父親
俺が何の反応も取らないから父さんが慌てたように言葉を発した。
「やっぱり、いきなりで怒ってるかい?サプライズの方が喜ぶと思ったんだが。」
父さん………そのサプライズは間違ってるよ……
「それで、実はこれから二人に会う予定なんだよ、家族で外食って久しぶりだね?」
「父さん…理由は分かったしサプライズもうれしいけど、今度から前もって話してね?」
「分かったよ初、時間も無いからすぐに移動しよう、女の人を待たせるのはカッコ悪いからね。」
この親、絶対に話聞いてないな、俺のお願いを上の空で聞き流したし、今も速く行きたいのかそわそわしてるし、どれだけ麗奈さんが好きなんだよこの人。
まぁ、俺もこれから妹になるあいつの事を考えると似たようなものだし、人の事言えないんだけどな。
「分かったよ父さん、僕もカッコ悪いのは嫌だから速く行こう!!」
そう言って父さんと一緒に身体強化魔法を使って移動しながら俺は、この世界に来る前、転生原因になった、あの時のことを思い出していた。
「久しぶりにここに来たな、あそこの鳥居でお前と出会ったんだっけ。」
「えぇ、本当に懐かしいわ、二人とも道に迷って、鳥居の前で地図を広げてたあなたに、私が声をかけたのよね。」
あれは京都に嫁と二人きりで旅行に来たときだった、俺と嫁は二人で伏見稲荷神社に来ていて、平日だったこともあり人が少ない境内を散策していた時だった。
「キャーー!?引ったくりよ、誰か捕まえて!!!」
いかにも金持ってますって感じのおばさんから、高そうなバッグを奪ってこっちに向かってきている引ったくりが、
最後に見えた景色は、引ったくりに捕まえられて人質にされている嫁の泣き顔だった。
俺は引ったくりのことを殺してやりたいほど恨んだ、何で病気の事から立ち直ってこれからって時に幸せを奪うんだと。
その思いが無かったらあの時、神は動かなかったし、自分は転生することはなかっただろう。
気が付くとよく解らない空間にいて、その空間の住人らしき二人のうち、雰囲気が只者ではない(もう一人も雰囲気が浮世離れしてた)中性的な顔立ちの、10歳位の美少年に話しかけられた。
「やぁ、君が
最初に声を聞いた時は耳を疑った、自分の名前を言ったであろう部分だけ聞こえなかったこともあるが、それ以上に、その月詠と名乗る少年の声は
そして妙な納得感があった、あぁ、
結論を言うなら俺はその後、自分のすぐ後に俺を追うように自殺した(一週間は頑張ったから誉めてほしいと言われた)嫁に再会し、喜ぶより先に自殺したことに対する怒りで、その場で説教をし。
その後神様に言われるがままに二人で転生特典と転生する世界やその他諸々を決め、次の世界でまた会えるようにと運命を弄ってもらい、あれよあれよという間に時間になり転生して、早5年、やっと彼女と再開出来る。
まぁ、特典を決める時や運命を弄る時にちょっとしたハプニングがあったりしたがそれはまた別の話。
今は彼女と再開して何を話すかで頭が一杯だ。
「初、もうすぐ着くからここで魔法を切っておこう、初?聞いているかい?」
「聞こえてるよ父さん、魔法を切ればいいんだよね、それでどこに店があるの?周りは住宅街だよ?」
考え事している間に隣町まで走ってるってやっぱり魔法って凄いって改めて思い知らされる。
それにしても住宅街にある店とは…何か隠れ家みたいなのを想像してテンションが上がってくるな。
「あぁ、近くにあるはずだ、実は父さんも来たことが無くてね、麗奈にその店が良いと言われたんだよ、住所はこのあたりのはずなんだ……っとあったあった、あの黄色い屋根の家だ、速く行こう、もう時間ギリギリだ。」
結構遠くにある黄色の屋根を見ながらそういうと、父さんは俺の体を抱きかかえて……って!?
「ちょっと待って父さん、まだ心の準備が。」
ちょ、ま、待て、待って、魔法発動しないで、それ空間跳躍やん、失敗すると体バラバラになる奴やん、成功しても転移者の体に掛かる衝撃で俺気絶するやん、しかもこの前、
「しっかり捕まっていてね。」
その声が聞こえた瞬間完成した魔法の衝撃で、俺は気を失った………起きたら、一発ぶん殴ってやる。
「あ、気が付いたかい。」
気が付いたら、目の前に黒焦げになりながら正座させられている敵が、よし殴ろう。
「ちょっま、何でいきなり身体強化mぶベら!!?」
「父さん、息子を誕生日に殺そうとするなんて、酷いよ。」
魔法ってすげー(棒)人が吹っ飛んで部屋の壁が壊れた。
あ、壊れた壁の向こうから店員さんがこっち見てる、すんません弁償なら父さんがするんで、これでも国軍のトップだから金はありますよ。
今さらながらこの部屋って結構広いな、学校の教室位ある、VIPルームってやつか、日ノ本は和風って感じなのにこの部屋は前世で言う中華っぽい感じの豪華な部屋だ。
………今さらながら、壊した壁に対する罪悪感がやばい。
「まぁまぁ、私が後でお仕置きしておくから、お父さん許してあげて?」
そう言って部屋の壁を複合魔法で直して店員さんに感謝されているのは(俺からもありがとうございます後、壁壊してごめんなさい)、見た目10代半ばの25歳、今日から俺の母親になる麗奈さん、言っちゃ悪いが、はっきり言って年齢詐欺だ。
ついでに言うなら
だってよく考えてほしい、この世界、見た目「とあるに出てくる
前世じゃ考えられない光景だ、さらに言うならこの夫婦、見た目が犯罪なのだ、二人で歩いてたら警察呼ばれるくらい(実際あったらしい)。
考えてみてほしい、2mに迫る身長に加えて、元々強面だった顔に瞼から頬にかけての大きな傷のある男と、見た目14、5才位の美女(美少女?)が歩いている光景を…………事案だろ?
「え?もう十分お仕置きはされたんじゃぁ。」
おう、父さん回復速いな、一応全力で殴ったんだよ?前世だったら木を真っ二つにできる自信がある。
今世ではどうなんだって?ハッハッハ、この世界の木は国一つ滅ぼせるんだぜ、はっきり言って魔獣なんかより木の方が脅威だ。
根を張って周囲一帯の水を枯らしたり(川も湖も関係なく枯らす)、光合成で光エネルギー貯めてポ◯モンよろしくソーラービーム連射して、辺り一帯焼き払ったり(半径20kmの地面ガラス状)、食獣植物が国一つ食い尽くしたり(その後討伐されていない)。
普通の木でも下手な金属より優秀だったり。
◯魂の坂田◯時みたいな木刀で真剣相手に大立ち回りしたりできる、というより真剣より木刀の方が、軍では普及してる(魔力の伝導率の関係で真剣より木刀の方が伝導率が高い)。
さらに言うなら、この世界の武器の性能は、魔力の伝導率で決まると言っても過言ではない、武器の切れ味や破壊力なんかは魔法でどうとでも出来てしまうから、どれだけ鈍らな刀でも魔力伝導率が良ければ名刀になってしまう世界なのだ。
「そんな事より、私たちの自己紹介が未だだわ、お誕生日おめでとう初君、私の名前は麗奈、苗字は今日からあなたと同じ
そう言ってお母さん(麗奈さん)が振り向いた先には
おう、比喩だが比喩じゃないぞ(錯乱)。
母親に似た綺麗な黒髪を肩下のロング手前辺りまで伸ばして、これまた母親譲りの整ったあどけなあさの残る顔立ち、それなのに異質なまでに目立つ
「お誕生日おめでとうございますお兄様。
……………あぁ、やっと出会えた、苦節5年、やっと前世の俺の嫁であり、今世の義妹である初音にやっと出会えた、この5年間、色々あった(家を抜け出して魔獣と戦ったり、それがばれて父さんに精神攻撃されたりその他諸々)。
…父さん、いくら肉体がまだ子供で、物理的なお仕置きが出来ないからって、毎晩悪夢はないでしょ(4日目で親に土下座した)。
因みに、俺が転生者だっていうことはもう父さんに話している、この世界ではそういう事はたまにあるそうだ。
因みにこの世界では、転生者は
何でそう呼ばれているのかはいずれ、身をもって体感するから今は内緒とのこと。
おっと、考えすぎてたお母さんがこっち見てる。
「ごめん、ちょっとぼーっとしちゃって、俺は初、今日で5歳になる、これからよろしくな、後、二人とも祝ってくれてありがとう。」
「うん、二人ともやっぱり年の割に挨拶が上手ね、挨拶も終わったからご飯食べましょう、ここの麻婆豆腐は絶品なのよ♪」
そういって小皿にとって出された麻婆豆腐は激辛なんてこともなく確かにうまかった(子供用の甘口)、お母さんはこの世の苦痛を地獄の釜で煮込んで煉獄を体現したかのような灼熱の麻婆豆腐を、父親に笑いながら食べさせてる(お母さんには絶対に逆らわないって決めた)。
父親が麻婆豆腐食べてはあまりの辛さに気絶して、母親に魔法で無理やり起こされてからのエンドレス耐久レースをしているのを視界の外に追いやって飯を食べていると嫁が...初音が話しかけてきた。
「お兄さ「そのお兄様って堅苦しいから別の呼び方で」……じゃあ、兄さん「よっしゃ!!義妹の兄さん呼び来たこれ!!!」…初音の話、ちゃんと聞いてね?兄さん(黒笑)」
「ア、ハイ(恐怖)」
怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、おれの義妹が今世の母親に似て怖くなってるんだけど。
「それで兄さん、もしかして、いたずら者?」
おぅふ、相変わらず義妹は直球ですな。
ならば俺も直球で返しますぞ!!
「あぁ、そうだけど、君m「初音って呼んでほしいな?」……初音もいたずら者だろ?」
「うん、そうだよ兄さん、私、お兄ちゃんについてもっと知りたいの、教えて?(上目使い)」
あざとい、この義妹あざといよ!?何この可愛さ、もはや罪だろ?
良かろう、そんなに知りたいなら教えてやろう!!!
~~10分後~~
「やっぱり、兄さんが私の夫だったのね……そっか、そうだよね」
そう言いながら初音は
何か思いつめたように顔を伏せた初音のことが気になってどうしたのか話しかけてしまった。
「どうかしたのか?また会えたんだ、今は再会を喜ぼう、それに一緒に暮らせるようになったんだ、もう離れ離れになんてなるつもりはないからな!!」
因みに今、母さんは麻婆豆腐と酒の飲みすぎで倒れた父さんを介抱するついでに、二人で外に軽い散歩だ。
母さんも結構酔ってたから、酔いを醒まして来れば良いけど。
「それは私も同じ気持ちよ?でも、やっと実感が持てたの。ここは異世界で、私たちは前世の記憶を持ってて、あの夢みたいな場所の出来事が本当に夢じゃなくて(多分転生するときにいたあの空間の事)。」
「前世とこの世界が違いすぎて、実感が持てなかったの、でも、
そっか、そうだったんだな、確かに俺が実感が持てたのも、今世のおふくろ(生みの親)が去年死んだときだもんな、あんときは泣いたなぁぁ、葬式終わった後もずっと泣いてた。
その後この世界は夢なんかじゃない、本当の世界なんだって実感が持てたんだ。
「ありがとね、お兄ちゃん、お兄ちゃんのおかげでやっと私、この世界に来たような気がする。」
何かまた呼び方が変わってるけどこれは多分、実感が持てたおかげで精神と肉体が合致した結果だろう。
そのせいで義妹様の精神年齢が変わってるけど些細な問題だ。
「そっか、俺もお前と出会えて良かったよ、もう二度と、あの時みたいなことにはならないって誓うよ。」
俺はそのために力を手に入れたんだから、もうあの時の二の舞にはならない、今度こそ初音を守って見せる。
俺の言葉を聞いていた初音が嬉しそうに笑うと、突然無表情になり
「………そう言えば、お兄ちゃんって前世でも倍率高かったし今世でも……いや最初から私がいるんだから私が………」
何かいきなりブツブツ呟き初めて凄い怖いんだけど、何?
俺の義妹はいつの間にヤンデレにクラスチェンジしたんですかね?
前世ではクーデレだったはず、何かこの世界であったのかね、気になるな。
「なぁ、初音、俺のことは話したけど、今世でのお前の事俺話して貰って「私のことは良いの!!!」ひゃっひゃい!?」
やべぇ驚いて変な声でたすげぇ恥ずかしいんだけど。
「お兄ちゃん★、お願いがあるの、聞いてくれる?(微笑)」
あ、やばいこれ前世でもあったパターンだ、絶対この義妹様は何か企んでやがる、それも俺に影響を及ぼす方面で。
「な、何かな?(苦笑)」
やばい何とかしないと俺のストレスがマッハだこの年で禿とか嫌だぞ俺。
どうする?何か良い手はないか…うん、無いな(キッパリ)、前世で俺より頭の良かった義妹様が考えた策なんて何とかできる訳がない。
考えるべきは、どう被害を逸らすかだ、うん。
「お兄ちゃん、この後お食事が終わったらお兄ちゃんの家に行くことになってたんだけど知ってる?」
いんや、初耳ですわ、父さんめ、今日の夜は寝かさないぞ♪(悪夢で)
一度、あの親とは決着を付けねばなるまい、報・連・相も出来ないとは社会人失格だ。
「いいや、今初めて聞いたよ、というかこの食事も直前に教えられたし。」
「そうだったの…じゃあ、私とお母さんがこれからはお兄ちゃんの家で暮らすって事も知らな「マジッすか!!?」ええ、マジよ」
あの親一週間は悪夢で寝かせないからな。
それにしても最近妙に親が俺を家の外に出すことが多いと思ったらなるほど引っ越しの準備だったわけね。
ただの模様替え(父さんが付いた嘘)じゃなかったんだな。
「あの親は後で地獄(夢の中で)を見せるとして、これからは一緒に暮らすのかよろしくな?」
いやぁ、こんな早く義妹と一つ屋根の下一緒に暮らせるなんて、嬉しい限りだ。
もう何日か掛かると思ってたからな。
「うん、よろしくね!!お兄ちゃん、それでお願いなんだけど、今日は私と一緒に寝てくれない?」
これまた妙なお願いだ、まぁ、5年ぶり(向こうから見たら3年ぶり)の再会なんだ話したいことも山ほどあるだろう。
「分かった、じゃあ、二人で両親を説得しなきゃ「話は聞かせてもらった!!!」ファ!!?アイエ~~父さん、父さん何で!?というか、何時からそこに!?」
声をした方向に振り返ると、酔っぱらっていた父さんが、すっかり酔いが醒めた状態で個室のドアの前に立ってた。
父さんの後ろを見ると頭抱えた母さんが....あぁ、何時もの悪乗りか。
「やっぱり、お兄ちゃんが私の~~……辺りか「一番最初じゃねぇか!?」…話は聞かせてもらったぞ息子よ!」
頭抱えてた母親も、いつの間にか初音のことを抱きしめながら。
「初音、やっと好きな人が見つかったのね、本当に良かったわ」
とか言って泣き始めるし、あぁ、初音も親に前世のことを話してたのか。
「初、初音がそうなんだね」
父親が元のテンションで話しかけてきた、すぐに戻るなら最初からふざけるなと言いたい。
だけど、こちらを優しい眼差しで見ている父親に言えるはずもなく。
「あぁ、初音がそうなんだ。」
としか返せなかった、その後は店の会計を済ませ外に出た後、母親の魔法で俺の家まで文字通り飛んで帰った。
「お兄ちゃん。」
お母さんの魔法で空を飛んでいる時に初音が話しかけてきた。
「何だ?初音。」
いやぁ風に髪を揺らしている姿も良いね!!
「これからは、
……………あぁ、
一応、最終回っぽいですがこれで終わりじゃないです、はい。
まだまだ初と初音の異世界生活は始まったばっかりですのでこれからもこの作品をよろしくお願いいたしますm(__)m。
追記2017:4/8友人に文がキツキツで読み辛いと言われたので、改行したりして行間開けました。