夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~   作:リムル=嵐

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やっと仕上がりました。



九話 天皇様のいぢわる!

「失礼しまーす。」

 

叔父さんに開けてもらった扉の先を見ると、大量の資料に埋った人を発見した。

抜け出せないのか、埋まっていなかった左腕を、助けを求めるように動かしている。

 

「う~ん、う~~ん。」

 

何か怖いのでその場で観察してみる。

 

「誰かー、居ないの~?」

 

くぐもってるけど、声からして女の人かな?

 

「ねぇ、居るんでしょ~、扉開いたの気づいてるのよぉ。速く助けて~。」

 

むぅ、聞いたことのない声。

 

また新キャラか、最近多いよね、キャラ出すのは良いけど、直ぐにキャラが空気になる小説。

 

そんな事考えていると、初音が鮎川と一緒に女の人を引き上げていた。

 

「い、痛い痛い、ちょ、強く引っ張り過ぎ。イタタタ。」

 

引き上がってきたのは、うん、普通の人やね。

 

あからさまに年齢詐欺とか、外人とかそう言うんじゃなく、普通の丸眼鏡掛けた女の人やね、うん。

 

「ケホッケホッ。ありがとね、助けてくれて。あなたたちはこの部活の見学よね?」

 

「ええ、ここは軍事理論研究部で良いんですよね。」

 

そう言った鮎川の質問が気になって、回りを見渡す。

 

ふむ、特に異常は無いな、俺達以外()()()()()教室だけど……………!?

 

俺達が入学した学部って、()()()()()()()だったよな?

 

「ええ、そうよ。ここの学部に入る人間なら、人気になってても良い部活何だけどね。」

 

そう言って、女の人が教室を見回したのに釣られて初音も教室を見て、おかしい事に気付いたみたいだ。

 

「それにしては、何か、人が少ないような気がするんですけど。」

 

「こっちは座学が基本で、冒険部がある運動系とか魔術研究とかに人が流れちゃってね。ここでする事って勉強の延長だから、人が来ないのよねぇ。贋哉先生が入り口で見張っているのもあるんだけど。」

 

そう言った後、せき込んで若干涙目になってる女の人が自己紹介してくれた。

 

「私の名前は五十嵐 美波(いがらし みなみ)って言うの、この部活の主任顧問よ、よろしくね。」

 

「よろしくです。」

 

初音は元気があって良いなぁ。

 

俺、何かもう厄介ごとの空気で逃げたいんだけど。

 

「ところで先生、ここって具体的にはどんな事するんですか?」

 

くっ、鮎川もこの空気は感じ取れないか!!

 

大体、扉開けた瞬間に人が資料に埋まってるとか、普通ありえないだろ!?

 

「俺達、実を言うと天草先生と知り合いで、何となくで入っただけなので、その。」

 

俺が申し訳なさそうな顔をして言うと、五十嵐さんはめっちゃ悲しそうな目で見てきた。

 

「そうだったの、もしかしてだけど、魔術理論の所に行く予定だったでしょ?」

 

「それは、まぁ、はい。」

 

う、何でこの世界の人達って分かりやすい人ばっかなのかなぁ!!?

 

罪悪感が、ウゴゴ。

 

「良いじゃん、見てこうよお兄ちゃん。時間はあるんだし、いろんなところ見た方が良いって。」

 

いや、だがな初音よ、この部活は地雷臭いんだけ「初、私は入るところ決まってないから、ここ見たいんだけど、ダメ?」

 

鮎川まで…………………………………………

 

「もしよかったら、三十分で良いから、時間くれない?」

 

グヌヌええい、何でこう、俺が悪役みたいな、俺は間違ってないだろ!!

 

 

「ダメ、かしら?」

 

…………あぁ、うん。

もう、どうにでもなれ、うん。

 

「まぁ、少しで良いなら、お邪魔させてもらいます、はい。」

 

くそう、三人して喜びやがって。

 

でも、直ぐに教室を出たら叔父さんが悲しむからな、仕方ないのだ、うん。

 

その後、初音が気に入っちゃって三十分の予定が一時間まで伸びたのは余談である。

 

 

 

 

~その日のお昼~

 

「はぁ、結局魔術理論とか菜園とか行ったけど、どこも知ってる奴らばっかで、内容も紫陽花さんや夜鷹さんに聞けばわかる事そうだし、医療は専門用語多すぎて、ついて行けん。」

 

あの後、他の部活も見て回ったのは良いけど、結局軍事理論研究部に初音と二人で入ることになった。

 

鮎川は何と、医療に入るらしい。

 

まぁ、部内の成績最優等生に『エリクサーの酒造をしている少彦名の神社に酒造見学に行ける』なんて出されたら、そりゃ入部するだろうよ、うん。

 

おかげで他にもエリクサー目当ての人間が入部して、医療部はエリクサーを取り合う奴らによる阿鼻叫喚の地獄絵図。

 

まぁ、俺には関係ないから、良いんだけど。

 

「でも、む~ちゃんは良かったんじゃない?もしかしたら来年には、お母さん病気治せるかもしれないんだし。」

 

そう言って香辛蕎麦を食べる初音。

 

今俺達は学食に居る。

 

学食は寮ではなく校舎の西側を、一階から三階までをぶち抜いており、西側を大きな透明のガラスで光を取り入れる形になっている。

 

三階までぶち抜いてるから、席は結構な余裕があるので混雑はないだろう、値段は普通だけど。

 

つか、あのガラスどうやって作ったんだ?

繋ぎ目があるから、一枚ではないんだろうけど、それでもあんな大きさで、ピッタリ大きさが合うように、大量に同じ大きさのガラスを製造するとか、前世並かそれ以上だぞ?

何かそっち系統のギフトでも居るんだろうか?

 

「だけど、流石にあの人数で最優等生になるなんて、難しいと思うわよ?」

 

「それでも、アイツならやれると思いますよ。執念だけは日ノ本でも最強格ですしね、咲さん。」

 

そう言って石狩鍋食べてる咲さんの方を見る。

 

もう、寒くない季節なのに石狩鍋とか、一人前なのは良いけど、見てるだけで熱いわ。

 

因みに俺はオムライス、普通に旨いっす。

 

味は普通とは言えこの学食、値段はともかく料理の種類が凄いぞ、お品書きが分厚いんだけど。

 

いや本当に、こんな分厚いお品書き見たことないぞ?

しかも前世と違って写真が滅茶苦茶高価だから、料理名と値段しか書いてないのにこの分厚さ、食材の保存も前世程良いって訳じゃないんだけどな、冷蔵庫擬きとかがあるだけだし。

 

日ノ本の食に対するこの貪欲さは一体ウゴゴ

 

「そう言えば、何で咲さんがお兄ちゃんに興味持ってるの?」

 

初音、それは今更過ぎる疑問だろ。

 

「あぁ、それはだって、私たちの想い人が舎弟みたいになってるんだもの、気になるに決まってるでしょ?」

 

いや、あいつらは舎弟じゃなくて友達何だけど。

 

向こうがなぜかこっちの事を立てまくるだけで。

 

「それはまぁ、理解できるけど、でも私何も相談されてないんだけど…………お兄ちゃん?」

 

「えっとだな、」

 

忘れてた何て言えないだろ。

いや、どうせバレる位なら正直に話すか?

 

何で話忘れた一時間前の俺よ、恨むぞ?

出来るだけ、初音を怒らせないように説明しながら一時間前の事を思い出した。

 

 

 

~一時間前~

 

 

 

「時間だ、全員入部届を提出してくれ。提出した生徒から帰って良いぞ。」

 

その言葉に皆が教卓に入部届を置きに動く。

 

皆もう大体の部活を周り、自分が行きたい所を決めたらしい。

 

「拓也、来て。」

 

「銅次兄、私たちも行こ、先生待ってるよ。」

 

「じゃあ今前君、私達も行こっか?」

 

女性陣の言葉に大人しく動くしかない、俺を含めた男共、何かなぁ。

 

「あ、お兄ちゃん、一緒にお昼……………………その人誰?」

 

ゲッ!?

 

「えっとだな、この人は」

 

「私は鐵咲、今前君と同じ組で、銅次のお姉ちゃんなの、貴女は?」

 

説明しようと思ったら、咲さんに先越されてしまったでゴザル。

初音も今の咲さんの言葉に納得したのか、自己紹介をしている。

 

「そうだったんですか。私は、」

 

はぁ、良かった。

鐵…………銅次の姉って聞いて納得してくれたみたいだ。

 

二人が話している所に話しかける。

取り敢えず、廊下で立ち話もあれだから食堂にでも移動しよう。

ちょっと距離あるけど、昼飯の時間だしな。

 

………昼と言えば、鮎川は来るんだろうか、奢ってもらう約束してたようn?

 

うん?

何か俺の足元に紙切れが。

 

えっと何々、《咲がいるとか聞いてない。私先に帰るから、初音に言っといて》?

 

「…………………あいつ、逃げたな。」

 

これはあれだ、お茶とか言ってたが、絶対に高いの奢らせるからな。

この国だと魚系が一番高いな、刺身にするか?

いや、寿司にしよう、そっちの方が高そうだし、値段の割に量が少ないから沢山頼めるぞい!

 

クックック、逃げた事後悔させてやる。

 

どうせあいつ、鮎川中将からたんまりお小遣い貰ってるんだし。

 

中将はお手伝いさん経由でお小遣いをずっと渡してたみたいだ。

いくら忙しいからってそれぐらい手渡し出来たろうに、どんだけ切羽詰まってたか分かるな。

 

まぁ、鮎川はその金で玩具じゃなく、鐵の鍛冶設備だったり、四人の隠れ家だったりを工面してたそうだけど。

 

……………自分より年下の幼女に生活の面倒見てもらうとか、今度からあいつらの修行は手加減要らないな、今まではテューポーンだけだったけど、力も追加でやってみるか。

 

あいつら結構強くなってるし、そろそろ上げる頃合いだし、ここら辺でちょっと一回地獄を見せ

 

「ちょっと……ちゃん。お兄…!お兄ちゃん!?」

 

ん?

 

「何だ初音、何かあったか?」

 

考えすぎていたみたいだな、二人とも打ち解けてるし、結局廊下で話してたな。

 

「お腹空いたから食堂行こうよ、咲さんが奢ってくれるって。」

 

「え!?いや、咲さんに悪いだろ。」

 

昨日、自己紹介で初めて知ったような人に奢ってもらうなんて、申し訳なさすぎるだろ。

 

つか、初音は今会ったばっかなのに、こんなに歯に着せぬ感じで良いのかね?

 

我が妹ながら厚かましいと言うか、何と言うか、自由な御人である方で。

 

「良いのよ、こっちも訳ありでお金なら有るし。それに二人とも外見年齢考えて?払わないと私が居た堪れないわ。」

 

む、外見年齢を出されると何も言えなくなるんだけど、こっちは五歳と四歳だし、咲さんは十六歳だもんな。

 

ううむ、この国だと成人してる歳だし、大人と子供な訳だしな、顔を立てるって意味でも、でも申し訳ないしなぁ。

 

「そんな申し訳ないなら、私のお願い聞いてくれる代わりに、奢りでどう?」

 

………………むぅ。

 

「それなら、ありがとうございます。」

 

未だちょっと申し訳ないけど、この後の展開予想出来るしなぁ。

滅茶苦茶疲れるだろうし、何で俺が狙われてんだってなるけど、納得できないことはないし。

 

《腹が減っては戦は出来ぬ》って言うし、腹ごしらえに食堂行きますか!

 

 

 

~現在~

 

「と言う訳なんだ、だから忘れた訳では無くて、鮎川の前で名前を出すのはちょっとな、念話だと鮎川に気付かれるし、出来なかったんだよ、本当にごめん。」

 

ってな事があったんだよな、初音に話すこと全然考えてなかったわ、いやぁ、失敗失敗。

 

「お兄ちゃん、今日は私の部屋ね。」

 

「は?あのな、それは同じ部屋の人に迷わ「む~ちゃんだから大丈夫。」お前なぁ。」

 

こっちの部屋なら未だしも、何で俺が女子のエリアに、他の人間に見つかったらアウト何だけど。

ここは何としても断らなければ。

 

「返事は?」

 

「あ、ハイ。」

 

怖くて断る選択肢がないんですけど、コワイ。

 

「アハハ、二人とも仲が良いわね。兄妹仲が良いのは良い事なのよ?」

 

咲さん笑ってる場合ではないですよ、止めてくれなきゃ、男が女子寮エリアに行っちゃったら駄目でしょう?

 

「そんな、おしどり夫婦だなんて、照れちゃう♪」

 

あぁ、初音が変なスイッチ入っちゃったよ、この状態になると手に負えないんだよなぁ、人の話聞かないって意味で。

 

いや、何時も手に負えないっちゃ手に負えないけども。

 

「初君、朝言ったことなんだけどね?本当は模擬戦だったんだけど………ちょっと予定変更して、私たちの話することにしました!」

 

「???どうしたんですかいきなり。」

 

どういう事だ?

もしかして戦闘回避できる?

 

いよっしゃぁ~~~!!!

 

「元々は、銅次が下手に出てる子供だから、ちょっと実力確かめようって考えてたんだけど...貴方の妹を見て考えが変わったわ。初音ちゃん、凄い歪な魂してるわね?しかも貴方との間に誓約が凄い数在るじゃない。」

 

!!!?!?

ッッッッッな!?

 

「ちょっと待て!?何でむぐっ!!?」

 

!?

初音よ、何で俺の口塞ぐんだよ!!

 

思わず初音の方に視線を向けるが、初音が無表情で魔力解放してたから、取り敢えず黙る。

 

いい加減切れると魔力が駄々洩れになる癖、直した方が良いだろ、初音の周りの景色が歪んでる。

 

「まぁまぁ、落ち着いてよお兄ちゃん。焦っても仕方ないよ。咲さん、何で私たちの事知ってるの?もしかしてそう言うギフト?」

 

何て言う説得力のない言葉、お前が落ち着けよ、いや、行っても無駄だから言わないけど。

 

「違うわよ、ギフトじゃないわ。私のギフトはガルダだけよ?順を追って話すから、殺気立たないで落ち着きなさい。」

 

そう言って俺達三人の周りに結界を張り、「ここから先は内緒よ?」と言って話し始めた。

 

「私たちは、天皇様に雇われたのよ、非公式組織としてね。」

 

「それと私達の素性を知ってるの、何の関係があるの?」

 

初音、未だ殺気だってるよ、いや、俺もまたいきなりの展開で追い付いて無いんだけどね?

 

去年は誕生日にドッキリの後、神社で厄介事に巻き込まれるなんて目にあったけど、今年は入学まで平和だったんだぞ?

 

あれか、転生前に月詠に少しだけ刺激が欲しい何て言ったのがいけなかったのか?

 

でも、あれやぞ、転生後の世界がこんな世紀末とか聴いてなかったからな、前世と同じくらいの世界って言ってたからな?

 

俺は悪くねぇ!!

 

「非公式組織の目的は、あなた達イヴ様の眷属の監視よ、審判役がどんな人間か、見極める人間が必要だったの。」

 

えっと、つまりイヴの眷属がどんな人間か解らないから、ある程度基準を越えた人間を雇ったと。

 

……………………………………………………

 

「審判役は並大抵の存在じゃないから、最低でも種族進化してる人。それも貴方達の両親から横やりの入らない人。軍属でも無くて、巫女連からも距離を取ってる種族進化してる人なんて、国の外に居る人位よ。」

 

…………………成る程、嘘だな。

 

いや、咲さんが嘘吐いてるんじゃなくて、天皇が嘘吐いてるって事。

 

だって俺、天皇と会った事あるし、鮎川もイヴの眷属で二番目に年長者、一条先生と一緒に眷属の事と人魔戦争の事話すために城に一度登城してる。

 

初音は母さんの職場復帰の時に連れてかれて、天皇が遊んでくれたって言ってたし、俺達の人となりは知ってる筈だ。

 

つまり、人となりを見るって理由で咲さん達を騙してまで俺達を見張る理由が有ったと。

 

これで父さん達の過保護だったら笑い話何だけど、どうなんだろ。

 

「私達の事詳しく知ってる理由にはならないんだけど。」

 

初音も天皇の真意を考えてるな。

 

まだ、俺達の誓約の事聴いてないし。

 

あれは、それこそ種族進化してるような奴でも、見える事も触れる事も無い、この世界からすれば、認識することすら出来ないレベルの上位神の能力の筈だ。

 

分かるとすれば、イヴと同じレベルの神格、それも()()()()()特化の神じゃなきゃ分からないって、月詠が言ってた筈だから。

 

じゃあ、一体誰だ?

イヴが教えたか?

それとも新しい神?

 

「私があなた達の事詳しく知ってるのは、天皇様が詳しい資料作ってたからよ。私達に求められてるのは、性格とかじゃなくて能力調査よ。それは私達も対象に含まれてる。」

 

あぁ、イヴか。

イヴは今の天皇の事溺愛してるからなぁ、お願いされたら多分、何でもするぞあの女神。

 

「あなた達の能力は誰が調査するのかしら?」

 

「この学校の先生よ、私たちのは学校の成績で判断するんですって。」

 

イヴめまた面倒な事に巻き込みやがって。

 

何でまた天皇に乗せられてるんだよ!

初音も呆れた表情になってるし。

 

「じゃあ、私達も学校の成績で判断すれば良いんじゃない?」

 

確かにそっちの方が面倒はないんだけど、あの天皇は遊ぶ時はそういう所も手を抜いて、面倒を楽しむタイプ何だよ。

 

「天皇様の考え何て知らないわよ、私は言われたことをしてるだけ。そうすれば、報酬で森に居る皆に楽させてあげられるから。」

 

あ、なるほど、報酬はそういうふうに使う予定なのね、納得。

自分以外に躊躇いもなく報酬を使えるなんて、優しいお姉さんだなぁ。

 

「そういう事だったんだな、じゃあ、銅次達をしつこく狙ってたのは?恋愛感情だけか?」

 

恋愛感情だけなら、鮎川を不意討ちなんて暗殺染みた真似しないだろ、問答無用とか、ちょっと怖いぞ。

ヤンデレだったら、嫌われたくないって理由で、銅次達にばれないようにするだろうしな。

 

銅次達が言ってる、自分たちを危険な目に遭わせたくないって理由なら、まず銅次達の説得から始めるべきなんだけど、多分その段階は超えてるんだろうな~。

 

「それもあるけど、銅次達を危険な目に遭わせたくない、それだけよ。銅次達は納得してないけどね。」

 

やっぱり、でも咲さんと鮎川がやり合ったら、周りの被害が凄いだろ。

ガルダの伝承は物理防御特化、鮎川のギフトとの相性は悪いはずだし。

 

やり合ったら最後、辺り一帯不毛地帯で立ち入るだけで呪われる土地になるぞ?

 

「私達の森は下級ばかりで中級魔獣でも珍しいレベルの、安全な森よ!魔獣とも、ある程度の交流は有るし、共存も出来てる。あの森は安全なの、なのにアイツが!」

 

何か、咲さんがヒートアップしてきた、落ち着て欲しいんだけど。

 

咲さんが暴走したら、穏便に止められる人は一条先生とイヴだけなんだから、頼むから落ち着いてくれ!!

 

「じゃあ貴女は知ってるの?む~ちゃん達が頑張ってた理由。」

 

ハハハ、初音さんは関係なく煽りますなぁ、ヤバイ、咲さんが魔力漏れし始めてる、暴走秒読みやん!?

 

何かもう、話が脇道逸れて、関係ない事で二人が盛り上がってるんだけど。

 

つまり、咲さん達を学校に送り出したのは天皇で、目的は俺達の能力調査と、ううむ……………………

 

「勿論よ、だから私は、私達は反対したのよ!銅次が危険な目に遭うのは許せない。例えそれが、周りからどんな目で見られても、止めるのが私達よ!!」

 

良く良く考えると可笑しいんだよ、天皇が俺達を警戒するとか、脅威にすらなれない奴らに、監視何て付けないだろ、普通。

 

調査をするなら藤原のやつらを使えば…あ、俺と初音が居るから無理か。

 

でも、咲さんが言うには、咲さん達にも調査の手が届いてるらしい。

 

ならこれは咲さん達に対する試練かね、俺達は当て馬だろう。

 

「それで恨まれても良いの?」

 

何かどんどん雲行が怪しくなってきてるんだけど、どういう事だ!?

 

「…………良いわよ、弟が間違ってたら、危ないことしてたら!…止めるのが、姉でしょ?」

 

二人とも、真剣なのは良いんだけど、頼むから、魔力漏れ何とかして下さい。

もう二人の周辺だけじゃなく、二人を中心に周りのテーブルも巻き込んでるんだよ!?

 

食堂の人も怒りたいけど、二人の魔力に当てられて近づけないし、ちょっとは自重して下さいよ!

 

シリアス過ぎて一触即発な空気に耐えられん、腹痛い。

 

そうやって俺が腹抱えてたら、急に咲さんが張った防音結界が解除された。

 

「お前ら、問題起こさないと生きていけないのか!?」

 

驚いて解除された方向に目を向けると、鬼の形相で怒鳴っているの一条先生の姿が見えた。

俺は過労で気を失った。




次回は十五日に投稿(したい)予定です。
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