夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~   作:リムル=嵐

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今月初めの投稿です。


十話 鮎川がヒロインし過ぎて、俺の心労がヤバイ

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン

 

月は六月の終わり、段々と熱気が出てきて、半袖で過ごす日が増える今日この頃、週一日の休みがあるこの学校で、俺たちは今日最後の授業を受けていた。

 

アレから、一条先生に思いっきり説教され、咲さんと初音がそれでも自重を学んでくれなかった事以外、何事もない平和な毎日を過ごした俺は、もう六歳で初音も四歳だ。

 

俺はこの平和な学校生活を楽しんでいた!!

 

「今日の授業はこれで終了だが、大事な連絡事項が一つ、七月から、もしかしたら長期休暇があるかもしれん。」

 

それに、咲さんが質問する。

 

「どういう事です?何か問題でも起こりました?」

 

「まぁ、それもあるな。ここの組の人間は全員、災害魔獣の恐ろしさは知っていると思う。」

 

な、何で今災害魔獣の話を、まさか?

 

「実は、災害魔獣の一体五神エアの治める国、霊鳥國オルニスが、少しキナ臭くてな。少ししたら全国に向けて、宮廷から緊急の通達があると思う。」

 

嘘だろ、五神って災害魔獣の中でも、特に力の強い五体の事だぞ!?

 

オルニスって言ったら、朝鮮半島辺りの国じゃないか!?

 

父さん達が居るモンゴル仏国より近いぞ!!

 

クソッ、父さん達は今何やってるんだ!!?

もうモンゴル仏国との人魔戦争についての会談は終わったはずだろ!!

 

そう言えば、先皇のおめでたでご祝儀に行ってましたね!!

天皇様も妹に会いに行くとか言ってたな!!

 

……………………この国、ホント何で成り立ってんだろ。

国のトップ三人がアレって、無駄に優秀で誰も文句言えないのが、また腹立たしい。

 

「その話し、嘘じゃないですよね?」

 

「俺が、こんな下らん嘘吐いてどうするんだ。事実だバカもん。」

 

だとしたら軍事力が世界最高峰のモンゴル仏国は全然平気でも、この国はヤバイだろ、国内の最大戦力が、二人とも居ないんだぞ!?

 

天皇は何でこんな采配をしたんだ!

 

「後、この学校には冷房設備が未だ完全に取り付けられて無くてな、特に寮や研究・実験室等は問題無いんだが、普通教室や体育館が酷くてな、改修工事があるのも理由だな。」

 

後から取って付けたように、そんな事言われても、頭に入らないわ。

 

思わず一条先生を凝視すると、一条先生は伝えることは伝えたと言わんばかりに、教室を出た。

 

あの教師、質問攻めが面倒臭くて逃げたな?

 

「初君、明後日の休日、空いてるかしら?」

 

俺が、そんな事考えて現実逃避していたら、咲さんがHR終わって直ぐに話しかけてきた。

 

あんな話があったのに、まるで普通通りで恐いな。

いや、天皇経由で話は聞いてたのか?

 

何だかニコニコしてて、裏がありそうで疑いたくなるけど、咲さんがこの学校に来た理由は分かってるし、心配する理由も無いからな。

 

ここは今後の親交のためにも、予定開けるべきかな?

 

カラカラ

 

「お兄ちゃん!一緒に帰ろ!」

 

猛突進して抱きついてきた天使に驚く。

 

週末は初音と鮎川の三人で、部屋に置く小物を探す予定何だけどなぁ、鮎川には後で謝るとして、初音は連れて来ても大丈夫かね?

 

「ぐわっぷ!?学校で抱きつくなって言ったろ!すみません咲さん。それで、何の用事で?」

 

そう言って抱き付いてる初音を引き剥がす。

何かブーブー言ってるけど、可愛いからむしろご褒美やな。

 

「夏に皆で毎年合宿するんだけど、合宿場所の安全確保しなくちゃいけなくてね、手伝ってくれるとありがたいのよ。勿論、お礼はするわよ?」

 

「咲さん、合宿って何処でするの?」

 

「私達が住んでる森『月の出森林』の近くの『出多摩樹海』の、浅い地域に、川が流れてるの。『荒魂川』に繋がってる川で、近くの山から流れてきたものなのよ。周辺に居る魔獣も、上級が殆んどでね。何時もは私と楓で手分けして、話の分かる魔獣にお願いしに行くんだけど……………………」

 

あ、やばい、段々と咲さんの笑顔が無表情に変わってく、いつの間にか教室に居るの俺達三人だけだし......これは、マズいのでは?

 

「今は楓が拓弥君にベタついてるし!妹達は話もせずに魔獣を殲滅するから!!周辺の地域一帯焼け野原になるのよ!?一人だと時間が掛かるしグスンッ……………だからぁ、魔獣との話が出来るぅ、初君に手伝ってもらえるとぉ、私ぃ!嬉しいなぁ!!」

 

あまりの迫力に、思わず仰け反る。

聞いた初音も地雷踏んだのが分かったのか、たじろいでいる。

 

何か咲さんも若干涙目だし、どうすりゃええの?

 

「あ、うん、そうなんだ。私はお兄ちゃんのお手伝いしても、良いの?」

 

あ、初音が折れた、前世では頑固な人間だったのに、今世では丸くなったなぁ。

 

「もちろん!初音ちゃんも!!大歓迎よ!!!」

 

そう言って咲さんが、初音を抱き締めてグルグル回り始めた。

 

はぁ、鮎川に何て言って断るかなぁ。

 

ううむ、絶対ごねるなぁ、直ぐに想像できた。

「私が咲のこと苦手だって分かってるのに、私より咲を優先するのか!?」って、掴みかかって来るのが目に浮かぶわ。

 

どうすっかなぁ、はぁ。

 

「ちょ!咲さん痛い!!」

 

「咲さん、初音が痛がってるよ。」

 

初音が痛がってるので、一回咲さんを止める。

 

「あ、初音ちゃんごめんなさい!怪我はない?。」

 

咲さんも我に帰って初音をおろす。

 

「だ、大丈夫です。それより、待ち合わせどこにします?」

 

初音が聞いたことに、少し考えるそぶりを見せて、咲さんは言った。

 

「そうね、なら朝九時に、特待生寮の前で待ち合わせしましょう。」

 

「お昼はどうします?」

 

あ、また考えてる。

この人、実は考えてるようで何も考えてない人じゃ?

 

「お昼はこっちで用意するわ。遅くなるだろうから、夕飯は三人で外食ね。」

 

「分かりました。」

 

ふむ、そうなると夕飯で鮎川を釣れないな。

板橋にお願いして鮎川の好物でも作ってもらうか?

 

そうなると板橋にも何かしなきゃならんな、却下。

 

はぁ、寮に帰ったら考えるか、板橋に相談しよ。

 

 

 

~部活~

 

 

 

「えと、私も詳しい事は分からないけど、この学校って、教師陣なの半分が軍属って事でね、私も偏りすぎだとは思うんどけど、非常事態となるとやっぱり、軍の活動しないと駄目みたいで、学校の仕事が出来なくなってね、そのせいで長期休暇って事みたい。」

 

今更ながら、本当に偏ってるよな、此処の教師陣。

いくら前世と違って、軍の仕事が多い影響で軍属が多いとはいえ、学校教師の半分が軍属とか、よく藤原辺りが学校創設に協力したもんだ。

 

あの宮廷人一族が協力しないと、国の機関を一つ増やす何て真似、出来ないのになぁ。

 

「先生、ここの補給線倒せないよ~!」

 

俺が先生と話してると、初音が頭を抱えた。

初音が地図の上にばら撒かれた小物を見ながら言う。

 

小物は軍隊を表していて、俺達兄妹は自分の操る軍を使って先生が出した問題を、積み将棋よろしく積ませるのが部活動だ。

 

今初音がやってるのは中級者位の問題、その上に上級最上級、特級災害と続いてくらしい。

大体最上級まで合格すれば、軍の作戦立案部の平兵士並らしい。

 

ここの部活は、他の部活と比べて人数が少なく、俺達兄妹と咲さんの三人だけ、運動系と魔術理論、医療の方に、この学校の生徒の大部分が流れたため、他の部活は人数が少ない、どこも十人居ない少数部活だ。

 

こんなんで部活になるのかと思ったけど、意外と面白いからやってみるもんだ。

前世と違って、娯楽も何もあったもんじゃない世界だから、こういう頭使う娯楽擬きは、結構ハマるものがある。

 

「ここはね、こうしてこうすると情報が得られるでしょ?だから、」

 

「えっと、ちょっと待って、書くから。」

 

まぁ、俺も初音も楽しくてやってるけど、軍師の才能はなさそうだな。

 

「ここの補給線貰ったぁ!!」

 

「ふふん、残念、伏兵だ。」

 

咲さんは簡単に合格もぎ取っていって、今では贋哉叔父さんとサシで勝負する位には強い。

 

「うぐぅ、また負けた、天草先生強すぎ。少しは手加減してくださいよ。」

 

まだ勝ち星は少ないみたいだけどね。

 

「手加減したら負けるから嫌だ。」

 

「けち!」

 

「るっさい、それより鐵、お前は毎回伏兵を警戒するのを忘れ過ぎだ。ちょっとは搦め手を学べ。」

 

「むぅ、はぁい分かりましたぁ。」

 

ハハハ、咲さんがむくれてら、珍しいな。

 

「やった、解けた!!」

 

「良かったじゃない、おめでとう初音ちゃん。」

 

お、初音が解けたみたいだな。

 

「先生、長期休暇って、どれくらいなんですかね?」

 

「分かんないけど、教室の空調設備が整うまでだから、二か月位かしら?空調設備も魔力を結構使うし、手入れが頻繁に入るから、私達教師がある程度そこらへん学ばないと駄目なのよねぇ、お掃除の仕方とか、大変なのよ。」

 

そう言って手に持ってる分厚い説明書を見せられる。

 

うわ、何これ、部品一つ一つの説明から、何処の場所で何の働きをしてるかとか、これ完全に修理屋の仕事の部分だろ、そんな所まで載ってるのかよ。

専門用語も多いし、これ二か月とか大変やな。

 

「ご愁傷さまです、先生。」

 

「お給金は良いんだけどねぇ、はぁ。」

 

そう言ってため息吐いた先生が、ひどく哀愁漂ってるように見えて、そっと目を逸らした。

 

そういえば、鮎川の説得どうするか、何も決めてないや。

 

 

 

~その日の夕方~

 

 

 

「と言う訳なんだよ、何か良い案ないかね、板橋ぃ。」

 

種を取ったスモモを、切り分けて鍋に入れながら言う。

 

「ううん、そうですね、未だ週末まで時間はありますし、歩さんも未だ子供ですし、物で釣るのもありかもしれませんね。」

 

そう言いながらスモモを切り分ける板橋に、初音が反論する。

 

「女の子を、物で釣るのはダメですぅ!誠心誠意謝って、来週末にまた約束すれば良いじゃない。ねぇ?」

 

そう言って初音は目の前の人物に言った。

 

目の前の女の子は、方をプルプル震わせて、遂に耐えきれなくなったのか叫んだ後、砂糖を鍋に入れた。

 

「……………………お前ら、そういう話は!!本人の居ない所でしろ!!!」

 

「もう、大声出しちゃだめだよ、む~ちゃん。」

 

「そうですよ、折角皆で話してるんですから、歩さんも何か意見言ってくださいよ。」

 

「何で私が考えなきゃダメなんだよ!!?」

 

あ、鮎川がいじけて俺の部屋に行った。

 

「ったく、二人ともよぉ、そんな事言ったから鮎川いじけたじゃん。」

 

「最初に話しふったのお兄ちゃんでしょ?」

 

「そうですよぉ、初さん、慰めてきてくださいよぉ。ボク達、夕飯の仕度もしてますから。」

 

こ、こいつら!?

何で面倒事俺に投げるし!

はぁ、ったく仕方ない、俺もふざけ過ぎたか。

 

頭掻きながら、俺の部屋に入る前にノックをする。

 

コンコンッ

 

「……………………何だよ。」

 

完全に不貞腐れてるなぁ、はぁ。

 

「入るぞ。」

 

カラカラカラカラッ、カラカラカラカラ。

 

真っ暗な部屋の隅に、体育座りしてる鮎川を見て、思わず溜め息が出た。

 

「はぁ、なぁ鮎川、そんなにいじけるなよ。」

 

「るっさい、そんなの私の勝ってだろ!」

 

あぁ、もう、そんないじけるなや、お前の方が年上だろ?

 

「あっちの二人も悪かったと思ってるし、俺も悪かった、ふざけ過ぎたよ。だから、機嫌直してくれよ。」

 

「そんなんで直るかよ、約束破ったクセに。」

 

うぐ、それもそうだけどよ。

あぁ、仕方ない!!

 

「それも、悪かった。この通りだ。」

 

そう言って、俺は土下座した。

 

「!?わ、分かったから、そんな事すんな!!」

 

ハッハッハ鮎川、土下座は腰の低い脅しだって知らないだろ?

 

土下座の体制のままで、鮎川にダメ押しする。

 

「じゃあ、許してくれるか?」

 

相手から言質取るまでが土下座です!

 

「許す、ゆるすから!!」

 

良し!

上手くいったぜ!!

 

「ありがとな、鮎川。ッ!?」

 

そう言って頭を上げたら、鮎川が思いのほか近くに居て驚く。

 

な、何で近寄ってきてんだよ!?

つか、その四つん這いの体勢やめろや!!

 

ふ、服が、むっ胸元、み、見えて!?

 

「.....なぁ、初。許すからさ、お願い一つ聞いてよ。」

 

お、お願い!?

 

唐突に言われて驚き、そっちに意識を移す。

胸元とか、見えないように鮎川の顔だけを見て……………ダメだわ、気恥ずかし過ぎる。

 

顔を鮎川から逸らしながら考える。

御願いね、無理難題吹っ掛けられたら無理だけど。

 

…ううむ、まぁ大丈夫だろ、うん。

 

「ん、無理難題じゃなければな、一つだぞ。」

 

「うん、分かってる。初、私の事、これからは名前で呼んで。」

 

う、下の名前呼びは、初音が過剰反応するんだけど、咲さんの時も、寮に帰った後、小言言われたし。

あんまり下の名前呼びはしたくないんだけどなぁ。

 

そんな俺の気持ちが顔に出てきたのが、不安そうな顔になった鮎川。

 

「なぁ、ダメ?」

 

あぁ、もう!

そんな悲しそうにするんじゃねぇ!!

 

分かった、分かったよ!!

呼べば良いんだろ!!?

 

「分かったよ歩、これで良いか?」

 

「うん!」

 

…………………何でこんな、可愛い表情出来るかなぁ、俺は初音一筋なんだけどなぁ。

 

そんな事考えてると、扉の向こうから声が聞こえてきた。

 

「お兄ちゃん、ジャム用の瓶の消毒手伝って~。む~ちゃんも、手伝ってくれないと明日の当番、む~ちゃんだからね!」

 

はぁ、あいつタイミング良過ぎんよ、後で何処から聞いてたのかお話やな。

 

そう思って鮎川の方を見ると、目が合って、おもわず二人して笑っちまった。

 

「ふふふっ」「あははっ」

 

「いこ、初。」

 

「おう。」

 

そう言って手を差し出す、目元がちょっと赤い鮎川に、心の中でもう一回謝って俺は、手を握りかえした。

 




自分で書いといてアレだけど、この国ホント良く滅んでないな。
何で滅んでないのか、コレガワカラナイ(殿下風)

次は月末の30日投稿です。

追記報告遅れすいません、実はリアルでの事情があり、活動報告に詳しい話を書いたので、できればそちらを確認していただければ、ありがたいです。
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