夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~ 作:リムル=嵐
ふう、喧嘩するなら、せめて相手の体捌きから、どれくらいの相手なのか、見極められるようになってから、だな。
じゃないとこうなるんだ、下手すれば死ぬぞ?
「朱司!?」
あ、ご家族の方ですか?
それにしても、どうも見たことある人だな、魔力量はこのクソガキと同じ位かな?
親にしては少ないな。
まぁ、子供の方が魔力量多い事は、よくある事だけど。
「大丈夫、朱司!朱司!!」
何か既視感を覚える女性が、凄い慌てようでクソガキに駆け寄って、身体を揺する。
な、何か俺が悪役みたいな感じだな、居心地がすこぶる悪い。
「えっと、気絶してるだけです。暫くすれば起きますよ。」
一応、気絶させた側としては、何か後味悪いから、クソガキが気絶してて他は問題ない事を言う。
「子供に何が分かるのよ!直ぐにお医者さんに見せなきゃ、朱司ぃ。」
あ、うん。
普通はそうなるよね。
分かってたよ、うん。
そんな感じに納得して、黙って少しずつ距離をとってると、周りの人の目線が段々と怪しくなってきた。
あ、何か女性が泣き出しそうになってるんだけど、周りも心なしか、目線で俺の事を責めてきてる気が。
え?
マジで?
俺正当防衛やん、外傷ゼロだよ?
怪我させずに無力化したんだよ?
何で責められるん!?
こんなん、泣きたくなってくるのは、こっちだチクショウ!!
はぁ、今日は厄日だ、速く団子買ってきて、初音に甘えよう、そうしよう。
取り合えず、団子屋に移動す「待ちなさい、貴方も来てもらいます。」
団子屋に移動しようと歩きだしたら、女性に引き留められた。
えぇ、何でそんなこと、喧嘩吹っ掛けてきたのはそこでのびてるクソガキだぞ?
「俺はお使いの途中何で、急がないといけないので無「良いから、来なさい!」!?」
な!?
この人躊躇無く魔術使って来やがった、頭おかしいんじゃねぇの!!?
「くそっ、やだよ、そいつは気絶してるだけだ!俺は襲われた側だぞ!!」
ええい、さっきから魔術をバンバン何の躊躇いも無く使いやがって、しかも殆ど、失神か捕縛の魔術じゃねぇか!?
これがホントに大人のやることかよ!
周りも飛び火が嫌で、逃げ出してるぞ!!
「過剰防衛よ!!気絶なんて子供の喧嘩で有り得ないわよ!!」
確かにそうだけどよ!?
怪我するよりは何倍もいいだろ!
そこのガキは殺気まで出してたんだぞ、俺は悪くねぇ!!
「こっちにだって事情があるんだよ!そいつは殺気まで出してたんだぞ!!気絶だけで外傷無し何だから、俺は悪くねぇだろ!!?」
「なら、尚更来なさい。この子は里の子供の中でも、強い方なのよ。手加減してお互い無傷で倒せるなんて、貴方の素性が分からないもの。」
くそっ、墓穴掘ったか。
何でこう、やることなすこと、裏目に出ていくかなぁ。
「俺の素性なら里長が知ってる!前今 初って言えば分かる筈だ!!」
「魅華月に簡単に会える訳無いでしょ、嘘を吐くにしてももっとマシな嘘を吐きなさい。」
ええい、取り付く島も無いか。
.....ん?
ちょっと待て、今この人里長の事を呼び捨てで言ったよな、後クソガキがそれなりに戦える奴だとも。
この人達もしかして、魅華月さんの姉と甥なのでは?
となると俺、武道会に出る前に、問題児を倒した事になるのでは?
え?
何この盛大に、何も始まらないみたいなオチ。
まさかの、あれだけ厄介事に巻き込まれそうな雰囲気で、実は武道会始まる前に全部終わったぜ、とかふざけんなよ!?
え?
嘘でしょ?
俺武道会に出る意味無いの?
こんなのが原因で初音と言い合いしたの?
..........納得いかねぇ!!
こんだけ散々振り回しておいて、こんな程度が元凶とか、納得いかねぇ!!
「分かりました、付いていきます。だから魔術は止めて下さい。」
「そう、始めからそう言いなさいよ。付いてきて、飛ばすわよ。」
そう言ってクソガキを背負って、女性が結構な速度で走り出す。
後を追うために、力の出力を全開にして走る。
納得いかねぇ!!
ちょっと頭にきた、この程度のクソガキが問題起こして周り巻き込むとか、腹立つぅ。
せめてもう少し実力付けろや!
決めたぞ、今度の合宿、クソガキと五馬鹿を特級魔獣と互角まで鍛えてやる。
クソガキはついでに人格矯正だ、人助け大好きな好少年に矯正だ。
二度と年下に暴力を振るえない身体にしてやるからなぁ!!
俺が怒りに任せて、クソガキと五馬鹿に地獄も生温い、トラウマ必至の特訓を考えていると、女性が足を止めた。
「ここの二階よ、貴方は一階の受付で待ってなさい。」
建物は木造の二階建てで、普通の民家に見えるが、入り口横に看板で『
何とも古めかしくて、暫く走っていた為か、里外れの位置にあるらしく、診療所の周りは空き地で、雑草が生い茂っていて、何とも言えない胡散臭げな気配が漂っている。
心なしか、昼間なのに周りの景色が薄暗く見える。
こんなって言うのは失礼だけど、ちょっと怪しくないかね、この診療所。
女性は俺の返事を待たずに、建物の中に入っていたらしい。
慌てて中に入ると、女性は馴れた手つきで受付に話を通して、二階に上がっていった。
「待ってろって、逃げるって心配はしないのか?」
さっきの魔術を躊躇わずに使っていた時と、随分俺の扱いが違うな、何かあるのか?
「貴方が里長の甥っ子
ん?
「貴女は?」
急に声を掛けられて、ちょっと驚きつつ返答する。
声を掛けてきたのは、受付に座って居る女性みたいだ。
「質問を質問で返しちゃダメでしょう?貴方が朱司を倒したの?」
丸眼鏡に白衣って、胡散臭過ぎるなこの人、髪の毛ボサボサだし、ここって本当に診療所?
「ねぇ、どうなの?」
胡散臭い女性が若干気怠げに聞いてくる。
そんなに気になんの?
あのクソガキって、そこまで強くはないと思うんだけどなぁ。
「そうですけど、貴女は?」
「そうなんだ、貴方が朱司を倒した男の子なんだぁ。うんうん、
何この人怖い。
後、あの推定クソガキこと朱司の母親の名前が、晦日って言うのが判明した。
ってか、この人本当に怖いわぁ、受付の席からこっちの患者の待ち合いまで来るし、白衣のあちこちに、何で付いたか分からない、複数の色で出来てる謎の染みがあったりするし..........ここ本当に診療所だよな?
怪しい研究員の実験施設とかじゃないよな?
「あの貴女の名前は何て「貴方の事もっと知りたいんだけど、ちょっとだけ実験に付き合ってくれる?」嫌です!!」
思わず全力で距離をとって、出口を背にして叫んだ。
仕方無いだろ、何か命の危険を感じたんだから。
つか本当に何なんだこの人!?
普通初対面のやつ相手にして、実験台になれとか言わねぇぞ!!?
「実験手伝ってくれたら、お礼、するよ?」
そう言って、着ているダボダボのシャツの胸元をはだける、名前も分からない女性。
まだそっち方面の誘惑は、身体の都合上効かないんだけど、あれだよね、こういう手口で実験台にした後、罠に嵌まった人、生きて無いよね、絶対。
つか、そういうこと初対面相手にやる人に、ろくな奴居ないから!!
「絶対嫌です!お断りします!!」
「むう、釣れない事言うねぇ。その歳だと未だ未だお母さんに甘えたい盛りでしょ?お姉さんが甘やかしてあげるよ?」
甘ったるい声で、はだけた胸元を強調しながら言うな!
そういうのはお断りなの!!
もしそんなのしたって初音にバレたら、診療所もろとも一瞬で消されるわ!!!
その後、ちゃっかり俺の魂をギフトで回収して、人形か何かに封じ込めて、一生手離さない初音が目に浮かぶ『うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、お兄ちゃん、ずっと一緒だからね♪』ヤバい鳥肌立ってきた。
目の明かりが消えてる初音とか、ガチもんのホラーだからな!?
「流石に坊やには、まだ早かったかぁ。じゃあ、好きなもの買ってあげるよ、お菓子が良い?それとも玩具?」
「平気ですから!!」
ええい、さっさと諦めてくれよ!
晦日さんは未だか!!?
「なにガキ誘惑してんのよ淫乱ウサギ!」
あ、白衣の女性が吹っ飛んだ。
入り口突き破って、外まで行っちゃったよ、大丈夫か?
「あなた、本当に気絶だけで、朱司を倒したのね、信じられないわ。」
あ、晦日さんが吹き飛ばしたのか、外から怒鳴り声聞こえるし、あの女の人は無事そうだな。
つか今飛ばされた女の人、ウサギって呼ばれてた?
「えっと、俺は何で呼ばれたんです?」
そこなんだよな、この人の狙いが分からないのは。
推定息子を倒した犯人を、何で連れ回してるのか、本当に分からない。
メリットとデメリットが釣り合って無いんだよな、俺を連れ回してる理由が、思い浮かばない。
「あなたを逃がさないためよ、名前と住んでいる場所。信用できる保護者の名前を言いなさい。嘘言っても無駄だから、正直に言いなさい。」
晦日さん、俺を逃がさないって、ここで黙るのも手の一つだけど、時間が掛かると初音が待ってるし、話しとくか。
もう結構時間が経ってるし、速くしないとおやつの時間に間に合わないしな。
「はぁ、分かりました。名前は
この名前の両親は居ないからな、偽名だし……本当の両親の名前出しても、信じられないだろうし。
「……そう、あなた日ノ本の人間だったのね。強いのも納得だわ。あそこは強さの上下があり得ない位、開いてるし。」
あ、納得してくれたみたいだな。
「えっと、俺もう行っても良いですか?妹待たせてるんですよ。」
「ええ~、私はもっとぉ、聞きたい事ぉ、一杯あるんだけどなぁ。」
言うと同時に、後ろから抱き締められて驚く。
!?
いつの間に!!?
気配全然感じなかったぞ!?
こ、このウサギって人、俺の気配察知すり抜けるとか、………怖すぎる……………少なくとも同格か格上、油断してると直ぐに殺されるぞ、恐ろしい。
「あら?怖がらなくて良いのよ?あなた位の人は一杯居るんだし。これも経験なの。あなたが良いなら、もっと良いこと経験させてあ「ふんっ」ぶべらっっっ!?」
俺を誘惑してきたウサギって人を、また晦日さんが蹴り飛ばした。
つか、ロングでもスカート何だから、そんな蹴りかたすると見えるんだけど……いや、何かもう疲れてるから、一々反応しないけどさ。
「女性はじろじろ見ないの、礼儀よ礼儀。あなたに聞きたい事は終わったから、もう良いとは思うけど………上でお医者さんが待ってるわ、行きなさい。」
は?
「何不思議そうな顔してるの?かすり傷でもついてたりしたら、ウチの子のせいになるんだから、私が責任持つのは当然でしょ、まだあの子十歳よ?」
いや、そうじゃなくて、俺は無傷であいつをのしたんだけど?
「俺は大丈夫ですよ、一発もカスって無いですから。」
あ、地雷踏んだ、何か不機嫌になってる!?
くそ、本当に訳分かんねぇ。
朱司ってやつ、本当にろくな縁持ってきて無いな、疫病神過ぎるだろ!!
「念のためなの、私も本当はしたくないけど。こっちが仕掛けた側みたいだし、それぐらいはするわ。ほら、速くしなさい!」
ぬお!?
晦日さんが怖くなってきたから、急いで二階に上がる。
「分かりましたぁ!」
急いで二階に上がると、二階は全面木造で、廊下には簡易的な長椅子が並んで二つ、壁沿いに設置してあって、そこにあのクソガキこと、疫病神の朱司が座ってた。
もう気絶から目を醒ましてたのかよ、将来有望か?
コワイコワイ、鍛えると直ぐに追い付かれそうだ。
「…………何だよ。」
こっち見て気不味そうに、少し睨んだ後、視線を外す疫病神。
やっぱり性格は矯正しないとダメやな、ちょっとばかし仕置きしないとな。
「年下に負けて悔しいのか?」
煽って、口でも負かして、その後意固地になったこいつをどうするかだな。
無駄に自分に自信持ってて、やんちゃな性格が、止める人が居ないから暴走してるって感じだろ。
魅華月さんや、疫病神に晦日さん……後ウサギって人が言ってた、こいつの事を考えると、そう思えるんだけど…………うーん、これは典型的な男ツンデレだな、しかも主人公の
「な!?テメェ!!」
うむ、面白い位釣れるな、これなら、簡単かもしれん。
「否定しないんだな、どうした?
「っっっっっ!!!?殺す、テメェは絶対殺してやる!!」
そう叫んで、こっちを殺気全開で睨んでくる疫病神………魔力が最初程出てないな、才能溢れてて凄いわこいつ、五馬鹿より才能あるな。
「年下に負ける位弱いくせに、あんな意気がってたんだろ?」
「……………クソが!!ギリッ」
ハハハハハ、威勢良くても飛び掛かって来ないか、策無しじゃあ勝てないことが分かってるな?
良いぞ良いぞ、丁度良い強さの、丁度良い才能の、良い感じに俺を敵視してる奴。
…………………うむ、ゼウス役にピッタリだな。
いや、俺負けるつもりも殺されるつもりも無いんだけどね?
「お前より強いやつは沢山いる、お前より若くてお前より強いのも、沢山いる。お前は天才でも、最強でも無い。お前は平凡だ、没個性で平均的だ。主人公でも、勇者でも魔王でもない、ただの脇役その一だ。弱いんだよ、お前h「うるせぇ!!!!」…………………ふん。」
うおっ、やれば出来るじゃねぇか、良い殺気出すなぁ、これは不機嫌な時に怒らせた歩並みの殺気だぞ?
仙人級の殺気…………ククク、ヤバイ、武者震いしてきた!
「認めたくないなら、それで良い。もしお前が本気で俺を殺したいなら、ここに書いてある事に従ってみろ。」
「誰がテメェの言うこと聞くかよ!!ぶっ殺すぞ!!!」
啖呵切って殺気全開で睨む朱司、それでも魔力は未だ目で見えない位か、下に気付かれたくないんだな?
うんうん、良いよ良いよ、その調子だ。
ブチ切れて頭真っ白になっても、どこかで冷静さがある喧嘩馴れしてる感じ、こりゃ化けるぞぉ!!
「……………………」
取り合えずここは意味深な沈黙して、値踏みするような目で朱司を軽く見た後、診察室に入る。
「……………………………チッ!!」
背後で何か聞こえたけど、実害無しだろうしオケオケ。
どうせ全力でも音速超過、亜光速位速度ないと、俺は不意討ち出来ないぞ?
…………まぁ、ウサギって人みたいに、俺が認識出来ない位の気配遮断出来れば、話しは別だけども。
「随分好戦的な人間だね、君は。」
中に居る人に話し掛けられた。
「普段は違います。あの疫病神……朱司ってやつだけです。」
そう言葉を返す俺を、興味深そうにこっちを観察してくる、無精髭生やした白衣の男に、俺は疲れた顔で溜め息を吐く。
………ハハハハハ、また濃いのが出た。
誤字報告をいつもしてくれている方、本当にありがとうございます!!
モチベに直につながるので、報告をもらえるだけでうれしいのなんのって………………………………………誤字は、減らせるように頑張ります、ハイ。迷惑かけてすいません・゜・(つД`)・゜・