夫婦転生 二度目の人生を彼女と ~異世界にヲタク夫婦が兄妹で転生するらしいです~   作:リムル=嵐

31 / 37
お久しぶりです、作者です。
毎度お馴染み説明会です、この小説の八割位、説明な気がする( ̄▽ ̄;)
まぁ、説明会苦手な人は多分ここまで見てないでしょうし、では本編どうぞ( ゚∀゚)つ


十六話 お泊まり会、しょだいてんのうさま

「神武天皇って、()()()()様じゃないか!!」

 

歴史の授業でも中々習わない位昔の人だぞ!?

 

「えっと、人型の異形になり、以後祀られ続けてるって、話だっけ?確か、男性って聞いたよ。」

 

初音が思い出すように、うんうん唸りながら言う。

 

「前身である弥魔大国(やまたいこく)、建国したのは女性だけど、この国を建国したのは男性よ。前身と言っても、弥魔大国は二十年しかもたなかった国だから、法制度も引き継ぎが多かったし、実質変わって無いのと同じ状態だったのよね、当時は。」

 

二十年?

それは初耳だな、詳しい話は聞いてないんだよな。

 

当時の話で知ってるのは、初代天皇が男って事と、確か武術に優れてたって話だ。

 

「神武天皇が災害級になったのは建国前、封印されたのは子供が三十路の時だから、更に二十年後の話ね。私は当時、神住世界(ゴッド・ライブ)に住み始めたばかりで、こっちの事を気に掛けてる余裕無かったの。神武天皇が封印される半年前に、ちょっと話しただけだから、詳しくは分からないのよ?」

 

麦茶を飲みながら言うイヴに、初音が急かすように言う。

 

「前置きは良いから、早く教えてよ!天皇様はどんな人だったの?今でも語られる武の存在だったって本当!?」

 

本当に突っ走る性格だ、自重をどこかに置き忘れたような所がある。

 

前世でも苦労したもんだよ。

最初は友達との話題作りの為のゲームが、いつの間にか熱中して、病院に搬送されるまでになったんだから。

 

「一言で言うなら陰険ね、超が付く陰険よ。そのせいで、当時からギナーク………仲間の一人とは、よく衝突してたわ。ギナークは脳筋だったから。神武天皇、秋道とは馬が合わなかったのよ。最後まで喧嘩してたわ」

 

そこまで言って麦茶を飲んで、懐かしそうにしてるイヴ。

 

ほへぇ、陰険ねぇ、頭脳派っていうか、頭脳労働担当だったのかね?

 

その割りに、後世では神武何て呼ばれてるけど、どっちかと言うと天賦じゃないのか?

 

「それで、ギフトはどんなのだったの!?名前は?能力は!?」

 

「特別な能力じゃなくて、純粋な能力強化だったわ。肉体強化、特に思考速度を強化するギフトと、細胞分裂とか、体内麻薬とか、回復力を強化するギフトだったわね」

 

単純ゆえに強い効果ってことか、母さんのギフトもそうだし、効果範囲が限られるから、その分複雑な効果より出力を上げられるのかね、そう単純なモノなのか分からないけど。

 

「それで、どうやって災害級魔獣になったの?」

 

「えっと、あくまでマリア………もう一人の仲間から聞いたことなんだけど。元々回復力を上げる方のギフトで、亜神になってたのを、思考速度を強化するギフトの進化で、更に強化されて、根本的な所……魂の機能は人間だけど、他は災害魔獣と変わらない性能になったのよ」

 

つまり、本質的には人と変わらない?

同時進化じゃないから、初音の場合とは違うと思うが、それでも魂の機能は人と変わらないのか………よし、光明が見えてきた気がするぞ。

 

「それで、魂以外の部分は?完全に人を止めちゃったの?それとも人の部分は残ってた?どれくらい!後精神にどのくらムグッッッ!?」

 

興奮してる初音を、口にきゅうり突っ込んで黙らせる。興奮し過ぎると、身体に悪いんだから、一回落ち着け、そう思うって初音を見ると、渋々口に突っ込まれたきゅうりを食べ始めた。

落ち着いた様で何より、話しはイヴから未だ聞くけど、頭に血が昇ってたら、初音の頭の良さが意味なくなるからな。

 

「落ち着いたみたいね、続き話すわよ?」

 

麦茶を飲んで続きを促す。

 

「性格や精神、内面の部分は殆んど変わらないわ。魂の機能は変わらないから、そこは問題なかったのよ。問題なのは出力。」

 

そこで区切って、麦茶を飲むイヴ。

初音がうずうずしてきてるから、さっさと話して欲しい、俺も続きが気になるし。

 

「うぅん、そうねぇ、良い例えが思い付かないわ…………薬缶(やかん)あるわよね?」

 

「薬缶がなんだ?」

 

「水入れてお湯を沸かす道具なんだけど。薬缶をギフト、中身が人間、お湯を沸かす為の熱をギフトの出力と考えて」

 

薬缶でたとえるのか?

薬缶がギフト、中身が人間、沸かす為の熱はギフトの出力ねぇ。

 

「薬缶っていうギフトで、中身の人間()進化(沸騰)させる。これが進化の構造なのよ、進化すれば薬缶や熱が…………例えば熱がマッチからコンロに変わったりして、効率や出力が上がるの。中身の水はそのままでね。」

 

……………それ、とんでもなく危険じゃないか、水ってことは、()()するんじゃ?

 

いや、例えだから違うかもしれないし、()()()()って事も、出来るかも知れない。

考えても仕方無い、今はイヴの話だ。

 

「それが、神武天皇の進化になんの関係がある?」

 

話したそうな顔してる初音を、初音の皿にかき揚げを置いて牽制しておく。

 

「鈍いわね、薬缶と熱が、とんでもなく効率性の高い物に変わって、過剰って言える位規模が上がったのよ。一リットルの水を沸かすのに、火力発電所のエネルギーと寸胴鍋何て、過剰も良いところでしょ?下手しなくても、ギフトも人間も耐えられないわよ」

 

え?

いや、でも最初の説明だと、その天皇今封印されてるんだろ?

性能が災害魔獣と変わらない奴がそんな事になるとか、暴走でもしたら下手しなくても大事件だよな、歴史の教科書に載る出来事だろ、何で学校で習わなかった?

ギフト制御の座学で、習いそうだが………未だ範囲外なのか?

 

「ねね、イヴ!?」

 

俺が考えてると、しびれを切らした初音が、イヴと話し出した。

 

「何かしら?」

 

「エネルギー過剰って事は、身体が耐えられないって事でしょ?」

 

「ま、そうねぇ。」

 

イヴが曖昧に答えると、初音が俺の方を見て嬉しそうに笑った。

 

「やったよお兄ちゃん!!神武天皇は、私とおんなじ症状の人なんだよ!!」

 

は?

 

「いや、でも同時に進化してないんだろ?なら別に同じって訳じゃ「進化した後が大事なの!!!!」」

 

進化した後?

 

「ギフトの出力に耐え切れないって、()()()()()()()()()()()()!!」

 

!?!!?!!!!

 

………そうか、ギフトの過剰な出力や効率を、何とかする方法があるのか!!!!

 

 

「あまりあてにしちゃダメよ?秋道は種族進化した存在だし、元々の身体能力が違うわ。初音ちゃんの場合、耐えられるかじゃなくて、正常な進化が出来るかの問題なの」

 

イヴにそう言われて、今世の師匠兼姉代わりだった、裏松雪奈(ドール)の事を思い出した。

 

「どうしたのお兄ちゃん?」

 

俺が考え込んでいると、初音が不思議そうにこっちを見てきた。

 

「ん、ちょっとな。どっちにしろ神武天皇と会うためには、封印を解く必要がありそうだ。」

 

残ってた素麺を、全部めんつゆに突っ込んで掻き込む。

 

「あぁ!?未だ食べてたのに!!」

 

「かき揚げ一人で殆んど食ってたんだ、良いだろ。」

 

口の中がめんつゆで塩辛いことになってるから、麦茶飲みつつ初音の文句を聞き流す。

 

イヴが苦笑いして、自分の分を初音に渡す。

 

「ぶぅ~。」

 

「ほら、そんな膨れないの、私のあげるから。」

 

「やったー!ありがとイヴ!!」

 

調子良いなぁ、もう。

こっちに来てから、何か天然だよなぁ、初音。

前世()はクールな感じだったのに、まぁ根は一緒だから可愛いし、どんな初音でも愛してるんだけどネ?

 

「成長期何だし、沢山食べなさい、おかわりは未だあるから。すぐに作れるから遠慮なんていいのよ?」

 

そう言って台所に行くイヴ。

あぁ、イヴが母性に溢れてる、本当に面倒見がいい神様だ。

 

日本神話の神々に、爪の垢を煎じて飲ませたい位だよ本当に。

 

「それにしても、封印されてる神武天皇と同じ症状ねぇ、封印って解いたら不味いよなぁ、絶対。」

 

「どうかしらねぇ、そこは天皇に聞けば分かるかもしれないわ。秋道の性格なら。遺言の一つや二つ、遺してるでしょうし。」

 

遺言ねぇ、封印は解くなとか、国の一大事になったら起こせとか、そういう類いのかね?

 

個人的には後者の方が、手っとり早くていいんだけど、今は国全体が開戦の雰囲気だ、相手は災害級、封印を解くには都合が良いんだよなぁ。

 

「夏休みの間に、何とか方法を見付けられればいいんだがなぁ。…………………あ」

 

もしかして、天皇の考えって

 

「どうかしたのお兄ちゃん?」

 

「天皇様が戦争に強気な理由って、もしかして………。」

 

神武天皇をエアにぶつけることで、向こうの切り札をこっちの切り札で潰せる事か?

 

「いや、流石にそれは…………え、でも、……なら……………そっか、なら可能性は高いかもね、災害級には災害級ぶつけるのが、一番だし。」

 

俺の言葉に、初音が唸ってる、一人言が出てる辺りアザゼルとも話してるのか、自分の中にもう一人人格が居るって、どういう感覚なんだろうか。

 

「エアはそんな簡単に倒せる存在じゃないわよ、今この惑星でもっとも神に近い個体の一柱よ?秋道でも無理よ、魂の規模が違うわ」

 

イヴが難しそうな顔で唸るように言う。

 

「五神はそこまで、他の災害級と離れてるのか?」

 

「そうじゃなかったら五神何て呼ばれてないわ。五神は単純な能力なら、他と変わらないかもしれないのも居る、でもそれを技能と経験で上回って、圧倒的なまでの質量で捩じ伏せるのが、五神なのよ。」

 

圧倒的な質量ねぇ、身体がでかいのか?

ただでかいだけじゃなくて、とんでもなく速いとか、嫌だなぁおい、移動するだけで地形が消し飛ぶとか、災害級なら普通なのがまたなぁ。

 

「質量って、そんなにおっきいの?」

 

「魂の質量よ、この世界は基本魂の純度と質量で、強さが決まるの、あなた達は未だ未だ中の下。上には沢山イカれた先輩がいるわよ。」

 

ギフトの性能とかじゃないのか?

何とも、新しい発見が多い世界だ、こりゃそのうち物理法則とかイカれるのも、時間の問だ………もうイカれてたな、そういえば。

 

光速で動いてあの被害しか出してないんだから、この世界はおかしいわ。

 

重力が螺曲(ねじま)がってるとか言われても納得するな。

 

「イヴ、なら魂を鍛える方法が有るんだろう?」

 

「人間の基本は、やっぱりギフトを鍛えることね。ギフトは魂の力を、使いやすく()()する役目だから。そういう意味だと、霊力を使った術式とは、根本的にはあんまり変わらないのよね。」

 

はぁ、つまりは、ヤカンと熱を使って、中の水を熱湯に変える役割と。

 

霊力術式は、それを自力でする技能と。

車のマニュアルとオートマチックかね?

 

なら魔術は何になるんだ?

 

「なら、魔術はどういう扱いになるの?」

 

「便利技能よ、過程すっ飛ばして結果だけ導くの。」

 

こんな風にね、って言って、食器を魔術を使って台所まで運ぶイヴ。

 

あれは何の力で運んでるんだ?

重力、風?

ガラス製の物を運ぶとか、ちょっと落ちた時考えると怖いんだけど、良くできるな。

 

「じゃあ、過程が複雑になるほど、難易度が上がるのか?」

 

「基本はそうだけど、やっぱり規模も関わってくるわね、一概に過程だけで難易度が変わるって、言えないわ」

 

「ふーん…………ふぁぁ。」

 

さっきまでバクバク食べて、お腹一杯になったのか、初音があくびをして目を擦ってる。

今日も沢山動いたし、初音は興奮しやすいから、すぐにバテるんだよな。

未だ四歳ってのが一番なんだろうけどさ。

 

「そろそろ寝ましょっか、二人の分の布団出すから、歯磨きしてきなさい。使ってないのが洗面台の棚に入ってるから。」

 

歯磨きはいたずら者(プレインク)が作った物の一つだっけ?

服とか料理とか、生活に関係するものは、特に多いんだよな。

お陰で電化製品以外は、粗方揃ってるし、電化製品も魔術で再現出来るから、本当に便利な生活させてもらってるよな、先輩のいたずら者達に感謝だ。

 

「うぅ、いつやってもなれない、口の中しょっぱいよ。」

 

流石に、歯みがき粉の再現は出来なかったみたいだ、お陰で塩を使って磨くんだけど、これがまたしょっぱいのなんのって、終わった後二人して口の中の塩をとるために、ずっとうがいする。

 

流石に歯みがき粉の成分何て覚えてないから、誰かが作ってくれるまでは、このしょっぱい歯磨きになる。

本当に、誰か作ってくれねぇかなぁ、塩分過多で病気になりそうだ。

 

「なれるまでが辛いけど、それまでは頑張って習慣付けなさい。種族進化すれと、虫歯にならないからってしない奴も出てくるけど、臭いと見た目で最悪になるから、進化しても続けるのよ?」

 

イヴがまたお節介で、俺らの口の中確認して、ちゃんと磨けたか見てくる。

 

本当に母親みたいな事をするなぁ、子煩悩なのか?

最初の印象女子高生なのに、ここまで面倒見が良くて、家事も出来るとか、月詠(つくよみ)には勿体無い位じゃないか、もう別の人探せよ、一条先生とかさ?

 

「イヴがおかんしてる」

 

「イヴって、独り身なのにお母さんみたい」

 

「独り身は余計よ!」

 

その後、独り身の言葉に反応したイヴから、長々と布団に入っても、月詠に対する愚痴と惚気を聞かされて藪蛇だと気付くも、時既に遅し。

イヴのよく通る声で、惚気話を延々と聞かされ、眠気で意識が飛ぶまで、ずっとイヴは話続けていた。

 

イヴに独り身は禁句、俺覚えた。

 




もうそろそろ大会が近くなってきました、後二、三話書いたら、大会ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。